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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

伊那醤油(おまけ)

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昨日のブログに、伊那醤油さんでほんの少し醤油用の大豆麹をいただいたと書きましたが、その使用目的が実はあって、社長のYさんに「お前も醤油を仕込んでみろ」って言われてたんです。ほんの少しだけ麹をやるから、家で小さな容器に入れてやってみたらどうだってことで、1.5キロ分けていただきました。

やることは簡単で、この量の大豆麹に対して2.0リットルの塩水を準備しておいて、その中に投入するだけです。塩水の濃度は23%っていうことだったので、塩460グラムを入れて撹拌しておきました。仕込とも何ともないですが、とにかく塩水に醤油用の麹が入った後の様子が上の写真です。これを、初期のうちは毎日撹拌しなくっちゃならないみたい。

ところが、翌日に撹拌しようとしても水分を全部吸っちゃって、かき混ぜようもなかったので、ちょっとおかしいと思ってYさんに電話すると、2.0リットルの塩水じゃ足りなかったようで、もう700グラム分の塩水を足せとのこと(笑)。そいつを加えたら、なんとかもろみっぽい状態になってきましたが、清酒のそれに比べると明らかに固形分の比率が高くてモコモコした感じのものですね。

写真で見てお分かりのように、黄緑色をした直径1センチほどの丸い『でん六豆』状のものが大豆麹で、それより黄色くて小さな粒が小麦を焙煎したものです。麹菌は大豆にしか繁殖していないようですが、製造過程では小麦も一緒に混ぜ込んで麹にしているようです。その辺の詳しい工程は、ちょっと不確かなんですけど・・・(汗)。

今はこんな状態ですが、これが日が経つにつれて、濃い茶色のドロドロした液状になっていくんですから不思議なものです。伊那醤油さんの蔵の中を見せていただいた印象では、それほど厳密に微生物の管理はしなくてもいいようですから、きっといろんな生き物が醤油の醸造には関係しているんでしょう。

日本酒の場合は、相当に制限された微生物しか関与しません。極論すれば、麹菌と酵母菌のみです。そしてその酵母菌も、いろんな種類がある中でも協会何号といった、単一の種類だけを分離して使います。他の酵母菌が混入しただけでも汚染っていうことになる程、清潔さを徹底した管理が要求されますが、醤油の醸造はそこまでのことは必要ないみたいですね。

醤油もろみの中にはある種の酵母菌も生きているでしょうが、それは清酒もろみとは違って、アルコール発酵がメインっていう活動ではないのかもしれません。とにかく、これだけの物量を分解するっていうこと自体が大変な仕事でしょうから、大豆のタンパクや小麦のデンプンを複雑な菌類の相関によってアミノ酸や糖分に変えていく作業に1年という長い時間がかかるってことなんでしょうね。

さてさて、出来上がりが楽しみなこの醤油もろみではありますが、しばらくしてそれほど手がかからなくなったら、母屋の味噌蔵にでも入れておきましょうかね。光は当たらない方がいいみたいですから、我が家の台所よりはその方がいいでしょう。今から考えると、仕込水に家の水道水を使いましたが、蔵の井戸水を汲んでくれば良かったと後悔しているところです(汗)。何はともあれ、1年後が楽しみな、大人の実験レポートでした。


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