


昨日の研修は夜の飲み会の部までみっちりやって、今日はプログラム的には何もなかったんです。せっかく長岡まで来ているので、新潟の酒造組合さんにお願いして、朝日酒造さんの蔵見学をさせてもらえることになってたんです。朝日酒造と言やぁ、泣く子も黙るあの『久保田』を醸造している蔵ですよ。
朝日酒造さんは『朝日山』というブランドを古くからお持ちだったわけですが、1985年に『久保田』を発売し、それが大ヒット商品となって、会社の規模も拡大、売上げも伸ばされて、現在では押しも押されぬ地酒のトップブランドを展開しておられる会社です。
小さな地酒メーカーが高品質な商品を少量造って幻銘柄になることはいくつか例があると思うんですけど、ここまで大きな会社が誰もがうらやむようなサクセスストーリーを歩んでいる例は、他にはないんじゃないですかねぇ。
もちろん、新潟県内ではトップの生産量ですし、全国的に見ても灘の大手を凌ぐくらいの大きさになっているんじゃないでしょうか。例え売上高が同じでも、利益率が全然違うらしいですよ。それだけ高品質な商品が、それなりの値段で出荷されているんでしょうね。ちなみに、長生社は朝日酒造さんの100分の1くらいの生産量です(笑)。
蔵と言うにはあまりに近代的な、コンクリートの打ちっぱなしの外観の工場です。正直な話をすれば、あまりに規模が違うので、設備的なものを参考にしようとしてもとても真似なんか出来ないんですけど、そういう設備になった背景にある考え方をしっかり盗んでこなくちゃなりません。
最初に平澤社長さんにお話をいただきましたが、今の日本酒を取り巻く環境からいって、さすがの朝日酒造さんにおかれても、若干苦しい状況であることは変わりないということでした。まあ、私たちのレベルとは比べ物にならないでしょうけどね(涙)。
そんな中でも、工場のホールでミニコンサートを開くなどしてお客様とのつながりを作る中で、日本酒のファンを増やす努力をしていらっしゃるというお話が印象的でした。どんなに大きな会社でも、地道な営業努力が基本なんですね。お酒を造る基本だって全く一緒なんだし、規模のこと考えなきゃ長生社と変わりはないんだと実感した次第です。
昨年完成したという、新社屋兼ボトリングの工場から見学が始まりましたが、いやぁ、スゴイスゴイ。工場設計の段階からしっかりしたコンセプトを持って建設されていました。働く人は「身長160cmの50代の女性」を想定して、作業台の高さや計器類の文字の大きさなんかを設定してあるんです。
私のブログ師匠のacbさんのブログ【いい会社ってどんなだろう】にも時々話題に出てきますが、トヨタの「見える化」って言うんですか?それを参考にして、工場内はガラス張りで作業者や作業内容が誰にでもよくえるような配慮がなされています。
造り蔵の方は、基本的にやっていることはうちの蔵と変わりはないんですが、こんなに大きな工場なのにある程度の余裕を見込んで作られているので、いろいろな造りの状況に対応できる仕組みが随所に見られました。完璧に考えられすぎていて、ちょっと真似するってぇわけにゃぁいかんですな、これは(涙)。
人事的な面では、例え営業であっても造りの内容を知らなくっちゃいけないということで、全員が一度は酒造りにたずさわるような研修プログラムになっているようです。やっぱり人づくりにもしっかりと手間をかけないと、これほどの企業の成長ってぇのはありえないんでしょうね。工場内で会う社員の方々もしっかりと挨拶してくれました。
ため息の出るような工場見学でしたが、正に日本酒のメーカーの中でトップ企業として君臨する会社を見学できたことは、大きな収穫でした。100年後には長生社だってどーなってるかなんて誰にも分かりませんよ・・・(笑)。
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