
さて、1日空いちゃいましたけど、粕詰めのお話の最終回です。昔と違ってある程度の量に分けて酒粕ををポリ容器にとっておいて、その容器から1袋ずつ手で袋詰めするんだけど、この田舎じゃぁ粕は硬くなくっちゃ売れなくて、そのために冷蔵庫に保管しておくんだけれど、硬い粕は袋に詰めるのが大変だ・・・くらいのところまでの話だったでしょうか。
昔は冷蔵庫に入れるまでして、粕を硬くして保存しておくなんてこと考えられなかったんです。蔵の外にあるタンクに粕を入れてありましたから、否が応でも外気で暖められちゃうわけだし、大きな冷蔵庫もなかったですしね。ベッチャベッチャの酒粕を詰めたこともありました。
先日の記事へのコメントで、スパイ1号さんが東北の粕は軟らかいのが好まれるから、わざわざ温めているなんていうことを書いてくれてありましたが、こちらもそうだったら良かったのにー!とつくづく思っちゃいました。羨ましい・・・。
いくら硬い粕が欲しいと言われても、できないものはしょうがないと開き直れていたわけですが、やればできるとなればお客様のためにやらなくてはなりません。そして、やってみたら硬い粕を詰めるのはとても大変な作業になってしまいました。現代の機械の力を借りていろいろできちゃうっていうのも、考えものだぁね(涙)。
あんまり硬い粕を、何百個も詰めていると手が痛くなっちゃうわけですが、なぜこの作業が手作業かというと、今度は機械じゃうまくいかないってぇ話になるんです。汎用の機械にしようとしても、硬いものから軟らかいものまで対応しなくちゃならないし、機械詰めにしようとするとどうしても酒粕を練ってしまって、その後に粕が軟らかくなり過ぎちゃうなんてぇ話も聞いたことがあります。
それに、実際に自分でやってみればすぐ分かるんですけど、ある程度粘性のある半固体状のものをビニール袋に隙間なくギッシリ詰め込んでいくという作業は、実は簡単な作業ではありません。特に硬くなればなるほど隙間の部分ができ易くなっちゃうってことは、皆さんも想像に難くないでしょう。多少の空気が入っていたって、全然問題はないんですけどね。
上の写真を見てください。ビニール袋の隅っこまで、酒粕がミッチリと詰まってるじゃぁないですか。軟らかい粕ならばいざ知らず、難い粕でここまでしっかりと詰め込むのは、そういうつもりで丁寧に詰め込んでいかなければできない作業だと思います。これを機械でやろうとしても、できないわけではないでしょうが、簡単ではないんじゃないかな。
もっと言えば、粕詰め作業というのは、造り酒屋として酒を造るという本分からは少し外れた、夏の間の付随的な作業ですから、ここにそれほどの設備投資をすることは、実際問題としては考えづらいという側面もありますけどね。
さて、こんなに苦労して酒粕を詰めているわけですが、今年は気温が上がってくるのが遅くて、瓜のできが悪いせいなのか、酒粕の売れ行きがよくありません。田舎のばあちゃんたちなんか、瓜がたくさん取れちゃって捨てるのがもったいないから、とりあえず漬けとくっていうくらいの感度なんですが、今の人たちはあんまり漬物しないしねぇ。このブログの読者さんは、挑戦する気になってくれたでしょうか?(笑)。
□□□ 失敗してもいいから漬けてみよう! □□□
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