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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

JA上伊那(その3)

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さて、JAさんのお話の最終回です(たぶん)。この話はいつか記事にしなくっちゃと思っていたんですが、飯島町全体としての農家の皆さんの取り組みです。これは、【自然共生栽培】という方法で、飯島町の約1000ヘクタールの農地全てを自然と共生する農場にしていこうという壮大な試みです。

『自然共生栽培』という名前から、私たち素人でもある程度推測はできると思うんですけど、自然を大切にした、自然に近い、自然と共に生きる栽培方法なんでしょうね。詳しくは上のホームページに譲るとして、私が担当の課長さんからうかがったことを簡単にまとめてみます・・・というか、簡単にしか書けませんけどね(汗)。

まず、従来の栽培方法との一番の大きな違いは、肥料なんだそうです。化学肥料を使わずに『ぼかし肥』と呼ばれる有機的な肥料を使うそうです。私の家庭でも生ゴミを『EMぼかし』という菌を使って堆肥化して畑に撒いていますが、同じ様なものなんでしょうね。

『ぼかし』という言葉はどうやら『発酵』を意味しているらしいですが、お酒も発酵の賜物なわけですから親近感は沸きます。しかし、やっぱり清酒酵母ではありませんから、それに関わる菌を蔵に持ち込むわけにはいきません。冬の造りの間はその手のものを触らないように女房にも言ってありますけどね(笑)。

ぼかし肥以外には『鶏糞(けいふん:ニワトリの糞)』も有機肥料とみなされるみたいですし、安価なんだそうですが、最近は少し敬遠される傾向にあるとか。理由は鳥インフルエンザが大々的に注目されるようになったためが一点。

もう一点は、いくら糞とは言え元はニワトリが食べたものですから、そのニワトリが何か化学的な飼料やホルモン剤や抗生物質なんかを与えられていないか、特定できないからだそうです。消費者の視線も厳しくなってるんですねぇ。まあ、わが身を振り返れば、美味しいと言って食べている肉や野菜の中にも、多少なりともそういったものが残っているかと思うと、気にならないわけじゃぁないですけどねぇ・・・。

自然共生栽培の肥料以外で挙げられる大きな特徴は、除草剤や殺虫・殺菌剤の回数を1回だけにするということだそうです。飯島町では今現在も除草剤などの農薬は年に2回が標準になっているようですが、それを更に半分にして農薬の量を半分にするんだそうです。

そんなことが細かく書いてあるマニュアルみたいなものも用意されてました。写真に撮らせてもらったのは、コシヒカリの栽培方法ですが、時期とか量とか細かく設定されているようでした。このままやればうまくいくなんてぇもんじゃないでしょうが、標準になる指標みたいなのは必要なんでしょうね。

こういった栽培方法にするとどーなるかってぇと、肥料を撒くのに手間がかかって、農地に草も生え易くなるでしょうね。化学肥料は顆粒状になっていたりしますから、撒きやすいんでしょうが、ぼかし肥だとそうもいきません。田んぼにも草が生えてくれば、人が中に入って取らなくっちゃなりません。

賛成ばかりじゃないでしょう、きっと。この栽培方法で手間はかかる収量は上がらない、なんていうことになれば文句も出てくるでしょうしね。実際に酒米で見れば、まだ全体の1割程度の実施状況だということでした。しかし、飯島町の農作物が全て自然共生栽培の作物だっていうことになれば、相当なブランドになると思います。

全部の農家さんが参加することは不可能かもしれないし、相当な逆風だって吹くでしょう。でも、一歩その方向へ向けて歩き出さなきゃ、そこへは絶対に到達しないんです。私はこの飯島町営農センターの挑戦には、心からのエールを送りたいですね。信濃鶴の原料米は自然共生栽培の美山錦ですって言える日を夢見て帰ってきました。


□□□ そういう米で酒を造れば絶対美味い □□□
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コメント

手間の割には

前回と今回のコメントで農家の方のご苦労がしのばれます
手間を掛けても其れが価格に反映するかは未知数
でしょうし天災等で取れない事も有るでしょうから
頭が下がります、だからこそ真剣に酒造りをしないと
いけませんね、蕎麦も手間の割にはお金に成らない
そうです、その上9割は海外からの輸入物ですから
価格競争も激しいそうです、家も国産を使用してますが
感謝しながら丁寧に使わせて貰ってます。

  • 2007/09/04(火) 20:14:24 |
  • URL |
  • 蕎麦屋のオヤジ #-
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  • 2007/09/04(火) 20:41:58 |
  • |
  • #
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いいお米

熱帯起源のお米ですが、夏が暑くなるにつれ南の方ではいいお米がとれないと聞きます。だんだん伊那谷がいい酒米の中心になったりと思います。

  • 2007/09/05(水) 08:37:38 |
  • URL |
  • ヨコハマ #-
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記事が酒造りの方向へ向かっているんでしょうか?
ランキングも着々と独走状態になりつつありますね~~

有機栽培や低農薬栽培は本当に大変だと思います、我家でも米を作っていますが、到底片手間の我家では採用できない気がします・・・

これからは米も自由化されて、海外で作られた米が安く流通するかもしれません・・・
でも安心で美味しいが一番だと思います。地域のブランド力を今のうちに高める事が必要かも知れませんね。

  • 2007/09/05(水) 10:41:38 |
  • URL |
  • タッキー #-
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り・タッキーさん

私は米作りはよく分かりませんが、よほどやる気を出さないと有機栽培はモノにならないんでしょうね。
アメリカをはじめ安い米はいくらでも手に入る時代ですが、やはり国内産、地元産の安心感にはかないませんね。
値段は何倍もするんですけどね(涙)。

  • 2007/09/06(木) 10:10:28 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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リ・ヨコハマさん

そんな話は最近よく耳にします。
山田錦が作れるかもしれないという期待よりも、温暖化は大丈夫なのかという不安の方が大きいです。
もし、手に入るのなら酒にしてみたいとは思いますけどね。

  • 2007/09/06(木) 10:19:22 |
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  • 岳志 #-
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リ・オヤジさん

そうですね、それだけ手間をかけて少しでも高く売れてくれればやりがいにもつながると思いますね。
買う側もその辺を理解してあげないと、うまく取引が成立しなくなっちゃうでしょう。
オヤジさんの蕎麦は国産なんですね。
貴重な蕎麦だと思いますし、美味しい蕎麦だと想像してます。
食べてみたいですねぇ。

  • 2007/09/06(木) 10:33:45 |
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  • 岳志 #-
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