専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

育成期間

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ネタがないだのなんだの言ったって、このブログじゃぁお酒造りのことをメインに書かないと格好がつかないだろうと思って蔵の中をぐるっと回ってきたら、いつもより元気な酒母の泡に出会ったので写真に収めてきました(笑)。どんなこと書こうか考えてたわけじゃありませんけど、やっぱり画像があるとイメージって膨らみますよね。

ちょっと前に、酒母の泡のことに関しては記事にした・・・ような記憶がありますから(汗)、改めては書きませんけど、長生社で使っている酵母は全て『泡なし酵母』と呼ばれるタイプのもので、いつもだったらこんなに泡は立たないんです。そうですね、泡の部分だけで15センチくらいの層になってるかな。ここまでの高泡になるのは珍しいです。

でも、泡が立つってことは酵母が元気な証拠だと思えば、いつもと少し違った状況でも、それほど気にしなくていいでしょう。たぶん、こんなに高い泡は一晩くらいで収まっちゃうはずです。昔の『泡あり酵母』だったら、タンクの縁からあふれ出るくらいにモコモコしてきますけど、万が一そこまで行ったら慌てて心配すればよろしい(笑)。

ちなみに、『酒母(しゅぼ)』っていうのは、お酒の仕込みの一番初めに必要となる、元気な酵母を大量に培養した、発酵のスターターの役目を担っているものです。全仕込み量の6~7%くらいの量で、仕込が始まる前に造っておいて仕込の初日にタンクに投入されますが、その後の発酵を左右するとても大切なポイントになるんです。

今年の仕込のちょっとした変更点のひとつに、この酒母の育成期間の短縮がありました。大体、酒母っていうのは2週間くらいの育成期間を経て本仕込みに供されるのが一般的です。最近よく名前を聞く『生酛(きもと)』とか『山廃酛(やまはいもと)』なんていう種類の酒母は1ヶ月もかけて丁寧に育てるんですけどね。我が社の酒母は、極々一般的な『速醸酛(そくじょうもと)』っていうヤツです。

信濃鶴の場合、昨年までは大体教科書通りに使ってたんですけど、仕込サイクルの簡素化なんかを考えて、今年はちょっとだけ短い方が楽になるんじゃないかっていうことで検討して、仕込当初からエイヤッと変えてみたんです。ま、長いのも短いのもありますし、そんなに何日も短くしたわけでもないんですけどね(笑)。

これまでの流れには慣れているし、もしかしたら不測の問題点が出てくるかもしれないと思ったんですけど、今のところ経過は順調かな。発酵の状態もいいので、短くして悪いわけでもなさそうです。まぁ、そんな経緯もあって、こういうふうに高い泡が形成される場合もあるのかななんて思ってるんですけどね。

ほんの少しの変更が、お酒の味に影響することだってありますから、これまでのパターンを変える時には慎重にならなくっちゃなりません。今回は大した変更じゃありませんが、今後はガラリと手順を変えたり、機械が入れ替わったりすることもあるでしょう。そうなった時に、お酒がいい方向にのみ変わっていければいいんですけどね。


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コメント

変化

ネタに困ったら、原点に戻るのが一番ですかね。(^^)
酒母の育成期間を短縮するって、かなり大胆な決断に思えます。
仕込みのスターターとして重要な役目を果たしますから、
育成機関が長ければ良いってものじゃないにしろ、短くするとなると勇気が要りそう。
ま、これまでの経験値や他の杜氏さんの話を聞いてのことでしょうね。
これまでのやり方をガラリと変えるわけにはいかないでしょうが、
殻を破るには、そうした小さな変化の積み重ねが必要なんでしょうね。

  • 2014/02/13(木) 12:32:27 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

曰く

「一麹、二酛、三造り」って言いますから、酒母は大切ですよね。
…とある方は「一に蒸し、二に蒸し、三に蒸し」とおっしゃったようですが(笑)

そういえば、日本醸造協会で配った泡なし酵母で、やたらと泡が出るってことで回収・再配布になったことがあるらしいですね。

ひょっとしたらその酒母に使った酵母も泡が出るタイプだったりして…(笑)

  • 2014/02/13(木) 14:19:36 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

Re: 変化

確かに原点回帰は必要なことでしょう(笑)。
育成期間の短縮って言っても、そんなに劇的な短縮じゃありません。
1日2日くらいのもんですから、それほど変化もないんです。
とは言え、そのほんの少しがほんの少し影響をするわけで(笑)。
そのほんの少しの積み重ねが最終的なお酒の味になるのが楽しいところです。

  • 2014/02/14(金) 01:42:45 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 曰く

酒母の重要性は改めて語るまでもありません。
まぁ、お酒造りに詳しい人に対してってことですけどね(笑)。
蒸しの重要性も言わずもがなで、麹や酒母を語る以前の問題です。
泡無し酵母に泡が立つことはままあることのようです。
今回の写真の泡なんて、立ったうちにならないくらいのもんです(笑)。

  • 2014/02/14(金) 01:45:06 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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