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専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

思い出したこと(その1)

何とも言えない仕事の慌ただしさでブログを落ち着いて書いてられないし、携帯に入っていたネタ帳代りの写真は全部消去しちゃったし、ネタをひねり出す時間もないもんだから、私がここ最近、頭の中にチョロっとひらめくように思い出したことを、強引にシリーズ化することにしました(笑)。一応、頭の中のことですから写真も必要ないですしね。お酒と関係ない話もあるかもしれませんが、なにとぞご容赦を・・・。

さて、最初の思い出。もう、数カ月前のことになるでしょうか。モルト侍が、サントリーの愛知県知多蒸留所で造られるウィスキーのことを記事にしていて、ハッと思い出したことがあったんです。私はかつてその蒸留所へ行ったことがあったはず!工場見学とかじゃないですよ。ハッキリとは思いだせませんが、1週間以上は滞在したんじゃなかったっけなぁ。

私は大学ではお酒造りじゃなくって、工学系の学科にいたんです。その中の一分野に『統計学』っていうのがあったんですが、これはいろいろと応用範囲の広い学問なんですよね。平均とか分散とか標準偏差なんていう言葉が出てくるヤツです。私の担当教授はその専門家で、色々な企業の技術顧問をやっておられました。その内のひとつがサントリーさんだったんです。

特に、各種飲料についての品質管理を手掛けていたんだと思います。サントリーさんの中でも、結構な有名人だったらしいですよ。先生のお宅に伺えばサントリーの高級ウィスキーが並んでましたし、銀座(赤坂だったっけな?)にある、サントリーの会員制のバーみたいなところにも連れて行ってもらったことがありました。そこのマスターの客あしらいは、カッコ良かったなぁ。

その先生に、サントリーさんから、ウィスキーの蒸留条件の製品に及ぼす影響を分析してほしいっていう研究テーマが持ちかけられたんだと記憶しています。それには、とにかくその工場に行ってある種の実験を行って、データを取らなくっちゃなりません。そのデータを研究室で統計的に解析して、実際の工程に反映させるわけです。

そんでもって、そのデータ取りの役目を押し付けられたのが、私ともうひとりの先輩だったんですよ。工場の蒸留塔は24時間稼働していて、その蒸留塔の上の方にあるコックから数時間おきに蒸留中のアルコールを採取してきて、機械にかけて分析するのが主な仕事でしたね。私はジャンケンで負けたので、夜の12時間を担当する破目になりました(涙)。

その工場の寮に泊まり込んで、何日もデータを取りましたよ。夜は寝られないもんだから、昼間ウトウトするような変な生活でしたが、実際の企業の工場ってこんなふうに生産活動をしているんだって実感できて、とてもいい経験になりましたね。そういやぁ、昼間時間があったもんだから暇潰しにと思って入ったパチンコ屋で、滅茶苦茶勝ったことも今思い出しました(笑)。

このお仕事に対するアルバイト料は、微々たるものでした(涙)。そもそもが、「美味しいものを食わせてやるから」って引き受けたんですからね(笑)。でも、その工場の所長さんが連れて行ってくれた知多のステーキ屋で、「この美味さが君らに分かるかなぁ」とシェフが出してくれた、こぶし大もない小さなステーキ。あれが、私の人生で一番美味しいステーキだったんですけどね。

先生とすれば、信濃鶴の造り酒屋の倅なんだからそういう社会勉強もいいだろうと送り込んでくれたと思うんですが、あれから20年以上も経って、ウィスキーを飲みながらそんな思い出に浸れるのも、なんだか奇妙な感じです。あの工場で蒸留されたウィスキーが何なのかは私には分かりませんが、今度侍のお店で飲んでみたいもんですね。


□□□ bossと抜きつ抜かれつです □□□
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