専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

分析

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このブログでは、酒造りはKKD、つまり勘と経験と度胸だなんて茶化して言ってますが、実際に、豊富な経験や、それに基づく勘みたいなものが勝敗を決する部分って大いにあるのは事実だと思います。具体的に何だって聞かれてもハッキリとは答えられないんだけど、経験を積んだ杜氏さんには敵わないもんねぇ。

確かに、作業の全てをマニュアル化することもある程度できるでしょうし、それが正しい内容で、理解し易く、実行可能であれば、均一で高い酒質のお酒を経験が浅い蔵人が造り続けることもできるでしょうけど、その蔵、その杜氏なりの微妙な味付けが感動的に美味しいと思ってもらうには、その他のプラスアルファも必要なんじゃないですかね。

と、切り出しといて何ですが、それでもやっぱり科学的な裏付けっていうヤツも大切だす(笑)。この手触りならいいとか、この香りはダメなんて言ってみても、ある程度数字でそれが表現できていればその判断を安心して支持できますから、長生社のような小さな蔵でもできる各種の分析も大切な武器になるんです。

で、どのお蔵さんでもやっておられるように、我が社でも毎日ある程度の分析をしてます。『日本酒度』だとか『アルコール分』だとか『酸度』だとかの極々一般的なものですが、幸いなことに、これらの分析値がおかしくて、もろみが変調をきたしてしまったことに気が付いたなんていう経験は、これまでのところ私にはありません。

でも、酸度の値が通常のもろみよりもずば抜けて高くなってきて、よくよく調べたら雑菌に汚染されてたなんていう話だって聞かないわけじゃありませんから、これまで大丈夫だったんだからなんていう安易な思い込みで分析をしていると、痛い目に遭うかもしれません。そう思って、毎日しっかりと分析値を確認するようにしてるんですけどね。

ところが、時としてギョッとする様な分析が上がってきて驚かされることもあるんです。特に今年の長生社はそういうことが多くて、私の寿命も縮まっているかもしれません(汗)。実は、その原因は分かっていて、分析者が新人ばかりだってことなんですよね。不慣れなもんだから、分析をミスったりすることが多々あるわけです。

かつ、その新人が複数いて、その各人ごとにある程度の分析グセみたいなものがあるなんてことを考え始めると、一体何を信じていいのか分かりません(汗)。ベテランになれば安定した分析をしてもらえますが、人毎に違うし、その人の中でも安定しないってことになれば、いっそのことKKDで何とかならんのかなんて思ったりしてね(笑)。

彼らの分析を安心して見られるようになるには、あとひと月くらいはかかるでしょう。そんなに難しい作業じゃありませんし、慣れてくれば測定時間も短くなるし、測定精度も上がるし、いいことずくめになってきますが、私の心の安寧はいつ訪れるのでしょうか(笑)。今日は、経験に頼らない判断をするための分析作業も、やはり経験が必要だったっていうオチですかね。


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コメント

分析の重要性

<<人毎に違うし、その人の中でも安定しないってことになれば、いっそのことKKDで何とかならんのかなんて思ったりしてね>>
酒造りに関しては、岳志さんご自身はもう十分習得され、KKDで充分立派な酒を造っておらので、とやかく申し上げる必要はないのですが、もともと技術屋の僕などは、このお考えには疑問を感じます。
分析値が人によって違ったり、その人によっても安定しないなどということは、ちょっと信じがたいことだからです。

酒造りにおける一般分析はそれほど難しいものではなく、特別の技術も要らないから、その気になって、一日みっちり練習すれば充分習得できるはずなのに、それがぶれるとなると、分析をする人のやる気を疑いますね。

にもかかわらず社長自ら
<<彼らの分析を安心して見られるようになるには、あとひと月くらいはかかるでしょう>>
まさか本気で言っておられるとは思いませんが、これでは、分析をする人の意識や責任感が変らないので、いつまでたってもその結果は変わらないし、
第一、分析をする本人が面白くないのではないでしょうか?

岳志さんは社長になられたのですから、これからは四六時中蔵に入っておられない日が増えると思います。
時には、醪の経過簿に書かれた分析値だけが頼りになるケースも出てくるはずですが、そんな時分析値が信用できないとなると、どうされますか?

大変僭越なことを申しますが、分析を担当する人に分析の重要性を理解させ、一日も早く正確な分析をする心構えと、技術を習得するよう指導されるべきだと思いますが・・・。

  • 2014/12/04(木) 10:33:26 |
  • URL |
  • 酒ひろし #-
  • [ 編集 ]

判断材料

人間の感覚は体調とかに左右されるところも大きいでしょうから、
分析による数値が判断材料として必要になるんだと思います。
また、数値には表れないものや総合的に見た判断も必要で、
そこはやはり、KKDがものを言うんでしょうね。

  • 2014/12/04(木) 12:31:35 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

科学的な

裏付けが必要といいつつ、その科学的な分析をするのにKKDが必要というのが酒造りらしいというかなんというか(笑)

科学実験が属人的というのは、科学としてはアレな感じですが、イキモノ相手だとそういうもんなんですかねぇ(笑)

  • 2014/12/04(木) 16:11:18 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

Re: 分析の重要性

いや、久しぶりに酒ひろしさんにお目玉をいただいちゃいましたね(汗)。
こんな状態であるってことに関しては全て私の責任ですが、ちょっと大袈裟に書き過ぎましたかね(笑)。
なかなか練習するっていう時間もなくって、実地で訓練を積むっていうような状況ではあります。
こちらの要求する精度と、慣れによる分析の安定性とのギャップがまだあるっていう感じです。
彼らの分析した結果が私の予測よりも正確なはずだっていう確信が出てくると安心なんですけどね。

  • 2014/12/05(金) 00:38:03 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 判断材料

分析結果っていうのは人間の体調とは関係ないですよね(笑)。
でも、慌てて分析したら結果もずれてきますしね。
集中力が欠けると、いつもより時間がかかったりして。
人間のやることですから、人間的な面もあったりします(笑)。
そういうブレが無くなるようになるまでに、それなりの経験が必要になるのかもしれませんね。

  • 2014/12/05(金) 00:43:09 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 科学的な

やっぱり、私達のやってるいことは酒造りらしいことばかり(笑)。
ハイテクじゃないけど人間的だってことでしょうか(笑)。
相手が生き物だってところも、思わぬブレの原因かもしれません。
こちらの思った通りには行動してくれませんもんね。
いずれにしても、そこが面白いところってことでしょうか。

  • 2014/12/05(金) 00:48:39 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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