専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

初コシキ

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蔵が始まると、全ての工程に初めての作業っていうのがありますから、ブログネタには事欠きません(笑)。その年初めてやったことってそれなりに話題がありますから、1日分の記事には簡単になっちゃいます。まぁ、私も蔵の生活が始まるとブログにあまり時間が割けませんから、話題の選定に苦労がなくて助かりますね。

一昨日『洗いつけ』の記事を書きましたから、次の工程は『初コシキ』っていうことになります。つまり、お米を蒸す作業のことです。『コシキ』って言葉は聞き慣れない読者のみなさんもおられると思いますけど、お米を蒸す道具のことです。よく中華料理で使う、あんまんとか肉まんを蒸すセイロのでっかいヤツだと思っていただければいいんですけどね。

お酒の原料はお米ですが、私達が毎日食べている炊いたお米とは処理の仕方が違っています。炊くってことは水の中にお米を入れて煮るってことですけど、私達が蔵で行っている原料処理はお米を蒸すわけです。下からお米の層に蒸気を通して蒸し上げますから、使う道具もセイロと同じ原理です。まぁ、構造的にはかなり違いますけどね(笑)。

上の写真はその構造が分かり難い撮り方をしちゃったんですけど、直径1.2メートルくらいの円筒の中に仕切りがあって、その下に入れた水を沸騰させて蒸気を発生させて、仕切りの上に入れたお米を蒸すって感じです。そんなに単純じゃありませんが、詳しく説明し出すと大変なことになるので、頭の中で多少メカニカルに誇張してご解釈ください(笑)。

長生社の蔵には2つコシキがあって、一度にたくさん蒸す時にはもっと大きなコシキを使いますが、麹米のように丁寧に蒸したい時にはこの写真の物を使います。どんな状況かちょっと分かりづらいとは思いますが、コシキの上部には専用の布がかぶせてあって、その布の中心から蒸気が逃げるようになっています。

穴の大きさを調節することで、中の気圧も若干は調整できる構造になってますが、その辺の圧力の加減はその蔵毎のやり方があって、皆さん工夫されておられると思います。長野県のように標高が高い場所では蒸気温度も100度にはなりませんから、当然海沿いのお蔵さんとは蒸し上がりは違ってくるでしょうね。

こんな単純な機械にも、いろんなバルブが付いていて、その場所場所で微妙な調整をするんですけど、使い始めの時って「あれ、このバルブってどのくらい開ければいいんだっけ?」みたいに全てを思い出せないこともあって、いざ作業が始まって蒸気が通り始めてからなけなしの記憶力を総動員することもよくあります(汗)。

昔はメモっておいたものを慌てて見返したりもしましたが、今ではケセラセラの心持ちでゆっくりと眺めていられるようになりましたね。覚えてないっていうことは、そんなに重要な意味を持つバルブじゃないっていうことの裏返しであって、様子を見ながら微調整してけばいいんですって(笑)。その余裕を反映してか、初日の蒸し上がりは上々でしたよ。


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コメント

ワクワク♪

納めシリーズは無かったものの、初○○シリーズは続きますかね。(笑)
朝の蔵見学で、甑で米を蒸す様子を見せてもらったことがあります。
冷えた空気の中にもうもうと立ち上る蒸気の様子にワクワクしました♪

連休を利用して昨夜、娘が帰ってきました。
函館の友達に会いに行くと言うので、ボクら夫婦も一緒に行くことにして、
これから7時過ぎに車で出発です。
函館山からの夜景と明日の朝市以外は何もプラン無しだけど、
美味しいものが食べられるといいなぁ~♪
では、行ってきます!(^^)

  • 2013/11/01(金) 06:45:35 |
  • URL |
  • まっちー #-
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蒸米

故上原先生の曰く「1に蒸し2に蒸し3に蒸し」とおっしゃっていたそうですから、蒸米はかように重要なわけですね。

そういえば、洗米機ってここ数年でかなり進歩したらしいですけど、蒸し器って進歩しているんですかね?
基本構造が変わらない限り、そんなにブレイクスルーになることは起きそうにないですが(笑)

  • 2013/11/01(金) 12:48:36 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

Re: ワクワク♪

初物シリーズは続けるのが楽だと思いますよ(笑)。
コシキから蒸気が立ち上る光景って、私たちが見ても何となく心躍るものがあります。
そこからが全ての始まりっていう感じなんでしょうね。
娘さんと一緒に遠出なんてうらやましいですねぇ。
美味しいものを食べて、娘さんに孝行してもらってください!

  • 2013/11/02(土) 08:10:58 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 蒸米

確かに、いい蒸米を手に入れるのは容易なことじゃありません。
そこが上手くいきさえすれば、あとは何とかなるっていうのが上原先生の教えなんでしょう。
コシキの進歩っていうことはあまり聞きませんね。
やることが単純ですから、そうそう技術革新もないでしょう(笑)。
昔ながらの和釜もいいみたいですしね。

  • 2013/11/02(土) 08:14:14 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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