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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

圃場巡回(つづき)

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さて、JA上伊那の米穀部会酒米専門部の皆さんとご一緒させていただいた先日の圃場巡回ですが、3カ所回った圃場の中で最も高地にあったのがこの写真の田んぼです。標高にして約850mです。大抵、美山錦の田んぼって、この日本の屋根の伊那谷にあっても、どっちかって言うと更に標高の高い場所に位置していることが多いんですよね。

でも、これほどの高地、つまりは山奥なんですが(汗)、で造られている田んぼを見たのは初めてです。一昨日のブログに載せた写真はどれもそれなりに平地っていう風景だったんですが、この写真はすぐそこから山が始まってるでしょ。手前の稲が暗くて、奥の雲が白いので下手な写真になっちゃってますけど、奥の方の山の際まで田んぼが段々になって続いているんですよ。

標高が高いところに田んぼがある理由は、水が冷たい方が美山錦の生育に適していると言われているからだって、同行した農家の方がおっしゃってました。平地の条件のいい田んぼではちゃんとした飯米を作って、それに適さない場所で酒米を作ったんだなんていう話も聞いたことがありますが、適地適作で棲み分けがされているっていうことなんでしょうね。

いろんな説明の中で繰り返されたのは、今年の異常なほどの暑さについてです。梅雨明け後に高温が続いて、梅雨時には平年より生育が5日分くらい遅れていたのが、いきなり5日分くらい早くなっているっていうことですから、1ヶ月ちょっとの間で10日分生育が進んだっていうことになって、それはそれでおかしな話ですよね。

ただし、豊作基調であることは間違いないようです。そんなにたくさんは収穫できないだろうけど、ちょっとはいいっていうくらい(笑)。ただし、この高温のせいで、胴割れ米なんかの品質低下が懸念されるとか。酒米には必ず精米の行程が入りますから、胴割れしたお米は原料として使うのが難しくなります。私としては、そうならないことを望むばかりですね。

会の最後に行われた懇談会では、地元の酒米農家の方ともお話しすることができて、いろいろと勉強になりました。自民党時代の農業政策としては、集落営農を重視して補助金等を出していたのに、民主党のそれでは個別保障制度だっていうことで個々の農家への補助金の形になるなど、時の政権の政策転換に振り回されている農家の実態もあるみたいですね。

私がお話しさせていただいたのは、伊那谷のお米は素晴らしいんだっていうことです。信濃鶴の自慢話をするつもりは毛頭ありませんが、ここで獲れた美山錦だけを使って、アルコールの添加をせずに全国の鑑評会で金賞が取れるんですからね。そりゃ、天下の山田錦に劣った点があることも事実ですが、それを克服して伊那谷らしいお酒を作る努力をするのが、我々蔵元の役割でしょう。

それに、県外からも飯島の美山錦を買い付けに来ているお蔵さんがいくつもあるんですよ。ここで名前は出せませんが、とても有名な銘柄や、今や行け行けの勢いのあるお蔵さんなんがわざわざ指名しているんです。そして、お酒のレッテルに『信州美山錦』なんてデカデカと書き込んだりなんかしてね。そういう高評価を、ぜひ地元の酒米作りの誇りにして、これからもいいお米を造ってほしいってお願いしてきました。

農家の皆さんの二の腕は丸太ん棒のように太く、私とは人種が違うんじゃないかって思うくらいに真っ黒でした。この腕が作り上げた自然の恵みを、ほんの少しの人間の知恵を使ってお酒にして、それを地元の人が楽しむっていうサイクルを、関係する皆さんと共に創り上げていきたいと思った、今回の圃場巡回でした。


□□□ 私の腕は真っ白け(汗) □□□
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