今日は酒蔵にとっては少し緊張する1日だったんです。毎年1回、造りの期間中に、『関東信越国税局』の『鑑定官』と呼ばれる職員の方が蔵にお見えになって、清酒製造に関わる技術的な部分での指導を受ける日があります。正式には『清酒製造技術指導』と言って、今日がその日だったっちゅうわけです。
事前に、どんな点について指導を受けたいか書類を提出してありますから、その辺を重点的に見てもらえますが、せっかく蔵までお越しいただくので、結局は造り全般をチェックしていただくような形になりますね。今日は我が社では、麹にポイントを置きながら指導していただきました。
さて、この『鑑定官』と呼ばれる先生方は、個々の蔵の造りについては当然それほど詳しいわけではありませんし、実際の作業についても現場に出て酒を造っているわけではないので、実践的な部分についても細かな指導をしてくれるわけじゃぁないんです。
彼らのすごいところは、まずは理論的な部分での豊富な知識でしょう。肩書き上は税務署の職員っていうことになりますが、どちらかと言えば酒造に関する研究者といった方がいいんじゃないかと思うほどです。最新の研究成果なんかも我々に教えていただけるので、いつもタダで勉強させてもらえる先生っていうところでしょうか(笑)。
それと、非常に多くの蔵を見ているので、酒造りの各場面でのさまざまな方法論を知っているし、最大公約数的な酒造方法の把握もしているってぇところでしょうか。自分の蔵しか知らない我々のような井の中の蛙に、大海の様子を諭してくれる役割もあるんじゃないかと思います。
その業務内容の特殊さゆえに、鑑定官の先生方の税務署内での位置付けも特別みたいですね。税金の徴収なんていう、我々が考える通常の税務署職員のような仕事は一切せずに(たぶん)、酒造の技術指導を退官するまでずっと続けるんだと思います。これも、酒税という税金を適切に徴収するための、非常に大切な役割っていうわけですね。
今日お見えになったK先生は、実はよく知った先生でした。話せば長くなりますが、もう10年以上前に私が受けた1ヵ月半に及ぶ酒造研修会で担当の講師をしてくれて、その時大変にお世話になった先生だったんです。普段はしゃっちょこばってお話させていただくんですが、今回はちょっとお友達感覚で失礼したかもしれません・・・(汗)。
先ほどの話にも出ましたが、そういった先生方はずーっとこの醸造業界に関わっていかれるので、任地の移動は度々あるのかもしれませんが、また必ずどこかでお会いすることになります。一度顔見知りになっておけば、これから末永く心強い見方でいてもらえると思います。まあ、特にK先生とは仲良しなわけですが・・・(笑)。
でも、税務署の職員で、手タレ写真を一緒に撮ってくれるなんていう人は、絶対いませんよ(笑笑笑)。
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