専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

天井

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先日、蔵の中に置いてある冷蔵庫の調子がおかしくなっちゃって、近くの業者さんに診てもらったんです。原因は大したことなくて、通気口に氷が付いて風の通りが悪くなってたってだけのことで、その氷を全て融かしたらすぐに回復したんですけど、よくこれまで動いていたもんだってくらいに分厚い氷が張り付いてましたよ(汗)。

それだけの氷でしたから、麹室で使う機械で温風をその氷めがけて何時間も当てなくっちゃならなくて、放っておくわけにもいきませんから、夜中に様子を見に会社に出てきたりしたんです。造り期間でもないのに夜の蔵の中にたたずむなんてことも珍しくて、思わずグルグルと見回しちゃいましたよ(笑)。

「夜見上げる階段下の天井ってこんな風なんだなぁ」なんて思って写真も撮ってみたんですけど、なんだかよく分からん図になっちゃいましたね(汗)。冬の間も、夜この下を何回も通るはずなのに、きっと見上げることなんてないんだと思います。常に仕事をしている意識であって、そういう余裕はこれっぽっちもないんでしょうね。

改めて見てみると、長生社の蔵なんて大した建物ではないものの、蔵の持つ抱擁感って言うのか護られている感っていうのはとても大きなもんだなぁなんて思ったんですよね。木の温もりもあるでしょうし、そこに刻まれた歴史もあっての雰囲気なんでしょう。今時こんな場所で仕事をしている人も珍しいんでしょうけどね(笑)。

初めて酒蔵に入ったなんていう方は、皆さん口を揃えてそのたたずまいに驚かれますが、これはいくら現代の技術で作り込んでも表し得ない雰囲気でしょうし、そこで夜中ひとりで包み込まれる感覚っていうのは蔵人ならではの実感じゃないですかね。そして、それは麹菌や酵母菌が感じるものと一緒なわけで、我もまた自然の一部だと悟るわけです。

ただ単に古いだけの建物ですが、このいろんなものが浸み込んだ感じは現代的なオフィスや工場にはないんじゃないですかね。だからこっちの方がいいなんて言うつもりはなくって、あとは朽ち果てるしかない蔵を眺め回して、「どーしてくれよーか?」と独りため息をつくのは、どこの蔵元も同じじゃないんですか(笑)。


□□□ 冷蔵庫は調子良くなりました □□□
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コメント

木造建築

今となっては貴重なもので、同じように直そうとするとドエライ値段がしそうですよね。
長野のお蔵さんなんて近くに国内有数の林業地があるわけで、使われている材も良さそうですし…

最近建てられる蔵は、ものによってはステンレス壁なんてのもあるそうですが、それもちょっと風情がなさすぎですよね(^^;

  • 2017/06/07(水) 08:57:35 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

複雑な心境

夜中にこの天井を見上げて、
酒造りの効率や温度管理も万全な最新設備の酒蔵を羨ましく思ったか、
いやいや、蔵付きの麹菌や酵母菌がいる、この歴史ある蔵だからこそ、
今の信濃鶴の味が出せると思ったか...。
両方が入り混じった複雑な心境だったかも知れませんね。

何時間も温風を当てなきゃ解けないほどに氷が分厚く成長するまで、
誰も気がつかなかったってのは反省しないといけませんよね。(^^ゞ

  • 2017/06/07(水) 12:31:23 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

Re: 木造建築

使われている材がいいとも思えませんけどねぇ・・・(汗)。
でも、お金のある時期に建てた蔵でしょうから安くはなかったでしょうね。
蔵にステンレスを使うのは衛生面からはとてもいいみたいですね。
掃除や消毒がやり易くて良さそうなんですけどねぇ・・・。

  • 2017/06/07(水) 17:27:58 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 複雑な心境

この蔵だからこそっていう思いは私の中には強くあるような気がしますね。
私の先祖達の思いもしみ込んでいるでしょうしね。
そんな蔵の中で、この冷蔵庫はウンウンうなって壊れかけてたわけです(笑)。
天井裏のダクト内のフィンが凍り付いちゃっていて、ちょっと見ただけじゃ分からなかったんですよね(汗)。

  • 2017/06/07(水) 17:30:43 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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