FC2ブログ

専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

新ビン

2011031008120000.jpg

朝早くに大きなトラックが構内に入ってきたと思ったら、ドカドカと荷物を下ろし始めました。何かと思って見ていると、それはグリーンの一升ビンじゃないですか。こんな梱包で送られてくることは珍しいことですし、いつもの業者さんじゃなかったもんだから、「何か変だなー」って思って見てたんですよね。

後で聞けば、何とコイツは新ビンだったんです!新ビンっていうことは、これまで一回も使ったことのないピカピカの新品っていうことです。そりゃぁ、いつもとは違う荷姿のはずだわなぁ。いつもだったら、回収されたリサイクルのビンを、廃品業者さんから買っているわけで、レッテルは付いたままだし、ちょっと汚れてたりするんですよね。

長生社では、ビン詰めに使う一升ビンは、ほとんどが自社のセールスが各酒販店さんから回収してきたものです。日本における一升ビンとビール瓶の回収率は非常に高くて、リサイクルの優等生と言われているくらいなんですよ。その他のビン種についても、かなりの割合で自社で回収したものを使っています。

ところが、最近、グリーンの一升ビンがリサイクル市場でとても品薄みたいなんです(汗)。もう、量が売れる時代じゃありませんから、特に小さな地酒メーカーなんかは少し高級なお酒へシフトしている面があって、そういうものはグリーンビンを使って高級感を出すことが多いからなんじゃないかと思うんですけどね。信濃鶴では、特別純米と純米大吟醸でグリーンの一升ビンを使っています。

たぶん、私が会社に入って以来、初めてなんじゃないですかね、新しい一升ビンなんか買うの・・・つまりこの20年間で初めて(笑)。当然、回収ビンより何倍も高いものにつきますから、これまでは考えもしませんでしたが、そんな我が社でも買わざるを得ないほど流通量がひっ迫してるんでしょうかね。こういうこと書くと、鶴は売れてるからビンが不足してるなんてお考えの方もおられるかもしれませんが、そんなこたぁ全くござーませんぜ(涙)。

地震の時なんかに、酒蔵で一番簡単に被害にあうのがビン類なんですよね。空ビンでも、中身が入ってるビンでも、どこかに落下したら簡単に割れちゃうんですから当然なんですけどね。蔵の倉庫には、空ビンだったら人間の背丈の3倍くらい、中身が入っていれば2倍くらいの高さまでリフトで積み上げてありますから、大きな揺れが来てそれが崩れたらひとたまりもありません。

何千本という一升ビンの割れた現場の写真を見たことがありますが、それは片付けだけでも大変な作業だったろうと推測されました。大量に壊れたビンの中に奇跡的にも割れてないものがあったとしても、片付けの効率を考えたら、それも一緒くたにしてまとめて処分することになるんじゃないですかね。

でも、人間の命の場合そんな風には割り切れないじゃないですか。今回の東北関東大震災では、万人単位の死者が出ることは間違いないんじゃないですかね。普段は人ひとりの命っていうものを大切に大切にしているのに、こんな極限状態になると、一個の命の重さっていか程のものだったのか見失いそうになる・・・。

その人の命はその人にとっては存在の全てのはずで、その重さは無限大なわけです。他者の命を同様に尊重しようとすれば、やはり他人の命もその重さは無限大。無限大は、たとえ何千何万集まろうと無限大なんですよね。一瞬にして命を奪われた何万人と、奇跡的に助け出されたひとりの命の重さは同等なはず。無くした命に無限大の意味を与えるのは、今生きている命。だからこそ、残った私たちは一生懸命に生きなくっちゃならないんでしょう。


□□□ がんばれ東北!!! □□□
■■■日本酒の未来のためにクリックお願いします!人気ブログランキングへ■■■

スポンサーサイト