
長い長い出張から帰ってきて、久しぶりにパソコンのキーボードから入力していますが、ストレスなく打ち込めるっていうのはいいですねぇ。1年前に比べれば、携帯から日本語入力するのも相当速くなったと思うんですが、山手線で隣りに座ったお姉様が、目にも留まらぬ速さで打ち込んでいるのには、視線が釘付けになってしまいました(笑)。
話を昨日の続きに戻しましょう。広島で開催された『製造技術研究会』ですが、全体的な傾向は例年通りとしても、ある程度特長的なことを上げてみると、まず地域的には東北地方のお蔵の金賞率が高いですね。金賞蔵の数的にはそれ程でなくても、率的に見たら相当なもんです。
きき酒会場の中は、細長いテーブルの上に県単位でお酒が並べられているんですけど、山形県と福島県のお酒が並んだテーブルは長蛇の列ができていましたよ。混雑を予想して、他の県が2列なのに倍の4列用意されていたにもかかわらずです。岩手、宮城、秋田のテーブルも混雑してましたね。
お酒をきいているのは一般消費者ではなくて製造業界の人たちばかりですから、市場でよく売れていてちょっと有名な銘柄の多い県が混雑するわけじゃなくて、やっぱりその年に成績のよかったお酒が多い県のお酒を味わって、来年の造りに生かそうとしてしているわけです。
でも、何となく市場での人気と、そうは違わない傾向になっているような気もしちゃいますねぇ。そう考えると、全国新酒鑑評会での成績と市場での評価っていうものが、地域的な大まかさの中で、ある程度の相関があるっていう事になって、鑑評会の存在意義も認められるのかもしれません。
画一化された金太郎飴的な味を先導しているというような負の評価もないわけではありませんが、どうせみんなで一生懸命にやるんですから、ある程度の思い入れが共有できる鑑評会にしたいものですね。金賞がその蔵の評価を決定付けるわけがないっていうことは、大方の人が分かっているわけですから、あまり枝葉にとらわれずに大らかに見守りたいっていう感じでしょうか。
全く反対のことを言うようですが(汗)、市場で評価の高い県のベスト3に入るであろう静岡県なんかは今年は成績が振るわなかったようです。理由として、地球温暖化の影響なのか、昨年は稲刈り前に高温の時期が続いてしまって、俗に言う稲の高温障害が出て、特にあたたかい地方の山田錦は出来が悪かった。それを使ったお蔵は、米が思うように溶けずに苦労した・・・とかささやかれてましたが、実際はどうなんでしょうかね。
さて、我が長野県はどうかってぇと、昨年よりは金賞蔵の数は増えましたが、それでもまだまだ低迷状態っていうところです。醸造関係の指導機関は県単位にあるわけですが、そこの指導力が強いと県全体のレベルも上がるようです。長野県は酵母の開発や、その使い方の指導が少し立ち遅れていますから、結果が出るようになるまでにはもう少し時間がかかるかもしれません。
最後に信濃鶴に関しては、香りも味も十分に出ていましたが、ちょっと出過ぎたっていうところでしょうか。出過ぎっていうのも分かり難い表現かもしれませんが、先に出てきた山田錦と違って、今年我が社が使った39%精米の美山錦はよく溶けたんです。よく溶けると香りもよく出るんですが、何事もバランスが大切です。いくら吟醸の香りだって、高過ぎればマイナスの評価になってしまいます。
まあ、信濃鶴がそれ程悪かったわけではなくて、今年の酒の場合、アルコール添加された吟醸酒の中に並んでいると少し重く感じられたんじゃないかと思います。純米大吟醸として見ればオッケーだなんて言って逃げるつもりはありませんが、その辺を意識せずに飲んでも美味しい吟醸酒を作るための手綱さばきの難しさを実感した鑑評会でしたね。
□□□ 出張していた間にサンセールさんに抜かれそうだ! □□□
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