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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

米トレサ法(つづき)

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昨日はこの『米トレサ法』の内容をもっともらしく書きましたけど、このブログの読者の中にも、お米を使った加工品の原料表示で『米(国産)』とかって、既に目にされた方がおられるんじゃないんですかね。お酒のレッテルにも、そう書いてあるものがチラホラ見られるようになってきてますよ。

長生社みたいに小さな酒造メーカーでは、1枚の単価を下げるために、レッテルなんか何万枚っていう単位で注文して、それが数年分の量になることもあるもんだから、表示義務の施行が1年先だといっても、その準備は今のうちから進めるっていうことになります。現に、今年の春に作った鶴の特別純米のレッテルは、『米(国産)、米こうじ(国産米)』っていう表示にしてあります。

どうして、米は(国産)で、米こうじは(国産米)なんていう書き方になるかっていうと、『米こうじ(国産)』と書くと、使用した麹が日本国内で造られたっていうニュアンスになっちゃうからなんでしょうね。外国のお米を使って、国内で造った麹と区別がつかなくなっちゃうかもしれないっていう、お役所さんらしい硬い表現です(笑)。

基本的には、原料米の原産地の国別に書けばいいだけなんですよね。もっと限定的に、(長野県産)とかも表記していいみたいですが、とりあえずは(国産)っていうのが一応のスタンダードのようです。もしかしたら、大手メーカーさんのお造りになっている格安の酒パックなんかは、『米(オーストラリア産)』なんていう表示も出てきたりして・・・。

この表示義務は、何も製品の形になったものだけが対象ってわけじゃなくって、例えば外食産業も同じことなんです。ですから、表示義務の課せられる来年の7月以降は、ファミレスのメニューに『カレーライス(国産米)』とか、『海老ドリア(アメリカ産米)』とかって書かれることになります。店員に問い合わせられる形でもいいらしいですけどね。

トレーサビリティっていう観点で、我が日本酒についてどーなるか見てみると、それほど大したことないんだな、これが(笑)。私たち酒造メーカーとすると、内部的にはこれまでよりも詳細なお米の産地情報の記録義務が課せられますが、特に信濃鶴なんか、県内産の美山錦しか使ってませんし、全てJAさん経由ですから、問題の発生のしようがないんですよね。

更には、蔵内での酒米の流れも、これまで長く続いている税務署さんからの指導によって、どのお酒に、どのお米が、どのくらい使われているっていう記録はしっかりと保存される体制になっていますから、社内でのトレーサビリティも万全です。この法律の施行でどえらく困っちゃうなんていう酒蔵さんは、長生社みたいな小さなメーカーにはないんじゃないですかね。

別の業界の例をあげれば、米酢なんかは当然米が原料になるわけですが、その製造過程で以前のもろみを種酢として次のもろみに循環させる行程があるらしくて、社内でのトレーサビリティを確保することが難しいんだそうです。ですから、米酢は今回の制度の対象外になっています。でも、国産かどうかは分かりそうだし、国産って書けば消費者の手も伸びやすいような気がするんですけどね。

ちょっと、小難しい話題になっちゃいましたけど、これから読者の皆さんの周りで起こることでもあるので記事にしてみました。長生社としては対応に苦慮する部分はありませんが、お米を使った製品は、もしその出所が分からないのであれば売ることまかりならんってことですから、その流通に携わる人たちには、これから厳しい管理が求められるでしょうね。


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