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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

小海町(つづき)



なぜ、小海町のS屋さんが佐久市でお酒の会を開いたんでしょうか。調べてみると、その間20キロ以上は離れていますから、『地元』と呼ぶにはチト無理がありそうです。車で走っても40分くらいかかったでしょうか。私も、最初に案内をいただいた時に「何か変だなぁ」と思っちゃいましたもんね。でも、それには大きな理由があったんです。

写真は、今回のお酒の会の主催者であるS屋さんの店内です。私の想像以上の広いお店でした。ここに写っているのは、店舗の面積の3分の1くらいですかね。日本酒をメインに、焼酎、ワイン、ウィスキーがたくさん並べられていました。それだけだけじゃなくって、お店の裏には冷蔵庫もいくつもあって、在庫だけだって相当な量でしょう。

ところが、小海町の人口は5千人くらいだとか。これほどまでのお店は東京にだって少ないのに、規模的にはやっていけるわきゃないってことになります。つまり、S屋さんの市場は、地元の小海町は押さえているものの、それより多くの量が佐久市や軽井沢方面に売られているっていうことだったんです。ですから、市場を開拓するためのお酒の会であれば、そちらで開催した方が理にかなっているわけです。

規模的にやっていけないなんて書くと失礼になりますけど、この写真に写っている日本酒は、どれもがこだわりの商品ばかりで、この手のモノでこれだけの量を売りさばこうとすれば、人口が5千人じゃ絶対無理だってことは、私たちから見れば明らかです。S屋さんは、これまでの努力によって、販路を近隣の市町村や全国への発送に広げておられたってことなんですよね。

県内酒ばかりじゃなくって、東京でもなかなか手に入らないような全国の有名銘柄もお持ちで、目の付け所が田舎の酒屋さんで終わっていないのがすごいと思いましたね。昔は造り酒屋をなさっていたそうですから、受け継いだDNAがお酒への自分のこだわりを貫かせているのかもしれません。きっと、かなりのストーンヘッドだと思いますよ(笑)。

でも、一番うれしかったのは、これだけ並んでいる日本酒のほとんどが県内で造られているものだっていうことです。こだわりの日本酒を探そうとすると、どうしても全国の有名銘柄に手が伸びると思いますし、それができるお店だと思うんですけど、自分が売りたいのは地元のお酒だっていう、県内の造り手からするととても有り難い気持ちを持ってくれているんですよね。

私もこの棚を見回してみて、「信州にもバラエティに富んだいいお酒が揃ってるじゃん」とうれしくなりましたよ。信濃鶴も、そういう個性的なお酒の品揃えの中に加えてもらって感謝感謝です。まだまだ力不足の鶴ですが、これからもその気持ちに応えられるようなお酒造りをしていきたいと思いましたね。


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