専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

蔵開放onBLOG(16)

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さて、昨日の続きです。

私も毎日のようにこのブログで、今日の吸水が多かっただの、少な過ぎただの書きましたよね。それほどこの洗米、浸漬後の米の吸水率っていうのは重大な関心事なんです。うまく吸水がそろえられなかった時なんかは、その後ずーっと「チクショー」とか思ってんですよ(笑)。

昨日も書きましたが、一度浸漬に要する時間が分かったとしても、いつもその時間でうまくいくとは限らないから悩むんです。毎日の微調節が必要になるんです。その米が精米されてからの時間経過や、その日の洗米に使う水温等に若干左右されます。その辺は経験からでしか分からない部分です。

そもそも、最初に「勘」で時間を決める時にはどーするんでしょうか?いくら勘とか経験とか言っても、じっと目をつぶっていて、その時間になったらカッと目を見開いて、「今だ!」なんて・・・そんなわきゃないじゃん(笑)。

じーっと見てるんです。ずーっと見てるんです。水に浸けた米は、徐々に周囲から色が真っ白に変化していきます。水がしみ込むとその部分は透明さを失って、不透明な白色になるんです。それが徐々に米の中心部分へ向かって浸透していく。中心部分まで全部白色になったんじゃぁ吸わせすぎです。ある程度透明な部分が中心に残っている時に、水から上げるんです。

そんじゃ「ある程度」って、どの程度よ?・・・それが経験を積まないと分からんことなんです。その気になって経験を積んで、じーっと見ていると分かるようになってくる。毎日毎日繰り返していると分かるようになってくるんです。そして、最後の判断には集中力が必要になります。いくら経験を積んでも、集中力を欠いた時には、吸水率は合ってきません。

しかし、結局のところ「よし!今だ!」と自信を持って上げても、そんなに理想の数字に近いことは少ない。でも、毎日そんな事を繰り返していると、33%なんていう数字より、自分の判断の方がいい蒸しになるかもしれない・・・経験に裏打ちされた人間の感覚がよしと言うならば、その方がいいんじゃないか・・・そんな気持ちにもなったりします。

ちょっとカッコよく書き過ぎましたが、実際にはある程度の目安が定まってきたら、ストップウォッチを頼りにして、正確に時間を計るんですよ。毎日やっていると疲れちゃいますからね。毎日やったら相当な鍛錬になると思いますけど、それが他の何に役立つかは分かんねぇな(笑)。

もともと、最初は「勘」で時間を決めるなんて事やってんですから、いかにローテクでアナログな世界なのか分かるってぇもんでしょう。でも、「時間」みたいに数字で表されるものに関してだからそういう感じを受けるかもしれませんが、私はそういう感覚がいかに大切か、酒造りをやっていて学びました。

だって、数字で表されない事の方が世の中多かぁないですか。そして、そういうことの方がはるかに人間にとって大切な事が多い。そんな事柄に酒造りの感覚が生きるかどうかは分かりませんが、少なくともその大切さには気付かせてもらいました。

さあ、このあたりで「蔵開放シリーズ」は一旦休憩にしましょう。上の写真は蔵の2階へ上がる階段です。この上には何があるんでしょうねぇ。それは次の造りの時までのお楽しみ。


【【【【【【【【【【 今日の蔵内ライブログ 】】】】】】】】】】
今日もムロ周りの掃除。ようやく終わりそうな気分になってきた。
鼻歌交じりに仕事をしてたら、突然事務所から、時間指定のお燗がまだ届いていないと先方から連絡があったとSOS。あわててお燗をつけて飛んでいったが、結局先方のミスだったらしい。ホッとしたが、ちょっともったいない時間だったと・・・(涙)。


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