専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

売れる日本酒(その4)

20080119011122.jpg

さてさて、これまで『売れる日本酒の条件』なんていって自分勝手な意見を書いてきましたが、今日は少しだけ補足をしてこのシリーズの最終回にしたいと思います。

昨日まで書いてきた3条件は、スーパードライの例を挙げたように、どの酒類に関しても言えることだと思うんです。そして、全く新しい日本酒を創り出そうと考えた時の条件として、私が考えていたものです。

しかし、話を今売れている話題の日本酒に限定して、その多くが備えている特長を考えてみると、一番大きな共通点は『香り』だと思うんです。一般的に言われるところの吟醸香ですね。売れる日本酒の条件が吟醸香だと言うつもりは全くないんですが、やはり香りのあるお酒の評価が高くなるのも事実です。

当然、値段の高い大吟醸なんかを買えば吟醸香もあるわけですが、そんなに値段の高くないランクの、スッキリとした味わいで香りも高いお酒が有名銘柄になってるんじゃないですかね。具体的には一升瓶で2500円〜3000円くらいでしょうか。田舎だとこんな高い酒は売れませんが(汗)、東京市場での話だと思ってくださいね。

日本酒通の人、つまりは飲兵衛ですが(笑)、は時として吟醸香のような華やかな香りを嫌います。たくさん飲めなくなるとか、お燗に向かないなど、私もうなずける話です。でも、やっぱりこれからの市場に出ていく為には、ある程度の香りは必要だと思ってるんです。

ちょっと表現はおかしいかもしれませんが、私はどのお酒にも一服の『清涼感』みたいなものが必要だと思っています。ビールを飲んだ時に「ぐびぐびぐびぐび・・・ぷはっ!」となる「ぷはっ!」の部分です(笑)。ワインも元々はぶどう果汁なわけですから、ワインになる前から具備している特徴と言えるかもしれませんね。

日本酒はお燗にもするし、原料が米ですから、『清涼感』ってぇのも分かりづらい表現かもしれませんが、何かそんなモンだと思ってください(汗)。そんでもって、その『清涼感』を演出するのが『香り』じゃないかと思うんです。

いろんな品評会に出品する大吟醸みたいな香りじゃなくていいんです。ほのかに香る程度でいいと思うんです。でも、あるレベル以上は欲しいと思って信濃鶴は設計しているし、醸造方法も工夫しています。信濃鶴は一般に飲まれるお酒ですから、お燗にしても邪魔にならないことも重要ですかね。

これまでのどの日本酒にも、日本酒らしい香りはあったんです。それをもう一歩進めたくらいの香りを目指したいなぁと思っています。何でお米からあの無色透明な液体ができるのか、あの果物みたいな香りができるのか不思議でしょう?造ってる本人だって不思議ですもん・・・(笑)。それを大切にしたいんですよね。

あんまし面白くない話にお付き合いくださってありがとうございました。こんな事もたまにゃぁ考えてるって事でお許しください。明日からは吟醸仕込み特別シフトになりますから、ブログは思いっきり手抜きさせてもらいまっせぇ(笑)。


□□□ 今日のうちに寝とこーっと □□□
■■■日本酒の未来のためにクリックお願いします!人気blogランキングへ■■■

コメント

吟譲香

今の日本酒の流行は吟譲香ですかね、確かに香が良くて味もよければ言う事なしですが、あまり際立たせると邪魔になりますし難しい所ですね
最近はそのままで飲む事が多いので香も大切ですが飲み口の爽やかさと濃厚な味が好みですかね、最近呑んだ中では静岡の杉錦の生もとの大吟が良かったです

  • 2008/01/19(土) 16:43:30 |
  • URL |
  • 蕎麦屋のオヤジ #-
  • [ 編集 ]

>>吟譲香

オヤジさん、まず訂正です・・・『吟譲香』ではなくて『吟醸香』ですよ(笑)。
香りはいくらあってもいいってぇモンじゃぁないですよね。
邪魔にならない程度に、でもある程度は強く欲しいところです。
濃厚な味のものは人気が高いようですね。
信濃鶴はそんなに濃厚なタイプではないと思います。
無濾過で生でビン詰めすると、そんなタイプになるかもしれません。
杉錦さんよく名前聞きますよ。
売れてるみたいですね。

  • 2008/01/19(土) 18:56:58 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

ただいま個人的にブログ応援活動してます。
応援ポチッ!

  • 2008/01/19(土) 21:57:42 |
  • URL |
  • コジロー #-
  • [ 編集 ]

>>コジローさん

応援ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!

  • 2008/01/19(土) 23:33:21 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

今頃・・・

こんな所へすみません・・・
売れるか売れないかは私には判りませんが、私が最初に『岳志さんが創る』信濃鶴を飲んだときに、日本酒に対する概念が吹っ飛んだ気がします(ってのは大げさかな?)
でも、私が知っていた地元のお酒って、何だかキツイ味がしてお燗でもしようものなら、鼻を突く感じがしてあまり飲む気になれませんでした。

このシリーズが始まって、最初に思ったのですが、『美味しいこと』に全てが集約されているんじゃないか・・・
それ以上の能書きは必要ないんじゃ?
などと、素人は最終回を読んで改めて思いました。

抽象的なことですが、口に入るものは美味しいことが基本・・・

私が造らせて戴いている『家』も豪華さやデザインばかりでなく、抽象的な『住み心地』や何十年後に判る『耐久性』が大切なんじゃないかと思っています・・・

小さいながらも企業ですから、存続する為には利益も生まなければならないのですが、本当に良いものを創らせてもらうには、そんなに多くは作る必要はないような気がします・・・

吟醸週間が無事に過ぎます様・ご自愛戴き、『美味しい』信濃鶴が出来ることをお祈り申し上げます。

って何だかダラダラ書いてしまいました・・・
フレ〜フレ〜た・け・し(笑)

  • 2008/01/20(日) 18:11:52 |
  • URL |
  • タッキー #-
  • [ 編集 ]

>>今頃・・・

日本酒に対する普通の人のイメージは、決していいもんじゃあないんですよね(涙)。
オジン臭いとか、味が好きじゃないとか、二日酔いするとか・・・。
それをぶっ飛ばしてくれるような酒に出会うと、その人はそんなに量を飲まない人でも、日本酒のことを好きだって言ってくれるようになるんですよ。
私もタッキーさんと同じ意見です。
まずは美味しいことが、お酒を飲んでもらえるようになる最優先課題なわけです。
そのお酒のスペックなんかも重要な要素ですが、そんなのを気にするのは玄人さんだけなんです。
一般の素人さんは、美味しきゃそれでいいんですよね。
『家』と『酒』は全く違うものかもしれませんが、その本質を見極めて、そのことを大切にしていけば、自ずと道は見えてくるんじゃないでしょうか。
その道を歩んだ結果が、企業の利益であるはずだと思いたいです。
吟醸頑張りまっせー!

  • 2008/01/21(月) 00:58:29 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

しぼりたて生酒

初めまして!先程、「信濃鶴しぼりたて純米無濾過生酒 」を呑んで
興奮のあまり投稿させて頂きました。
これってスゴイんじゃないでしょうか?
ワタシ的にはこの味わい「十四代本丸」に匹敵するんじゃないか?
と思うくらいです。
同時に呑み比べたのが、今をときめく「而今特純無濾過」だったので
これは衝撃的でした!
葛飾の杉浦酒店の社長さんが「この蔵と心中するつもりで頑張る!」と言った意味が理解出来た気分です。
このお酒どうして一升瓶で出してくれなかったのか・・・残念です。
昨年から信濃鶴には注目していたのですが、レギュラーの純米&特純とも二度火入れということで敬遠してきました。(私は二度火入れ酒が全くダメなのです)
今後、レギュラー商品はぜひ一度火入れで出荷して下さい!
(氏家のおかみさんにも、「蔵元さんにそう伝えて下さい・・・」と要望を出しておきました。)
期待しております!どうぞよろしくお願い致します。

  • 2008/01/21(月) 21:48:45 |
  • URL |
  • 吟醸党 #-
  • [ 編集 ]

>>しぼりたて生酒

お褒めいただいて、ありがとうございます。
しかし、有名銘柄に肩を並べるほどのできじゃぁありませんので、お恥ずかしい限りです。
杉浦さんでお買い求めだったんですかね。
私も何回かお邪魔して、よくしていただいております。
生酒の1升瓶であるとか、1回火入れの商品などは、またおいおいと考えていきたいと思っております。
しかし、新酒に切り替わった直後の2〜4月頃の商品は、1回火入れの可能性が高いです。
裏情報ですけどね(笑)。
これからも信濃鶴をよろしくお願いします。

  • 2008/01/22(火) 02:47:11 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sinanoturu.blog77.fc2.com/tb.php/468-fb37e2e7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)