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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

定番酒



「今、うちでお客さんに一番支持されている定番酒って、久保○、〆張○、八海○なんですけど、実は、その次が信濃鶴なんですよね。新潟の有名どころが安定的に売れるのは分かりますよね。でも、失礼ですけど、無名の鶴さんが少しずつ伸びて次につけてるのって、とても面白いと思うんです。指名買いの方が増えるように、これからウチも頑張りますね」

・・・この春、県外営業回りをしていて、最高に嬉しかった一言ですね。確かに、無濾過生原酒みたいな特殊な限定商品は瞬間風速的には売れますが、製造の面からも、販売の面からも、それを通年化することは難しいですし、特殊性を維持できないってことになると、その商品の位置付けやら、もっと言えば蔵の目指す方向性すらも揺らぐことになりますから、それをメインに据えるのには無理があります。

やっぱり、信濃鶴としての通常商品の販売量が増えてくれるのがベストだと思いますし、そういう強い思い入れが、3種類しか酒を造らないっていうストーンヘッドなストラテジーにつながっているわけです(笑)。それしかないと考えるか、それだけあれば十分と考えるかで見える景色は全く変わってきますが、私の捉え方は読者の皆さんがよくお分かりの通りです。

イケてるお蔵さんの戦略を拝見すると、少しずつ内容の変わった商品を年間通して単発的にリリースするっていう方法が多いような気がします。極端に言うと、12種類の特殊商品を用意しておいてひと月毎に売り出しをかければ、一年中毛色の変わった味を楽しめて、お客さんとしても飽きることなく同じ銘柄を買ってくれることになるっていう算段です。

鶴の無濾過生原酒ですら、年間2回だけの発注時にはそれなりのご注文をいただきますから、それが毎月になったらウハウハ状態になれるんですけど・・・けど、そーうまかーいかねーんだな、これが(汗)。もともと造ってる種類が少ない上に、あまり細かい商品構成に社内の体制が対応してないもんだから、やろうと思ってもできないっていうのが正直なところです。

ま、いろいろを勘案して、また、私の性格を考慮すると(笑)、現状のようにノーマル商品での一本勝負っていうのが、信濃鶴としての生きる道だと思ってるんです。ノーマル商品って言えば、普通純米と特別純米ってことなって、火入れもされていて品質の面からも安定性は高いですから、そこが消費者の方たちに認めていただければ大きな強みにもなると期待してるんですけどね。

いずれにしても、そんな私の思いが、多少なりとも実現に近づきつつあるかもしれないと、本当にうれしくなった一言でした。特に、首都圏方面の酒販店さんとお話しをしていると、「日本酒は伸びてきている」なんていう言葉も聞かれることもあって、そうなった時の定番酒のポジションを狙って、普段から飲んでいただける商品のレベルアップに力を入れようと決意を新たにしましたね。


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