これまでも、何回か書いてきたと思いますが、杜氏の重要な仕事のひとつに『帳面仕事』があります。お酒は国にとっても重要な課税物資ですから、造り酒屋には税法上で定められたいろいろな決め事を守らなくっちゃならない義務があるんです。その中に『記帳義務』っていうのがあって、税務署で定められた内容についてはデータを記帳して保存しておかなければなりません。
適当にお米を使って、適当にもろみを立てて、適当に搾ったらこのくらいのお酒が出来ました・・・なんていうデタラメは許されません。何キロのお米と何リッターの水で、何月何日に仕込みを開始して、何月何日に上槽したら、お酒が何リッターできて、それがどのタンクに入っていて、酒粕もこれだけ取れました・・・と、事細かに記帳しておかなくっちゃいけないんです。
そういった帳面をつけることは面倒なことではありますが、製造に関するデータがしっかりと残るので、ある意味ではありがたいことでもあるんです。しかし、しかしだぁ、面倒くさいものは面倒くさい(笑)。特に私のように仕事に追いまくられているようなヘッポコ杜氏にとっては、帳面仕事のための時間を作り出すだけでも大変なことがあるんです(涙)。
ここのところ、吟醸の上槽だとかおり引きだとか、いつもと違った特殊な仕事が多かったじゃないですか。そういう仕事は私として少し余裕のある時にやらざるを得ないわけですが、普段はその時間に帳面仕事をこなしているんです。その時間を吟醸に取られちまったもんだから、いやでも溜まっちゃったんですよね。
そうなると、やっぱりズルズルと記帳のために必要なデータを書いたメモ用紙ばかりが机の上に溜まっていき、昔のものは内容が分からなくなっちまってたりして、だんだんケツに火がついてきて、火山が噴火する前にあわてて帳面に向かうことになるんです(汗)。
やれば出来るなんて高をくくっていると、記憶のつじつまが合わなかったりなんかして頭を抱えるハメになります。今日は、タンクからタンクへのお酒の移動の様子を書いておく帳面をつけていたら、お酒の何にも入っていないタンクからお酒を出さなくっちゃならなくなったり、あるタンクへお酒を入れたらそのタンクの容量以上になっちゃったり、魔法のような操作が頻発しちまいました(笑)。
これに懲りて、きっとしばらくは私もキチンと帳面をつけると思いますよ。でも、この痛みを忘れてくると、やっぱりメモの束を抱えて途方に暮れることになるんだろうなぁ。でも、まあ、その頃には仕込みも終って楽になってるだろうから、何とかなるかぁ。そうだよ、そん時に考えりゃいいかぁ・・・って、それがあかんのやわ、あんた・・・(笑)。
□□□ 久しぶりに足りない頭をフル回転 □□□
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