専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

鑑評会レポート(つづき)

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昨日は、全国新酒鑑評会への純米酒での出品が多くなってきたっていう嬉しい話題に触れました。全体の中であまりに少数派だと、どうしても異端児になっちゃいますけど、存在割合が高くなれば外れ値的な評価が変わってくる可能性が出てきます。純米酒の方向で行こうと思うお蔵さんが増えてくれることは、私にとっても心強い傾向なんですよね。

まぁ、金賞率的に見れば、アルコールを添加した吟醸酒の半分にも満たない現実もあるわけで、金賞を取りにいくのなら純米酒は不利ってことに変わりはありませんが、変革を求めるというのであれば多少の困難は乗り越えなくっちゃならないでしょうし、いつ形勢が逆転するかも誰にも分からないでしょうから、今は黙ってコツコツとやり続けるしかないでしょうね(笑)。

逆に、残念だった点をひとつ挙げれば、美山錦での金賞は1点もなかったってことでしょうか(涙)。原料米に何を使うかってことは、造り手にとっては非常に重要なポイントになりますが、やっぱり酒米の王様は山田錦であって、今回の出品酒全体の86%が山田錦だったそうです。成分組成や作業性等を勘案すれば、山田を超える酒米はそう簡単には出てはこないでしょうね。

山田錦以外のお米では、美山錦をはじめとして、越淡麗、五百万石、雄町、千本錦などが数%ずつ使われている状況です。美山錦はその中では使用割合が2%と、多めの方ではありましたが、美山錦を使ったお蔵さんで金賞を取ったところはどうやらなかったみたいですね。ここは、なかなかに克服しづらい部分ではあります(汗)。

元々美山錦は長野県で開発されたお米ですから、当然長野県のお蔵さんで多く使われています。越淡麗は新潟県、千本錦は広島県と、それぞれその県を代表する酒米を積極的に使っておられました。地元の酒米を盛り上げようっていう機運はとてもいいことだと思いますが、それで金賞がたくさん取れると最高なんですけどね。

長野県の成績が思わしくないっていうことイコール美山錦での金賞が少ないってことになるわけで、美山錦だと金賞がとれないのか、長野県で使われているから金賞から遠い酒米になっているのか、チト判断しかねるところではあります(笑)。いずれにしても、県全体のレベルアップが求められていることに間違いはないでしょう。

以前のブログに、今年は多少自身があったようなことを書きましたけど、会場で利いた信濃鶴は、実はそれなりに私の求めた形には近づいていました。金賞酒と比べると、今一歩キラメキが足りないっていう印象でしたが、鶴の特徴をどうやって生かしていけばいいのか、たくさん並んだお酒の中から得るものも大きかったですね。

ってことで、まだまだ挑戦し甲斐のあるテーマはたくさんありますから、また来年も頑張るってもんですかね。全国のお蔵さんと一緒に日本酒の品質向上のための努力を続けなくっちゃならないでしょうから、金賞が取れないからって腐ったりせずに、これからも一生懸命に挑戦したいと思います(笑)。


□□□ 写真は夜行バスで着いた広島の朝 □□□
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コメント

道産酒米

北海道には13の酒蔵がありますが、
全国新酒鑑評会の審査結果をみると、
11蔵が出品して、6銘柄が入賞、5銘柄が金賞でした。
昨日、いつもの酒蔵見学に出かけてきましたが、
その蔵は受賞を逃したものの、蔵元は北海道の技術力が向上している証拠と評価していました。
現在、吟風と彗星という道産の酒米がありますが、
見学した蔵は全量を道産米に切り替えて頑張っています。
地産の酒米を使ったチャレンジは、これからも応援していきたいです。

  • 2013/05/26(日) 10:43:19 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

Re: 道産酒米

鑑評会の結果を地元のお酒志向で眺めてみるのも楽しいですよね。
北海道のお酒もいいのが並んでましたよ。
ブロ友の福司もとてもいいお酒だったと思います。
地元にこだわった金賞だなんてとても価値があるんじゃないですかね。
もし金賞が取れれば、地元の人全員の誇りになりますもんね。

  • 2013/05/26(日) 22:35:30 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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