専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

経験年数(つづき)

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酒造り歴23年、そのうち杜氏歴15年、そのうち全量純米酒歴13年なんて昨日お話ししましたが、実は、純米化計画は私が杜氏になるはるか前から始まっていました。社長の最終決断はまだまだ先だとしても、「もう、こりゃ、やるっきゃない!!!」という意志は、私の中に不退転の決意として固まっていたからです。

ある年から、いきなりそれまでの方針を変えて全量純米酒にするなんていうことをやっても、酒質の面、経営の面、作業の面から考えてあまりいいことは無いでしょう。激変っていうのは、いろんなところがギクシャクしちゃいますからね。純米路線にソフトランディングするための準備期間は相当な長さが必要でした。

その辺の事情がご理解いただければ、私が杜氏になった時には既に蔵の中全体がそれなりに純米寄りの造りにシフトしていたっていうことはお分かりでしょう。普通酒に対するアルコール添加量を年々減らして、オール純米化する前年なんて本醸造規格の半分くらいしかアルコールは入っていなかったんですから、それはそれでひじょうに特殊な酒ではありましたね(笑)。

皆さんからのコメントには、15年とは言っても純米造りの経験ではかなりのものになっているはずだっていうような内容のものもあって恐縮しちゃうんですけど、私がやってきたアル添酒造りは全て純米化を前提としてきたものだって考えれば、私の杜氏人生は正に純米酒のためにあったと言っても過言ではないかもしれません。

それまで飲み続けてもらっていた普通酒からあまり違和感のない形で皆さんの口を純米酒に慣らしていく過程は、私にとってはとてもいい勉強になったと思います。普通酒からどんどんとアル添量を減らしていく中で、純米造りの難しさもしっかりと味わってきました。でも、そんな流れを体験をした杜氏さんもなかなかおられないでしょうから、とても貴重な経験だったと言えるんじゃないですかね(笑)。

とは言え、私の純米酒造りなんてまだまだ駆け出しであって、気分的には五里霧中ってところです(汗)。アル添酒の良さを認めながらも、そことは決別しちゃったわけですから、これからは岳志流の純米酒を目指して更に精進しなくっちゃなりません。ゴールのないものへの挑戦は苦しくもありますが、楽しさはそれを遥かに凌駕するってことが分かったくらいの経験年数ではあります。


□□□ ブログの経験年数もまだまだ伸びるのか? □□□
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コメント

覚悟

ボクなんかは、混ざりものが少ない方が良いに決まってるくらいの感覚で、
純米酒が良いと思ってるだけなんだけど、
このブログで酒ひろしさんのコメントを読んで初めて、
純米でアル添に匹敵するだけのお酒を造る難しさ、大変さを知りました。
岳志さんは酒造りに携わる中で、色んな人の話を聞いたり本を読んだりして、
純米酒を造りたい、純米酒だけで行きたいって決意を固めたんでしょうけど、
それはそれは、並大抵の覚悟じゃなかったと思います。
その岳志さんを見習い続こうとしている若い杜氏さんもいるようですから、
それも励みに突き進むしかないですね!

  • 2013/05/03(金) 10:11:48 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

Re: 覚悟

私もこれまで歩んで来た道はこれで良かったんだと思ってます。
大変だったからこそ得るものも大きかったですしね。
今や純米シフトの流れは徐々に大きくなっているようにも感じられます。
もし後続のお蔵さんが出てくるようであれば、鶴のことなんかどんどん追い抜いてほしいです。
それにしても、酒ひろしさんの存在は大きいですねぇ(笑)。

  • 2013/05/03(金) 16:53:17 |
  • URL |
  • 岳志 #GMs.CvUw
  • [ 編集 ]

生き物相手ですから
手馴れるという事もないでしょうし
毎回が発見と成長なんでしょうから
遣り甲斐ある仕事ですよね☆
酒と共に生きる!!
なぁ~んか♪素敵な響きじゃない?(笑)

  • 2013/05/03(金) 17:23:19 |
  • URL |
  • hisami #-
  • [ 編集 ]

岳志流純米酒つくり

<<「もう、こりゃ、やるっきゃない!!!」という意志は、私の中に不退転の決意として固まっていた>>
<<純米路線にソフトランディングするための準備期間は相当な長さが必要>>
岳志さんが大胆さと慎重さを兼ね備えておられるのは、やはり、経営者でありながら杜氏をしておられるからでしょうね。
<<普通酒からどんどんとアル添量を減らしていく中で、純米造りの難しさもしっかりと味>>
そのころは、ちゃんとした純米酒を造る技術を持った杜氏さんはおられなかったので、すべてご自分で試行錯誤しながら切り開いてこられたのですから、応用力は抜群にあられると思います。
ますますご精進をされ、岳志流の純米酒造りで、日本酒業界に新風を吹き込まれる日が来ることを期待し、確信しています。

Re: タイトルなし

酒と共に生きる・・・は格好良過ぎです(笑)。
全然イケメンじゃない私ですから、そういう精神くらいはカッコ良くいたいもんですけどね。
でも、生き物を相手にするっていう仕事はとても面白いですね。
自分が自然の中の一部であるっていう実感がありますよ。
ここまでやってきましたから、これからもこれで行くしかないですしね(笑)。

  • 2013/05/04(土) 08:38:40 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 岳志流純米酒つくり

大胆な作戦ほど綿密な作戦が必要になるのかもしれません。
コンセプトは大胆に、実行は慎重にっていう感じだったですね。
と言うより、慎重にやらなきゃとてもじゃないけど反動が大き過ぎちゃったでしょう(笑)。
私の中にもお手本にした純米酒はいくつかあって、そういうお酒にはまだまだ到達できません(汗)。
到達できないような目標だからこそやりがいもあるんでしょうね。

  • 2013/05/04(土) 08:43:13 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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