専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

びん巻き

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一升びんの包装を久しぶりにやる機会がありました。と言っても商品が足りなくなったので、慌てて巻くことになっちゃっただけだったんですけどね。

今現在の商品では、びんを包装するのには、写真にあるような丁度一升びんがキッチリ入る不織布に似た化繊の袋を使います。1本ずつ袋に入れて、口をクルクルねじって、輪ゴムで止めるんです。

ひと昔前までは、新聞紙の半分くらいの大きさの、銘柄入りの紙を巻いて包装していました。だから、今でもびんを包装することを「びん巻き」と言ってるんです。紙を巻く場合には少しばかりの熟練が必要で、一升びんの周囲にキッチリと巻いて、びんの頭をきれいに包み込めるようになるのには、ある程度の経験が必要でした。

慣れてくるとどんどん巻けるようになってくるのですが、一升びんはそれなりに重さがありますし、単調な仕事の繰り返しで、たまに手を休めながらでないと巻き続けることはできません。それに、ひとりで巻いていると、手を休めた拍子にしばらくボーっとしてしまって、誰かの足音でフッと我に返ってまた巻き始めるなんていう事もままあるんですよね。

でも、そういう仕事の陰日向の全くない人が、昔長生社にいたんです。Sさんと言いました。Sさんは一旦仕事を始めると、見事なまでに同じペースで、決して手を休めることなくびんを巻き続ける人でした。誰かに見られていようがいまいが、黙々と作業を続けるのです。

手の具合が少し悪くて、自由が利かない指があったのですが、器用にびんを巻いていました。他の人より早いくらいでしたね。それに、疲れたと言って休むようなことがないので、どんどんと作業ははかどるのです。人間的にも優しい笑顔の、朗らかな性格の人物でしたが、彼は手ばかりでなく、もっと大きなハンディを背負っていました。

彼は耳が不自由だった。だから、人の足音も聞こえないし、いつ誰に見られてもしっかりと仕事をしていなくてはならなかったのかもしれない。それとも、耳が健常であっても彼はそういう性格だったのかもしれない。いずれにしても、あの姿を見て、Sさんの事を信頼できないと思う人はいないはずです。

心が仕事ににじみ出ていました。私もそういう人になりたい。一升びんの包装をたまたまやるハメになって、彼のことを思い出しました。もう、亡くなってしまったけれど、私が社会人になってから出会った、尊敬に値する人物のうちのひとりですね。


□□□ 最近3位に定着しとりますな □□□
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コメント

信頼。。。

信頼される人、私もJCで学ばされました。一生懸命やること、つまりそれが信頼関係を生むのだと、改めて…  いや〜、JCは深いです。私は岳志さんの3分の1、もう今年で卒業ですが。。。もっと学ばせていただくため、頑張っています (*^_^*)

この写真(信濃鶴)を見ると、何か安心します。御神酒としてあげていただくお酒も、実際に数えたことはありませんが、信濃鶴さんがダントツ1位でしょう。…ということは、直会(いわゆる懇親会?)で総代さん達が飲むお酒も信濃鶴が多いっていうことです。直会は、お祭りが終わってすぐですので、お昼前から飲んでいることになりますね。年にそうはないですけれど・・・

話は変わりますが、私はビールが飲めませんので、夏だろうが暑かろうが「とりあえず生…酒!」です。最後まで日本酒で通すことが殆どです。是非、機会があったら、日本酒の効能、もしくは副作用?不効能(そんな言葉はないw)についても教えて下さい。
ペコリ(o_ _)o))

  • 2007/05/20(日) 10:50:00 |
  • URL |
  • isuzu #9q2FTWbs
  • [ 編集 ]

Re:信頼。。。

信頼される人というのは、やはりどこか違うと思います。
何も語らずに信頼を得ることがどのくらい大変なことか・・・。
まだまだ努力しなくちゃなりませんね。
御神酒として地元で使っていただくというのは、最もうれしいことのひとつです。
もう、そのために酒を造っているといっても過言ではありません。
これからもよろしくお願いします。
夏でも生酒ってぇのもうれしい限りです。
日本酒の効能、了解しました、いつか記事にしますね。

  • 2007/05/20(日) 17:11:16 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

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