専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

王冠

20070722023821

先日読者のはらさんから、一升びんの王冠(栓)についてコメントをいただきましたので、今日は少しウンチクを垂れてみましょうか。いやいや、大したウンチクじゃないから期待しないで下さいね(笑)。

信濃鶴で使っている王冠は写真の上の段に並んでいるやつです。どれも同じ物です。1番左が一升瓶に付いている状態だと思って下さい。開栓する時には、その状態から周りのアルミの部分を取り去ります。それが左から2番目のものです。

すると、左から3番目のプラスチックの栓の部分だけがびんの口に残ることになります。それを裏側から見たものが、1番右になります。我が社で使っている王冠には少し工夫があって、左から3番目の写真を見れば分かるように、開栓の際に指を引っ掛けて開けられるように、栓の縁の部分がリング状に持ち上がる構造になっています。

信濃鶴で使っているのとは少し構造の違ったものが、下の段に並べられています。1番左が全部がプラスチック(というよりビニール?)製のもので、写真ではスカート部分が取り除かれていますが、打栓をする際に機械を使わなくても人間の手でグイッと押し込むこともできるタイプのものです。

真ん中の2つは同じものをアングルを変えて写してあるだけですが、栓の真ん中に突起があって、それが一升びんの口の中に入り込んでしっかりと栓ができるタイプです。このタイプが全体的には1番多いんじゃぁないでしょうかね。しっかり栓ができ過ぎてしまって、簡単に手で抜けないくらいのものもあるようです。

下段の1番右は、信濃鶴で使っているタイプと、真ん中に突起あるタイプの中間みたいな構造ですね。びんの口の外側を包み込む構造なんだけれど、真ん中にも低い突起があって、それがびんの口の中にも少し入ります。

王冠(栓)の1番の使命は、びんの中の気密を維持することにあります。その効果が最も高いのは真ん中に突起があるタイプかもしれませんね。日本酒は一旦開栓してしまうと、徐々に酸化が進んで酒質は落ちてきますから、なるべく空気の出入りの少ないものがいいわけです。ただし、通常の使用状態であればどれもさしたる違いはないでしょう。

信濃鶴もかなり前まで、真ん中突起タイプを採用していましたが、何と言ってもこのタイプは栓が抜きにくいんです。瓶詰めの作業の時には、回収してきた一升びんを洗うわけですが、この時に栓が付いているものは手ではずさなくっちゃなりません。

この作業もやりづらいし、抜きにくいというお客様の声もあったりして、現在使用しているびんの口の外側を包み込むタイプのものに変えた経緯があります。まあ、回収びんは我が社のびん以外のものの方が多いわけなので、自分の製品だけ変えても栓を取る作業自体は大して楽になるわけじゃぁありませんけどね(涙)。

もう一点、ここ最近のトレンドとして、ごみの分別回収が一般的になってきたために、アルミとプラスチックを分けて捨てなくっちゃならないご時世になってきました。この写真の下段の3つは栓の上部にアルミが貼り付けてあるような構造になっていて、簡単に分別することができませんね。

信濃鶴も以前はアルミがくっついたタイプのものでしたが、分別ができるように数年前に現在のものに変えました。もちろん真ん中突起タイプの栓にも分別可能な製品もありますよ。あんまりお目にはかかりませんけどね。

これらの王冠は、何も長生社が開発したわけじゃぁなくて、専門の業者が開発したものに自社のブランドを刷り込むだけなんです。ですから、そういった業者の皆さんの技術・製品開発に助けられて、我々の最終的な製品も少しずつ変化していくわけです。時代のニーズに応えて、工業製品も進化を遂げているんですね。

いやぁー、久しぶりのウンチクブログになりましたね。飲んでばかりいて、日本酒に関する情報発信というこのブログの大事な使命をを忘れてましたよ(笑)。


□□□ ポイントが伸びなくて順位も落ちるばっかしやん(涙) □□□
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コメント

「安藤奈津」饅頭屋 ・ 「蔵人=クロード」造り酒屋
いずれもウンチク漫画の主人公ですが、当節漫画でも大流行みたいですね
プログももちろん、これが主流だっちゃ

  • 2007/07/22(日) 05:26:12 |
  • URL |
  • 豊田の和ちゃん #-
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最近は

日本酒は空気に対して敏感ですね。居酒屋では今日空けた奴なんて頼み方をしています。蛍光灯の光った冷蔵庫に何日もあるのは、遠慮しています。そうなると売れ筋だけを飲むようになってしまいます。王冠は密封にとって大事なことと種類がいっぱいあることがわかりました。

  • 2007/07/22(日) 17:21:28 |
  • URL |
  • ヨコハマ #-
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保存

私の所は蛍光灯の無い冷蔵庫に保存してますが
栓を開けてからでもかなり持つと思いますが
目安として一月位で飲みきってます
瓶はリサイクル出来ますので瓶で買いますが髪パックの
物はなんとなく紙臭い気がします
昨日山形の米鶴さんのうきたむ飲みましたがこれも
美味しかったです、久々でしたが米鶴さんも上手ですね
単に鶴絡みでコメントしてるだけですが。

  • 2007/07/22(日) 18:12:31 |
  • URL |
  • 蕎麦屋のオヤジ #-
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  • 2007/07/22(日) 23:18:10 |
  • |
  • #
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Re:豊田の和ちゃんさん

蔵人という漫画の話はよく聞きます。
流行ってるんですね。
私の中では夏子の酒が唯一の酒漫画になってます(笑)。
これも勉強だと思って、買って読んでみようかなぁ。
まあ、本当の蔵は漫画の中のようにかっこいい世界じゃないですけどね(涙)。

  • 2007/07/23(月) 02:59:50 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re:最近は

そうですね、こだわってる人なんか、居酒屋でいつそのお酒を開栓したか聞いてますよね。
新鮮なものを飲もうとすれば、確かに売れ筋で回転のいい酒になってしまうでしょう。
びん内の上部空間が大きくなってくると、お酒の劣化も早いみたいですよ。

  • 2007/07/23(月) 03:03:32 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re:保存

蛍光灯の紫外線はお酒に悪影響を及ぼすようです。
蛍光灯の光は当てない方が良いでしょうね。
長生社でも純米化した時に紙パックはやめてしまいました。
紙パックは容器代が高いんですよ。
うきたむってまだ飲んだことないんじゃないかなぁ。
今度あったら試してみますね。

  • 2007/07/23(月) 03:08:00 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re:王冠

ありがとうございます。じっくり拝見させていただきました。
王冠だけでこれだけ書けちゃうのがすごいです。

信濃鶴の王冠はリサイクルを考えての事だったのですね。回収後に開栓しなければならないというのは大変な作業ですね。確かに信濃鶴は爪の長い女性にも開けやすそうですし、ビニール製なので分別しやすいです。一部金属タイプは分別のとき困るんです。

瓶の回収ですが、今でもリサイクルされているんですね、最近は分別して出すため、その後どうなるのかなーと思ってました。確かに一升瓶を見ると一度の輸送で付いたとは思えない細かい傷が付いている瓶があったりします。きっとその瓶は色々とリサイクルされた瓶なのでしょうね。他社のも混ざっていると言うことですが、他社の瓶でもリサイクルできるのですか?一升瓶によって微妙な違いはないのでしょうか?4合瓶は結構違いがあるように思いますが。

  • 2007/07/23(月) 19:27:35 |
  • URL |
  • はら #wr80fq92
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便乗

他の皆さんのコメントに便乗するかたちになっちゃいますが、お酒の保管方法は結構こだわりがあるのですね。

私の場合、常時家に一升瓶がゴロゴロしていてとても全てを冷蔵庫で保存することは出来ません。直射日光が当たらない場所で常温で保管しています。その中には生酒もあるのですが、夏でも問題ないみたいです。冷やで飲みたい酒は4合瓶で買って冷蔵庫で保管するようにしています。今のところこんな扱いでマズくなった酒はないので、日本酒は案外打たれ強いのかも知れません。

  • 2007/07/23(月) 20:19:34 |
  • URL |
  • はら #wr80fq92
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Re:Re:王冠

そうなんです。
あの王冠は分別回収対応のものなんです。
こんなご時世なのに、案外分別対応の王冠を採用している蔵は少ないように思います。
一升びんに関しては、ビールびんと並んでリサイクル(リユース)の優等生なんですよ。
つまり、どの一升びんでも形は同じなんです。
そりゃぁ、ほんの少しの公差程度はあるでしょうが、どの一升びんも同じものだという前提の下で、リユースが可能になっているんです。
4合びんに関してはその限りではありません。
いろいろな形のものが存在します。
だから、使えないものが多いんですよ(涙)。

  • 2007/07/24(火) 22:55:56 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re:便乗

私もあまりお酒の保管には頓着のないほうですが、それは開栓したら無くなるまでにそれほど時間がかからないせいもあります(汗)。
原則は15℃以下の冷暗所です。
冷蔵庫に保管すると、お燗でもしない限り常に冷えた酒を飲むことになりますが、それも個人の好みといったところでしょうか。
生酒はやっぱり冷蔵庫がいいと思いますね。
酒質の変化というより、火落ち菌の繁殖が一番怖いです。

  • 2007/07/24(火) 23:02:50 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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