専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

宮城蔵見学

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さて、宮城の3つのお蔵さんの蔵見学レポートですが、私達がお邪魔させていただくくらいなんですから、どこも立派なお蔵さんばかりで、見習わなくっちゃならないことだらけだったなんていうことは当然です。ちょっと規模が違ったり、蔵が素晴らし過ぎたりして真似ることもできない部分が多々あったのも確かですけどね(汗)。

今回の見学のひとつのポイントは、どのお蔵さんも彼の大震災でかなりの被害を被っておられたっていうことでしょう。地震自体の揺れによるものよりも、その後の大津波による被害が大きかったそうです。それでも、造りを休むことなく、以前にも増していいお酒造りに邁進しておられる姿は、とても素晴らしいものだと思いました。

見学させていただいたのは、『浦霞(うらかすみ)』醸造元の株式会社佐浦さん、『墨廼江(すみのえ)』醸造元の墨廼江酒造株式会社さん、『日高見(ひたかみ)』醸造元の株式会社平孝酒造さんでした。佐浦さんが別格の大きさで、他2蔵は長生社の数倍っていうくらいの規模でしょうか。いずれにしても、ちょっと追いつけないような製造数量のお蔵さんばかりだったんですけどね。

津波で蔵ごと全部流されちゃったっていう程の被害じゃなくても、どのお蔵さんも膝上くらいの浸水にはなったそうで、海岸から数キロもあるから津波なんか来るはずないと誰もが思っていたような場所で、海水が地面を全て覆い尽くすっていうことがどれほど深刻なことか、皆さんのお話をうかがっていてよく分かりましたね。

例え、もっと水が多かったとしても、海水だけが流れて来て、それがそのまま引けたっていうことなら後の掃除はもっと楽だったはずなんだそうです。津波っていうのは海水だけじゃなくって、海水と泥とゴミの混ざったものであって、水が引けた後には泥とゴミはそこに留まっちゃって、だから後片付けが大変なことになるんだとか。

中でも被害の大きかった墨廼江さんでは、ボランティアの皆さんに手伝ってもらって麹室の床下の泥をかき出したっておっしゃってましたが、いっそのこと全部壊しちゃった方が楽なんじゃないかと思うくらいの作業だったんじゃないですかね。それでも、出来ることからすぐに実行したっていう行動力が、素早い復旧につながったんだそうです。

それにしても、どのお蔵さんもかなりの設備投資を余儀なくされて、以前の経営状態に戻っておられるのかどうかは分かりません。国からの補助金も相当額あったそうですが、それは以前の状態に復旧させる分だけにしか支給されなくて、これを機に何かを新しくしたっていうような部分は大きな借り入れになったそうです。日高見さんの蔵の中なんて、ピカピカの最新式っていう感じでしたね。

それでも皆さん元気にお酒造りに励んでおられるのは、東北復興支援の機運の中で、お酒の注文がたくさん入って、それに背中を押してもらったからだそうです。東北地方のお酒の売れ行きがかなり好調だったのは私も記憶に新しいところですが、それがなければ廃業していたかもしれないなんておっしゃってましたね。

今回見習うべきは、製造設備でも、お酒の味でもなくて、大きな困難にぶつかってもそれを克服してなお進み続けてきた各お蔵さんのご努力でしょう。私もそれに負けない気概を持って酒造りをしなくっちゃと思いました。それから、4枚目の写真はオマケで、日高見さんの蔵で拝見した、私が欲しいと思った洗米機です(笑)。


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コメント

震災復興

訪問された3蔵は有名蔵で、目にしたり口にする機会も多いです。
どちらも大震災の津波で被害を受けながらも復活して、
特に日高見の震災復興酒が当時のテレビで取り上げられてるのを見て、
感動したものです。
設備投資で大変なところもあるでしょうけど、
その設備と培った技術で、この日本酒ブームを牽引して行って欲しいものです。

  • 2014/05/25(日) 13:07:28 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

Re: 震災復興

3蔵とも全国的にお名前を拝見するブランドですよね。
それだけ味の評価は高いっていう証明だと思います。
きっと、そういうお蔵さんだからこそ復興の追い風がしっかりと吹いたんでしょうね。
日高見さんは一番設備投資がすごいようにお見受けしました。
どのお蔵さんもまだまだこれから伸び代があるっていう気概が感じられましたね。

  • 2014/05/25(日) 14:47:00 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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