『泡無し酵母』の分離は案外単純な理屈でしたね。泡にくっついてこない酵母菌はもろみでも泡を形成しないだろうという推測を実際にやっただけのことです。そりゃ、酵母菌を単体で分離するなんていう作業は大変に厳密なものでしょうから、素人が考えるようなレベルのものじゃぁないでしょうけどね。
ですから、筋道の通った考え方のもとに、元になる酵母菌のとてつもない数の中から、ちょっと特異な性格を持ったへそ曲がり酵母菌を分離すれば、こちらの求める特徴のある酵母菌を探し出すことが出来るかもしれないわけです。
では、もうひとつ単純(?)な例を考えてみましょう。アルコール耐性の高い酵母菌を開発したいとします。普通の酵母菌は自分が発酵過程で作り出したアルコール濃度がだんだんと高くなってくると、徐々に死滅していくんです。アルコールがたくさん生成された後にも死なない酵母菌があれば、もっとたくさんアルコールを作り出すことが出来てコスト的に有利です。
現在騒がれているバイオエタノールを造ることを考えても、発酵の原料はどんなものにしても、その原料が持っているデンプン質から最大限のアルコールを作り出したいわけですから、アルコール濃度が高くなっても更に発酵が続けられるような酵母菌が欲しいでしょうね。
さて、どうするかってぇと、酵母菌をドバッっと高い濃度のアルコールの中にぶち込むんです。しばらく置いといて、投入した酵母菌を取り出し、その中で生きているヤツがいればそいつはアルコール耐性が高いんじゃないかと・・・なんて単純なんでしょう(笑)。
誤解のないように言っときますけど、実際はこんなに簡単な話じゃぁないですからね。ちょっとデフォルメし過ぎかもしれませんが、考え方が分かっていただければいいんです。
本当はこんな妙な操作をしないで、自然界から分離するというのが一番筋の通った考え方ですよね。私のブログ仲間の北海道の醸し屋カズマ君なんかは、身近にある花の花粉から酵母菌を分離して、それを使った実際の商品も開発しているみたいです。農大を卒業して、そんな芸当が出来る技術を持っているなんて羨ましいですね。
『花酵母』は現在たくさんの種類が既に製品化されていて、ひとつのジャンルになりそうなくらいです。私の周りにも東京農大卒業の人たちが中心となって、花酵母のお酒を造っている人たちが何人かいます。地元の花から取れた酵母で造ったお酒なんて、話題性があっていいじゃないですか。
まあ、この辺までが単純な酵母の開発のお話です。現代のもっと複雑な酵母の開発物語になると、話はそんなに穏やかではありません。全て特許がらみになってくるからです。ようやく『特許』という言葉が出てきたところで、明日へつづく。
》》》》》》》》》》 【醸し屋カズマ君のブログ】
□□□ また、引っ張り記事かぁ(笑) □□□
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