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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

伊那醤油

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駒ケ根には、『伊那醤油』という醤油の醸造元があります。私は、どうしたわけだったのか、今まで一度もその工場に入れていただいたことはなかったんです(汗)。20年以上も、仕事内容の似通った業界にいたのにその機会が無かったわけで、ずっと見学のチャンスをうかがっていたっていうのが偽らざる気持ちでした。

昨年、社長さんが交代して、市内の酒販店も経営するYさんが新社長に就任されました。Yさんとは気安くお話もできますし、こりゃいつかは工場見学できるかもしれないと密かに思っていたんですが、先日電話をいただいて、「今、麹の引き込み作業をやってるから、良かったら見に来ないか」って誘ってもらえたんです。

二つ返事で飛んで行って、初めて工場の中に入れていただきましたが、私が思っていた以上に近代化された感じで、省力化のための機械も揃えられているっていう印象を受けましたね。工場と言うか蔵自体は大正時代からのもののようですが、昭和に入って設備の増強がされて現在に至っているんだそうで、かなり古い部分もそれなりに見受けられました。

特に、発酵の中心であるもろみ桶のおかれた蔵の中は年代物で、薄暗い照明しかないので、ちょっと怖めの映画に出てきそうな雰囲気を醸し出しておりました(笑)。写真の2、3枚目を見ていただければお分かりのように、足場板の下に木製の桶が埋め込まれたような構造で、その中には茶色の醤油もろみが入っていました。もろみ自体はブクブクしているわけじゃなくって、ひっそりとした感じでしたね。

桶の大きさ自体は、長生社で使っている発酵タンクと同じくらいの大きさだと思いますが、全て木製っていうところが貴重です。お酒のもろみ用の木桶は、蔵人たちがとても丁寧に磨き上げて使ったなんて聞いたことがありますが、醤油もろみの桶は、あまりきれいにしちゃうと隙間ができるっていうことで、それほどピカピカにはしないんだそうです。

醤油の造り方や発酵の原理については、お恥かしながら私はほとんど知りません(汗)。簡単に言えば、大豆で麹を造って、それを塩水に投入して、1年ほど発酵させて、搾って出来上がりっていう感じでしょうか。もろみ期間が清酒とは異次元の長さですが、デンプンを糖化させてアルコールに発酵させるのと、タンパク質をアミノ酸に分解・発酵させるのに要する時間がそれほど違うっていうことなんでしょうね。

大豆で麹を造るっていう工程も初めて見ましたが、蒸した大豆に炒った小麦を混ぜ合わせて造るんだそうです。その小麦の量が少なければ濃口醤油、多ければ薄口醤油になるんだとか。後日、出来上がった大豆麹も少量いただきましたが、私たちが造るお米の麹とは全く違う代物でしたね。『でん六豆』っていうお菓子があるじゃないですか。あれが少し小さくなったっていうような見てくれなんですけど、味はあまりしないんです(笑)。

写真1枚目は蒸した大豆がベルトコンベアで運ばれているところ、4枚目は醤油のもろみを搾る機械ですが、その原料の性格からいって、工場の中は大豆や小麦の粉末がモウモウとしてましたし、塩を使う関係上、機械類もかなりサビが出ちゃうみたいで、工場全体のメンテナンスはなかなか大変なんじゃないかと思いましたね。

現在、全ての製造工程を自社内でまかなえているわけではないそうですが、徐々にその比率を上げていきたいっていう方針のようです。地元産の原料にこだわった、駒ケ根ならではの醤油なんかを造ってもらえると嬉しいですね。皆さんも、駒ケ根の『伊那醤油』をぜひぜひご愛顧くださいね。これからの発展が楽しみに思える、地場産企業の工場見学レポートでした。


□□□ 醤油のかけ過ぎでいつも女房に叱られます □□□
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