専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

官能評価

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今日の話題は、どんなふうに書き始めたらよいものやら、チト思案してしまうんですけど、お酒の味の評価っていうことなんです。テーマにある「官能」という言葉は少しエロティックな響きですが、数字では表すことのできない人間の感覚によって下される評価のことですよ・・・お間違いなく(笑)。

裏話から始めましょうか。今仙台で狂ったように鶴を売りまくってくれている男がいるんです(分かりますね・・・笑)。ありがたい事に、仙台での鶴の評価は、彼のセールスのおかげで悪くはないみたいなんですが、その彼のもとに1通のメールが届いたんだそうです。

内容的には、初めて信濃鶴を飲んだ、かなり舌の確かなその筋の方の評価でした。鶴を決してけなしているわけじゃぁないんだけど、あまりいい評価ではなかったそうです。そういう話を聞くと、ノーテンキな私でも少しは気落ちするんですよ(涙)。

このメールに関して、かの酒販店の店長と結構真面目な意見交換が続きました。毎日メールでやり取りするんですが、いろいろ考えさせられましたよ。男2人が毎日メール交換ってぇのもちょっとキモチ悪りぃかも知れませんけど・・・(笑)。

結論的には、味の感じ方は人それぞれだし、合わせる料理や、シチュエーションでも受け止め方が変わってくるので、どんな状況でも誰にでも美味しいお酒というのはない。しかし、お酒を提供する側はワインのソムリエと同じように、もっともっと料理との相性に訴えた売り方をしないといけないんじゃないかということになりました。

じゃぁ一体鶴は何に合うのか、はっきり示せない情けない自分もいるわけですが、彼は彼なりの意見を自分のブログに、全くいつものキャラとは違った、本性丸出しの真面目記事にしてまとめて書いています【酒の嗜好に思う】。「らしくねー」って感じですが、こっちの方が彼の素顔ですね、たぶん。こっちの方【その前日の記事】は仮面をかぶってんじゃないかなぁ(笑)。

だから、私もなんかまとめて書いておこうと対抗意識を燃やしたんだけど、日本酒ってワインと違ってそういう部分が弱いんですよね。我々も訓練されてないし、つまみとの相性なんて考えて居酒屋で飲んでる人は極少数派でしょうね。私もこれからは、常にそういう意識をもって鶴を飲んでみて、キチッとした意見が言えるようになれればいいですね。

私としては、みんなにいつも美味しいと言ってもらえるはずはないんだけれど、それでもみんなに美味しいと言ってもらえるように頑張ろうと思います。そんな酒できっこないと開き直ることは気持ちが楽ですが、どこまでできるか突き詰めていくことで、自分との勝負を続けていければいいんじゃないかと思っています。

地元でも、同じ様なキツイ評価を受けることがあります。その度うなだれて鶴を飲んでみますが、その度不死鳥の、いや不死鶴のように少しだけ気を取り直すことができています。そんな時頼りになるのは、自分の信念と、どこかの酒屋さんのように応援してくれている人たちのうれしい気持ちだけです。

そういえば店長にメールをくれた方も、その後に改めてきちんと鶴のことを認めてくれた内容のメールも送ってくれたんだそうです。ひとりの人の中でだって、両極の意見が混在してるんだから、いつでもどこでも誰でも美味しいっていうのは、やっぱり難しいんでしょうね。

さぁて今日も官能審査の訓練するぞぉ!比較しなくっちゃだから、いくつか飲まなくっちゃぁイカンのだよなぁ。量だってちょっと飲んだだけじゃぁきちんとした評価もできないしなぁ。あっ、それから料理との相性も見なくっちゃだから、それなりの肴も女房に用意してもらわなくっちゃだし・・・訓練するのも大変だぁ、こりゃ(笑)。


□□□ 信濃鶴と相性のいい料理は何? □□□
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コメント

官能テスト

何時もなんとなく淫靡で艶かしい言葉が浮かんできますが
元来の助平根性が出るのではないかと思います
しかしこのテストは人には100点でもある人は50点
が付く事も有りますから突き詰めれば個人の好み
ですね、幾ら日本酒を飲み込んでても一般の人は
そうではない訳でその人達に販売する訳ですから
好き嫌いは有ると思います、現に私も新潟のKは
前も言いましたが全く評価しませんし飲んで美味しい
とも思いません、頑なに意固地になってる訳では無く
又飲んで美味しければ直ぐに飲み始めますが

以前宮城のW屋を置いてましたが段々味が悪くなって行く
感じがして仲間の蕎麦屋さんと話をしたらその方も最近
そう思うと話しました、5,6年前に良い評価が有ってそこそこ
売れ始めた時で、売れるに従い販売店に対しても強気な態度
で来たそうですそうなると如何してか味も悪く成りました当然
技術が無くては良い物は出来ませんが気持ちも味の内では
無いかと思います、慢心は正直に物に出ますね。

  • 2007/07/28(土) 21:27:15 |
  • URL |
  • 蕎麦屋のオヤジ #-
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日本酒において、今まで一番欠けている発想であります。
その土地土地で造られているお酒が
その土地の食べ物に合うのが当たり前のはずです。
それでなければ、地酒なんて言葉は意味がなくなります。
最近食中酒を目指しています、なんて云う蔵元には
正直幻滅する事が多いのです。
お米で造られたお酒は、ご飯に合うおかずに合うことが普通だと思います。
故に純米酒宣言をしたことは間違いではないと思います。
あとは、御自分の造るお酒に合う肴を見つければ良いのでは。
僭越な意見かもしれないですが、ご自分が美味いと感じるお酒を
造り続けることでしか、その答えは見つからないのでしょう。
微力ですが、共に探せれば幸いであります。(^^

  • 2007/07/28(土) 22:01:49 |
  • URL |
  • volnay007 #-
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官能感度

私もサンセールさんが仰るように、白身魚とまでの拘りがないまでも、お刺身やさっぱりした肴に一番合うと思って飲んでます。日本酒全般的に私は思うのですが、山葵系の辛さはOKですが、唐辛子系の辛さには合わないと思います。ですから焼肉やキムチ、麻婆豆腐や中華だとあまり進みませんね。(日本酒しか飲めない私は、どの肴でも日本酒を飲んでいますが…笑)これも、感じ方は人それぞれでしょうし、激辛ラーメンが好きな人、駄目な人とでは、この感覚も全く違うんでしょうし…。一概には言えませんね。ただ言えることは、多くの人から評価をいただいているのですから良いお酒だということです。どんな肴に合うか合わないかはその人の勝手ですが…。たまたまその人に合わない肴で、最初飲んでしまっただけなのかも知れませんね。でも、その気持ちがあれば「慢心」など心配ないこと間違い無しです(*^_^*)♪。
先日お話しした神楽坂のお寿司屋さん、名刺をもらって帰ってきてから挨拶状を出しました。返事をいただけたら「私の地元のお酒です」と鶴をお送りしようと企んでいたのですが…、みんな私のように暇ではないようです(泣。昨夜はMの鮨で鶴を戴きました。私の中では、やっぱ鮨には鶴のようです♪

Re:官能テスト

そうですね。様々なシチュエーションに加えて、個人の好みという最も厄介な問題もクリアして、ようやく「美味しい」という評価にたどり着くんですね。
そう考えると、いろいろと壁があって大変ですよね(笑)。
W屋はたぶんいい酒なんだと思いますが、売れ始めたらだんだんと味が落ちたという、最も怖い評価になってしまっているんですねぇ。
「気持ちも味のうち」というオヤジさんの声を、私も忘れないようにこれからの酒造りに生かしていかなくっちゃなりませんね。

  • 2007/07/29(日) 22:54:46 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re:volnay007さん

私も、地元の肴と地酒の組み合わせが最高だと思います。
肴に合う酒を造るのは確かに大変だと思います。
それよりも、思いっきり地元を生かした地酒を造って、その後に何が合うのか探すっていうのは、いいプロセスかもしれませんね。
『ご自分が美味いと感じるお酒を造り続けることでしか、その答えは見つからないのでしょう』というのは、大変に勇気づけられる言葉です。
私も純米蔵宣言をしたことに関しては、後悔はしたくありません。
日本には、そしてこの地元には、必ず鶴に合う肴がたくさんあるはずです。
volnay007さんも一緒に探してください、お願いしますね。

  • 2007/07/29(日) 23:27:38 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re:官能感度

分かります、分かります、唐辛子系の辛さには日本酒は合わないと思います。
味が全然分かんなくなっちゃうっていうか、変わっちゃうっていうか、とにかく私も、お酒を飲む時にはあの辛さのものは極力避けてます(笑)。
isuzuさんが言われるように、皆さんには「慢心したな」と言われることのないように常に精進していきたいと考えています。
多くの方からいただいた評価を、更に良い品質の酒を造ることに生かしていければいいですよね。
isuzuさんの場合、鮨には鶴というよりも、何にでも鶴っていう感じになってくれてるんじゃないんですか?(笑)。

  • 2007/07/29(日) 23:38:28 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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昼休み

「その筋の方」は普通酒としてではなく純米酒として評価されたんじゃないでしょうか?
普通酒と純米酒では市場も担う役割も全然違う場合が多いので、見方によって評価が全く異なると思います。信濃鶴は純米酒の名前を背負っている酒だけに最初はコストパフォーマンスの高い純米酒という理解(誤解?)をされると思うのですが、私は高い品質を持った普通酒じゃないかと思っています。日頃、普通酒を飲むことを忘れていたのですが、信濃鶴を飲むようになって、安心して飲めるようになったのですよ。これは重要なことだと思います。

あと、信濃鶴は結構何にでも合うと思っています。
どちらかというと濃い味の料理よりも薄味、肉よりも魚、気取った料理よりも日常の食事だと思います。この前、冷やしたキュウリに味噌をつけて信濃鶴を飲みましたが、よかったですね。(って料理じゃない!)

個人的には蕎麦の味を引き立たせる純米酒なんてあったら嬉しいですね。東京でもそば屋で出てくる酒が意外と何も考えてない感じで悲しい思いをします。特にメニューに「日本酒」と書いてあるとガックリです。

最後に辛い物と日本酒は濃いめのにごりが意外と合いますよ。

  • 2007/07/30(月) 12:06:55 |
  • URL |
  • はら #wr80fq92
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Re:昼休み

はらさんうれしいことを言ってくれるじゃぁないですか。
私は鶴はコストパフォーマンスの優れた純米酒として造っているんじゃありません。
はらさんのおっしゃる通り、最高の品質の普通酒として造っているつもりなんです。
そして、そんなこと知ってもらわなくても、安心して毎日飲んでくれていればそれでいいと思っているんです。
野菜料理に合うんなら、うれしいんだけどなぁ。
きゅうりの味噌付けたのは私も大好きだから、今度試してみますね。
でも普通考える取り合わせじゃぁないですよねぇ(笑)。
私、蕎麦と鶴はかなり合うと思ってます。
今度試してみてください。

  • 2007/07/30(月) 18:22:04 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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蕎麦

あれ、ブログに

「一体鶴は何に合うのか、はっきり示せない情けない自分もいるわけですが、」

って書いてあったのに、、

>「私、蕎麦と鶴はかなり合うと思ってます。」

って自信満々じゃないですか!!v-218
あと、キュウリにつける味噌はもちろん信州味噌です。

  • 2007/07/30(月) 19:12:23 |
  • URL |
  • はら #wr80fq92
  • [ 編集 ]

Re:蕎麦

いやいや、ちょっと自信を持ってるだけです(汗)。
これだけ毎日鶴を飲んでいるわけですから、少しは見当がついてるんですよ(笑)。
蕎麦屋で蕎麦前として飲む鶴は美味いです!
蕎麦食べながらでも良いです!
蕎麦に合うっていうだけでも、わたしゃぁ満足なんです(笑)。

  • 2007/07/30(月) 22:50:19 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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