酒屋者
「もしもし」
「アー、専務さん。オレだ、新潟だ」
「オー、じいさんか。おはよう」
「じいさん」というのは長生社に勤めてくれていた、私の前任杜氏の愛称です。年取ったから「じいさん」になったのか、「とうじさん」が崩れて「じいさん」になったのか分かりませんが、私が入社した時にはそう呼ばれていました。新潟の越路町から毎年造りの時期に来てくれていました。
「久しぶりだな」
「そんなことないよ。この間も電話くれたじゃんか」
「そーかー?今日はお正月の酒を頼もうと思ってな」
「ああ、いいよ」
・・・酒が飲めるくらいなら上等。
「今年の酒はどうだぇ」
「21日に初めて上槽したよ。まずまずかな。ちょっと溶けが悪い感じだ」
「そうか。年によって違うからな。気をつけとらにゃあイカン」
「わかった」
・・・いつまでも子ども扱い。
「夏遊びに来ると言っといて、来てくれんかったじゃないか」
「いろいろと役を受けちゃってさ、急がしかったんさ」
「来年はおいで。酒談議したいよ、酒談議」
「そうさなぁ、来年は行けるかな。話すことなんか山ほどあんでぇ」
・・・頭の中はまだまだ現役。
酒蔵に出稼ぎに出て働く人のことを、新潟では「酒屋者(さかやもん)」と呼びます。「酒屋者」を50年も続けていれば、体に染み付いたものはもう抜けないでしょう。引退する時だって、体さえ言うことを聞けばまだまだ続けたかったに違いありません。
「もうこの作業もやれん。これからは専務がまくんだ」
と、麹の種をまく容器を手渡された時のことを思い出す。バトンタッチの瞬間。
「いいか、吟醸のもろみはなぁ・・・」
こちらから電話を切らない限り、いくらでも話しが続く。
根っからの「酒屋者」である。
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年末の大掃除・大消毒(?)。あす、あさってと天気が悪い様子。がんばって洗い物を出来る限りこなす。
洗米、酒母の作業は何にもなし。
麹の作業も何もないが、ムロの中のもろもろを消毒しまくる。手当たり次第に殺菌剤をぶちまけてる感じ(笑)。早くしないと29日は引き込みだ。
2号もろみ上槽まで後数日ほしいのに、酒粕が足りないから何とかしろと・・・。酒粕のために酒をしぼるなんて本末転倒じゃんか。しゃーないから明日しぼるかなぁ。
税務署への酒税申告。今月も例のe−TAXにて処理する。やり方が分かってきてとてもスムーズ。税務署まで行かなくてすむし、こりゃ楽だ。
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コショウ屋さんが順位を上げてきた。このブログが来ると、手に負えなくなるんじゃないかなぁ。やはりひと時の夢であったか・・・。
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とりあえずつけておきます。
コメント
はじめまして
はじめまして。私は高級茶の新しいあり方を提案したいと思い、日本とマレーシアで起業し、独自の高級茶ブランドを作り上げました。つい先日、WEBショップをオープンしたものの、そう全てが上手くはいきません。色んな情報を収集すべく、ブログサーフィンをしていたところ、御サイトに出会いました。内容が面白かったので、じっくり読ませて頂いたのですが、ふと住所を見てビックリ!私の家の割と近くだったんですね!これからも感動的で楽しい記事を期待しております。同県人どうし、これからもよろしくお願いします。
はじめ
HOJOさんコメントありがとうございます。
本当ですね、すぐそばにいらっしゃるじゃあないですか!
しかし、こんな山の中で輸入業というのにはビックリです。
ご商売が波に乗ることを祈っております。
これからもよろしくお願いします。
- 2006/12/27(水) 02:38:40 |
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場所はあまり関係ないですよ
早速のコメント有り難うございます。今や、会社の場所はあまり関係ないと思います。コンピューターを中心とするインフラをきちっと整備し、海外に自分の意志を良く理解したスタッフを配置していれば、会社が田舎でも、そう問題はありません。私は立地や規模よりも、有機的なネットワークをより重視しております。それに、長野県の田舎地帯は、意外に優秀な人材が、溢れており、将来スタッフが必要になった場合に比較的簡単に採用できるとも感じております。もっとも、まだ仕事を始めたばかりですので、あまり大きな事はいえません。お互い頑張りましょう。
Re:場所はあまり関係ないですよ
確かにそんな話はよく聴きますね。
しかし、実際に目の前で実行している方がいるのは新鮮な驚きです。
この片田舎にどのくらいの有能な人材がいるのかは
自分自身として実感したことはないんですけど
手がけている事業自体に興味を持ってくれれば
思わぬ人材は出てくるように思いますね。
- 2006/12/28(木) 01:27:07 |
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