専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

正麺

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噂は聞いてたんです。マルちゃんの『正麺』っていう商品が美味しいってね。女房や娘もそんな話を聞きつけてきて、岳志家としてはなんとも珍しいことに、インスタントラーメンなる物を購入してきました。先日家族で試食会(?)を開催して、今回私の夜食にも登場してきましたよ(笑)。

確かに美味しいと思いましたね。『正麺』とうたうだけあって、乾燥の麺としてはこれまで食べた中でも秀逸の出来じゃないですかね。かなり生麺に近いような気がしますし、とても自然な麺っていう印象でした。駅の立ち食いラーメンと比べても遜色ないって言っちゃうと言い過ぎなのかもしれませんし、それはそれで別物なんでしょうけどね。

私がビックリしたのは、こんなにチープで在り来たりな製品の中に、消費者がしっかりとその違いが分かるくらいの技術革新がいまだに投入されて、更に進化を続けているっていうことです。本物の麺の感触を再現するための技術がどういうものなのか分かりませんが、それは一朝一夕に得られるものじゃないはずです。

インスタントラーメンなんて、どう作ったって、誰が作ったって、そうそう違ったものにならないんじゃないかなんて思っちゃうんですけど、よりよい物にっていうメーカーの製品開発の根性は素晴らしいじゃないですか。既にラーメンの代替品っていう領域を超えて、独自のジャンルを築き上げているのかもしれません。

翻って我が業界を眺めてみると、技術的には相当昔に到達したラインからほとんど抜け出てはいないのが現状でしょう。どちらがいい悪いって言いたいわけじゃなくって、食品業界毎の技術や、体質や、歴史に大きな違いがあるんだなぁと思ったわけです。旧態依然とした我が業界だっていいことはあるはずですが、見習うべき点も多いんじゃないですかね。

酒造りは自然が相手ですから、そうそう大きな技術革新が頻繁に起きるわけもなくって、そういう点では面白みに欠けるんですよね。でも、そこには不変の摂理があって、日本酒の揺るがぬ歴史を支えているんだと思います。古今東西、どんなお酒もただひとつの原理で造られているんですから、それは日本酒っていう領域ばかりの話じゃありませんしね。

とは言え、こういう消費者がハッとするような進歩には、個人的には憧れますねぇ。『誰も造ったことのない純米酒』っていうのは私の中のひとつのテーマですが、それは突拍子もなく常識から逸脱したところにあるんじゃなくて、これまでの製品のすぐ隣にあるのかもしれないと思っていて、これまでの私の経験ではアサヒのスーパードライがその好例なんですけどね。

なかば強引なこじつけ話でしたが、そんなことを考えさせてくれたインスタントラーメンでした。写真には女房が用意してくれたネギとかホウレンソウがのっていますが、そういう手を加えるよりも、何もしないで素ラーメンみたいにして食べる方が美味しいような気がしたのは私だけかな?


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コメント

熟成の概念

古今東西、どんなお酒もただひとつの原理で造られているんですから、それは日本酒っていう領域ばかりの話じゃありませんしね>>
ご指摘のとおりですが・・・・、世界中の銘酒といわれる酒の中で、日本酒に欠けているのは、熟成の概念ですね。
搾ったらすぐに美味しく飲める吟醸酒は世界に誇れる酒ですが、残念ながら、吟醸酒は銘柄の個性が出せない、料理との相性の幅が狭い、味わいの深みに限度があるなど、世界な酒にはなりにくいと思います。
しかし、日本酒造りに本格的な熟成の概念を取り入れると、造りそのものの発想も変わり、世界の銘酒に負けない、すばらしい酒の開発も充分可能であると思っています。

模索

日本酒の新しい味作りを目指して、いろんなお蔵さんが試行錯誤してますよね。岳志さんの友達連で行けば仙禽さんなんて、そのいい例じゃないでしょうか?

あとは甘い方向を極めようとしている三芳菊さん。同じ甘口ながら、貴醸酒でそれを作ろうとしている笑四季さん。黄麹を使ってみたりと、野心的な試みをしている新政さんetc...
どれもそれなりに美味しいお酒になっているのは、造り手もさることながら、これまでの技術革新があってのことじゃないかと思います。

しかし、その技術革新のサイクルが遅いのは、工業製品は毎日何万という製造をしているのに比べて、日本酒は年に一回しか造れないということにあるんじゃないかと…
その部分だけは、自然相手ですから何ともしようがないところですよね。

でも、正麺は一社が頑張ってブレイクスルーを起こしましたが、減ったとはいえ1500近くある日本酒蔵が、それぞれに試行錯誤すれば、遠くない将来、画期的な技術革新が起きても不思議じゃないと思いますよ。

  • 2012/11/18(日) 11:57:47 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

進歩

正麺は醤油、味噌、塩と三つの味を試しました。
豚骨味だけ、まだなんです。
それぞれの味で麺の太さや性状を変えていて、丸く成形しているのも意味があるとか。
1個の値段が100円もしないのに、生麺の味に近づけようとする努力は凄いですよね。
そのインスタントラーメンの技術進歩の話が日本酒業界の話に展開していくとは!
岳志さんの目指すものがボンヤリとですが分かったような気も。(^^ゞ

ボクはインスタントラーメンに卵を欠かしませんよ!(笑)

  • 2012/11/18(日) 16:17:22 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

ラーメン一つで自分の目指す者の方向性を
語る所が真剣さを表現してますね(笑)
画期的な進化☆
期待してますよ♪

  • 2012/11/18(日) 16:54:42 |
  • URL |
  • hisami #-
  • [ 編集 ]

Re: 熟成の概念

確かに熟成には新たな日本酒の境地があるかもしれませんね。
より多くの人に支持される方向性が打ち出せれば道は開けるかもしれません。
おっしゃるように、そうするためには造りそのものから変更が必要になってくるでしょう。
何かトピックになるような製品が出てくるといいんですけど・・・。
新たな日本酒の芽をどこかで見つけたいものです!

  • 2012/11/19(月) 00:09:01 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 模索

確かに、私の知り合いの中だけで考えてもいろんなお酒がありますよね。
その蔵の特徴がどの製品にも出ているような銘柄が面白いですね。
私もいろいろと飲んでますけど、本当にバラエティに富んできている気がします。
ひと昔前だったら失敗作と言われかねないようなお酒が実は美味しかったりしますよね。
でも、ここまでいろいろのものが出てきているのに、正麺レベルにはなってないのが悔しいところです・・・。

  • 2012/11/19(月) 00:12:23 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 進歩

正麺もいろんな種類があるんですねぇ・・・(汗)。
それを全部試そうとしているまっちーさんもさすがです(笑)。
それぞれの味で麺が変えてあるっていうのもスゴイと思います。
今度機会があったら、私も他の味の正麺を食べてみたいですね。
昔は私のお袋もインスタントラーメンに卵を落としてくれました。
今度はそうしてみようかな(笑)。

  • 2012/11/19(月) 00:15:59 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こういう記事はあまり堅苦しくなく読んでいただければと(笑)。
でも、そういうことをいつも考えているから記事にはなるんですけどね。
信濃鶴が画期的な進化をする確率は非常に低いでしょうねぇ(汗)。
でも、目指さないことには何も得られませんからね。
これからもがんばって挑戦し続けますよ!

  • 2012/11/19(月) 00:18:18 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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