専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

巡回指導

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これも毎年の話題になっていますが、関東信越国税局の鑑定官の先生による巡回指導が先日行われました。例年この時期に実施されることが多いですね。各酒造協会単位、つまり長生社で言えば伊那谷に位置するお蔵さんをひとまとめにして、数日かけて全てを巡回していただきます。

『巡回』しながらの指導っていうことですから、先生方が各蔵を回って、実際に蔵の中の様子を見て、杜氏や蔵元と話をして、気付いた点を指導したり、こちらからの質問に答えていただくっていう方式なんです。やっぱり、現場を見ることで具体的な指導もできるようになるわけで、より実践的なアドバイスが得られることも多いですね。

ある意味で、こんな指導をしてもらっている酒造業界は幸せ者なわけです。自分達でお金も払わずに、技術的な指導を受けられるわけですからね。もし、自費でその手の講習でも受けようとすれば、会社の利益が絡む内容をプロに教わるってことになって、相当な出費を覚悟しなくっちゃならないでしょう。

国税局(国税庁)さんがそこまでしてくれるのは、お酒には酒税がかかっていて、優良な清酒がたくさん売れて初めて税収も上がるっていう背景があるからです。かつては国の税収のの30%もが酒税だった時代もあって、その安定確保のために清酒の醸造指導をするための部門が作られたっていう歴史的な経緯があるようです。

そんじゃ、その『鑑定官』っていう国税庁の職員が、一体どれくらいお酒造りの知識があるのかちょっと疑問をお持ちになるかもしれませんが、そこはやっぱりプロ中のプロなわけです。私もよく知りませんが、鑑定官っていうポストの人達はその道専門に進んでいかれるらしくて、ある意味で技術職っていうか研究職っていう感じの方達ですね。

実際の現場での経験はそれほどないにしても、数多くの蔵を見て指導をしておられるわけですから、最大公約数的な視点と、非常に技術的学術的専門性の高い知識をお持ちです。どんな疑問にも答えてもらえますから、この時とばかりに質問したりするんですが、こっちの理解を超えた答えをいただいて、目を白黒させることもよくあります(笑)。

今年の指導では、問題の指摘を受けた点はありませんでしたが、信濃鶴としてこれから考えていかなくっちゃならないポイントも多くて、この機会にいろんな探りを入れてみたりします。この巡回指導中でなくても、いつでもこちらから出向けば指導はしてもらえますから、本当に困ったら関東信越国税局のあるさいたま市まで行けばいいんですけどね。

写真は、先生達に酒母やもろみの味をみていただく際に使うヒシャクとハキ。ちょっとだけもろみをすくって口に含んで、飲み込まずに吐き出します。ちょっとくらいなら飲み込んでも構わないんですけど、1日に数蔵回っているうちには結構飲んじゃうことになりますから、そんなわけにもいかんでしょうなぁ(笑)。


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コメント

鑑定官

国税局の鑑定官の方って、酒造りの経験は少ないか無いだろうに、
お酒造りの指導までするって...と不思議に思えてたんです。
実際の酒造りの経験は無くても文献を読んだり実験をしたりして、
化学的な根拠を求めて研究されてるから、アドバイスまでできるんでしょうね。
味や香りの評価だって生半可な知識や経験じゃできないでしょう。
若かったり、下戸の鑑定官もいらっしゃるんでしょうか?

  • 2013/02/16(土) 10:52:32 |
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  • まっちー #-
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Re: 鑑定官

鑑定官の皆さんも、最初は実際の蔵で研修をするみたいですね。
それでも、それほど徹底的に造りにかかわることはあまりないんでしょう。
あとは豊富な知識と、数多くの現場を見た経験で指導なさるわけです。
品評会の審査員なんかも、場数を踏むことでプロの舌になっていくんでしょうね。
若い鑑定官さんなんかいくらでもいますが、下戸の鑑定官さんはどうかなぁ・・・(笑)。

  • 2013/02/16(土) 18:01:14 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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  • 2013/02/16(土) 21:50:09 |
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