専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

事故米(つづき)

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次から次へと、転売された事故米を使った食品が出てきちゃって、何とも大変な騒ぎになっていますね。実際に幼稚園の給食で園児が食っちまったっていうんだから、人体に影響云々以前の話です。工業用を食用に転売するなんていう事自体が信じられないような所業ですが、これは氷山の一角だったなんていう恐ろしい顛末にならないように望みたいですね。

何やら、流通ルートもどえらく複雑で、農水省の方々もトレースし切れないみたいですね。そのお米を何がしかの形に製造する現場に至るまでに、あんなにいくつもの中間業者のような会社が介在して、皆さんいくらかでも利益が取れているんだとすると、出発となる元値がいかに安かったかを証明しているような図式ですねぇ。

それとも、わざとそのお米の持つ後ろめたさを、ロンダリングするような仕掛けなんでしょうか。だとすると、根は深そうじゃないですか。現段階では、今現在市場に存在しているものだけが調査の対象ですけど、過去もずーっとそんなことしてたんじゃないかって思うと、お酒にも、焼酎にも、せんべいにも手が出なくなっちゃいそうです(涙)。

お米は私たちの主食であり、稲作農耕文化っていうのが我々の生活の基盤になっているんだと思います。やはり、基盤が揺らぐようなことがあってはいけません。生活のあらゆる部分に飛び火する可能性がありますからね。もしかしたら、実際には大騒ぎするほどの毒の量ではないのかもしれませんが、だから許されるっていう問題ではないはずです。

中国製の毒入り餃子として脚光を浴びたメタミドホスが、米にも付着しているかもしれないなんてショックじゃないですか。カビ毒(アフラトキシン)っていうのは、自然界に存在する最強の毒(発がん性物質)だとも言われているようです。200℃じゃ分解されないってことですから、おせんべいにして焼けば分解されますが、ご飯にして炊いただけじゃぁ残っちゃうんじゃないですか。

そういうものが、私たちの生活基盤のそこここに顔を出しているなんて、考えたかぁないですよね。安い米だと認識して買ったのならば、まだそこに買い手の思慮不足を問うことが出来るでしょう。しかし、我々の考えている以上にあまりに事が大きいと、全くの善意の人たちまでもが巻き込まれていくっていう事態すら危惧しちゃいますねぇ。

スイマセン・・・本当は、私たち酒造メーカーがどうやって原料米を調達しているかっていうような話を書こうと思ったんですが、書き始めたら文章の舵取りが出来なくなっちまいました(汗)。写真は、刈り取りを目前に控えた飯島町Hさんの美山錦の田んぼです。16日が刈り取り予定だそうです。私は出張で立ち会えないんですけどね(涙)。

どういうわけか、この数日にいろんな仕事が集中しちゃって、珍しくテンパッているんです。こんな夜中まで会社で仕事するなんて、まるで冬のようですよ(涙)。仲良しブロガーのブログも読めずに応援クリックだけみたいな・・・(汗)。この記事も朦朧として書いているような状態なので、読み流してくださいね(笑)。明日から、今年最後の東京営業に行ってきます。


□□□ 実は、まだ仕事終わってない・・・ □□□
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事故米

ついに出ちゃったみたいですね、日本酒業界からも、例の事故米・汚染米を使っていた蔵が・・・。そんな普通じゃないお米は、日本酒には使われてはいないだろうって高をくくってました。なぜかと言えば、そんなお米を転売した会社の人たちも、焼酎は蒸留しちゃうからそれほど影響が無いだろうと考えてあんなことしたと思ったからです。

日本酒の場合、お米の成分や、もしかしたらそのお米に付着してしまっている薬品等も、発酵という過程は経るものの、ある意味でダイレクトに出来上がったお酒の中に入り込む可能性は大きいわけですよね。いくら儲けのためとはいえ、常識的に考えてそこまで危ない事はしないだろうっていう思い込みもあったかもしれません。

更に言えば、この数年見事なまでに売上を伸ばしてきた焼酎業界のことだから、原料不足からそういう流れが出来ちゃったのかもしれないなとも・・・。ここで、日本酒業界にもそんなお米が流れ込んでいたとすれば、逆にあまりの業績の悪さに粗悪品質であっても、安ければ売れるというような弱みに付け込まれたなんて言われるかもねぇ・・・(汗)。

しかし、本当のところは分かりませんから、ひとりの悪者をつるし上げるような事はここでは書けないし、もっと奥の深い構造的な食や農に関する問題もあるのかもしれません。そもそも、『事故米』だの『汚染米』だのなんていうものの存在自体、ほとんどの人は知らなかったんじゃないんですかね。米にこれだけかかわりのある職業をしている私だって、初めて聴いた言葉ですよ。

水にぬれたりして食用に適さなくなったのが事故米で、農薬を誤ってかけ過ぎちゃったりして残留農薬の多いのが汚染米なんですかねぇ。日本ではガットのウルグアイラウンドなんていう、どえりゃぁ昔の農業合意で決められたミニマムアクセス米と呼ばれる輸入米があるわけですが、そういったお米の中には汚染米っていうのもある可能性も高いのかもしれませんね。

いずれにしても、そういう適切な管理を求められるようなお米が、政府や公的な機関ではなくて、一般の商社が何やら輸入雑貨を扱うくらいの注意義務の下で右から左へ流しているのかと思うと、食の安全性を担保することの危うさを感じざるを得ません。この事件を機に、食の基本となる農政のあり方も問われることになりはしないかと危惧しています。っていうか、この際そういう問題点が白日の下にさらされた方がいいでしょう。

確かに、今回主役に躍り出たこれらのお米は、原価とするとすんげー安いものだと思います。そこに不正の介在する余地が出てきちゃうんですが、今現在、世界中の穀物は高騰しているわけです。これまで安く買えていたミニマムアクセス米だって、これまで通り手に入れられるか分かりませんよ。それなのに、未だに日本の農業政策は『減反推進』なんですから、どこかズレている感を持ったりもしているんですけどね。

でも、今ニュースを聞いていると、問題になっている会社が自分の利益追求のためにやったっていう雰囲気ですかね。農業がお金を生むためだけの手段に成り下がって、人の幸せよりもお金のことしか考えられないような風潮があるとすれば、余りに悲しい。いろんな社会の切り口が見え隠れしている問題じゃないですかね。


□□□ 久しぶりに真面目に怒って書いたかな(笑) □□□
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打ち合せ

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2週間ほど前に、飯島町の美山錦の話題をこのブログに取り上げましたが、お盆を過ぎたらもう稲刈りは目の前です。稲穂も頭を垂れるようになって、これから更に実りが充実してくれば、順調に刈り取りを迎えられそうです。聞くところによると、今年は豊作になりそうだなんていう予想もあるそうですね。

以前にも書いたことがあるかと思いますが、お米の出来がいいからって、そのお米で造ったお酒も品質がいいとは限らないんです。やっぱり適度っていうものがあって、例年通りの程々がいいみたいです。豊作の年には、仕込まれたお酒のもろみがうまく発酵せずに、腐ってしまうような事故が多いとはよく言われることです。

長生社としては、どのくらいの数量が必要なのか、いつ頃までに入荷させたいのか、特別に栽培してしている美山錦の取り扱いをどうしたらいいのか等を、JAや農家の方々と早々に打ち合わせをしていかなくっちゃなりません。今年は、信濃鶴に初めて特別栽培米を使ってみますから、特にその点については分からんことだらけなわけです(汗)。

特別栽培米っていうお米は、特別に栽培したお米なんですが(まんまやんか!笑)、主に飯島町の近辺で行われているのは、肥料については全て有機肥料を使って化学肥料を使わず、農薬については1回だけ除草剤を撒くっていうパターンらしいですね。そうすることで、他の地域とは違った、付加価値の高い美山錦を作ろうっていうわけです。ある一定の基準を満たしたものを『自然共生栽培』って言っているそうです。

JAの担当の方は、ここ数年の実績から、化学肥料を使わない方が返って収量が上がるんじゃないかっていう確証を得つつあるそうです。そうして品質も向上したとなれば、農家としても収入が上がっていい事だらけになるかもしれません。まあ、実際にはどの農家も半信半疑な部分があるようなので、即座に普及するっていう状況でもなさそうですがね。

いずれにしても、特別栽培米は特別扱いしなくっちゃなりません(これもまんまや!笑)。一般に飯島産の美山錦といえば、飯島町中で採れた美山錦を全て一箇所の倉庫に入れ込んで保管して、その後の処理も全て一括して行われるわけです。この中に特別栽培米を入れちゃうと、当然分離不可能になるので、その美山錦だけは別扱いになるわけです。

収穫されたお米は籾のついた状態で乾燥させられます。その後に籾摺りをされて、ふるいにかけられて選別され、等級検査を受けてJAから出荷されることになります。この一連のプロセスを全て別にやらなくっちゃならないわけで、担当の方も頭が痛いわけです。量が数千俵の単位になってくれば手間も省けますが、特別栽培米なんて量が少ないわけですから、やはり少量のお米に対応できる特別なルートで処理するんです。

その辺のゴチャゴチャした話って、素人の私になんかよく分からないもんだから、担当の方を困らせながらいろいろ聞いているところに、信濃鶴に使うための特別な美山錦を作ってくれているHさんがひょっこり現れました。「ラッキー!」っていうわけで、彼も交えて打ち合せができたもんだから、話が早いわけだ、これが。

何とかこちらの考えている通りに、事を運ぶことができそうです。Hさんにとっても初めてのことが多いので、彼も安心したみたいで良かったです。話が終ってから、2人でHさんの田んぼに行きました。「最初は有機栽培なんてどうなる事かと気をもんでたけど、何とかなりそうだよ」と、稲を見ながらHさんは胸をなで下ろしていました。後は、私の腕次第でしょうかねぇ・・・(汗)。


□□□ ビール姫ぶっ飛びだぁ □□□
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値上げ(つづきのつづき)

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昨日は、お酒の値上がりの原因について、いくつか思うところを書いてみました。燃料代の値上がりも大きいし、酒造りに関わる資材も値上がりしているし、何よりも米の値段について不透明な部分が大きい気がします。それほど、恐れるに足りない結果になるかもしれませんけど、これだけ物価の変動が大きいと安穏としてられないのも現実です。

お米代についてもう少し言うと、お酒代に占める原材料費の中で、人件費を除けば米代が大きな部分を占めるわけですから、もし原料米の値段が上昇すれば、当然原価は跳ね上がることになります。純米酒になれば、その傾向はよりハッキリしたものになります。全てのアルコールをお米から造っているわけですからね。

ちなみに、お酒造りに使うお米っていうのは、別に酒米でなくてもいいわけで、仕入れるルートなどもいろいろありますから、値段も相当に幅のあるものなんです。簡単に言えば1俵で1万円から2万円くらいの間って言えばいいでしょうか。特A地区の山田錦なんていうすばらしい酒米になれば、3万円なんていうものもあるでしょう。

どのくらいの原価になるのかざっと計算してみると、米代が1俵あたり1000円上がると、1升ビン換算で数十円のコスト高になってきます。ですから、昨日書いたように年内中に例えば100円程度の値上げに踏み切ったとしても、今年の米価次第ではまたすぐに来春くらいに値上げだなんてぇことになりかねません(汗)。

あまり未来の予測に縛られて今の動きが鈍くなってもいけませんが、そんなことも考えると「もうチョイ待ち」っていう判断の酒造メーカーもおられるかもしれませんね。小刻みに状況に応じて値上げするのも、ある程度一括で行うのも結果的には同じようなものになるのかもしれませんが、各社腹の探り合いみたいな状況ではあります(笑)。

私が聞いた話だと、今年頭あたりから各食品業界で値上げが行われたわけですが、食品に関しては値上げをすると売上げは2割3割当たり前に落ちるんだそうです。それは一時的なものかもしれませんが、やっぱりその様子を見ている酒造業界としてはビビッちゃうわけですよ。腰も引けるわなぁ・・・。

今の消費者は値段に関しては敏感になっているそうで、ちょっとでも値段が上がると買い控えてしまうらしいです。そうやって軒並み売上げを落とした中で、売上げをほんの少しですが伸ばした食品があるんだそうですよ。何だか分かりますか?『シャウエッセン』っていう、あの粗挽きソーセージみたいなヤツです。

他の食品は、これまでと同じ容量で値段を上げたのに対して、シャウエッセンは容量を少なくして値段はこれまでと同じにしたんだそうです。そうしたら、値段は同じだから買い物かごに入れるんだけど、「ちょっとこれじゃぁ少ないわね」ってぇんでもう1つ買っていくお客さんがいたとかいないとか・・・(笑)。

左様に消費者心理なんて読み切れるもんじゃないわけですが、何とかお客様の財布への負担を押さえながら、私たちも生き残っていける方策を考えなきゃなりません。「普通酒と同じ値段で、よりよいものを地元の人たちに飲んでもらいたい」っていうのが信濃鶴の基本的な考え方ですから、そこは見失わないように歩いていきたいと思っていますけどね。

写真は昨日に引き続き、全く関係のない蕎麦打ちの写真でスイマセン(汗)。まだまだ、美味い蕎麦は打てないんだよねぇ・・・(涙)。


□□□ 値上げは今のところまだ未定です □□□
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値上げ(つづき)

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間が一日空いちまいましたが、あまりしたくない値上げのお話の続きです。今年の始めには各社値上げするつもりになっていたのに、どうも昨今の情勢を見回しているうちに腰が引けてたんだけど、やっぱりしょうがなくなって徐々に業界も動き始めてきた、っていうくらいお話しましたね。

値上げの原因はいろいろあるんです。一番皆さんにも実感がわく所とすると、やっぱり燃料代の高騰でしょうか。長生社では1トンタイプのボイラーを2基使っていますが、その燃料の重油は既にかつての2.5倍くらいになってるんじゃないかな。配達のトラックが使うガソリンの値段は皆さんご承知の通りです。

あとは、製品に使う様々な資材が軒並み値上がりしてきています。お酒を入れる化粧箱やその他の段ボール箱。一升びんの栓や、小ビンのスクリューキャップ。冬の間に使う醸造用の副資材も値上がりの連絡が来たので、まだ使うのはかなり先ですけど購入したものだってあります。どれも結構な値上げ率なんですよ、2割とか当たり前に上がります。

そんでもって、今一番恐いのが、今年の米代がどうなるかですね。米作りに重油もガソリンもあんまり関係ないように思われるかもしれませんが、コンバインだってトラクターだって燃料が必要だし、原料を処理するにも電気代がかかるでしょう。米を収穫してから後の工程で、たっぷりと燃料を使うんです。

絶対に米代が上がるだろうと思われる要因としては、運送業者の『サーチャージ』って言うんですか、燃料代の値上げ分に応じた課金制みたいなやつ。あれは昨年にはなかった費用ですから、間違いなく今年のお米代には上乗せになってきます。私たちが言う米代っていうのは玄米ではなくて、その玄米を運んで、精米して、また運んでっていう工程を踏んだ、精米後のお米の事を考えなくっちゃなりません。

それ以外に玄米自体の値上がりの可能性に関して言えば、今年の春に肥料の値段が大幅に値上げになってるんですよね。それも、6割アップとかですよ(汗)。温暖化の影響で、収穫量だってどうなるか分かりません。そういった諸々がどのくらい米価に影響してくるかは、今の時点では読めないんですよね。

一般的な飯米と、私たちが使う酒米は、価格の決定経路が違うので何とも言えませんが、もう既に市場に出回っている暖かい地方の超早場米みたいなお米の値段は、相当な高値がついているみたいです。飯米は入札で値段が決まるので、それが即酒米と同じとは言えませんけど、こえーなーと思ってその話を聞きましたね。

そんじゃぁ、いくら上がるんだい?っていう話ですが、私も全体の動向をつかんでいるわけではないので、ハッキリは言えません(汗)。長野県内の状況では、俗に言う普通酒クラスを一升あたり70円から100円程度値上げして、本醸造や純米酒といった特定名称酒と呼ばれる少し上級クラスのお酒の値段はいじらないっていう感じでしょうか。

でも、普通酒クラスを200円値上げしたお蔵さんもあります。それは、各社の思惑があり、戦略があってのことでしょうが、かなり思い切った額であることは確かです。しかし、1700円くらいだったものが1900円になるっていうのも、今のガソリンの値上げの状況を見ている消費者の側からすれば、許される範囲かもしれませんけどね(笑)。

やっぱり、自分の仕事の事になると、ダラダラといくらでも書いちまいますね(汗)。もうちょっと続きます。じっと我慢して、お付き合いください(汗)。写真は、2日前に駒ヶ根に帰ってきてからU社長と飲んで、帰り際に越百に寄ったら何だか蕎麦打つことになっちまって、一生懸命打っているの図です(かんけーねー!笑)。


□□□ なかなか1位にはなれませんね □□□
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