専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

現場

20120912_075030.jpg

東北営業最終日は、朝Oさんに気仙沼駅に送ってもらう前に、以前O商店があった場所に立ち寄っていただきました。当然、ものの見事に何も残ってはいないんですけど、3年前にうかがった時に以前の様子を見ていたわけですから、その時の思い出と共に現場を拝見することができました。

写真でもお分かりのように、すぐ向こうは海ですから、あんな大きな津波に襲われたら、それこそひとたまりもないっていうことは誰の目にも明らかでしょう。あの日、テレビから流れる津波のリアルタイム中継を見ながら、このお店がなくなってしまっていることだけは覚悟せざるを得ませんでしたね。

お店の裏側がすぐに港になっていて、防波堤やら漁船やら漁業施設が並んでいた記憶がありますが、今はほとんど何もなくなっている状態です。Oさんの住宅兼店舗も、奥にお風呂場があった場所が残るくらいで、土台以外は全て流されてしまいました。震災のあった翌日にこの場所に来てみると、お酒のビンがその辺に少し転がっている程度だったそうです。

そんなことはご本人やご家族は思い出したくもないでしょうが、ここはOさんが津波に流されそうになった現場でもあるわけで、当時の様子をOさん自身から生々しく聞かせてもらいました。これまで話で聞くだけだった内容をその場で解説してくれるわけですから、なんともリアルに状況が把握できましたね。

Oさんが異変に気が付いてお店の2階から降りて来た時には、既にひざ下くらいまで水がついてきていたそうです。この写真で言うと左から右へ向かって土地に傾斜が付いているんですけど、ふと右を見ると少しくぼんだ場所を貨物トラックが津波に流されて海岸の方から流されてきたんだとか。それを見て、慌てて左方向、つまり山の方に向かって車を発進させますが、なかなか進まなかったそうです。

ようやく発進して国道まで出ますが、その国道も既に左右の低い部分が浸水していたために他の自動車がいなくて、運良く通り抜けられたそうです。そこが渋滞していたら危なかったっておっしゃってましたね。その後、安全な高台まで避難できたわけですけど、今だから話せるヒヤヒヤ話でしょう。

本当に丸一日くらい御厄介をおかけしたOさんに、言い足りないまでもお礼を言って、7時30分頃に仮設住宅を出発して、気仙沼からJR大船渡線、一関から新幹線、新宿から高速バスと乗り継いで駒ケ根まで帰って来たのが18時30分頃でした。やっぱり、あそこまで入り込むと、なかなか簡単には帰ってこれませんね。

これにて、私の今回の東北営業は主だったところをひと通りご説明申し上げたんですけど、実は、もっともっといろんなことがあったんです。どうしても、記事にしなくっちゃならないこともありますから、もうちょっと東北シリーズが続きますがお付き合いください。ここにきてブログランキングの順位が後退しそうですけど、メゲずにいっときます(笑)。


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コメント

本当に。。。

跡形も無いとはこのことですね…
南相馬でも、海の近くでは土台がわずかにしか残っていない家が沢山ありました。
そこに人の生活があったというのが想像できないぐらいです…

しかし、さすがに気仙沼から長野は遠いですね~
約12時間の旅、お疲れ様でした!

  • 2012/09/19(水) 07:36:44 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
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現実

岳志さんの目を通しての震災被災地の現状を伝えるレポートで、
改めて復興が進んでいない現実を見せつけられた思いです。
せめて将来に向けた道筋や展望が示されていれば、
それを励みに頑張ることもできるのでしょうが、この状態はあんまりです。

もう少し東北シリーズが続くようですが、
重いレポートが続きましたから、少し気の晴れるレポートも期待しましょうか!

  • 2012/09/19(水) 12:20:25 |
  • URL |
  • まっちー #-
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Re: 本当に。。。

こういう跡形もないお宅がずーっと続いているわけです(汗)。
無くなった方も多いわけで、言葉にならないっていうのはこのことだと思います。
この場に昔のような生活が戻ってくれるのが一番いいんですけど。
行政関係のしがらみもあって、思ったようにはいかないのが歯がゆそうでした。
気仙沼までは車で行けばそれなりに早く行けそうですが、疲れるでしょうねぇ(汗)。

  • 2012/09/19(水) 17:59:14 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: 現実

見た目には復興はほとんど進んでいないっていう印象です。
部外者の私が分かったようなことを言っちゃいけないでしょうけどね(汗)。
きっと、どこかで復興が加速度的に進むようになるんだと思いたいです。
この私ですら気が重かったんですから、地元の人たちは言わずもがなでしょう。
今後の東北レポートはなるべく明るく書くつもりです(笑)。

  • 2012/09/19(水) 18:02:34 |
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  • 岳志 #-
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