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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

予測


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酒類総合研究所から今年の原料米の溶解性予測が公表されました。『溶解性』なんて聞くと何やら難しげですが、私達がよく口にするところの『お米の溶けやすさ』ってことであって、清酒の製造管理ではもっとも重要な指標になるものです。かく言う私も、あんまり詳しい化学的な内容までは知らないんですけどね(汗)。

酒米が良く溶けると、もろみ中に糖分も増えて味が出て、アルコールもたくさん収得できることになります。逆に溶けづらいと、味が薄く、アルコールもあまり造れないことになって、コスト的な面から見れば、お米の溶けがとても悪いっていうような年には、予定したよりもできたお酒の量が少なくて困った困ったってことになるわけです。

その年のお米が溶けやすいか溶けづらいかは、収穫されたお米を実際に溶解試験してみないと分からないんですけど、近年の研究で、稲の出穂期の気温とこの溶解性との間に関連があるってことが分かって、その辺の統計的な解析からある程度の精度で溶解性が予測できる様になったらしいんですよね。

難しいことは分かりませんが、出穂期後の気温が低いと、お米のでんぷん質の構造が消化されやすい構造になりやすく、気温が高いと、逆に消化されにくいような構造になっちゃうんだそうです。その結果が顕著に私達の製造現場に反映されるもんだから、この研究はとても意義あるものとして評価されているようですね。

で、その研究結果から予測して、今年のお米はまずまず例年並みか少し溶けやすいかっていう感じみたいですね。私の感覚では、夏の日照時間が短かいんじゃないかと心配はしたものの、気温的には例年並みの推移だったようで、例年に比べてどちらかに偏った溶け方にはならないようで安心しました。

アルコールがたくさん造れるからお米は溶けた方がいいのかっていうと、溶け過ぎたら溶け過ぎたで味の重い酒質になりがちですから、やっぱり例年並みっていうのがいいんです(笑)。お酒の造り始めは、今年の米の溶け具合をとても気にしなくっちゃなりませんけど、ある程度安心して進んで行けそうですね。


□□□ 最近ポイント低いです(汗) □□□
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