専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

千載一遇



酒販店さんにご挨拶回りをさせていただいている時って、大抵の場合は店先で立ち話か、店内の椅子にでも座ってお話しすることが多いんです。つまり、お客さんが入ってくれば、目の前でご店主とやり取りをされることになりますし、私も同じ空間にいるっていうことになるわけです。お客さんからは、私もお酒を買いに来ているように見えてるんでしょうね(笑)。

そして、そういう立ち話の中で、お店の方が私達蔵元を喜ばせようと、「信濃鶴しか買っていかないお客さんもおられるんですよ」なんていう話をしてくれることもあって、きっとそんなお客さんはいてもひとりくらいなんでしょうけど、私達からすると、知らないところにも鶴チューがいてくれるんだと、内心は本当に嬉しかったりするんですけどね。

ただ、そんな何百人にひとりしかいないようなお客さんにお会いできる機会なんてあるわけがなくって、どうしても会いたきゃ1週間くらいそのお店に張り込んで待つしかありません(笑)。それほどの鶴チューじゃなくっても、私がお店にいる時にタイミング良く信濃鶴を買いに来てくれたお客さんに遭遇するなんていうこと自体、これまでに数えるほどしかありません。

ところがところが、先日世田谷のA酒店さんにお邪魔していた時のこと、「お宅のお酒には固定客がついちゃってて、信濃鶴しか買わないお客さんがいるんだよ。うちとするとお宅のように安いお酒ばかり売れると、利益率が下がるから困るんだよなぁ」なんて、ご店主のいつもの毒舌を拝聴していたんです。長くお付き合いいただいてますから、私も慣れっこなんですけどね(笑)。

その時、常に店内にお客さんのいる繁盛店に、もうひとり明らかに常連さんっていう雰囲気の方が「ちわーっす」って感じで入ってこられました。ところが、普通のお客さんなら棚にズラリと並んだお酒を、どれを買おうか思案するように見て回るのに、その方は迷うことなく私達が話し込んでいる棚の方に来て、私の目の前の鶴のビンを1本つかまれたんです!

そこで、「おーおー!この人だよ!今話してたの!」ってご店主に言われてビックリ仰天。正に、私が半信半疑で想像していた、未だ見ぬ鶴チュー氏が目の前に現れたわけですからね。「僕は浮気しないで、これ一本ですよ」とおっしゃって、私も喜び勇んで名刺をお渡ししてご挨拶させていただきました。私もですが、その方もお店で蔵元に遭遇するとは思ってもおられなかったでしょうから、お互いにビックリ仰天(笑)。

今回はその他にも、中野のK酒店で、私がそのお店をおいとました直後に鶴をお買い求めにお客さんが来店されて、「今まで蔵元がいたんだよ」なんていう話になったって、実はそのお客さん自身からブログにコメントをいただいて、私もニアミスに悔しい思いをしました。そんな場所でお会いできれば、それこそ完全なるサシでの営業活動になったはずですけどね(笑)。

いずれにしても、信濃鶴を指名してお買い求めいただけるなんて本当に嬉しいことです。お客さんにも、鶴を辛抱強く店頭に並べていただいている酒販店さんにも感謝感謝です。これからも、そんなお客さんをひとりずつ増やしていけるように、地道に頑張っていかなくっちゃ!!!


□□□ こちらも地道にやってます □□□
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コメント

鶴ファン

酒販店さんへの営業訪問って、滞在は30分くらいなんでしょうか?
長くたって一時間がせいぜいでしょうから、
その間に鶴を買いに来たお客さんと遭遇するなんて、極々稀なことですよね。
それだけに、その場に居合わせたら、そりゃあ嬉しくなって、
ハグの一つもしたくなるってものです。(笑)
扱ってる酒販店さん一軒に何人かは、
マニアックな鶴ファンがいるんじゃないですかね。(^^)

  • 2014/05/19(月) 12:21:22 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

私も

高橋酒店さんでは信濃鶴しか買わない人なので、そういうお客さんの一人です(笑)

私みたいに色んな物を飲みたい人と対極で、コレと決めたらそれしか飲まないって人も少なからずいらっしゃいますよね。
とあるお蔵さんにうかがった時、そこは平均精米歩合が50%チョイという非常に磨くお蔵さんなのに、ラインナップに普通酒があったので面白いなぁと思っていたら「それは近所のお年寄りがそれしか飲まないんで、しょうがなく作ってます」っていう事をおっしゃってました。
なんにせよ、そういう強烈なファンがいるというのはありがたいことですねぇ。

  • 2014/05/19(月) 13:44:05 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

Re: 鶴ファン

営業訪問の滞在時間は30分から1時間っていうところですかね。
一緒に飲みに出たりするとエンドレスです(笑)。
1年の内の1時間しかそのお店にいないのに、鶴チューのお客さんに遭遇するとは(汗)。
それだけそのお客さんが足しげく通ってくれているのかもしれませんが(笑)。
そういうお客さんに支えられて鶴も何とか生き残っていられるんですよねぇ・・・。

  • 2014/05/19(月) 19:25:28 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 私も

高橋酒店さんにはもっといろいろいいお酒が並んでいるのにねぇ・・・。
高橋さんでは完全なる鶴チューっていう位置づけですね(笑)。
決めたものしか飲まないお客さんの話はいろんなお店で聞かされます。
もしかしたら信濃鶴はそういう特性を持っているのかもしれません(笑)。
飲んだ人すべてが鶴チューになるような薬があったら、世界を制覇できますな(笑)。

  • 2014/05/19(月) 19:35:29 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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