専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

早瀬浦

20130530_103036.jpg

昨日の『黒龍』さんに続いて、今日は先日お邪魔した福井県の『早瀬浦』さんのお蔵の様子をレポートしましょう。正確性を欠いちゃいけないので書いておきますが、黒龍さんの会社名は『黒龍酒造株式会社』、早瀬浦さんは『三宅彦右衛門酒造有限会社』っていう由緒のあるお名前で、ご当主は代々三宅彦右衛門を襲名されるようですね。

早瀬浦さんは信濃鶴が県外出荷を始めた7年くらい前には、既に地酒専門店には並んでいるような、知る人ぞ知る銘柄になっておられたと思います。日本酒関係の専門雑誌にもよく登場していて、私もそのお名前だけはよく目にしていました。つまりは、小規模地酒メーカーとしての成功事例として、私の頭の中にインプットされているくらいのお蔵さんなわけです。

こういうお蔵さんを見学させていただく時には、どういう風にお酒を造っているのかっていう点と、どんなふうに売り上げを伸ばしてきたのかっていう2つのポイントに、同じくらいの規模の蔵としては興味が湧くわけです。小さいながらもサクセスストーリーをお持ちなわけですから、同業者としてでなくても聞いてみたい話じゃないですかね。

実際の蔵の規模とすると、長生社とそれほど変わらない製造数量だと思います。お話を聞いたところによると、長生社よりも仕込み本数は多いんだけど、一仕込みの量が小さいそうなので大体同じくらいになる計算です。各設備のサイズの制限もありますが、1本1本丁寧に仕込んでおられるご様子でしたね。

仕込みが小さいからこそ可能な手の掛け方っていうものがあって、その辺を上手くやりくりなさっておられるように感じました。少しずつ蔵も大きくしておられるようでしたが、全てはいい仕込みになるような方向での設備投資でしたし、やっぱり蔵の中もきれいに片付けられていて、いいお酒を醸せる雰囲気がしっかりとありましたね。

息子である専務さんが帰って来られたのが15年前。その時に、昔からあった銘柄を全て廃止して、新銘柄の早瀬浦を立ち上げたんだそうです。初年度は8本の仕込みだったんだとか。それが、有力小売店さんに認められたってこともあって、グングンと販売量が増えて、今では40本の仕込みにまでなっているんだそうです。15年で5倍にもなってんだからスゲーですよねぇ。

そのお味はっていうと、お蔵のある早瀬浦の自然をしっかりと表現した、こだわりのコクを感じさせる、味のしっかりとしたお酒でしたね。海沿いの水を使っているためなのか、なんとなく磯の雰囲気が漂うようないいお酒でした。吟醸系のお酒も、ちゃんとツボを押さえた、造りの技術の高さをうかがわせる逸品でしたね。

実は、社長さんと専務さんには、広島の全国新酒鑑評会の利き酒会場でお会いしていて、ご挨拶は済んでいたんですが、15年で目覚ましく成長なさっている早瀬浦さんと、23年かけても鳴かず飛ばすの信濃鶴ですから、情けない思いながらもこの日はしっかりとそのエッセンスを吸収させてもらいました。やっぱ一番の違いは、専務の出来ってことでしょうなぁ(涙)。


□□□ そろそろ定位置に戻るんじゃね? □□□
■■■日本酒の未来のためにクリックお願いします!人気ブログランキングへ■■■

コメント

結構

地酒屋さんで見かけることが多いですが、それでいて岳志さんのところと同じぐらいの石高なんですね。それでは、県外出荷が大半ってことなんでしょうか?

早瀬浦は普通の純米酒しか飲んだことが無いんですが、確かに海産物と相性がいい気がしますね。個人的にはカニと合うんじゃないかと思っていますが(笑)

黒龍さんも早瀬浦さんも、一升瓶でお付き合いしたことがないので、機会があったら買ってみようかなぁ…

  • 2013/06/04(火) 06:53:25 |
  • URL |
  • ZEN #V.87185M
  • [ 編集 ]

Re: 結構

ZENさんならいろんな所で見たことがあるんじゃないですか?
石高はうちとはそう変わらないっていうのは私の推測ですが、たぶん外れてはいないでしょう。
県外出荷が4分の3くらいだっておっしゃってました。
都内の有力酒販店さんが扱っておられるんだと思います。
昔からダンチューによく載っているのを見て、うらやましく思ってました(笑)。

  • 2013/06/04(火) 07:53:01 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

呑み比べ

最近はお目にかかってませんが、
何年も前に行った居酒屋さんが、ちょうど3種類の早瀬浦を仕入れてて、
それを呑み比べした記憶があります。
美味しいと思って呑んだのは確かなんだけど、
その味までは覚えてないです。^_^;
じっくりと良い酒造りに取り組んでられるようで、好感が持てます。

  • 2013/06/04(火) 12:29:26 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

地元でも愛飲されてました

先月、敦賀市に数泊しまして若狭の酒を味わってきたのですが、地元の方の推奨品が必ず「早瀬浦」でした。越前に比べ若狭はお蔵さんの数が少なく、数軒しか無い状況なんですが、それにしても地元の皆さんが誇らしげに「早瀬浦」を語る姿は微笑ましく感じたものです。
最後に、同業の方はいいですね、見学が出来て。羨ましい!!!

  • 2013/06/04(火) 13:38:52 |
  • URL |
  • 泉山 #-
  • [ 編集 ]

Re: 呑み比べ

同じ銘柄で3種類の飲み比べなんて、ちょっとできませんよね。
そのくらい飲み比べるとそのお蔵の特徴は把握できるんじゃないですかね。
どれも美味しいって感じたら、そのお蔵はかなり好みの味だって言えると思います。
味まではなかなか思い出せないでしょうけど、3種類っていうのがいい思い出でしょう。
鶴なんて、全部で3種類だし(笑)。

  • 2013/06/04(火) 18:13:52 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 地元でも愛飲されてました

地元で愛されているお酒って本当にいいですよね。
その地で飲むと、その地の食べ物にもあって美味しく感じますしね。
地元の皆さんが早瀬浦について誇らしげに語るっていうこと以上の宣伝はありません。
信濃鶴もそうなりたいもんだと切に思います。
蔵の見学は同業者じゃないとなかなかさせてもらえませんから、これも役得ってことでしょうか(笑)。

  • 2013/06/05(水) 07:37:18 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sinanoturu.blog77.fc2.com/tb.php/2536-f2fc948c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad