専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

洗濯機

20080607144537.jpg

この時期に活躍する長生社の秘密兵器、それが写真の洗濯機です。でっかいんですよ。Yシャツだったら何十枚も洗えるし、布団も丸ごと洗えるみたいです。コインランドリーを利用したことのある方なら、見たことがおありでしょう。あれとほとんど同じものだと思うんですが、それよりも少し大きめで、乾燥機能は付いてはいません。

脱水時には結構恐ろしい勢いで回転しますから、脚は下のコンクリートにアンカーで打ち付けてあります。凄く高機能で、ドラムの回転数や回転方向の切替ができたり、蒸気を吹き込んで決められた温度まで水温を上げたり、途中で洗剤を一定量投入したりっていうようなことをプログラムできます。蔵では布の洗い物に洗剤は使いませんけどね。

冬の造りの間には、麹ムロから毎日洗い物は出てきますから、当然この洗濯機も毎日使うんですけど、1日中動いているわけではないので稼働率とするとそれほど高くありません。今の時期に洗っているものというと、ズバリもろみの圧搾機の濾布やらなにやらの蔵の片付けをする時に出てくる洗い物なんです。

同業者の方から見れば「今ごろ何やってんだ?」と思われるかもしれませんが、5月の連休まで酒を搾っていて、その後に火入れ作業なんかもあって、最終の片付けがようやく最近終りつつあるくらいのスケジュールなんですよ。年間雇用の従業員による酒造りの苦しいところではあります・・・(汗)。

当然いいお値段がするんですが、この機械に関して言えば、買ってから5年くらいで元が採れちゃうんじゃないかなぁ。蔵の仕事の中で、布類の洗い物にかかる手間っていうのは相当なものです。私が蔵に入った頃には、造りの間だけ3人ほど地元のオバさんを雇っていましたが、彼女達の仕事の半分は布や容器等の洗い物でしたね。

特にもろみの圧搾機の濾布は、とても厚くて重い畳ほどの大きさの布を2枚縫い合わせてあるもんだから、どえりゃぁ重いわけですよ。こんな布を洗う時には男手も借りてやってましたね。そんなでかい物をどうやって洗うかっていうと、手でなんて洗えませんから、足で踏んで洗うんです・・・こりゃまた、原始的なんだな、これが(笑)。

深さ30センチ、直径1メートルほどプラスチックの桶にその布を数枚入れて、裸足か専用の長靴を履いて、ジャブジャブと踏むんです。踏み続けていると足腰も痛くなってきますから、適当な長さの杖をついて踏んでましたね。「さて、遠足に行くか」なんて言って仕事したもんです。

全部で70枚以上もありましたから、ひと通り洗うだけだって大変ですが、それを臭いや汚れが取れるまで何回も何回も繰り返し洗って、ようやく杜氏のお許しが出たんですから、私にとってはいやな作業のうちのひとつでしたね。何にも考える必要はないんで、気楽ではありましたけどね(笑)。

そんな洗い方でしたから、どこまできれいになっていたのかは今となっては多少疑問ですが、大きな問題もなかったところを見ると、そこそこにはなっていたんだと思います。それでも、いつまでたっても汚れが取れないような気がして、いつも何とかならないかと思ってました。この大きな濾布だけはクリーニング屋で洗ってもらうっていうお蔵もありましたね。

それがこの洗濯機を使えば、1回で10枚以上洗えちゃうし、1回洗えばほとんどの汚れは取れちゃうくらいになるし、本当にオバさん2人分は働くっていう感じですね。そう思えば、その人件費分くらいはすぐに稼いでくれるような気がします。それに、蔵で使う布類は他にも大きな物が多いですから、その手間を考えれば便利なもんだと思うんです。

ただし、問題がないわけでもないんです。きれいに洗える半面、洗い過ぎちゃうというか、布の痛みが以前より激しいような気がしますね。大きな布を痛まないように専用に洗うための洗濯機もあるんです。汎用性が低いっていう事で写真の機種を選んだ経緯もありますが、やはりどんな物にも一長一短があるんですね。

この機械がフル稼働していると、あのオバさんたちとえっちらおっちら布を踏んでいた頃が懐かしく思い出される反面、やることをどんどんとやってもっと前に進まなくっちゃと思ったりもするんです。


□□□ 私としてはかなりの高得点ですな □□□
■■■日本酒の未来のためにクリックお願いします!人気ブログランキングへ■■■

コメント

楽チンになりなしたねぇ〜

なんとピカピカの新品を購入したんですか!
仕込み中は、毎日洗い物が山に様に出るから楽になったでしょうね。
我が社のはクリーニング屋さんの どデカイ中古品なんだけど洗濯だけで、脱水が出来ないんです。でも空っ風が吹くからすぐに乾いちゃうけどね。

使用上のご注意
【yazawa】タオルを一緒に洗濯するとピンクになっちゃうよ!

金曜日には美人の奥様見学、いや蔵見学にお邪魔いたしますので
宜しくお願い致します。


  • 2008/06/14(土) 08:38:33 |
  • URL |
  • 髭おやじ #-
  • [ 編集 ]

うちも僕が蔵に戻ってから買ってもらいました。
茨城の蔵にいる時に見て、「絶対必要だ!」って思っていたので。
蔵から人が少なくなった今の時代には必要だと思います。
うちの洗濯機は脱水機能のない中古品ですが十分な役目を果たしてくれる仕事人ですね。

  • 2008/06/14(土) 19:03:12 |
  • URL |
  • 紘一郎 #-
  • [ 編集 ]

こんばんは

商売が出来そうなくらい立派な洗濯機ですね〜〜
『G-Wash』って時計がありましたね・・・(汗)
あれはG-Shockでしたっけ・・・(笑)

メールいただいた件全くOKです!!

効率化できるところはガンガン効率化して、こだわる所にもガンガンこだわっちゃって下さい(笑)

  • 2008/06/14(土) 20:19:06 |
  • URL |
  • タッキー #-
  • [ 編集 ]

>>楽チンになりなしたねぇ〜

この洗濯機は新品で購入しました。
調子いいですよ!
脱水が出来ないっていうのは、この機械を使っちゃうと不便なような気がしますが、足で踏んでた時だって脱水なんてしなかったですもんね。
それを考えれば同じでしょう。
筑波は空っ風が吹くんですか?
洗濯物はよく乾くでしょうなぁ・・・でも、風が強いと飛んでっちゃったりして大変だとかないですか?(笑)
金曜日には何のお構いもしませんが、お待ちしています。

  • 2008/06/17(火) 01:45:05 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

>>紘一郎さん

やっぱり、一回見ちゃうと欲しくなりますよねぇ。
布洗いにかかる人手って、相当な人足分ですもんね。
正直なこと言えば、自分で洗い物するのがイヤだったんですけど・・・(笑)。
みなさん、中古品をお買いのようですね。
特別な機能を要求しなければ、それで十分なんでしょう。
この買い物は、簡単に償却できちゃうと思います。

  • 2008/06/17(火) 01:49:21 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

>>こんばんは

これに、百円玉入れる口でも付いていれば、正にコインランドリーのやつと一緒です(笑)。
タッキーさんがおっしゃるように、こだわるところと効率化するところをメリハリつけていく事は大切だと思います。
まあ、何事にもお金が必要になるわけですが、その辺も見極めた投資が必要になるんじゃないでしょうかね。
うちの女房はG−Shockしてます・・・(笑)。

  • 2008/06/17(火) 01:55:23 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sinanoturu.blog77.fc2.com/tb.php/617-e9cd73e4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)