
吟醸仕込にとって必要なものを断片的にでも書き綴っていこうと思っていた矢先ですが、吟醸週間に合わせるように雪が降り始めました。ということで、吟醸仕込の際に大切なもの第1弾は『自然』です。考えようによっちゃぁ、一番大切なものかもしれません。
この時期の雪は、実は歓迎なんですよ。日々の生活や酒造りの作業自体にとっては雪なんかない方がいいんですけど、仕込みのことを考えると寒い方がいろいろとやり易いんです。雪が降ればしばらくは地表に残って蔵を冷やしてくれますからね。幸先のいいスタートっていう感じです。
結局仕込み作業っていうのは、水と麹と酵母菌を混ぜて準備されたタンクの中に、全体が均一になるように撹拌しながら蒸米を投入していく作業なわけです。そして、酵母菌の生育にとって、仕込み作業後の物量の温度っていうのは押さえるべき大切なポイントになってきます。
単純に考えて、蒸しあがった直後のお米は100℃なわけです。そんなものいきなり投入したら酵母菌だってダメージを受けるでしょうし、蒸米だって溶け過ぎてうまく発酵しなくなっちゃいます。ですから作業後の温度が最適になるように、蒸米の温度を下げてから投入するんです。
それが吟醸になればなおさらのこと手作業で厳密に管理したいのに、外気温が高いとうまいこと冷えてくれなくて、理想の温度に合わせることができなくなっちまいます。ここ駒ヶ根市のある長野県南部はあまり雪の多い場所ではありませんが、いい時に降ってくれましたね。
寒いのはいいことだなんて言ってますが、そういう時の米洗いなんかの水を使う作業は手も冷たくて本当に大変です(涙)。吟醸になればいつもより仕事量も多いですしね。それでも寒い方がいいんですよね。いいこともあり大変なこともありですが、この『自然』を酒蔵にして信濃鶴が造られているっていうことには感謝しなくちゃなりません。
どの杜氏さんもこの吟醸仕込の時期が厳寒になるように祈っておられると思いますが、行いのいい私のような杜氏には『自然』も味方してくれているようです(笑)。
□□□ サンセールさんがいなくなっちまった □□□
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