会社には食堂があります。今となってはちょっと大きめの食堂なんですけど、かつて泊まり込みの蔵人が大勢いたころの名残で、それなりの人数が収容できる広さなんです。その食堂のお勝手口は南向きで、その先は広々とした畑になっていますが、その出口のそばに葉が一年中茂っている、何の木だか分からない木(笑)が植わってるんです。
その木が何の木なのかはここでは問題じゃなくって、ある日、お勝手口に立って外を眺めていると何やら騒々しい鳥の声が聞こえてくるじゃないですか。その騒々しさは、かなりの数の鳥が一斉に鳴いているっていうことを表していて、最初はいったいどこから聞こえてくるのか分からなかったんですよね。
よくよく聞くと、件の木の中からってことが分かって、よくよく見ると、小さな鳥がたくさんとまっているいるのが確認できました。地面に下りているのもそれなりにいて、その鳥がスズメだってことは見ただけで分かったんですけどね。数にしたら50から100羽くらいいたんじゃないですかね。
別の日にも、今度は多くが地面で何かをついばんでいて、寒い日でもあったからでしょう、ふくら雀状態で可愛かったんですけど、それが結構な数で驚いたんですよね。私はドアのこちら側にいましたから、全く警戒する様子もなくチュンチュンやってましたけど、そんな光景久し振りのような気がしてしばらく観察してました。
以前からそんな話題を聞いたことがあったのは、スズメの数が激減していて、そのうち絶滅危惧種になっちゃうんじゃないかなんていう大袈裟な話でした。確かにスズメなんて見かけなくなっちゃったって私も思っていたもんだから、こんなに近くにこんなにたくさん屯しているなんて意外だったわけです。
様々な環境の変化のあおりを受けた結果なんでしょう。スズメの数が減っていることは自分自身でも実感しますし、統計的にも裏付けられているはずです。この、何の木だか分からない木(笑)がねぐらになって、仕込み中に出るお米の屑が冬の間の餌になっているなら、しっかりここで生き延びて、いつまでも私達の周りにいてほしいもんだと思ったんですけどね。
□□□ 写真は望遠でとらえた一羽 □□□
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