
3日間も連続で税務署関連の話題だったり、食べ物の記事が多かったですから、今日は忘れた頃にやってくる「蔵開放onBLOG」シリーズいってみましょう。前回までで米関係の話は終わりで、今日は純米酒のもうひとつの原料である「仕込水」をどの様に汲んでいるのか見てもらいましょうか。
さあ、上の写真がわが社のポンプ小屋です。長生社では蔵内で使用するほとんど全ての水を自社内の2本の井戸水でまかなっています。大きく分けると「仕込」に使ってお酒そのものの原料になる水と、洗い物や洗濯などに使われる水があって、もちろん両方とも飲むことができますが、ハッキリと使い分けているんです。
左手前に見えるのが80メートルくらいの深井戸のポンプで、洗い物などに使っています。右奥に見えるのが15メートルくらいの浅井戸のポンプで仕込み用の水を取っています。こっちはかなり年季が入っていて、いつ壊れてもおかしくない(汗)。
洗い物に使う水っていうのは汚くさえなければ、まあ使うことができます。ただし、「汚くない」という意味も、「ごみ等が混入していなくて清透である」という以外に「大腸菌がいない」、「有害な重金属等が無い」といった条件も当然クリアされていなくっちゃなりません。
しかし、仕込みに使う水に関しては更にきつい条件がつきます。あまり細かいことを説明してもしょうがないので、最も我々が重要視することを説明しますね。それは、鉄分が含まれていないっていうことなんです。
鉄分と言っても水の中にはイオンの形で溶けているわけですが、この鉄分がお酒の中に混入していると、お酒の着色の原因になるのです。麹菌が作り出す「デフェリフェリクリシン」という舌を噛みそうな名前の物質がお酒の中にはあるんですけど、コイツと鉄のイオンが結合すると、非常に濃い茶色系の色の物質になっちゃいます。
更に悪いことにこの物質は苦味を呈すると言われていて、清酒の製品にとっては悪いことだらけの嫌われ者なのです。一旦この物質ができてしまうと、いろいろな処理をしても取り除くことは難しいらしいです。酒造りの工程の中でも混入する可能性があるわけですが、もともとの仕込み水に鉄分があるようでは、いい酒造りは望めないことになってしまいますよね。
ちなみに、水道水の基準では含有される鉄分は0.2ppm以下とされていますが、醸造用水の基準はその10分の1の0.02ppm以下と言われています。水道水のレベルじゃぁ仕込には使えないんですね。
分析をしてみると、わが社の2本ある井戸のうち浅井戸の方のみがこの基準を満たしているんです。ですから、仕込み用の水を取るのは絶対に浅井戸の方ということになるわけです。洗い物なんかも浅井戸の方でまかなえればいいんですが、よくしたもので浅井戸はそんなに量が出ないんです。たくさん使うとすぐに枯れてしまいます。
その他にも水にはいろいろなミネラル分が含まれていますが、マンガンなんかも少ない方がいいといわれていますね。ミネラルが多い水を「硬水」、少ない水を「軟水」と言いますが、どちらを仕込みに使用しても問題はなく、それぞれの特徴のお酒ができるのです。
長生社の浅井戸は硬水と軟水の中間の「中硬水」と言われています。この水の特徴をしっかり把握して、よそにはない信濃鶴の味を追求していきたいですね。
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明日は蔵人が少なくて、麹の引き込みも、もろみの仕込みもやらないので、今日は洗米関係は一切なし。
麹の引き込みいつも通り。精米歩合が60%の米になったら、手触りが少し重く感じられる。軽くてサバケがいい蒸米に仕上げなくっちゃイカン。昨日引き込んだ麹はえらく元気が良く、どんどんと温度がついちゃう。
外気温が低くなってくれたので、酒母室の室温も下がってくれて、何となく酒母の泡も元気に見える。
吟醸もろみ終盤に入ってきた。うまく熟成してくれればいいがなぁ。
このところ立て続けにもろみの上槽があったので、粕がどんどん山のようにたまっていく。周りが狭くなっていくから、蔵から少し出さなくっちゃだな。
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