FC2ブログ

専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

ビン火入れ

2011030717360000.jpg

火入れ(ひいれ)っていうのは、このブログに何回も出てきている言葉ですが、お酒を加熱殺菌することによって、残存する酵母菌やその他の雑菌を殺し、以後の酒質の安定化を図るための操作のことを言います。何度も説明していますから、耳タコの読者の方もいらっしゃるかもしれません(笑)。

通常は火入れ装置を使って大量に処理するんですけど、純米大吟醸だけは全て機械を使わずに火入れをするんです。それが『ビン火入れ』と呼ばれる方法です。簡単に言っちゃえば、生の状態のお酒を先にビンに詰めてしまっておいて、しかる後にビンごと加熱して殺菌しちゃうっていうことですね。

やることは至極単純明快なんですよ。お酒を詰めたビンを湯煎して温めるだけです、ってそのまんまですね(笑)。つまり、一升ビンでお燗をするような状態って言えばいいかな。グラグラと煮えたぎったお湯の中に一升ビンが浸かっていて、既定の温度、大体65℃くらいになるまでお酒の温度を上げてやります。

最初から熱湯の中にビンを入れると一升ビンなんて簡単に割れちゃいますから、始めはぬるま湯くらいの温度にしたお湯に入れて、徐々に加温していきます。今では、ボイラーっていう便利な道具がありますから、ボイラーから出る蒸気を使って、大きなたらいに入れたお湯をチンチンになるまで熱くしていきます。

今日、ビン火入れしたのは市販用の純米大吟じゃなくって、出品用に別取りした純米大吟でした。今後の各種鑑評会に出品するためのお酒ですから、特別に気を使うんですよ。ほんの少しだけそれ用に準備するわけですから、万が一割れたりしたら量的に少なくなっちゃって大変です。慎重に慎重に作業しましたね。

かなり昔、こういった作業に不慣れだった頃には、よく失敗してビンを割っちゃったものでした(涙)。熱湯の中でビンが割れれば、中のお酒は外側の熱湯に流れ出ちゃうんですから、回収は不可能です。失敗するたびに、「あぁ、こんなことなら、自分で飲んだ方が良かったのに」と、言ってもしょうがないような後悔の弁を心の中で繰り返してましたね(笑)。

今日の予定としては、全体の半分がビン火入れできれば良かったんですけど、時間に少し余裕があったのと、私にやる気がみなぎっていた(?)ために、蔵人に残業してもらって、必要数量を全て火入れしちゃいました。思い立ったが吉日で頑張っちゃいましたが、基本的に後追いタイプの私にしては上出来じゃぁないですか(笑)。

日々の仕込みが続く中で、こういった特殊業務をこなすのは、働き手の数が限られている状況ではツライものがあります(汗)。それでも頑張って手を抜かずに仕事ができる鶴の蔵人チームは、信頼度が高くて私としても頼もしい限りです。だーかーらー、信濃鶴は美味しいんだっていう結論なんですけどね(笑)。


□□□ 頑張った私に愛のクリックを! □□□
■■■日本酒の未来のためにクリックお願いします!人気ブログランキングへ■■■

コメント

少しだけヒビがはいっていてもかまいません
テキトーに処理しますから、早めにご連絡をお願いします

それと、飯田鼎の酒屋さんに在庫があると
とってもイイッーとお客さんが言って見えました

  • 2011/03/08(火) 06:42:51 |
  • URL |
  • テキトーな事務局 #/2CD/BNk
  • [ 編集 ]

こんにちは。いつもブログ読ませていただいてます。
…はじめましてではないんですが、コメントさせていただくのははじめましてなので…。大吟醸を彼にバレンタインにプレゼントしたHです。
あれからずっと読ませていただいていて、とってもお忙しいときに
なんて自分勝手に計画をして、お伺いしようとしていたのかと思うと…。
本当にすみません。
春になったら、ゆっくりと駒ヶ根にお伺いしようと思っています。
本当に楽しみにしています♪

  • 2011/03/08(火) 12:27:19 |
  • URL |
  • kato #-
  • [ 編集 ]

酒蔵用語

“火入れ”って昔はどんな風に作業してたんでしょうかね。
今は蒸気を使って加熱するから、
ボイラーでは火が燃えてるにしても“火”自体は目に入らないじゃないですか。
だから、“火入れ”って呼び方がピンとは来ないんですよね。

きっと昔の酒造りでは、直接火にかけて沸かしたお湯でやってたからの呼び方なんでしょうね。
酒造りの用語の中には、昔のなごりが感じられるものが多いし、
言葉を頼りに昔の様子を想像するのも一興ですね。

  • 2011/03/08(火) 12:29:02 |
  • URL |
  • まっちー #-
  • [ 編集 ]

火入れ

大きい蔵では「生酒」として販売している物の中には
酵母菌などが通れないくらい目の細かいフィルターで濾過して
火入れのかわりにするっていうのがあったと思うのですが
そういうお酒は、やっぱり火入れしたよりも劣化は早いんでしょうか?

それはそれとして、いよいよ鑑評会ですね!
お米のデキを考えると、今年は純米での出品に追い風なんじゃないかと
勝手に思ってるんですが、実際の所はどうなんでしょう?(笑)

  • 2011/03/08(火) 12:39:09 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
  • [ 編集 ]

火入れ

火入れ・・・何度説明聞いても自分の場合
「焼き入れ」の事と混同しそうになってしまう(>_<)
焼き入れって鉄を熱して急冷させて固くする方法だけど・・・・この火入れはもっとマイルドですな(^_^;

火入れも焼きいれもタイミングが大事かな?お疲れさまで~す(^o^;

  • 2011/03/08(火) 23:57:45 |
  • URL |
  • バンダナ #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

事務局様、いつもお世話様になります(笑)。
この酒を商品にするのは、いろいろと問題があってですねぇ・・・(汗)。
そういうことになれば、和ちゃんさんには連絡入れますね。
鼎の酒屋さんにある在庫って何のことでしょう。
あのお店は、古いものをしまいこんでますから、何があるか見当もつきません(笑)。

  • 2011/03/09(水) 03:01:45 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

おぉ、Hさんでしたか、初コメントありがとうございます!
私もHさんのラブラブさ加減にあやかって女房に優しくしてもらおうと思ってるんですが、なかなかそんなわけにはいきません(涙)。
自分勝手な計画だったなんて思わないでも大丈夫ですよ。
無理だったら、私だってちゃんとそうお伝えしたはずですからね。
皆さんでの来駒をお待ちしていますね。

  • 2011/03/09(水) 03:05:33 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 酒蔵用語

『火』という表現が、火じゃなくて熱っていうような意味なんでしょうね。
昔は樽に詰めたお酒を、樽ごと煮たっていう話を聞いたことがあります。
容器がビンなのか樽なのかの違いってことになりますね。
直接火にかけるやり方もきっとあったんでしょうね。
蔵にはいろんな昔の言葉が残っていて、後世に伝えなくっちゃって思いますよ。

  • 2011/03/09(水) 03:10:46 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 火入れ

劣化っていうことに関して、どちらが早いのかっていう話は聞いたことがありません。
きっと、それぞれに一長一短があるんでしょうね。
細かいフィルターでろ過したものの方がフレッシュ感があるでしょうけど、生は生なんですから酒質の変化率は大きいのかもしれません。
今年の大吟はなかなか上手くいきませんでしたから、自信はありません(汗)。
純米だからっていう以前の問題のような・・・。

  • 2011/03/09(水) 03:15:04 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

Re: 火入れ

火入れと焼き入れじゃ、温度がまるで違いますよね(笑)。
私はやったことはないですけど、バンダナさんは仕事で焼き入れすることがあるのかな。
仕事でやるんなら、かなり精密なことをするんですかね。
火入れは、いくら熱くても熱湯止まりですから、やけど程度で済みます。
焼き入れだと、やけどじゃ収まらないかな・・・。

  • 2011/03/09(水) 03:34:46 |
  • URL |
  • 岳志 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sinanoturu.blog77.fc2.com/tb.php/1693-b203519a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)