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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

吟醸上槽(おまけ)

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おぉ!気が付けば、もう3月じゃぁないですか!この歳になってどんどんと月日が経つのが早く感じられるようになってきましたが、吟醸の上槽でアタフタしているうちに、知らない間に2月は通り過ぎちゃいましたね(汗)。考えてみると、仕込みもあと2週間ほどで終了でっせぇ。それはそれでいいことなんですけど・・・(笑)。

昨日まで『吟醸上槽』シリーズを続けてきましたが、ここで出てきた酒粕、つまり吟醸粕の行く末を気にしていらっしゃる読者の何人かの方からコメントをいただいたんです。ちょっと今日は、上の写真にも大写しにしてみたこの特別な酒粕の、長生社の場合の取り扱いについてご説明申しあげましょう。

吟醸粕ってねぇ、厄介なんですよね、実は(汗)。どーゆーことかって言うと、これはたぶん他のお蔵さんでも同様の傾向があるんだと思いますが、どんどんと柔らかくなってっちゃうんですよ。他の酒粕と同じ条件で保存しておくと、夏までにドロドロ状態になって、ちょっと酒粕って言うには液体液体し過ぎたような感じになっちゃうんです。

ただ、最近スーパーに売っている大手メーカーさんの酒粕を触ってみると、かなり柔らかい物もありますから、使用目的によっては、別に柔らかくても一向に構わないっていうお客さんもおられるでしょうね。魚や野菜を漬け込んだりするんなら、かえってその方が利便性は高いとも言えるでしょうし。

でも、駒ケ根じゃぁ、あまり柔らかい粕は歓迎されません(涙)。これは、奈良漬の瓜を何回も漬けるうちに柔らかくなり過ぎちゃうとか、酒粕に焼酎や砂糖を混ぜてお使いになるご家庭もあって、そういう使い方をするためには元の粕が硬くないと扱いづらいとかいう理由からのようです。

っていうことで、この田舎町にあっては、いくら吟醸だ何だと言ったって、柔らかい粕にはあまり商品価値がないんです(涙)。そんな理由で、過去には吟醸粕だけでまとめて取ってあったものを大量に廃棄したような経緯もあって、今現在は他の粕の中に少しずつ混ぜ込むことで、もったいない事のないようにしているのが実情なんです。

ところが、吟醸粕を売ってみたいと声をかけてくれる酒販店さんも、ここのところ何軒かおられて、ちょっと前向きに考えないでもありません。ですから、個人向けの少量での対応はできかねるんですけど、10キロ単位でのご注文は承ります。ただし、このブログでしかアナウンスしませんし、この吟醸粕が単品で残っている間に限ります。早くしないと、他の粕と混ぜちゃいますから、よろしくご検討くださいね。

蛇足ですが、なんで純米大吟の酒粕が特に柔らかくなるのか考えてみると、酒粕の中にまだまだ溶け切っていないお米の成分が他のタイプのお酒よりたくさん残っているために、粕として分離された後もお米の溶解が進んだり、残存している酵母菌がそれによって更に発酵したりするからだと思ってるんですけど・・・もし間違っていたらご指摘ください(汗)。

そんな理由から考えてみても、吟醸粕ってお味的にはとっても美味しいですよ。まだまだ米の旨味もたくさん残ってますし、雑味がなくって、香りのいい、洗練された酒粕っていう感じです。まぁ、信濃鶴はどの酒粕でも同じように美味しいですから、そんなこと気にしないでお食べいただいても全く問題ありませんけどね(笑)。


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コメント

吟醸粕は…

日頃、板粕を軽く炙って食べていますが、吟醸粕は焼いて食べられますか?
焼き目が付くと美味しいんですよね~♪

  • 2011/03/01(火) 03:56:45 |
  • URL |
  • はなくもり #-
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私的には~粕汁作るときに
柔らかい酒粕の方が溶けやすい~と思うの
いつも硬い酒かすで溶かすの時間かかるから・・・・

  • 2011/03/01(火) 09:58:33 |
  • URL |
  • hisami #-
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粕漬け

自分で作ったとき、調味料とかを溶かすのが非常に面倒だったので
最初から柔らかめの粕だと楽なんじゃないかと思います。
粕汁とか、甘酒とかを作る時にも楽なんじゃないですかね?
堅い方が良いっていう駒ヶ根が特殊な気が(笑)

捨てたり混ぜたりしちゃうぐらいなら、むしろ10kgでもイイから
送って欲しいぐらいです(笑)

  • 2011/03/01(火) 12:18:30 |
  • URL |
  • ZEN #USldnCAg
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ブーム

テレビ番組で紹介されて火がついた酒粕人気は、今も続いてるんでしょうか。
ブームって言うより、その効能が見直されたってところでしょうかね。
その方が、一過性のブームよりも、よほどいいですよね。

単純に、吟醸粕の方が価値が高そうに感じます。

  • 2011/03/01(火) 12:33:29 |
  • URL |
  • まっちー #-
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吟醸粕

、粕として分離された後もお米の溶解が進んだり、残存している酵母菌がそれによって更に発酵したりするからだと思ってるんですけど・

酒粕が時間の経過とともに柔らかくなるのは、そのなかに溶け切れずに残った澱粉などが残っているからです。
したがって、溶け切れなかった澱粉が多いほど、よけいに柔らかくなります。

吟醸粕は充分に搾りきれないため、もともと柔らかいのですが、醪の段階では、できるだけ澱粉を溶かさないような操作をしますから、澱粉が多くのこり特に柔らかくなるのです。

柔らかくなるのは麹の酵素力が残っているためで、酵母による発酵はほとんど無いと思います。

この粕を網にのせて焼こうと思っても、網の上で溶けて、下へ落ちてしまうはずです。

この柔らかさ、溶けやすさを生かした商品開発、ペースト状にして(スプーンですくえる)甘酒の原料にしたり、粕汁はもちろん、味噌汁、ラーメンなどに少し加えると風味が一段とよくなります。(アルコールが残ることがありますから、飲酒運転に注意が必要ですが)

貴重な粕ですから、料理に生かす工夫をされたらいかがでしょうか?

確かに・・・

奈良漬とかには固い酒粕のほうがいいかもね。自分が作るわけじゃないから詳しくはわからないけど(-_-;

地元でなくて柔らかい酒粕の需要があるなら、そちらに出荷してみては?酒粕から信濃鶴の宣伝になるかもしれないよ!

  • 2011/03/01(火) 23:34:36 |
  • URL |
  • バンダナ #-
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Re: 吟醸粕は…

はなくもりさん、はじめまして・・・かな?
下のコメントで酒ひろしさんも解説してくれていますが、この形状から言っても、焼くっていうことは難しいかなぁと思いますね(汗)。
板粕の状態だと焼いて食べやすいでしょうけどね。
私も酒粕を焼いて食べるの好きですね。
この辺ではあまりそういう食べ方をしないんですけど、一回やってハマりました(笑)。

  • 2011/03/02(水) 02:06:24 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: タイトルなし

汁状のものを作るんだったら、絶対に柔らかい方がいいですよね。
私も、いろんなところで酒粕を溶かすのが面倒だって聞きます。
hisamiさんの方では味噌汁によく入れるらしいですから、柔らかい方が楽でしょうね。
ただ、柔らかい粕ってアルコール分も多いかもしれませんよ(汗)。
酒ひろしさんもコメントしているように、運転には注意です(笑)。

  • 2011/03/02(水) 02:09:25 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: 粕漬け

やっぱり、溶かすっていう作業があると柔らかい粕の方がいいでしょうね。
私は自分でやったことがないからよく分かんないんですけど・・・(汗)。
汁ものにするんだったら、柔らかい方がいいに決まってます。
でも、酒粕の主なる使用目的が奈良漬っていうことになると話が少し変わってきます(汗)。
硬い方がいいっていうのが、この田舎の通説です(笑)。

  • 2011/03/02(水) 02:12:58 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: ブーム

多分、テレビの影響はまだ少しは残ってるんだと思います。
それほどバカ売れしているっていう話も聞きませんけどね(汗)。
酒粕の効能が知られて、多くの人の頭の中に残ってくれるとうれしいんですけどね。
コスト的に考えれば、吟醸粕ってべらぼうに高価なものになるはずです。
それだけでも使う価値があるはずなんです(笑)。

  • 2011/03/02(水) 02:15:50 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: 吟醸粕

一番いただきたい人からコメントがいただけましたね(笑)。
こういうことに関しての知識って、私はあまり持ち合わせていなくて、お恥ずかしい限りです(汗)。
ポイントは澱粉だったんですか。
吟醸粕は本当に液体状になるので、発酵が進んでお酒ができているのかと思いましたけど違うんですね(汗)。
この粕の商品特性を考えれば、液体状にして使うっていう方向になるでしょうね。
奈良漬以外なら柔らかい方がいい場合が多いような気がしますもんね。

  • 2011/03/02(水) 02:21:24 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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Re: 確かに・・・

そうですね、奈良漬のことを考えれば硬い方がいいんじゃないですかね。
私も自分でそんなことやりませんからよく分かりませんが・・・(汗)。
地元用にはこれまでのものを出して、県外用に吟醸粕を出してみてもいいかもしれませんね。
まぁ、あまりこれまで県外に酒粕は出荷してないんですけどね。
鶴の宣伝になるんなら、やってみる価値もあるかもしれませんが・・・。

  • 2011/03/02(水) 02:24:38 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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酒ひろしさんのコメントは

非常にわかりやすいですね~。最近蔵元さんが出している少し高めの甘酒の素(瓶入りで中はどろどろ)はもしかしたら吟醸の酒かすなのかな?

  • 2011/03/02(水) 07:33:28 |
  • URL |
  • kida #-
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Re: 酒ひろしさんのコメントは

酒ひろしさんは、大きな酒蔵で働いておられた方ですからね。
私なんかに比べて、知識の幅が違うんですよね(汗)。
いつも勉強させてもらってます。
『甘酒の素』は、多分アルコール分がないものだと思います。
酒粕は入れてはなくて、純粋に米麹から造ったものなんじゃないですかね。

  • 2011/03/02(水) 19:17:56 |
  • URL |
  • 岳志 #-
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