専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

棒三題(解答その4)

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さあ、いいかげんに答え合わせです(笑)。コメントをいただいた方の中では、HKさんと葡萄屋さんが正解でしたね。それでは信濃鶴1年分を贈呈いたします・・・心の中でね(笑)。皆さんも大体は見当つきましたか?

こいつの名前は『尺棒(しゃくぼう)』と言います。タンクの中のもろみとかお酒の容量を測る時に使うんです。簡単に説明すると、タンクの上の面の基準となる高さのところから、中に入っている液体の上面までの距離を測って、それをリッター数に換算するっていう仕組みです。

上の写真にもあるように、上部が閉じて作ってあるタンクには、この尺棒を入れるための専用の穴が開いています。『天星(てんぼし)』なんて私たちは呼んでいますが、日本全国そういう名前なんでしょうかね(汗)。上部が完全に開いているタンクの場合には、タンクの縁に掛かる専用の渡し木があって、それに引っ掛けて使います。

天星から尺棒を静かに下ろしていきます。この時に勢いよく入れたり、尺棒の先が揺れたりすると、液面が波立って正確に測定できません。尺棒の上部の辺が天星の縁にあたるまで下ろしたら、心の中で「1・2・3」と数え、今度は再びゆっくりと引き上げます。一連の動作はゆっくり、静かに、落ち着いてやらねばなりませんよ。

引き上げてきた尺棒は、液体に触れた部分は濡れて出てきますから、濡れた部分と乾いた部分の境目の数字を読めば、タンクの上部に空いている空間の液面までの距離を測定できることになりますね。真ん中の写真では726ミリにほんの少し足りないようなので、728ミリと読みます。

ちょっとこんがらがっちゃうのが、この長さの数字が大きければタンクに入っている液体の容量は少ないし、数字が小さくなればなるほど容量が多くなるっていうことです。慣れるまではちょっと考えちゃいますね。この長さが0のところが、そのタンクの満量の容量っていうことになります。

ね、これで尺棒の目盛が2ミリ刻みになっている理由が分かりませんか?1ミリ単位にしてみたって、そんなに正確に測定なんてできねーんですよ(笑笑笑)。ちょっと揺れただけでも変わってくるし、もろみなんか泡が立ってたりしますから、そんなに詳しく測定する意味がないんですよね。

それに、尺棒が木製でなくっちゃならない理由もお分かりでしょう。プラスチックや金属じゃぁ、ちゃんと液面の筋が残らないですもんね。尺棒の材質には、きっと真っ直ぐでゆがみの少ない木の種類を使うんでしょうが・・・それにしても原始的だよなぁ(笑)。

更に原始的な作業は続きます。今度は、測定した距離がいったい何リッターに相当するのか変換しなくちゃなりませんよね。そしてこれまた原始的な『2ミリ表』なる換算表があって、それを読むことになります。

例えば、尺が1302ミリだったとすると、下の写真の2ミリ表を読むと、3409リッターだって分かるんです。この2ミリ表は各タンクごとに専用の物が用意されているんです。どんなに正確に作ったとしても、数千リッターの大きさのタンクを全く同じに作ることはできないからです。この2ミリ表って手書きだぜぇ。これが1冊の分厚い帳面に全てのタンク分綴ってあるんです。スゲーでしょ(笑)。

こんな風にして、毎日お酒の量とかもろみの量を測定して作業を進めているんです。蔵の中の仕事って、体を使う仕事は体力勝負だし、頭を使う仕事も結局体を動かしてるみたいな・・・(笑)。最先端のテクノロジーは使いませんが、自分の体と感性を最大限に使った仕事ってぇのも、面白いもんですよ。


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コメント

とりあえずは当たりましたが・・

こんにちは。
とりあえずは当たりましたが、使い方が全然当たってませんでした。
T字型の訳がもよく分かりました。
てっきりTを逆さにしてタンクの底まで突っ込むもんだと・・。
こらからも、ブログ、楽しみにしてまーす。

  • 2008/02/14(木) 13:25:06 |
  • URL |
  • HK #JalddpaA
  • [ 編集 ]

>>とりあえずは当たりましたが・・

そうですか、そんな使い方だと想像してましたか(笑)。
私は、HKさんのコメントがあまりに的確なので、この人は大体のことを知っているに違いないとニラんでいましたが、全然分かってなかったんですねぇ(笑笑笑)。
それにしても、全くノーヒントで正解しましたから、もし商品があればHKさん一人の物でしたね。
最初のHKさんのコメント見て、賞品つけなくてよかったーと思ってましたもんね(笑)。

  • 2008/02/14(木) 18:13:00 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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