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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

おたぐり

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これが『おたぐり』と私たちが呼ぶ、我が伊那谷の郷土料理です。ソースかつ丼と同じく、この辺に住んでいる人間には全国共通の食べ物だと思っていたのに、実は超ローカルな料理だったっていうモノのひとつですかね(笑)。駒ケ根近辺にならどこにでもあるっていう代物でもありませんが、いったいどんな食べ物なのかお分かりですか?

先日、伊那市での会合の後、漆戸醸造のU社長に連れて行ってもらったのが、このおたぐりで有名な居酒屋『千田』さん。老夫婦でやっておられる小さなお店なんですが、おたぐりと言えば千田と返ってくるくらいによく知られています。伊那市駅から線路沿いの細い道を駒ケ根方面に歩いて数分の場所にあります。

ご覧になって大体の想像がつくように、おたぐりの原料は動物の臓物です。普通の言い方でいけば『もつ煮』ってやつですね。そして、その部位は、馬の腸っていうのが決まりごとみたいですね。馬の長い腸をたぐり寄せるようにして洗うから『おたぐり』って言うんだっていう説明ですが、馬の腸ってそんなに長いんですかね。

長野県は馬を食べることで知られていますが、基本的には食べるために飼っていたわけじゃなくって、農耕馬としての用途だったんだと思います。その馬が使えなくなると、最後に屠殺して肉を食べたんでしょうが、内臓も捨てることなく食用にしたのが、このおたぐりの原点なのかもしれません。

このおたぐり、私の親父の大好物だそうで、伊那で飲んだらしょっちゅう食べて帰ってきてるらしい(汗)。ひとりで2皿も3皿も平らげるようで、お店のご店主も私が信濃鶴の社長の息子だと分かると、親しげに話しかけてきてくれました(笑)。おたぐり自体は初めてじゃなかったんですが、ここの逸品を食べてみると・・・どえりゃー美味いんだな、これが!

ご店主の説明によると、普通は馬の腸ってかなり臭みがあるんだそうです。だから、当たり前に作ったおたぐりは独特の癖があって、苦手な人もいるんだとか。でも、このお店のは全然そんなことないんですよ。東京の居酒屋で食べるもつ煮系の味と遜色はありませんし、それより肉も大きいし、少し油が乗った感じで、かなりイケてると思うんですけどね。

その秘密は、肉の下処理にあるみたいです。近くの肉屋さんが、井戸水を何時間もかけ流すようにして、肉の臭みを取る作業をしてくれているらしい。その他にも、煮込み方だとか味付けの方法にも秘伝があるのかもしれません。それにしても、美味しかったですよ。これなら、伊那谷名物としてイチオシしてもいいんじゃないかなぁ。

『もつ煮』って、最近いろいろなところで目にするから、結構流行ってるんですかね。今年、大阪へ行った時に立ち飲み屋さんで食べた『どて焼き』も美味しかったなぁ。しかし、伊那谷に『おたぐり』ありでんがな。材料が馬の腸っていうところも、信州らしくてよろしい。そんじゃ、おたぐりを県外に広めるためにも、もう一度、近いうちに千田に行かなくっちゃですね(笑)。


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