ブログの題名について(5)
あのくらいの弾みがなければ、私は今頃杜氏なんかやっていなかったかもしれませんね。
あんなハプニングはないにしても、もう杜氏の後継者なんていないと思った方がよいでしょう。ここで言う杜氏は、出稼ぎで蔵に泊り込んで働くような昔ながらの杜氏のことです。だから、蔵の後継ぎがそのまま杜氏役をやっている例が、私の周りにもたくさん出てきています。
専務取締役杜氏なんていうのは私の造語ですが、専務で杜氏、あるいは社長で杜氏という人が今後増加するのは間違いありません。ある程度の規模の会社になれば社員の中から杜氏を養成していくことになります。そういう蔵も多いです。しかし、うちのような小さい蔵ではそれもままならず、専務がやった方が早いということになってしまいがちです。
製造と経営の2足のわらじをはけるのかどうかはやってみなくては分かりませんが、昔読んだ、あるインタビュー記事を思い出します。それはある人間国宝の陶芸家のものでした。
「どんなにいいものを作っても、それが売れなければ食べていくことはできまへん。作ったものが売れるようにしなくてはなりまへん。職商人(しょくあきんど)になんなはれ」
なんか変な京都弁になってしまいましたが、こんな感じでした。お名前は失念してしまいました。この職商人という言葉がなんとなく心に引っかかっています。これほどまでに日本酒が売れなくなり、蔵の規模も縮小してしまうと、小さな地酒メーカーの生き方も限定的になってしまうのかもしれません。
しかし、悪いことばかりではありません。経営者が酒を造るということは、結構思い切ったことがやれるということでもあります。雇われた身となれば失敗は許されませんし、ある程度の足かせの中で酒を造らなければなりません。ところが経営サイドから見ることができれば、ぎりぎりのリスクを背負っての挑戦ができるかもしれません。
案の定、この専務取締役杜氏もとんでもないことを言い出したのです。
「おれは、純米酒しか造らん!」
(続く)
コメント
いろいろなキッカケ
いろいろなきっかけがあって専務取締役杜氏が誕生の秘話、なかなかおもしろい。でも、途中で帰る杜氏って何なんでしょう。杜氏はうまくいかないと、腹を切るとかぐらいに責任感があったんじゃなかったと聞いていましたが。
- 2006/10/11(水) 15:52:07 |
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- ヨコハマ #-
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鶴の美味しい提供方法
先日居酒屋に行った時に気付いたのですが、「ブラウマイスター」というキリンのビール職人に与えられる称号。http://www.kirin.co.jp/brands/braumeister/riyuu/index.html
これっていかにも美味しそうなビールが飲めそうなイメージがありますよね。この称号を鶴でも作ったらどうかなーと思いました。居酒屋の接客係に御社がこの称号を与え、ぬる燗で美味しい鶴を提供する。どうでしょう???
- 2006/10/11(水) 18:39:17 |
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- KAS #-
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天竜精機さんのブログにここのことが記されていたので覗いてみました
- 2006/10/11(水) 19:25:23 |
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- 宮田の姉さん #-
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判っていたようで知らなかった「専務取締役杜氏」氏誕生の物語。何かあの頃のことを思い合わせると、涙がこみ上げてきてしまう。
- 2006/10/11(水) 19:43:44 |
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- 1998年 #-
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Re:いろいろなキッカケ
あのキッカケがなかったら、現在はありませんでした。今では笑い話です。
どんな苦しいことも、そのうちにいい思い出になるんですね。
うまくいかなかったら腹を切る→そうすると私は何回も腹を切っていることになります。
社長にゃあ言えない事ばかり・・・。
- 2006/10/11(水) 22:13:06 |
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- keyboo #-
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Re:鶴の美味しい提供方法
なるほど。大企業が全国レベルでやっていることを、零細企業が地方で真似るというやり方もありですね。飲み屋さんを巻き込むにはいいかも。
- 2006/10/11(水) 22:17:30 |
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- keyboo #-
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Re:宮田の姉さん さん
姉さん ありがとうごぜえやす!(極道の妻風)
すいません。冗談です。
宮田にお住まいなんですか?
宮田にも売ってますから、ぜひ信濃鶴をよろしくお願いします。
これからも読んでやってください。
- 2006/10/11(水) 22:22:23 |
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- keyboo #-
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Re:1998年さん
でしょう!でしょう!
このお話はまさに1998年の造りの時のお話です。
これだけじゃあ他の人は分かんないかもしれないけれど
蔵の中ばかりではなく、青年会議所活動でも、涙、涙の1年間でした。
でも、あの苦しさがなければ、今の私はありませんでした。いい思い出です。
- 2006/10/11(水) 22:29:31 |
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頑張りましょう
本日の新聞に「地酒文化を絶やすな」という見出しで皆様の努力を伝える記事が載っておりました。記事の内容はさておき、絶やすなと言うフレーズは正しくその通りです。このブログでもっともっと地酒が楽しく飲めるよう頑張りましょう。
- 2006/10/12(木) 12:48:26 |
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- KAS #-
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Re:頑張りましょう
このブログを書くことで、皆さんが地酒を楽しく飲んでもらえるようになるのなら本望です。
昔は当たり前のように身の回りにあったものを、今はかなり努力しないと残せなくなっているっていうのは、ちょっと寂しいですね・・・。
そのためにも、まずは鶴を飲んでください!
それから、acbさんがトラックバックしてくれたおかげで、何かいろんな方に読んでもらえたみたいです。
こうやって、つながっていくんですねぇ・・・。
ちょっと怖い気もする・・・。
- 2006/10/12(木) 16:38:08 |
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