専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

利き酒の法則

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皆さん、これから年末年始を迎えて、お酒を飲む機会が増えるでしょう?いつもはあまり種類なんか置かないご家庭でも、おもらい物もあったりなんかして、正月には何種類かの日本酒が並んでいたりすることもあるんじゃないですか。そうなると、あれが美味いこれが不味い、どっちが好きだ嫌いだ、値段が安い高いといろんな意味で比較が出来るようになりますよね。

まあ、一番の比較って言えば美味いかどうかってぇことになるんでしょうが、こいつはあまりに主観的な評価になるもんだから脇に置いといて、せっかく並べて飲める機会があるんなら自分を磨くためと思って、飲み比べながらそのお酒を客観的に表現する訓練をしてみると面白いかもしれませんね。どんな言葉でもいいんですよ。プロじゃないんだから自分流の表現で結構です。

今、海外でも日本酒が認知されてきて、販売数量は伸びてるんですよ。外国の人に聞かれた時に、多少のウンチクと共に目の前のお酒の自分なりの評価くらい説明できるようにしておくとカッコいいじゃないですか。私たちがフランスやイタリアの人たちは毎日ワインを飲んでいて、それなりに一言持ってると思い込んでいるのと同じで、「いやー分からないいんですよ・・・」じゃぁちょっと興醒めでしょ?日本の文化だしね。

やっぱり味って比べて飲んでみないと分からないので、そんな機会があれば是非挑戦してみてほしいですね。実際に言葉にしてみることが大切です。上の写真は今年の『長野の酒メッセ』のひとコマですが、熱心なお客さんは自分が飲んだお酒の短評をノートに書き込みながら各ブースを回ってますもんね。頭が下がりますよ。

しかし、ここにひとつの注目すべきデータがあるんでっせぇ。その『長野の酒メッセ』で毎年利き酒コンテストをやってるんですけど、そこで得られた面白い結論なんです。コンテストの内容は簡単なものです。まず1つだけ酒を利いてもらって味を覚えてもらいます。次にテーブルに幾つか並んでいるお酒の中から、さっき利いたお酒はどれだったのかを答えてもらうんです。

我々とすると、毎年用意する景品の数も違うし、参加するお客さんの数もまちまちなので、いったいどのくらい正解者が出るのかが気になるところじゃないですか。ですから、正解者を少なくしようとすれば、テーブルに並べておくお酒の数を多くすれば正解率は下がるだろうと考えるわけですよ。逆に少なくすれば、答えは分かりやすくなると。

ところがそーじゃねーんだな、これが。テーブルに並べておくお酒の数を4、5、6種類って増やしていくと、まぐれの正解率は1/4、1/5、1/6になるし、参加者にとっても徐々に区別するのが難しくなっていくだろうと思うでしょ?でもね、どの場合でも大体正解率は30%くらいなんですよ。これは並べるお酒の選択の仕方によっても変わってくるし、単純に我々のこれまでの経験値っていうだけですけどね。

ってぇことはどーゆーことかってぇと、結局お酒の味が分かるのは全体の3割程度の人であって、その人は問題が難しくなっても正解するし、それ以外の人は問題が簡単でも分からないんじゃないか・・・という、これまでのお話を全て台無しにするような結論になっちまうわけですよ(笑)。

まあ、これは半分笑い話ですが、だからといってあきらめちゃぁいけません。訓練することで味の違いが分かるようになっていくことは実証されてますから、日々日本酒を飲んで研鑽を積むことが肝要です。くれぐれも言っておきますが、訓練するなら日本酒で訓練してくださいね(笑)。


□□□ 最初は誰でも分からない □□□
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コメント

以前・・・

参加させていただいた、越百でのオフ会のときに聴いた岳志さんのうんちくを思い出しました。

酸っぱいとか甘いとか・・・
飲み比べてみないと私には判らない部分ですね・・・

今年も残すところ今日明日の2日ですね
岳志さんは最後の仕込みにお忙しい事でしょうね〜〜

私は、正月の間、暇が出来たら仕事をしていると言う変な毎日を過ごします・・・

  • 2007/12/30(日) 05:48:14 |
  • URL |
  • タッキー #-
  • [ 編集 ]

年末お忙しそうなご様子。
「日本人の琴線」に触れる日本酒造り
まことにお疲れ様です。

同感です。私は「味の分かる御仁は2割」と思います。
この辺が、「プレミア酒商売」のつけいる隙なんですねえ。
信濃の誇りの味に関西より声援を送ります。

  • 2007/12/30(日) 08:24:25 |
  • URL |
  • 立ち呑みHAKUDOU #qbIq4rIg
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>>以前・・・

飲み比べてみないと、私にだって分かりませんよ。
絶対的な判断なんてできないんですよね。
その時の体調や、食べ合わせや、気分で感じ方が変わっちゃいますからね。
今年の年末は、何かゆっくり出来ないですね。
やることが山積みって感じです。
元旦くらいは、最低限の仕事だけやって、後は飲んだくれようと思ってますけど、どうなることやら・・・(涙)。

  • 2007/12/30(日) 17:53:40 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

>>HAKUDOUさん

毎度のご声援ありがとうございます。
どこのお蔵も似たり寄ったりだと思いますが、蔵のタンクにもろみがいるうちは、クリスマスだろうが正月だろうが誕生日だろうが結婚記念日だろうが、やるべき事はきちんとこなさないとなりません(笑)。
家畜を飼うっていうことは、やはり大変なことです。
お酒は「味が分かる」能力よりも「お酒を楽しめる」能力の方がはるかに大切ですから、分かる人になろうと無理をする必要はありません。
でも、分かった方が楽しいことも確かですから、少し訓練してみることもお薦めです。
HAKUDOUさんはどっち?(笑)

  • 2007/12/30(日) 18:35:39 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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どちらも大切に想います。

意外ですが「酒好き」に
味のわからない人が多いのも事実。

「舌先の味」はあまり追いたくないですねえ。

  • 2007/12/31(月) 01:09:58 |
  • URL |
  • 立ち呑みHAKUDOU #qbIq4rIg
  • [ 編集 ]

>>HAKUDOUさん

お酒をたくさん飲む人は、案外味が分からないのか、はたまたそんなこといちいち気にしないのか(笑)。
酔えればいいやっていうようなタイプなのかもしれませんが、そこでの消費量が多いんですから、軽視するわけにはいきません。
そういったお客さんにも「美味しい!」と言ってもらえるような酒が造りたいものです。
そういう酒こそ「舌先の味」じゃぁダメなんでしょうね。
来年もまたよろしくお願いします。
よいお年を!

  • 2007/12/31(月) 18:13:34 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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そこなんですよ。

わかっても「わからないふり」「目をつぶる」地霊の酒
原理主義。
燻し銀の酒徒がいます。

こういう最高の客を置き去り
「あーーーーら、フルーティねえ」の若い女性を
重んじたつけが、いまの体たらく。

7勺くらいしか飲まない女性に小売の5倍以上で売る店
3合以上のむ「酒飲みオイさん」に小売の少しプラスで売る店
後者用「酒」の用途を大切にしてほしいですねえ。

我が原点「萱島酒造」は、大吟最高峰もあり、アル添・糖添
地元酒もアリ。坂口謹一郎直系門下の混ぜ物「地元酒」が
こりゃあ旨い。これも「文化」です。いやこれが文化ですよ。

  • 2008/01/01(火) 10:25:15 |
  • URL |
  • 立ち呑みHAKUDOU #qbIq4rIg
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>>HAKUDOUさん

あけましておめでとうございます。
HAKUDOUさんらしい論調ですねぇ(笑)。
私も燻し吟の酒徒をたくさん知ってますよ。
戦後のお酒文化のあり方が、現代のあまりに日本酒が飲まれなくなってしまった流れの中で、迷走してしまっているんでしょうね。
どこに向かったらいいのか分かっていないんだと思います。
私も分かりません。
燻し吟の酒徒に向かうのか、若い女性なのか、お年寄りなのか、若者なのか・・・。
いろんな選択肢がある中で、自分の道をしっかり決めて、そこからブレないことが大切なんじゃないのかなぁ。

  • 2008/01/01(火) 17:10:40 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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