
最近、飲んでる手タレ写真の記事ばかりだったので、コイツ蔵に入る前に何やってるんだと思われちゃぁ心外ですから、今日は蔵の様子をお伝えする記事にしてみましょう(笑)。
写真は蔵の天井を雑巾で拭いているの図です。これから半年間使ういろいろな部屋は最初に徹底的に掃除してから消毒するんですが、何せご多分に漏れず古い蔵ですから苦労することが多いんです。はしごに登って、のけぞるような格好で天井を拭きますが、それだけだって大変な作業なのに、この部屋の天井からは土が落ちてきます(汗)。
どういうことかって言うと、我が社の蔵の屋根には土がのっているんです。昔の酒蔵はほぼ土蔵だと思いますが、壁ばかりじゃなくて屋根にも土を塗りこむようにして、蔵としての保温性を高めています。だから、蔵の中は夏はひんやり涼しく、冬はそれほど冷え込みません。酒造りにはとても適した構造なんですね。
今の技術を使えば、当然蔵の中の温度なんて簡単に調節できますが、先人の知恵というのは素晴らしいものですね。自然の中にあるというだけで、何のエネルギーも使わずに調節機能を獲得させているんですからね。そりゃ、10度きっかりに室温を維持することなんてできませんが、そこまでしなくてもいいと割り切れれば、それほど環境に負荷をかけないでも自然な酒造りができるでしょうね。
しかし、その知恵に感心ばかりもしてられません。天井を見上げながら拭いていて、パラリと細かい土が落ちてくると、目や口に入って結構大変だったりします。きっと昔はそんなことはなかったんだと思います。年月が経って天井の板張りにも隙間が空いてきているんじゃないのかなぁ。私が会社に戻ってきた頃は、こんなに天井からの土で床が汚れたりしなかったもんね。
でも、大正9年に建てた蔵の天井としたら、かなりきれいだと思いませんか。90年近く経つわけですけど、毎年誰か蔵人が拭いてたんでしょうねぇ。昔だったら、天井拭きなんてやらされるのは、出稼ぎで来ていた蔵人の中でも下っ端の連中だったでしょう。いつかは出世して杜氏になろうと頑張っていたはずです。今じゃぁ杜氏が天井拭きですけどね・・・(笑)。
閑話休題。蔵の大掃除も大体終って、道具類だとか機械類の準備に入っています。やらなくっちゃならないことがまだ山積みで、頭の中はかなりテンパッテますが、蔵に入って18年目の造りで、杜氏としては10年目ともなると、慌てなくっちゃいけないことと、そうじゃないことの区別も肌に染み付いてきますから、夜も寝られないほど心配なことはなくなります。でも、その余裕が怖いんですけどね(笑)。
今年は昨年よりは少しだけ多めに造る予定です。もう少し日本酒が売れる状況を作って、日本の酒文化の大切さをより多くの皆さんに知ってもらいたいですね。今年はそこら中で信濃鶴を高く評価していただきましたが、決して守りに入らず未知なる純米酒造りに挑戦していく覚悟でいます。明るい未来の『日本酒の奇跡』を見てみたいもんね。
□□□ 大事なこと忘れてないだろうなぁ・・・ □□□
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