専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

吟醸中にホッとする話(6)

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暖か過ぎますねぇ・・・。この寒造りの仕込みの時期に、気温が低くなってくれません。この写真は今日のものじゃないんです。今日は結構などしゃ降りの雨でした(汗)。「降るなら雪が降ってくれ」という思いも込めてこの写真です(涙)。

雪なんか降らない方がいいんです。カラッとした晴天で乾燥していて、気温が低いのが酒の仕込みのためにはいいんです。原料処理の過程で、蒸米を乾かすとか冷やすとかいう作業が多いので、日本酒の仕込っていうのは冬の寒くて乾燥した時期に集中して行われます。もろみの発酵の温度管理もしやすいっていう理由もありますね。

毎年、長生社で吟醸を仕込む時期には雪が降ります。どういうわけか、必ず降ると言ってもいいくらいの確率で降るんです。雪が降ってちょっと薄暗くて、底冷えのする蔵の中で、泣きながら洗米するのが毎年のパターンなんですが、今年は寒くてストーブに当たりながら洗米するなんていうことはなかったですね。

本当は今日のブログは、「雪が降ると寒くてイヤなんだけど、この時期に降る雪は仕込の条件を整えていてくれる部分もあって、ホッとするんだな、これが・・・」って書こうと思ってたんですよ(汗)。

それに、「雪が降ると外から隔離されて蔵の中に閉じ込められる気分になって、それも何となく吟醸造りへの集中力が増すような気がして、ホッとするんだな、これが・・・」と付け加えようとも思ってました(笑)。

ところがどっこい、そんなこと書く気分じゃない(涙)。今現在、このブログを書いている夜中の時点でも、外気温は7度もあるんですよ。マイナス7度じゃなくて、プラス7度!こんなの信州じゃねーよっていう感じです(涙)。吟醸の仕込の時には蒸米を自然放冷して冷ましますから、明日の仕込は、もろみの温度をこちらの目標までは下げられないかもしれません(汗)。

仕込温度が下げられなくって、いい吟醸にならないんじゃないかって?・・・いえいえ、大丈夫でっせ!仕込んだ後にだってもろみの温度は制御できるし、もしかしたらその方がいい酒になるかもしれません。きっと神様が守ってくれていますから、そんなこと心配しなくたっていいんです(笑)。ちょっと、ホッとしましたか?


□□□ ここをクリックしてくれたら寒くなる・・・かも □□□
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吟醸中にホッとする話(5)

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さてさて、今年の純米大吟醸の仕込も最佳境に差し掛かってきました。夜はあまり眠れず、午前中は蒸米を自然放冷する作業に追われ、午後は大量の米洗いに忙殺されている毎日です。かなり頭もボーッとしていますから、何しでかすか分かりません(汗)。

現に、夜中に3個の目覚ましによって飛び起きても、「さて、何のために起きたんだっけな?」と、しばらく考えないと次の行動に移れない。

「ああ、そうか!」と思いだして、その作業をしに麹のある部屋まで行く。

しかし、「まだ温度がついていなくて、手が入れられないじゃないかぁ」となる。

もうちょっと待てばいいんだけど、どうしようかと逡巡しているうちに、そこにゴロンと横になる。

横になったとたんに、瞼は落ちる。

落ちたら最後、1時間は目が覚めない。

ガバッと目覚めて考える、「さて、何のために起きたんだっけな?」・・・

というループにはまってその作業の適時を逸してしまうと、泣きながら慌てて仕事をする羽目になります(涙)。そういうミスを数限りなくこなして、一人前の杜氏に成長するんだと自分に言い聞かせてますが、あまりにカッコ悪くて人には言えません(今言ってますが)。

「またやっちまったぁ・・・」としょげかえりながら、蔵の外に用足しに向かいます。ふと見上げると、月夜に雲が流れています。夜中の雲ってなかなかに幻想的ですね。昼間だと気が付かない雲の流れる速度にビックリし、明るい空では感じられない雲の立体感に我を忘れて見入ってしまいました。これも、吟醸の造りの最中に神様がくれた、ホッとしたひとときではありました。

写真はそんな雲を撮ろうと思ったんですが、案の定携帯のカメラでは撮ることができませんでした。下の方に雲が写ってるんですけどね。いい酒ができるように、今宵も月が見守ってくれていることでしょう。月を見上げて涙を拭いて、次の作業に取り掛かりましょうか(笑)。


□□□ 今回の話は多少創作が入ってます(笑) □□□
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吟醸中にホッとする話(4)

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このブログには何回か出てきている話ですが、昔、新潟から杜氏さんをはじめ何人かの蔵人が出稼ぎで働きに来ていた頃の、蔵の仕事が終わってからの最大のお楽しみだったのが相撲中継でした。夜の麹の手入れなんかは残っていても、今日一日の仕事が大体終わって、みんなでホッとするひとときだったんですよね、これが。

杜氏のお気に入りの力士が勝てば、晩酌をもう1本余分に飲めました(笑)。千秋楽なんか、仕事を早めに切り上げて、急いで食堂に駆け込み、固唾を飲んで優勝の行方を見守ったものです。この日もいつもより余計に酔っぱらうのが常でしたね。

晩酌の習慣がなかった若かれし頃の私が(今でも若いですが)、ご飯のおかずと、酒の肴一品と、漬物少々を前にして、徳利でお燗をつけて一杯やって、最後に残ったおかずでご飯を食べるというオーソドックスなオッサンの晩酌スタイルを習得したのも、蔵に泊まり込むようになってからでしょうか。

初場所の頃は大抵、吟醸の仕込と重なるんです。ですから、心から楽しめない部分がどこかにあって、もどかしい気持ちをみんな持ってたんじゃないかな。それでも、特段他に娯楽もなかった蔵の生活の中では、気持ちを安らげてくれる重要なスポーツ観戦でした。毎年吟醸仕込と初場所はシンクロしているもんだから、無意識のうちに心の中でペアにしてしまっているくらいかもしれません。

今年の吟醸の仕込も初場所の後半と重なりましたが、千秋楽だけはしっかりと見ましたよ。横綱朝青龍の引退がかかった場所で、何と全勝優勝かもしれないってぇんだから驚きましたね。いろいろと問題もある横綱ですが、気力と集中力では右に出る関取はいないでしょう。

写真は先日の優勝決定戦の立ち合いですが、吟醸麹の面倒をみながら、そこだけはどちらの横綱を応援するともなしに見ていました。吟醸仕込をしばし忘れて応援に力が入りましたね。やっぱり今回の朝青龍の優勝には大きな意味があるでしょう。不屈の精神力で、大どんでん返しをやってのけたんですからねぇ。見習わなくっちゃ。

「朝青龍帰ってきましたー!」なんてインタビューに答えていましたが、「鶴の純米大吟醸帰ってきましたー!」と、どこかの品評会で金賞でもとって言ってみたいもんです(笑)。


□□□ 眠い眠い・・・ □□□
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吟醸中にホッとする話(3)

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昨日、手タレ写真だったので、今日も引き続き手タレ写真を話題にしてみましょう。誰の手かは、このブログの読者さんであれば大体見当がおつきになるんじゃないですかね。そうです、私が愛してやまない愛娘がピアノを弾いているの図です。

冬の間ばかりじゃなくって、夏の酒造りからは全く解放されているような時期でも、娘のピアノの演奏を聴くことはあまりありません。先日、「お父ちゃん、私が今練習している曲、聴いてほしいの」と言われ、吟醸も始まり時間がなく慌ただしく家に帰った時でしたが、「よし、弾いてみろ」ということになりました。家での時間は多少削られますが、やっぱりホッとするんだな、これが。

どんなに忙しくても、そういう申し出は決して断らないことにしています。私に聴かせたいという意思、それは単にうまく弾けるようになったピアノを聴かせて、褒めてもらいたいという気持ちばかりじゃないかもしれません。何か別の自分の心の姿を、ピアノを弾くことで見てもらいたいと思っているかもしれないからです。そういう気持ちは、彼女と同じ目線で、素直に受け止めてやるべきだと思うからです。

案の定、うまく弾ける曲ばかりじゃぁありません。うまく弾けない曲も私に披露するところを見ると、うまく弾けないけど頑張っている自分を見せたいのか、こんなに難しい曲まで弾けるようになったと言いたいのか、学校の卒業式で歌う曲の伴奏者を決める勝負に負けた悔しさを訴えたいのか・・・。

今は、学校の諸行事で歌う曲の伴奏者は、オーディションを受けて決めるらしいですね。娘も伴奏をしてみたくて、これまで何回も挑戦しているみたいです。しかし、同級生にお母さんがピアノの先生だっていう子がいるみたいで、到底太刀打ちできない。それでも、負けると分かっている勝負に挑み続けているようです。そのひた向きに挑戦する態度は全面的に称賛してやるべきでしょう。

信濃鶴の純米大吟醸酒も、山田錦じゃない地元の酒米で、アルコール添加をせずに、地元の人間だけで造って、勝ち目の薄い各種の品評会に挑戦しています。彼女も、どこかで親父の頑固さを受け継いだのかもしれませんね(笑)。

父ちゃんも母ちゃんもそれほど音楽に長けているわけではないのに、娘のピアノの習得速度は早い方らしいんです。もっと、どんどんといろんな曲を弾けるようになって、忙しい父ちゃんをホッとさせてくれるようになってほしいものです。もしかしたら、先日の演奏は、慌ただしくあくせくとしている私を落ち着かるためだったかな・・・(汗)。


□□□ 娘の手も大きくなってきました □□□
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吟醸中にホッとする話(2)

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さて、吟醸仕込みの期間は、さすがにこのだらだらブログも手短かに切り上げなくっちゃなりません。このブログだけでも気の休まるものにしようと、『私がそれによってホッとする何か』を毎日ひとつずつご紹介していこうと考えてます。どっちにしても、この時期にブログを書くこと自体に無理があるので、「何かこいつ変なこと言ってるぞ?」と思っても、大目に見てやってくださいね(笑)。

でも、よく考えると、今回のシリーズ名『吟醸中にホッとする話』ってぇのも、何か変なタイトルだなぁ。『気の抜けない吟醸の仕込中に気分をホッとさせてくれるような話』っていう意味なんですが・・・まっ、いいか(汗)。

最初に登場するのは、この手です。誰の手かってぇと、私の主治医の鍼灸師E君の手です。主治医E君は最近このブログには登場していませんでしたが、ほぼ毎週私は彼の元へ通って施術をしてもらっているんですよ。ホッとするんだな、これが。

もう何年通い続けているのか分からなくなっちまいましたが、もう彼無しには冬の間はやっていけません(笑)。「オヤジ臭い」だなんて言わないでくださいね。直接顔を合わせることはありませんが、患者さんの中には私と同年代の働き盛りの人たちや、うら若き女性もたくさんいるようです。駒ケ根の隠れた人気鍼師なんじゃないかと思ってんですけどね。

私の肩や膝は長い間かけて少しずつ壊してきてしまっているようなので、そういう部分については治療をしてもらっているっていう感じなんです。けど、例えば中腰の作業が多くて腰が痛くなってきたとか、寒い日が続いて足が冷えるようになったとか、胃の調子がおかしいなんていう、時として私を襲ってくる症状もその度にメンテナンスしてもらっていて、治療というよりはケアしてもらっている印象ですかね。

彼の同業者が見学に来て診療室に入っても、あまりにシンプル過ぎて、「診療室はどこですか?」って聞くくらい素気のないあの部屋が、冬の間私のもっとも現世から離れてホッとできる場所なのかもしれません。

E君にしても、女房にしても、もっと言えば一緒に働く蔵人にしても、私をサポートしてくれる人が周りにいてくれるから、全力で吟醸造りに打ち込めるんですよね。そんな人たちに感謝しながら、今日も眠い目をこすって吟醸麹造ってます。


□□□ あんまり短くないじゃん(汗) □□□
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吟醸中にホッとする話(1)

ついに始まりました。純米大吟醸の本仕込をする一週間です。信濃鶴の基本的な商品構成は、普通純米酒、特別純米酒、純米大吟醸酒の3つしかありません。そのうちのひとつっていうことです。もろみの本数にしてたった2本。全部で36本仕込む予定ですから、いかに少ない割合かお分かりでしょう。

でも、何でそんな少数派の大吟醸だけを特別視するんでしょうねぇ・・・
   その蔵が最高の原料を使って、最高の技術を発揮する場だから。
   その蔵の最も値の張るお酒を造るから。
   各種の品評会に出品するためのお酒だから。
   単なる業界の思い込み(笑)。
まぁ、さまざまな思いが各お蔵にあるでしょうが、自社の製品の中のフラッグシップを担うお酒っていうことですから、自ずと力が入っちゃうんですよね。

私の中の大吟醸の位置づけは、その他の製造量のほとんどを占める普通純米酒と特別純米酒の品質を向上させるための、大いなる実験の場だっていうことです。大吟醸造りに徹底してこだわることで得られた知見を、それ以外の主力製品に生かしたいんです。

「なぜ山に登るのか・・・そこに山があるから」、「なぜお酒を飲むのか・・・そこに信濃鶴があるから」、「なぜ大吟醸造りに挑むのか・・・そういう造り方があるんだっていうことを知ってしまったから」

かつて、吟醸造りの技が秘中の秘であった時代だったら、知らないんだから造りようもなかったんですが、今はその技術もかなり公開されて、さまざまな流派の中で更に研究されています。だったらやってみたくなるのが、技術者としての定めでしょう。普通純米酒のための技術の研鑽の場として、そこまでしなくてもいいのに命までかけて(笑)、今年も大吟醸造りに挑戦です。

ここまでの記事で何が言いたいのかっていうと、「しばらくはブログの手を抜きます」っちゅうことです(笑)。昨年のこの時期のブログを見返してみると、信じられないくらいにちゃんと書いてるんですよね(汗)。今年は、もう体力的に無理そうです(涙)。

ブログネタを毎日考えなくてもいいように、統一テーマを決めて頑張ろうと思いますが、真面目に書こうとすると頭が回らない可能性が高いので、今年は記事を書いていてちょっと肩の力が抜けるような話題にしようと思います。題して『吟醸中にホッとする話』。

この期間中、吟醸のことばかり考えている私の、ささやかなる気分転換にしようという目論見です。短めの記事になると思いますから、このブログの文章が長くて辟易としていたけれど、付き合いで読まざるを得なかった皆さんには朗報ですね(笑)。


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女性蔵人(おまけ)

蔵で働いてくれる女性について書いてきました。一昨日の記事で、私が長生社に入った時に3人のおばさんたちが蔵で働いていてくれていたって言いましたけど、その中にひとり、国家資格である酒造技能士の一級を持っているおばさんがいたんです。

これは結構すごいことで、当時長野県では2人だけしかいない希少な女性の有資格者だったんですよ。もうひとりは現在長野県のトップの製造量を誇る『真澄』さんのお蔵におられたと記憶しています。男性はたくさんいるんです。でも、女性で一級クラスの知識と経験と技能を持った人は、現在でもそうはいないと思いますよ。

確か一級と二級があって、それぞれ筆記試験と実技試験があって、かなり長い実務経験が必須だったと思います。今現在の試験はちょっと分かりませんが、実技って言っても、濾過機の組み立てからお酒の香味の判別まで多岐に渡っていて、勉強だけでも、実務経験だけでも、この資格をとることは難しいんじゃないんですかね。

ちなみに、この資格を持っていないと杜氏ができないとか、蔵人になれないとかいうことはありません。現に、私はその資格は持っていません。一生懸命に勉強すれば、私にだってきっととれる・・・はず・・・です・・・けど・・・ね(汗)。

やはり彼女は特別扱いで、その時長生社で働いていた杜氏さんは、他の人には絶対にやらせなかった麹の作業なんかもまかせてましたね。私もいろいろと彼女から教わりました。面と向かって杜氏さんに聞けないような技術的なことを、コッソリと聞き出したりしてました(笑)。

そう言えば、彼女は温度計を使わない人だったなぁ。麹室(こうじむろ:麹を造る部屋)に蒸米を引き込んで、ある一定の温度になったら積み上げてまとめておく作業があります。何度っていう決まった数字は杜氏さんから言われていたようでしたが、それを温度計を使って測ったりしないんです。蒸米の塊の中に手を突っ込んで、「はい、もういいら」なんて言ってまとめ始めるんです(汗)。それが、どのくらい正確だったのかは、今となっては確かめる術はありませんけどね。

力のいるもろみの攪拌作業なんかも、人手のない時なんかにやってもらうと、力がないなりにとてもうまくこなしていましたねぇ。私なんかがやると、力づくでもろみをかき混ぜるっていう感じなんですが、彼女は少ない力で私と同等の作業をこなすコツみたいなのを身に付けていたんじゃないかな。未だに、私はあの境地には至っていないような気がして、ちょっと悔しい・・・。

そんな人からも酒造りを教わったもんだから、私の頭の中では女性が蔵にいて仕事をするなんてぇことは、はなはだ当然のこととして刷り込まれてきたわけです。昨日もお話ししたように、それが女房だという事実さえ目をつぶれば(笑)、女性蔵人が働いている蔵って、厳しい作業の合間のどこかに優しさが流れているようで、とてもいいと思ってるんですよ。


□□□ 久しぶりのシリーズものでしたね □□□
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女性蔵人(つづき)

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酒蔵の女人禁制なんて全くの過去の遺物であって、現代では重要な働き手として女性ならではの感性を酒造りに生かしてほしい・・・ってな話を昨日のブログでさせてもらいました。少し前までは長生社の蔵にも何人か女性の蔵人がいたんだけど、ふと気がつくと今では我が女房殿だけになってるんですよね、これが・・・(汗)。

女房のように気心の知れた人間が会社にいるっていうのは、決して悪いことじゃぁありません。いいことの方が多いでしょうね。特に杜氏のように、生活の基盤ごと会社に預けてしまうような職業では、身の回りの世話なんかも含めて大変に助かっています。

蔵元の奥さんたちの蔵へのかかわり方の典型的なタイプは、『酒屋八兵衛』醸造元のトーコ姉貴のようなものじゃないですかね。蔵元の家と会社が同じ敷地内にあって、出稼ぎの杜氏さんたちのように住み込みで働く蔵人たちの、主に食事の世話をするっていうものです。泊まり込みが3人もいれば、その3食の世話っていったら大変なことです。小さな食堂でもやってるくらいって言ったら大げさですかね。

長生社は、会社と蔵元である私たちの家は離れていて、私のお袋も蔵人の世話等はしたことはありません。賄い専任のおばさんを雇っていたんです。今になって、蔵に住み込みで働く従業員はいませんから、尚更そういった蔵元の女将さん的な働き方は不要になってしまいました。ですから、私の女房が働くとしたら、蔵元の女将さんとしてではなく、正真正銘の蔵人としての働き方になります。

最初のうちは、本当にお手伝い程度だったんです。今の世界の景気の悪さを、20年も前から先取りしていたような業界ですから(汗)、我が社としても人件費はできるだけ切り詰めてきたんです。そうなると、カツカツの蔵人でやりくりしていく中で、どうしても人員配置に穴が開く場合がでてきます。

そんな時に、気軽にちょこちょこと使い回していたんですよね、女房を。普通に雇用したんじゃできないような使い方ができるもんだから、とても重宝したんです。例えば、「1時間だけ麹造りの手伝いをしろ」とか、「急に社員が出社できなくなったから今から出てこい」とか、「この書類を税務署に届けてきて」とかね。

そのうちに、もろみの分析は毎日やるようになり、麹室の手伝いもできるようになり、酒母の管理も分かってきて、どれもこれも完全にはできないんだけど、大体の作業の手伝いくらいはできるようになっていったんです。実際に、正月休みなんかの蔵人が誰も出てこないような時には、彼女なしには仕事が回らなくなってきつつあります(汗)。

その結果、酒造りの作業内容も、その手順も、その重要度も彼女の理解するところとなって、蔵にいる間の私の手の内はバレバレになってしまいました(涙)。理屈の通らない言い訳はできませんし、忙しいと言っても見透かされてしまいます。逆に言えば、どのくらい大変なのかよく分かってくれているっていうことでもあるんですけどね。

妻「麹の仕事早くしてくれなくっちゃ、分析が遅れちゃうじゃないの」
私「あ、すいません・・・」
妻「酒母の温度が上がったら、すぐに攪拌してよ」
私「はい、分かりました・・・」
妻「税務署の書類、まだ出来上がってないの」
私「いや、昨日の夜は忙しくて・・・」
妻「昨日の夜なんか、麹の仕事なかったはずでしょ!何してたのよ」
私「・・・」

失敗だったかなぁ・・・(涙)。


□□□ 本当は、心から感謝! □□□
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女性蔵人

昔は酒蔵は女人禁制だったとは、よく言われることです。いったいいつの時代のことなのか分かりませんが、かなり前時代的な発想が残っていたんでしょう。それだけ歴史のある産業だったっていう見方も、しようと思えばできますけどね。

私が長生社に入社した時には、既に蔵で3名の女性蔵人が働いていました。いずれもおばあさん一歩手前の、どこから見ても農家のおばさんっていう感じの人たちでした。私は最初から蔵に入って酒造りの仕事をやらされたもんだから、「ほぉー、こりゃ何でもできる社長さんになれるなぇ」なんて言って可愛がってもらったもんです。

私のお袋くらいの年代でしたから、自分の子供のように思っていてくれたかもしれませんね。気心が知れるようになってくると、自分の息子に対する愚痴ともとれるような説教を喰らったこともあります(汗)。

ある日のこと、一緒に洗い物をしていて、一人のおばさんが使っていたホースの水が、他に気を取られていたのか、私の長靴の中に直接流れ込んだことがありました。長靴の中がちゃぽんちゃぽんいうくらい(涙)。突然、「がぎぐげげっっっ!」と声にならない悲鳴を思わず上げた私を振り向いて、「今の若いもんは、何考えとるんか分からん・・・」と冷めた一瞥を投げかけられたこともありましたっけ(笑)。

彼女たちの仕事は、もっぱら掃除に、洗濯に、あまり力のいらない軽作業などでした。蔵の仕事は基本的には重労働ですから、メインとなるような作業はできないんですけど、女性ならではの気遣いで、細かいことまで気を使った仕事をしてくれました。

今の長生社は、ほとんど従業員で酒造りをする体制になっていますから、普通の製造業の職場っていう感じになっています。しかしその頃は、新潟からの出稼ぎが2人、季節雇用の農家の人が3人、おばさんが3人、それに私が入って、どこそこ家庭的な雰囲気がありましたね。杜氏を含めた出稼ぎの人たちは蔵で生活しているわけだし、おばさんたちはかいがいしく世話を焼いてくれましたしね。懐かしいなぁ・・・。

そのおばさんたちが辞めた後にも、何人かの女性が蔵で働いてくれました。まあ、酒蔵で働こうなんていう人達ですから、ナヨナヨしたような人はいませんでしたね(笑)。皆健康で頑丈そうな人たちでしたが、共通するのは女性らしい優しい働き方を蔵にもたらしてくれたっていうことでしょう。

そんな状況ですから、女性は有能なる蔵の働き手になれる時代です。近頃では私よりも若い女性が杜氏として頑張っている例はいくらでもありますし、女人禁制なんていうのは、全くの過去の遺物なんですね。現代風のお酒を造るのには、女性のしなやかな感性を利用しない手はないかもしれませんしね。

現在では、長生社ではそのような女性の蔵人は雇っていません・・・いや、通常の雇用形態ではと言った方がいいですね・・・ふと気がつくと、超強力な女性蔵人がひとりいました・・・誰かってぇと・・・女房でんがな(汗)・・・つづく。


□□□ 私とすれば高得点が続いています!!! □□□
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学校見学

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昨日、娘たちは『学校見学』だったといいます。『学校見学』って何かってぇと、小学6年生が、来年通う中学校を見学に行くんだそうです。親も同伴です。そんなこと私たちの時分にはやった覚えはありませんが、いつ頃から始まったことなんでしょう。今風だって言えば今風なんでしょうけどね。

駒ケ根市には中学校が2つあって、『赤穂中学校』と『赤穂東中学校』と言います。前者はかなりのマンモス校で、後者はこのままだとクラスの数が減っていっちゃうらしいかなり小さな中学校です。私は赤穂中学校に通いましたし、娘も同じ中学に通うことになりそうです。

私も詳しいことは知らないんですけど、居住する地域にもよりますが、どちらの中学校も選択できるらしいです。大きければいいってぇもんじゃあないし、大きいなりの問題もあるみたいです。小さい方の中学は生徒数が少ないにもかかわらず、県内でトップクラスの陸上部があるみたいなんです。マラソンなんかをやりたい子供は、遠くても赤穂東中学校に行くみたいですね。

話がいきなり飛びますが(汗)、長野県は駅伝強いんでっせぇー!昨年末に行われた、全国高校駅伝の男子では佐久長聖高校が優勝しましたし、先週の全国都道府県対抗駅伝では大会新記録で長野県が2年連続優勝を飾りましたもんね。

そういやぁ、高校駅伝の2位はサンセールさんの御膝元の仙台育英高校だったんじゃなかったかな?いやぁ、悪いですね、勝たせてもらっちゃって(笑)。前回は仙台育英が優勝したんですが、佐久長聖は同タイムの2位という悔しい結果だったんですよ。デットヒートの末に、数メートルも離れないでの2位だったんです。その悔しさをばねに変えて今回は雪辱を晴らしたわけです。素晴らしい!サンセールさんの仙台育英にも勝てて、うれしさ倍増ですな(笑)。

閑話休題。中学校を見学してきて、娘はこれといった感想を私には語りませんでしたが、私とすると、「もうそんなに大きくなったのか」と遠くで思わないでもありません。どんどんと大きくなってもらわないと困りますが、どんどんと親父からは離れていっちゃうのはつまらんですねぇ・・・(涙)。

小学校は悔いなく過ごせているみたいですから、その調子で有意義な中学校生活を送ってもらいたいものです。本当は、こんなこと卒業式や入学式の日にでも考えればいいことなんですけど、私はその時期にはまだ蔵の中でてんてこ舞いしてるでしょうから、気が付いたら彼女は中学生になっているんでしょうね(汗)。

写真は、娘の小学校の教室です。昨年、学校の補修作業で床のタイル張りや窓ふきをやった時に撮りました。この小学校は私が5年生の時に新しく開校したので、30年ちょっとくらいしか経っていません。私がいた頃とほとんど変わりがありませんが、「教室ってこんなに小さかったのかぁ」っていうのが正直な感想です。

自分と同じ学校を経て大きくなっていく娘に対しては、やはり自分と同じ成長の過程を重ね合わせて見てしまいます。出来の悪かった私と同じように大きくなってもらっちゃ困るわけですが(笑)、何か成長の先行きを私も知っているような気がして、田舎ならではの世代の継承にはどことなく安心感があるもんです。

早く大きくなって人様のお役にたてるようになってもらいたいのが半分。いつまでも私の膝にいてもらいたい気分が半分。多少の寂しさを感じながらも、「お前は婿を探して来い!」っていう洗脳を今からしておこうと思った岳志なのでした(笑)。


□□□ えっちゃんのブログがすごいぞっ!私を抜けっ! □□□
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帳面仕事

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杜氏の仕事っていうのは、お酒を造るばかりじゃぁありません。それ以外に重要なものとして、各種の帳面をキッチリとつけていく仕事があります。蔵人がしっかりと揃っている蔵であれば、杜氏さんはあまり実際の仕事には手を出さずに、帳面を眺めている時間の方が長かったりするかもしれません。

以前、長生社に勤めていた杜氏は新潟から来てくれていましたが、初めて蔵人として働きに出た蔵の杜氏さんは、仕事はほとんどすることなしにコタツにばかりあたっていたそうです。蔵人がその日の蒸米を持ってくるとそれを見ては「ヨシ!」、できた麹を持ってくるとそれを見ては「ヨシ!」と言っているだけだったそうです。

それを見た彼は、「これは、いつかは杜氏にならねばイカン!下っ端は寒い中で働きづめなのに、杜氏になれば一日中コタツに入っていられるじゃないか!」と思って、頑張って杜氏なったんだとか(笑)。

まあ、実際にはそんなことはなくって、その杜氏さんはきっとそれなりの仕事をしていたんだと思いますが、下働きの身から見ればそんなふうにしか働いていないように見えたんでしょう。「結局杜氏なってみたら、昔の杜氏よりも働かなくっちゃならない時代になっちゃって、思い通りにはならなんだ」なんて苦笑いしてましたけどね(笑)。

話が逸れましたが、その杜氏さんもコタツで帳面をつけていたはずです。お酒にはとにかく酒税がついて回りますから、税務署で定められた書式に従った何種類もの帳面があって、それをつけなくっちゃなりません。原料の受払、お酒の移動、もろみの経過、成製酒の事績などなど、税務署の検査があった時にはいつでも提出できるようにしておくんです。

ここからが本日の本題・・・ためちまうんだな、これが(涙)。昼間はあれやこれや仕事があって飛び回っていますから、帳面を付けている余裕なんかありません。当然夜の仕事になってくるんですが、夜だって麹の面倒も見なくっちゃならないし、ブログだって書かなくっちゃならないし、時には飲みに出なくっちゃなりません(笑)。

そんなこんなで、ちょっと放っておくと、知らない間に記帳してない部分が多くなっていって、時間が経つと以前のことなんか忘れちゃって、慌てて書くはめになるんです。どうして今日こんな話題になったかっていうと、現在たまってるからでんがな(涙)。

更に悪いことに、杜氏さんのつけなくっちゃならない帳面以外にも、私には専務さんがつけなくっちゃならない帳面もあるんです。出荷販売関係だとか、月末に税務署に提出する書類だとか・・・現在、両方ためてダブルパンチなんです(涙涙涙)。

泣いててもしょうがないので、これからやります。やりゃぁいいんでしょ、やりゃぁ(汗)。吟醸の仕込が始まる前にやっとかないと、地獄を見ることになりそうだし、何としてもやり遂げて見せましょう。でも、そんな重要な仕事の前にブログ書いてるって、いったいどういう了見なんだ、お前(笑)。


□□□ 順位が上がってウレシー! □□□
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おでん

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日曜日の夜に、久しぶりに我が家で一杯やりました。会社には戻らなくっちゃならないので、女房に送迎してもらいます。彼女としても面倒臭いことでしょうが、私があまりに蔵にばかりこもっていて、どこそこおかしくなってもらっても困るという、思いやりともしたたかな計算ともとれる腹づもりがあることを私は知っています(笑)。

メインはおでんです。寒い時のおでんは美味しいですよねぇ。私の冬の大好物のひとつです。しっかりと味のしみた大根と、プリプリのこんにゃくと、つくねなんかの練物少々さえあれば、私は満足です。ふたを取った時に、食ってくれと言わんばかりに、湯気の中にごちゃごちゃと顔を出しているそいつらの風情がいいじゃぁないですか。

和風ジャンクフードっていうイメージを持っているんですが、これぞ日本の味の真骨頂と言っていいと思います。いろんな具材の味がひとつになった出汁の風味を楽しめるのも、日本人の繊細な舌があってのことでしょう。

もちろん、外国の人にも楽しんでもらいたい気持ちはありますが、我が家へご招待した外国の方におでんはお出ししたことはないですねぇ。カレーとか寿司とかの方が喜ばれるでしょうし、「美味しい」と思ってもらえるかどうか微妙ですよね。おでんが海外進出したなんてぇ話も聞いたことないし(笑)。

からしをおでんに付けて食べることを発明した人も、これはエライ!昔はからし不要論者でしたが、今はマストアイテムだと思っています。きざみねぎを醤油に浸けたような薬味を使う地方があるって聞いたことがありましたが、ありゃ別の食べ物だったかな・・・(汗)。

若い頃はおでんで一杯なんて、私の選択肢の中にはなかったんですが、今だったらいつでも来いです(笑)。中京圏にはおでんの屋台のお店がたくさんあるなんて言う人もいますが、都会には庶民的なおでんからちょっとご高級なものまでいくらでもあるでしょう。私は学生の頃東京にいましたが、残念なことにおでん屋さんの暖簾をくぐったことはありませんでした(涙)。

そんでもって、この歳になってから行こうと思っても、私の地元には俗にいう『おでん屋さん』ってないんですよね。信州の田舎もんはおでんなんて自分の家で作るのが当たり前になっているのか、私が思うほどおでんを食べないのかもしれませんけどね。居酒屋さんの突き出しに出てくるくらいじゃないかなぁ。

写真にはおでん以外にもスモークサーモンとカラスミが写っています。我が家ではめったにお目にかからない高級食材ですが、当然両方とも頂き物です(笑)。別々の親せきから頂戴しましたが、冬には私用のお酒のつまみがほとんど必要ないので、こんな時とばかりに贅沢に食べさせてくれました。後ろに写っている湯たんぽは、我が家の生活臭をお届けするご愛敬ってぇことでお許しを(笑)。


□□□ 久しぶりにちょっとだけ3位になってました! □□□
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深爪

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深爪なんです。「何でそんなに深くまで爪を切るの?」と女房に聞かれることもしばしば。切った直後の私の爪を見て、「プッ!」と吹き出されたことさえあります。「そんなに深く切るから、爪がまん丸に見えるわ」とのたまって、けたけた笑っていました(汗)。

私とすると、きれいに切って気持ちいいし、全然違和感なんてないんですけどね。それに、もう20年以上も一緒にいて未だにそんなことで笑われたんで、私とすると少々御立腹です(笑)。だって、小学校の高学年あたりからずっとこのスタイルできているんだから、今に始まったことじゃぁないしねぇ。

当然、酒造りの全ての工程で手の清潔は要求されますから、爪なんか短い方がいいんです。爪の間に汚れが溜まっていれば、手を洗っても簡単には取れないでしょうし、それが麹やもろみにどんな悪さをするか分かりませんからね。

しかし先ほども書いたように、酒造りを始めたから深爪にするようになったわけじゃぁないんです。私が、爪の白い部分は全部切った方が指先はきれいだと感じるようになったのには、ひとつのきっかけがありました。それが、小学校の高学年の頃だったんです。

その頃、同じクラスに成績も優秀でスポーツも万能で人柄も良い、今だったら「ケッ!気にくわん!」と思うような同級生がいました(笑)。彼は何をやらせても様になるので、彼のようになりたいという願望がどこかにあったかもしれません。

ある時、ふとした拍子だったでしょうか、彼の手が私の眼中に入ったことがあったんです。その時の彼の爪はきれいに切りそろえられていて、かなり深爪だったんです。私には「指先はかくあるべし」というお手本のように映りました。その日以来、私は深爪を切るようになったんだと記憶してます。いやー、つまらないきっかけなんですけど、今でも鮮明に覚えてますね(笑)。

ですから、もう30年以上もこんな感じの爪できているので、「そんなに切って痛くないの?」と言われても、別に全く問題はありません。逆に、職人の指とすれば好ましい形状だと思ってます。造りの間は、熱い米は触るし、洗い物も多いし、重い物も持つしでがっさがさの指先になります。そこへもってきて恰好の悪い爪がついているもんだから、女房にも娘にもよけいに評判が悪いんでしょう(汗)。

深爪の人は芸術家肌だって、どこかで読んだことがあります。芸術家肌はちょっと言い過ぎかもしれませんが、職人肌くらいなら納得がいく気がします。というよりも、職人と呼ばれるような世界は、指先をきれいにしておいた方がよい職業が多いと言った方がいいかもしれません。

上の写真は、昨年の秋に蕎麦屋の『丸富』で蕎麦会をした時のものですが、蕎麦打ち職人やら、漆器職人やら、いちご農家やら、鮮魚の料理人やら、写真家やら、杜氏やらが集まって盛り上がっている図です。どの指も深爪だと思いませんか(笑)。


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手間

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大吟醸の仕込が始まると、あれやこれや全てに手間がかかってきます。あまりに作業が煩雑で手間取るので、普通のサイズの仕込は出来なくて、もっと少ない量のもろみしか造れないんです。例えば普通の純米酒は1500kgの白米を使っているのに、純米大吟醸になると600kgでの仕込になったりするわけです。

長生社よりももっと規模の大きなメーカーになってくると、大吟醸なんかもある程度機械化されたラインの中で仕込めるようになっている工場もあります。それでもいろいろな制約があったりして、量的には通常の仕込よりは小さくなる場合がほとんどじゃないですかね。やっぱり、機械を使ってもいつもより手間がかかるってぇことでしょう。

ちなみに、私が知っている最大の大吟醸の仕込サイズは6000kgっていうのがあります(汗)。これは税法上の大吟醸の規格を満たしているっていうだけで、出来上がりのお酒がそれにふさわしい酒質のものかどうかは別問題です。小さな蔵はそれに見合った小さな仕込に手間をかけて、大手に十分対抗できるんです。

ただし、そこのお蔵はその仕込みの大吟醸で、全国新酒鑑評会の金賞を取ってましたけどね・・・(涙)。1本で長生社の10本分の仕込ができちゃうんだから、効率いいですよねぇ。儲かるんじゃないかなぁ・・・とは言っても、やっぱりそれなりの技術力があるから成せる技であって、サイズだけを取り上げて羨ましがるのは大人のすることじゃぁありませんね(笑)。

何に手がかかるのか、ひとつひとつ挙げていけばきりがありませんが、ほぼ全ての状況に対して言える共通項は、「昔のやり方」での作業になるっていうことじゃぁないでしょうかね。「昔のやり方がそんなにいいのかよ?じゃぁ、日本酒醸造の進歩って何よ?」っていう声も聞こえてきそうですが、千年以上ある日本酒の歴史の中で、戦後数十年の進歩なんて微々たるものなのかもしれません。

我が業界の反省を込めて言えば、お酒の味をよりよくするための技術進歩よりも、人の労力を使わずにいかに効率よく仕込むかっていう方向により重きが置かれてきたっていうことかもしれません。そうやって手を抜いてきてしまった部分を埋めなくっちゃいけないから、大吟醸には手がかかるわけです。

上の写真は、先日の大吟醸の酒母(しゅぼ:最初にもろみに入れられる酵母菌)の仕込の風景です。普段の仕込では蒸し上がったお米を『放冷機』と呼ばれる機械で強制通風して冷やして、『エアシューター』という機械で空気搬送してタンクまで飛ばしてしまいます。この日は、蒸米をふたりひと組で2階のタンクの脇まで運び上げて、スノコの上に広げて自然放冷して、温度が下がるのを待って仕込んだんです。

機械を使わない方が必ずいい結果になるとは限りませんが、多くのお蔵さんでそうやって仕込んでいるところを見れば、手作業の方に軍配を上げる杜氏さんが大多数なんだと思います。強制的にお米を冷やすと、お米の溶け具合に影響があるかもしれませんし、空気の勢いで蒸米を飛ばせば、お米に傷がついたり割れたりすることにもなるでしょうからね。

昔はそんな機械はなかったもんだから、今回のように全て手作業での仕込だったわけです。ということは、昔は全ての酒は大吟醸と同じ仕込み方でもろみを造っていたってぇことになるじゃないですか。いろんな点で今の技術に及ばないにしても、手間ひまはかかっているわけで、実に美味い酒だったんじゃないかと想像するんですけどねぇ。


□□□ 現代の理論も当然大切です! □□□
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思考停止

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えーっと、何書いていいか分んない日ってないですか、世のブロガーの皆さん。よく考えれば、毎日ブログを書くなんて正気の沙汰じゃぁない(笑)。毎日違うネタをひねり出すってぇことは、素人には難しいやねぇ。今晩は割と時間的に余裕をもってブログの記事を書けると思っていたら、いざ書こうとすると「えーっと・・・」な状態になっちまいました(汗)。

たまーに、こういう思考が立ちすくんだような状態になります。昔はそんな時ほど頭に血を登らせて考え込んでいましたが、今ではそういう時はそれなりに対処した方が疲れなくていいんで、それなりの記事にしちゃってます(笑)。ブログが日常に完全に溶け込んでしまっていますから、柔軟に対応していかないと続けられなくなっちゃうでしょうしね。

まぁ、そんな記事もたまには入ることになるもんだから、毎日更新されるブログはその分かなり私的なものにならざるを得ない側面はあるでしょう。私は会社のために社員のために意地でも毎日書くんだと心に決めたんですけど、会社からの情報発信という意味では、もう少し頻度を落としてビジネスライクにやった方がいいのかもしれません。それもちょっとつまんないんですけどね。

鶴をチビチビと飲りながら、あてもなくブログを書く。私にもっと文学的なセンスがあれば、ほろ酔い加減の随筆でも書けるんでしょうけど、それもままならず(涙)。理系人間ならではの、筋道を立てた理屈っぽい文章は、こんな時には使い勝手が悪いですね。説明のための文章って訓練の仕方があると思うんですけど、文学的なそれは練習して獲得できるものじゃなさそうだし、短くてもセンスの光る文章が書ける人は羨ましいですね。

そんな記事は無理にしても、私が最初にブログのお手本にしようと思ったのは、新聞の一面の最下段にある、なんて言うんでしょうねぇ、『天声人語』みたいなやつ。あれは、どこの新聞のものもよくまとまっているし、それほど思想的な偏りもないし、分量も短いし、あんな風にサラリと書けたらいいなんて思ってたんですけどね。とてもじゃない、ダラダラと駄文を並べるだけのブログになっちゃいました(汗)。

今日なんか、内容がダラダラっていう以上に、ダラダラと時間をかけて書いちゃっていて、あきまへんな。ここまで書くのに、いつもの倍くらい時間がかかってます(汗)。内容なんかほとんどないのにね(笑)。余裕がなくて急いで記事を書いちゃわないとならない日の方が、案外テキパキと事が進んでいくもんです。

こういう日の内容は、今日みたいにブログの考察になることが多いです(笑)。これまでも何回も言ってきましたが、ブログネタなんか蔵の中にいくらでも転がっているんです。蔵を歩き回って写真を撮ってくれば、記事のひとつやふたつ書けると思います。それを望んでいてくれる読者もおられるでしょう。でも、今日のように何となく気が抜けている日には、そういう気分にはならないんだよなぁ。自分の仕事以外のことを書いた方が気が休まるというか・・・。

ってぇことは、今日のように脱力系まったりブログは、気分を安らげるために書いてるのかいな?そんなことのために、読者の皆さんを巻き込んでいるってぇことなんですかねぇ。何と失礼千万な!これじゃ、ブログランキング上がらないはずだよ(笑)。


□□□ 先日のラジオ放送の効果は? □□□
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成人式とお葬式

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成人式って本当は1月15日だったんですよね。成人式を迎えた若者は大人の仲間入りをし、晴れてお酒が飲めるようになります。せっかくだから、若者に日本酒を勧める内容の記事でも書こうと思っていましたが、このブログのネタ提供者(?)でもある千葉のNさんからとてもビックリさせられるメールをもらったんです。そこに息子さんの成人式についても触れられていたので、またまたちょっと引用させてもらいますね。

・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・

おはようございます。鶴が土曜日に届きました。ありがとうございました。心より御礼申し上げます。

老人会もたいへん喜んでおりますが、本日は残念な報告があります。実は副会長さんが金曜日に心筋梗塞で、その他にも入院中の老人会の方が計3名、相次いであちらの世界に旅立たれました。

そのため、(鶴を飲もうと計画していた)新年会は中止となりました。しかし、かねてからのご本人との約束もあり、皆さんそれぞれの通夜には岳志さんから贈っていただいた鶴を、ご遺族が口に(脱脂綿で)含ませ、ちゃんと味わって頂きました。

特に副会長の息子さんは、単身先の四国から深夜戻られ、「これが親父が言ってた鶴の生搾りですか。Nさん、親父に代わって私が拡めますよ、いい酒だ」と、涙ながらに喜んでくれました。

昨日は成人式。息子に鶴との出会いを話し、「この酒を大人になったおまえと飲みたかった」と話しかけたところ、息子は「父ちゃんが、俺を認めてくれた」と喜んでおりました。

人生のさまざまな場面で、あなたの想いを込めて創られた鶴が、寄り添ってくれている。しみじみと実感したこの週末でした。

・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・

涙が出そうになるほど、うれしい手紙でした。「そんなに思い入れてもらえる程の酒じゃぁありませんよ」なんて、もう言えないですよ。ここまで来ると。何が何でもその有難い気持ちに応えることができる鶴になろうと、あらためて決意しました。

副会長さんの膝にバニーガールを座らせて差し上げることはできませんでしたが(前回の記事参照)、最期にお望みの鶴を味わっていただけたのなら、これまでのご厚意に多少なりとも報いることができたのかもしれません。心から、ご冥福をお祈りいたします。

日本酒のヘビードリンカーは、ほとんどがある程度のお年を召した方たちです。この地元の酒販店さんと話をしていても、毎月10本単位でお買い上げいただいていたお得意様が、世の習いの順番に従ってあちらに旅立たれますから、売上もガクンガクンと落ちていっちゃうんだと嘆いていましたね。

でも、悲観するばかりではありません。Nさんの息子さんのように、親父から成人式の日に日本酒の薫陶を受け継いでくれる若者もいるわけです。これからの日本酒の役割は、たくさん飲まれるという状況よりも、たとえ少量でも日本人の心の機微に触れる場面で、その存在意義を高めていくべきなのかもしれません。

成人式を迎えた息子に対して「この酒をお前と飲みたかった」と言ってもらえる程の光栄はあるでしょうか。それも、名も知れない地方の酒なのにです。うれしいことですよ、本当に。私も成人式の日には親父に酒をついでもらった記憶があります。それは、成人式のセレモニーよりも、日本人の大人としての自覚を促す瞬間だったような気がします。

「あぁ、自分の命を削ってでも手を抜かずに造っておいて良かった」と、少しホッとするやら、更に奮い立たせられるようなメールでした。成人式の日本酒、お葬式の日本酒。いずれも日本人の心にとって必要不可欠なアイテムなんだと再認識させてもらいました。Nさん、本当にありがとうございました!

》》》》》》》》》》 【前回の『傑作老人会』の記事】


□□□ 青年よ一升瓶をいだけ! □□□
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酒粕

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数日前に、読者のむんふーさんから酒粕についての質問をいただいてました。お返事するのが遅れちゃってスイマセン(汗)。しっかりとお話ししようなんて思っていると、ちょっとした忙しさにかまけて記事にしそこなっちゃったりするんですよね。今日、慌てて記事にしますから、どうかお許しください。

さて、むんふーさんからの酒粕の質問っていうのは・・・
『長生社さんでは、漬け物用でない酒粕(板粕というものでしょうか)を販売してますか?あと、純米酒の酒粕はアル添酒のそれとは味や香りはかなり違うのでしょうか?信濃鶴の柔らかい香りの粕汁や酒饅頭・甘酒なんて、とっても美味しそうです。通常、板粕は表面はさらっとした感じで固めだと思いますが、母が以前使っていた酒粕は表面がしっとりとして柔らかい感じでした。ネットで調べたところ、大吟醸に近づくほどしっとりした感じになるらしいのですが本当ですか?』
・・・っていうものでした。

板粕は販売しています。これは、地元ではほとんど年末に出る商品なので、年末にしか袋詰めしないんですが、まだ在庫は少しあります。500gの商品のみで、上の写真のように全く垢抜けない風体ですが(汗)、お味の方はいいと評判です。この酒粕と、しぼりたて無濾過生原酒を何とか年末に間に合わせるために、最初の仕込を急いでやるようなものです(笑)。

ちなみに、商品の後ろに写っている大きな青い容器は、板粕としてではなくって、夏に漬物用として出荷する粕(練り粕)を保存しておくためのものです。もろみを搾った直後の酒粕は袋の中のような板状で水気のない硬い粕ですが、これを夏まで保存しておくことで中の酵母菌が更に少しだけ発酵して、軟らかくてベトベトした漬物用の粕になるわけです。

次に純米酒の酒粕とアル添酒の酒粕の違いについてですが、見た目や味で区別が出来る程かって聞かれると、「それほどの違いはないかなぁ・・・」っていうくらいの回答になっちゃいますね。それに、このところずっと私はアル添酒の酒粕を見ていませんから、もう忘れちゃったっていうのも本音です(笑)。

でも、いくつか考えられることはあります。ひとつは、もろみの発酵の最終段階でアルコール添加をすることで、もろみ自体のアルコール濃度はかなり上がります。そうすると酵母菌はその濃度に耐えきれなくなって死滅していくんです。ですから純米酒の酒粕の方が、酵母の生存率は高いかもしれません。

現にこれまでの経験では、夏まで取っておくと、純米酒の酒粕の方がアル添酒のそれより柔らかくてベトベトになりますね。これは、生きている酵母の数が多いために、より発酵が進んだ結果という側面もあるんじゃないかと推測しているんですけどね。

もう一点は、もろみ中で蓄積された香りの成分っていうのは、もろみを搾る段階でお酒よりも酒粕の方に移行しやすいと言われています。せっかく生成されたいい香りも、酒粕に多く取られちゃうっていうことなんですが、アルコール添加をするとより多くの香りの成分をお酒の方に引き込む働きがあるんです。これが、アル添技術の存在意義の大きな柱のひとつでもあります。

ですから逆に言うと、純米酒の酒粕の方が香りは高いと言えないことはありません。信濃鶴の酒粕も、とてもいい香りがするとよく言われます。本当なら、その香りはお酒の方に行ってほしかったのに、酒粕に移ってしまったっていうことですね。確かに、粕汁なんかにすると、柔らかくていい香りが立ちますよ。

あと、酒粕は表面についての質問は、ちょっと良くわかりませんねぇ。吟醸の酒粕の表面の方がしっとりとして柔らかい感じだっていうことは、一概には言えないと思うんですけどね。板粕の表面は基本的にはサラサラして硬いものですが、そのままの状態でしばらく置いておけば、先ほどの理屈で少し発酵が進みますから、ちょっとしっとりするかもしれません・・・。

どうでしょうか。こんなんで回答になりましたかね?私も実際に食べ比べたことはないんですけど、酒粕の味も各社でかなり違いがあると思います。いつも使う酒粕を決めておいて、毎年の季節の料理や漬物に使っていただければいいんじゃないでしょうか。当然、私が一番美味しいと思うのは、信濃鶴の粕ですけどね(笑)。


□□□ おかげ様で順位が上がりました! □□□
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ラジオ出演

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ご案内するのが遅れちゃって申し訳ないんですが、明日というか今日というか、14日の午後3時40分から長生社がラジオに出ちゃいます!ほんの数分だと思いますが、SBC信越放送の『おとなりラジオ あらら・・・』っていう番組です。読者の皆さんの中でも、信州人ならご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

毎週月曜日から金曜日、14時05分から15時55分の生放送番組だそうですが、その中の『日本酒一本気』というコーナーで長生社の信濃鶴を取り上げていただきました。日本酒に関する話題を、各方面の人たちから聞くっていうコーナーのようですね。今回はメーカーサイドからのチョイスということでしょう。

ラジオは全くと言っていいほど聞かないので(SBCさん申し訳ありません!)、私もどんな感じになるのか分かりませんが、パーソナリティーの方から電話でインタビューを受けるっていう形です。放送自体は生放送ですが、今回の長生社のインタビューに関しては、前日の今日、事前に収録したんです。

夕方、それなりに緊張して待っていると、SBCさんから電話がかかってきました。制作担当の方と打ち合わせをした後に、パーソナリティーの三島さやかさんと少しお話をしてインタビューに入りました。さすがにパーソナリティーの方は、「ハッキリときれいな発音でよく通る声なんだな」と思いながらお話させてもらいましたよ。

私は、いろんなことを聞かれてそれに受け答えする中で、後で適当に編集してくれるのかと思って気楽に構えていたんですが、どーもそういう感じじゃなさそうでした(汗)。「これじゃ、生放送と変わんないよ」と、よけいにドキドキしながら、それでも結構言いたいこと言ってたような・・・(笑)。

どういう経緯で長生社にこのお話が回ってきたのか、もしかしたら県内の造り酒屋をぐるりと巡っているのかよく分かりません。でも、制作担当の女性もパーソナリティーの三島さんもこのブログを読んでくれていました。いや、お恥ずかしい(汗)。ですから、ある程度のことは事前に分かっていただいていたようで、私にとって話がしやすい状況を作ってくれていていましたね。

「信濃鶴のことも、このブログのこともしっかり宣伝してください」なんて言っていただいたので、ブログに関しても少しお話しできましたから、もしかしたら明日以降に訪問者数がドーンと増えるかもしれません(笑)。でも、ラジオとネットはちょっと距離のあるメディアですから、そんなに直結した効果はないかもしれませんね。

昨年あたりから、鶴は各種メディアへの露出度が高いですねぇ(笑)。お金をかけずに宣伝させてもらえるんだからありがたいことです。「一風変わった蔵があるぞ」って目に留めていただいて、実際にお酒を飲んだら「こりゃ、美味い!」なんていうことになれば、願ったり叶ったりなんですけど・・・。そう言ってもらえるように、明日もまた一生懸命酒造りしましょう。ラジオ聞きながらね(笑)。

》》》》》》》》》》 【『おとなりラジオ あらら・・・』のホームページ】


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湯気

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いよいよ純米大吟醸の造りが始まって、その酒母を造らなくっちゃならなくて、最初の山場に差し掛かっているところなわけですが、麹造りは何とか終って、寝ぼけ眼の数日間は過ぎ去りました。吟醸以外の仕込もこれからずっと同じように続きますから、お休みがもらえるわけじゃぁありませんが、まだ正月休みで充電した分が少し残っていますから、もうちょっとはいけそうです(笑)。

ここ数日、寒波が襲来していて各地で雪が降っているようですが、ここ駒ケ根でもそれなりに降りましたよ。一度雪が積もると地面も冷やされて、同じ気温でも寒く感じるようになりますよね。今朝はその上に更に予想外の降雪でしたから、寒々として真冬の様相が一段と濃くなりました。お酒造りにとっては、ベストシーズンなんですけどね。

こんなに寒くて雪が降っているような日には、蔵の中の仕事は湯気との格闘になります。いつもより蒸気の煙がもうもうと立ち込めるんです。ボイラーからの蒸気、沸かしたお湯から立ち上る湯気、米の蒸し機から勢いよく吹き上がる蒸気などなど。

そういう日に目にする湯気で、こりゃぁすごいからぜひとも写真に撮りたいって思っている湯気があるんですが、なかなかチャンスに恵まれません。どんな湯気かっていうとね、体から立ち上る湯気なんですよ。

麹を作る部屋に蒸米を引き込む作業は、それなりに重労働ですし、熱い部屋の中での仕事になるので汗を大量にかきます。上半身裸で動き回りますが、パンツなんか汗が絞れるくらいになります。仕事がひと段落して、汗びっしょりで部屋の外に出たりなんかすると、もわもわと体中から湯気が立ち上ります。「こんなに汗かくほど一生懸命に仕事したんだぞー!」って言ってみたくなりますが、そんな時には誰も近くにいやしないので自分で眺めるしかないんですけど・・・(汗)。

結構、絵的にはカッコいいと思うんですよね。『燃える男!』みたいな感じで(笑)。そんな写真が撮れたらこのブログでも紹介したいし、額に入れて飾っておきたいくらいなんですけどねぇ。まぁ、私の貧相な体じゃぁ見苦しいばっかかな(涙)。

で、今日麹室から出てきたら、もわーっと汗の湯気が立ち上ったもんだから、慌てて自分の手から立ち上っているところを撮ってみたんですけど・・・あきまへんわ(涙)。携帯のカメラじゃぁ能力不足なのか、そもそも体から立ち上る湯気なんて撮影が難しいのか、全然湯気らしきものが映ってないじゃないですか。私のイメージ通りだったら、『伝説の名杜氏のゴッドハンド』的な写真になったはずなんですけどね(笑)。

酒造りも佳境に入って、大吟醸ばかりでなくて特別純米なんかの高級酒もこの時期に集中して造りますから、気が抜けません。自分の手の写真なんか撮っている場合じゃぁないんです(笑)。意識を集中して、一番の山場を乗り切りたいですね。皆さんに美味しい信濃鶴を飲んでいただきたい一心です。


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いよいよ

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いよいよ純米大吟醸の仕込みが始まりました。本年も例年通りにもろみを2本立てる予定です。まだ本仕込じゃぁないんですが、その仕込みに使われる酒母(しゅぼ:発酵のスターターになる酵母菌)は、本仕込の2週間ほど前に仕込むことになります。そのための麹を昨日から造っています。

昨日の夜と、今日の夜は思うようには寝られません(涙)。正に、麹と添い寝をするようにして、丁寧に大切に造り上げるんです。いちいち階段の上り下りが面倒くさいので、麹室(こうじむろ:麹を造る部屋)でゴロンと横になって休んでます。

今回は2晩だけですが、本仕込に突入すると1週間くらいそういう生活が続きます。だんだん自分で何考えてるんだか分らなくなってきますが(笑)、どこの蔵でも杜氏さんや蔵人さんたちは同じように吟醸に命をかけているんです。

別に吟醸だけが大切なわけじゃぁありませんが、自分の蔵の現状の中で使うことができる最高の酒米と、自分の持てる全ての技を出し尽くしたらどういう酒ができるのか、毎年1回は挑戦してみたくなるもんです。

ただし、この挑戦は体力的にはかなり厳しいので、吟醸がたくさん売れるようになったからといって、もっとたくさん造れって言われてもイヤなんですけどね(笑)。吟醸クラスの高級酒をたくさん造らなくっちゃならないお蔵は、大変でしょうねぇ・・・。「あーそんな蔵でなくて良かった!」と売れない負け惜しみを言っておきましょう(笑)。

っていうわけで、現在完全にテンパっております。ごっつい眠いし、とてもまともにブログを書ける精神状態ではないので、私のブログとすれば異例の短さにて終了させていただきますね。本仕込になったら、もっと手抜きブログになるでしょう(笑)・・・本当は笑っている余裕なんかこれっぽっちもありません・・・(涙)。


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全国統一分析(おまけ)

昨日、我々が酒造りに使う酒米の分析について記事にしました。新潟県で開発された『越淡麗』という新しい酒米についても少し書きましたが、付随してちょっと思い出したことがあるので、おまけ記事にしておきますね。

それほど大した話でもないんですけど(汗)、長野県でも新しい酒米は開発されているっていうことなんです。長野県っていうと『美山錦』が一番知られた酒米だと思いますが、現在では『ひとごこち』という酒米もよく使われるようになってきました。これも長野県で開発されたものなんです。

酒米にも流れがあって、その時代その時代の流行(?)みたいなものがあるわけです。昔は盛んに作られていたんだけど、稲の背が高くなる品種で倒伏に弱くて手がかかるもんだから廃れてしまったような昔の品種を、どこかから種もみを探してきて復活させたなんていう話はよく聞きますよね。そういうお米で造ったお酒は、物語もあって付加価値が高く、よく売れているみたいです。

美山錦もずーっと同じように作られ続けているかっていうと、そういうわけでもありません。長年作付を繰り返すことでお米自体の形質が変化してくることもあるみたいですし、農家とするともっと多収穫の酒米で収量を上げたいっていう思惑もあるでしょうし、気候の変動によって作りづらくなってしまう場合もあるかもしれません。

それぞれ、いろんな理由はあるでしょうが、長野県の農事試験場では常に次世代の酒米の研究はされているんですよね。例えば、山田錦と別の品種を交配させて新しい株を作り出して、その性能を調べるなんていう仕事をしてくれているわけです。美山錦やひとごこちもそうやって開発されてきたんです。

ただ、闇雲に開発をしてみても方向性が定まらないっていうことで、昨年、試験場サイドの先生たちと、私たち酒造メーカーとの意見交換会が初めてあったんです。そういうことは今後の長野県としての流れを作っていくためにはいいことだと思いますし、これまでなかったのが不思議なくらいでしたけどね。

お話をうかがう中で、現在の開発のひとつの方向は、地球温暖化の大きな流れの中で、平均気温が上昇するだろうことを視野に入れて、そういう状況下で優秀な性能を発揮できる品種だなんていう話を、とても興味深く聞かせてもらいました。

逆に、当然考えてくれているんだとうと思っているポイントがほとんど考慮されていないことが分かって、私たちがビックリした部分もありましたね。つまり、ちょっと乱暴に言っちゃうと、「米粒がデカきゃいいんだろ」っていう視点だけから選別作業をしていればそういう株が選択されていくわけですが、その米の精米性能についてはほとんど考慮されていなかったりするんです。

私たちからすれば、いくら大粒の酒米であっても、それを精米機にかけて外側を削ってから使用するわけで、精米に耐えられなくてすぐに砕けてしまうような米じゃぁ使い物にならんわけです。大粒のお米だと往々にしてそういう欠点があったりするかもしれません。昨日ご紹介した『越淡麗』もとても大きな粒の酒米なんですが、砕米率もかなり高かったりします。反対に精米にはいくらでも耐えられるんだけど、米質がどえりゃぁ硬くて使いづらいっていうような米でも困るんですけどね(汗)。

大粒であるとか、心白があるとか、蛋白含有量が低いとかいう単一の指標だけを見て育種を進められないのが難しいところです。まあ、新たに開発なんかしないでも、長野県で山田錦が作れるような研究っていうのもありかと思うんですけどね。駒ケ根で良質の山田錦が作れるんなら、使ってみたいもんですねぇ・・・(笑)。


□□□ 山田錦は無理だろうなぁ □□□
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全国統一分析

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『平成20年度酒造用原料米の全国統一分析結果(第1次)』っていうレポートが『日本酒造組合中央会』っていうところから発表になりました。中央会っていうのは、日本中の酒造メーカーで組織する組合の親玉に当たります。毎年、全国の酒造用の原料米についての分析を、酒造りの参考資料として発表しています。

『千粒重(せんりゅうじゅう:玄米千粒の重さ)』、『玄米水分』、『砕米率』、『吸水性』、『粗蛋白(そたんぱく:蛋白質の含有量)』なんかの項目の分析値が出ています。残念なことに、我が長野県産の美山錦やひとごこちといった品種については対象になっていませんでしたが、100点以上のお米について分析されていましたね。

例えば千粒重なんていうのは、酒米として具備しているべき最重要な用件で、粒の大きなお米の方が酒米としては好まれるわけです。有名な山田錦なんていうのは千粒の重さが26.9gです。食用のコシヒカリで21.5gですから、いかに大粒なのかお分かりいただけるでしょう。

その他に、粗蛋白なんていうのは、蛋白質が多いとお酒中にアミノ酸の生成量が多くなってあまり好まれないもんだから少ない方がいいんですけど、少なきゃいいっていうもんでもありませんから、他の米との相対的な比較っていうことになるでしょうかね。この他にも私の知らないような分析値もいくつかありました(汗)。

数字だけで判断できない部分は多いわけですが、全国の酒米の大雑把な傾向を把握できる面白い資料だと思います。いろいろなデータを比較してみたり、総括としてまとめられた文章を読んでみると、今年は平年並みのいい出来みたいなんです。昨年は相対的にどの酒米も「硬くて溶けにくかった」なんて言われていましたから、これを見てホッとしている杜氏さんもおられるでしょう。

特に山田錦は良さそうでしたね。そういう分析を見て私たちが考えるのは、「今年の全国新酒鑑評会は、山田錦で造った酒がいいんだろうなぁ」なんてぇことなんですが、そんなに当てはずれな推測でもないんですよ、これが。全体を総括して眺めてみるっていうのは、やっぱり意味のあることなんでしょうね。

その他に目を引いたのは、新潟県が独自に開発した『越淡麗(こしたんれい)』っていう酒米でしょうかね。前述の千粒重が28.5gもありますから、山田錦なんかよりもさらにデカイんです。さすが、新潟県が威信をかけて開発しただけのことはあります。各種品評会でもいい成績を得ているようですしね。

さて、上の写真は新年になってから入荷した、純米大吟醸に使う美山錦です。『39』って書いてありますよね。これは、精米歩合が39%だっていうことです。外側の61%は削ってあるわけです。厳寒期に入って、いよいよこの米を扱う大吟の造りの時期に突入してきました。

山田錦なんかに比べれば、酒米としての性能は劣る部分が多いわけですけど、地元の水で育った地元の酒米を、その水を使って酒にしてやることの意義に重きを置いて、今年もこいつで最高の酒造りに挑戦です!正月ぼけの頭も、この袋を担いだとたんにシャキっとしましたよ(笑)。


□□□ ランキングももうちょっとシャキっと! □□□
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七草粥

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昨日の夕飯は七草粥でした。せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ・・・あと2つが出てきまへんがな(涙)。こういうことも日本人としては覚えておかにゃぁならんですよね。いつ食べるのかも、その由来も私には全く分んなくて、お恥ずかしい限りです。造り酒屋の倅ならなおさら、知っているとカッコいいんですけどね。

・・・今、調べました(笑)。残りの2つは『すずな』と『すずしろ』でした。何のこたぁない、『かぶ』と『だいこん』のことなんですね。邪気を払い、万病を除き、ついでにおせち料理で疲れた胃を休めてくれるってぇことらしい。なんでこの日にこんなものを食べるのかってなことは、きっと五十鈴神社の宮司がブログで記事にしているでしょうから、そっちをお読みくださいね(笑)。

現代の生活をしていると、1月7日には七草粥を食べるなんていう風習は、どこかに忘れ去ってしまいがちですよね。別にこの日にお粥なんて食べなくても、実質なにも問題ないわけですからね。それも、普段食べないような雑草みたいなのを何種類も入れて、大して美味しい代物でもありゃしない。でも、食べるんですよね、日本人は。

「そこに山があるからだ」と山に登る理由を答えた登山家のように、「そこに風習があるからだ」としか私には答えようがありませんが、やっぱり必要なことのように思えるんです。宮司さんには悪いんですが(汗)、それほど信心深いわけじゃないし、迷信を信じるような体質でもないんですけどね。

運の付く習慣みたいなことを書いた本がありますが、私の場合、毎日神棚に手を合わせるっていうことの方が、何となく安心するんですけどね。歳とりましたね、私も(涙)。これは五十鈴宮司のisuzuさんを身近に感じるようになったからでしょうか。それならば、isuzuさんのブログは効果てきめんってぇわけですなぁ(笑)。

そんなこんなで、「そこに神棚があるから」手を合わせているような私ですが、七草粥を食べることにそれなりの意義を感じています。7つ全部入っていたかどうかは分かりませんでしたが、信濃鶴の酒粕を使った粕汁と一緒に、今年の七草粥も美味しくいただきました。そういうことを欠かさないでいてくれる女房にも感謝です。

さて、そんな有難い夕食を食べた後だったんですが・・・疲れた胃腸を休めたはずだったんですが・・・越百に飲みに行っちゃいました(汗)。ちょっとした夜更けの新年会です。麹造りが始まっちゃうと、また時間がなくなってきちゃうしねぇ。隣の『ぶんぶん』を目指して行ったら、遅いのに開いていたので転がり込んじゃった(笑)。

新しいアルバイトが打った蕎麦だと、えっちゃんが少しゆでてくれました。これが妙に美味くて、「ちょっと習っただけでこれかぁ」と、えっちゃんにあれだけ習っても、大して上達しない自分の腕に自信をなくしましたが、新しいアルバイトって、昔の越百のマスターでした。美味いはずだよ、そりゃ(汗)。

こうして、ありがたい七草粥で休めたはずの私の胃は、お酒まみれになってしまいましたとさ・・・チャンチャン(笑)。

》》》》》》》》》》 【五十鈴宮司はやっぱり書いていた(笑)】
》》》》》》》》》》 【越百でこんなの飲み食いしてました(汗)】


□□□ 夜中に柏手って打っていいの? □□□
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待ち仕事

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新年が明けて1週間が経ち、世の中もそろそろ本格始動し始めたようですね。長生社も毎年7日まで正月休みをいただいています。休みって言っても営業部門の話であって、蔵には休みはありません。それでもひとりずつ交代で出て来てもらうくらいで、蔵の方も半分休業状態です。今週末あたりから通常の慌ただしさになるでしょうかね。

仕込作業こそないものの、もろみの管理や、熟成したもろみを搾る作業や、少量の麹を造る仕事は毎日のようにあるわけです。仕込み作業が始まる前に用意しておかなくっちゃならないものも、今のうちに準備しておきます。全てを無視して、最低限の仕事だけで終わらせちゃうのは元旦だけです(笑)。

仕事量が少ないっていっても、二人または私一人で作業をすると、予想以上に手間取ったりすることが多いんですよね。私なんか要領悪い方ですから、一人であたふたしてしまうこともしょっちゅうです(汗)。こういう時には、大人数で力を合わせて仕事をすることの有難さを実感しますねぇ。

一人でやっていてため息が出ちゃう仕事が『待ち仕事』です。こんな言葉は標準的には使わないかもしれませんが、『待っていることが仕事』っていう仕事です。何かの処理が終わるまで待っていて、終わったら次の処理をするなり片付けに入るなりっていう仕事はどんな職場にもあるんじゃないですかね。

私の性格にもよるんでしょうけど、いくらあってもひとつずつこなしていけばどんどんと片付いていくような仕事は、先も読めますし心理的な負担も軽いんです。でも、待ち仕事的な作業で、いつ終わるかちょっと分からんっていうような作業を一人でやるのは苦手なんですよね、これが。

蔵の中でもいろいろとそれに類する仕事はあります。米を洗うための水をタンク一杯に取るとか、次の日の仕込みに都合がいいように仕込み水の水温を一定の温度まで上げるとか、麹を作る工程で麹の品温がある温度になってから作業をするとか。いつものように蔵にみんながいれば何ともないんだけど、一人でやると妙に寂しかったりして・・・。

当然、他の仕事もやりながらですから、気にしなければ何ともないのかもしれませんが、私にはそんな苦手意識があるし、ややもしてそういう仕事だけがポツンと残ったりすると、「今日はやめといて、明日にしよっと」なんて逃げの姿勢になっちまいます(汗)。そういう時の次の日の言い訳は、実に杜氏らしい理屈に合ったものを考えとくんですけどね(笑)。

写真は、もろみのタンクに櫂入れをしているところです。けど、もろみの量がすごく少ないですね。これは、もう発酵が終ったもろみを、圧搾機にかけている途中の図なんです。もうほとんど圧搾機の方に送られちゃってるんだけど、まだ少し底の方に残っているっちゅうことです。

この作業は、ほぼ自動でもろみを圧搾機に送り込んでくれますが、もろみを均一に送るために、時々タンクに行ってもろみを攪拌してやらないとならないんです。待ってりゃいいだけじゃなくって、ちょこちょこと手がかかる、私のとても苦手な仕事のうちのひとつですね(汗)。

それに加えて、最後の方になると圧搾機も一杯になってくるもんだから、あとちょっとになってからが長いんだな、これが(汗)。圧搾機の方の受け入れもそのもろみの状態によりますから、時間的にもなかなか読めなかったりします。正月くらいは早く家へ帰りたいなんて思いながらやっていると、よけいに減っていかない(涙)。

明日からは蔵のみんなが揃いますから、誰かに押し付けることができます。この作業をもうやらずに済むかと思うと喜ばずにはいられない、とても杜氏だなんて人には言えない岳志なんです(笑)。


□□□ ついにトップページから落ちるか? □□□
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傑作老人会

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このブログにも何回か登場してくれている、信濃鶴ファンの老人会の世話役(?)を押し付けられているNさんから、年末にメールをいただきました。相変わらず楽しい毎日のご様子(笑)。多少の脚色はあるにしても、こんなに鶴を愛してくれている方たちが、私の知らない遠方にいらっしゃるっていうことは、感謝以外の何物でもありませんね。

以下、メールからの抜粋です。

・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・
ご無沙汰しております。千葉のNです。毎朝、必ずブログは目を通しておりますよ。すでに蔵に籠られたとのこと、今が一番大変な時期と思いますが、くれぐれも体調管理にはご留意下さい。さて、近況報告です。忙しいでしょうから、さらっと目を通してして下さい。

私と老人会の幹部(3名)は、「信濃鶴の新酒を呑むまでは、いっさいの日本酒は口にすまい」と11月1日より、日本酒に関して断酒しております。理由は、会長さんによると、「毎日、あるいは週に2、3日ほど日本酒をのむと、舌がその酒になじんでしまい、他の酒のうまさに鈍感になる。だから、本当に旨い酒を呑みたいなら、相当期間断酒すべき」との持論から、なぜか老人会の幹部ではないのに、私まで付き合わされております。但し、他のアルコールなら構わないとの事ですので、九州出身の私は焼酎を呑んでしのいでおります。

新酒ができましたら、いの一番にお願いしようと考えております。その際、ぜひお願いしたいことがあります。以前、あなたがブログで書かれておられましたが、「全量純米酒に切り替える際に、得意先、取引先に対して決意表明を兼ねたお知らせ文を配付した」とのことですが、私が新酒を注文するときに、当時のお知らせ文のコピーを同封して頂きたいのです。

なぜって?老人会の幹部と断酒のきっかけとなる呑み会をしていた夜のこと。

【会長】「Nさん。ワシら、あと何年も生きとらん。当たり前のことじゃが、あの世まで金を持っていくわけにいかん。かといって、この世に子孫と金だけを残すのもむなしすぎる。そこで3人(幹部の事)で話し合ったんじゃが、鶴が純米酒に切り替えた際の決意文をもらえんじゃろか。先祖代々の方針を転換するんじゃからそうとうの覚悟がいったと思う。わしら、その際の気持ち(決意)に触れてみたい。そして、『鶴って酒は、こんな想いと魂が込められとる』と、知り合いに教えてやろうかと。そして、鶴が千葉でも広がりゃ、あの世に行ったときに鶴の先祖さんがわしらに御礼を言ってくれりゃ、最高じゃ」

岳志さん、泣かせるじゃないですかこの爺さん達・・・でも、落ちがあるんですよ。

【福会長】「Nさん。会長の言う通りじゃが、できれば鶴が売れたら、そのなんだ、うさぎのかっこうした網タイツはいた若い綺麗な姉ちゃん(どうもバニーガール?)がいる店に、鶴の社長さんは招待してくれんかのお。わし、まだ行った事がないんじゃ」
【もう1人の副会長】「わしも、行ったことがない。わしは、そのうさぎでなく、猫のかっこうしててもいいから若い綺麗な姉ちゃんなら構わん。うさぎにこだわらんぞ。ひとつ話してみてくれ」
【私の心の声】「あんたら、もうすぐ80歳になるのに、死ぬまでそっちは好きなのかい。まだ、あの世からにお呼びがかからんはずじゃ・・・」

新酒誕生を、心待ちにしております。
・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・O・・・・・・・・・・

とのことでした(笑笑笑)。

なんか、マンガかコメディドラマに出てきそうな老人会のみなさんだし、それに懲りもせずにご近所付き合いをしているNさんは、さながらいつも老人会のドタバタに巻き込まれている気のいい主人公っていうところでしょうか(笑)。これまでいくつも送ってくれたメールにも、傑作ネタが満載でした。これは、Nさんがかなりのストーリーテラーだという側面もあると思いますけどね。

実は、この次のメールにもお笑いネタがあって、この老人会と双璧をなす(?)婦人会のそれなりの(いや、かなりの)年齢の奥様方が、健康維持のためにやっていらっしゃるチアリーダークラブの晴れ姿を強引に見せられて、一瞬で酔いが醒めていく様子が綴られていました(笑)。

その笑劇場の小道具のひとつとして、信濃鶴が舞台の脇に置いてあるわけです。うれしいですよね、鶴のある風景。千葉まで飛んでいって、皆さんのお役に立てているのなら、苦労して作っている甲斐があるってぇもんです。地元ではありがたみの薄い『信濃』の文字も、遠くに行けばそれなりの重みが出てくるのかもしれませんね(笑)。

Nさんからの注文が入る前に、新酒のしぼりたて生原酒は完売になってしまいましたが、絶対に買っていただけるはずだと、その分だけはキープしておきました。老人会の新年会に間に合わせるように、早く送らなくっちゃなりませんね。鶴を飲んで新年会をすれば、またお笑いネタの一つや二つできるんじゃないかなぁ(笑)。


□□□ 一向にブログが短くなりません(汗) □□□
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朝食

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正月ぼけブログはそろそろ止めにしようと思うんですが、娘と女房に「どうしても書け」と、「いつ書くんだ」と、うるさくせがまれるので、ここで書いておきましょう(汗)。「信濃鶴と何の関係もないじゃん・・・」と思うんですけど、私も鶴と無関係の記事はいくらでも書いてきましたから、抵抗力はありません(涙)。

いや、うれしいことだったんですよ。私にとってはね。年末年始の1週間ほどは、家で寝泊まりしたんです。そうすると、朝食を親子3人で食べることができます。夕食もいつもより時間をかけてゆっくり食べられるんですが、基本的には蔵に泊まり込んでいても一緒に食べることができますから、朝食だけが普段と違ってお父ちゃんがいる状況になるわけです。

「私がお父ちゃんのために作る!」と娘が言ってくれたらしい。他のご家庭はどうなのかは分かりませんが、我が家ではよく娘に料理の手伝いをさせています。男の子だったらそんなにやらないとは思いますが、一般的な女の子よりも頻繁に手伝わされているように見受けられるんですけどね。

手伝わされているというよりも、料理することが好きみたいですね、うちの娘は。彼女のレシピ集があって、これまで作った料理をまとめてあります。お母ちゃんに教わったものから、学校の家庭科で習ったものまで書いてあるようです。こういう几帳面さは女房譲りだろうなぁ。女房も料理は積極的にやらせているみたいです。

娘が生まれてしばらくして、いくつかの食品にアレルギーがあることが分かってからというもの、我が家の食生活は大きく変わりました。地元の野菜を中心に、化学調味料なしで、手間をかけて作る方向に転換しました。最初は抵抗のあった私も、歳のせいもあるんでしょうか、そういうものが美味しいと感じるようになってきましたね。

そして、そういう料理を志向しようとすると、材料の調達から料理方法までちょっとした努力をしなくちゃならないみたいです。女房はそういうノウハウを少しずつ勉強してきているので、それを娘に伝えていくことは、とても有意義なことだと思うんですよね。それこそが、母から娘に伝えていかなくっちゃならないことなのかもしれません。

話がちょっと逸れましたが(汗)、今回は家庭科で習った朝食メニューを作ってくれました。学校で習ったそのままですから、普段は我が家では食べない卵や肉(ベーコン)が登場してます。味噌汁も目玉焼きもベーコン巻きも美味しかったですよ。まあ、小学生の娘が作った料理を不味いというお父さんは、世の中にいないと思いますけどね(笑)。

しかしなぁ、それを「写真に撮れ」だの、「ブログに載せろ」だの催促するってぇのはどーよ(笑)。なんか私とすると、私のために作ってくれたんだか、ブログに載せたいがために作ったんだか、チト疑わしい・・・(汗)。でも、娘が父ちゃんのために作ってくれたんだから、今回は素直に喜んどきましょうかね(笑)。


□□□ 今日から会社へ泊まり込みです □□□
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今年の手タレ

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このブログの十八番であるところの『手タレ写真』は、広く皆さんに認知され、その亜流も私のブログ仲間の間で派生してきました(笑)。新年にあたって、今年の手タレ写真も今までの流れを踏襲するだけで良いのかどうか、何か斬新なアイディアで読者をアッと驚かせることはできないのか、深く深ーく考えてみました。

で、結論はってぇと・・・「変えよーなんかねー!」っていうことでしょうかね(笑笑笑)。「だったらブログネタにすんなよ」っていうことなんですけどねぇ(汗)。書き始めちゃったからしょーがない。無理やりにでも話を続けることにします。結論無く記事を書き進めてもロクなもんにならんのですが・・・。

最初は、いくつかのブログでそんな写真を見かけたんで、マネし始めたんです。ブログを書き始めた頃なんて、そこにちょっとでもプライバシーのかけらでも出そうもんなら、実にヤバい状況が待ち受けているような強迫観念があって、特に顔の写真は出さない方針にしたんです。

今となってはそれほど気にしなくてもいいって感じていますし、自分の顔くらいなら出てもそんなに抵抗はないんじゃないかな。そもそもこのブログの読者のかなりの人数は、私のことを直接知っている人たちでしょうから、みんな「隠したって意味ねー」と思っているかもしれません(笑)。

しかし、そこに居合わせて写真に写っちゃった人に関してはやっぱり注意が必要で、皆さん写真にぼかしを入れたりパンダにしたりして工夫されていますね(笑)。今の時代は余計にプライバシーっていうものの取り扱いには注意が必要でしょう。私も他の人のブログも拝見する中で、「この程度なら」っていう線を自分なりに設定しているだけで、もしかしたらその認識は甘いのかもしれませんけどね。

そんなこんなで、人を撮る時にはその場の雰囲気が分かる場所で、私と一緒に手を写させてもらっています。ブログに載せることはちゃんと伝えて了解を得ますが、ダメっていう人はこれまで一人もいませんでしたね(笑)。手は顔よりも抵抗が少なくて、快くブログに登場してもらえるっていうのも、手タレ写真にこだわる理由のひとつでしょうか。

ここまで手タレ写真が浸透すると、誰の手か分からないっていうのがウリのはずなのに、その写真に写っているいくつかの手の中で、このブログに掲載された時に自分がどの手なのか分かるように手の形に独創性を持たせる人も出てきます。でも、大抵は酔った時の写真なので、後で見ても自分かどんな手の形をしたのかなんて覚えてねーんですよね。バカでー(笑)。

和気あいあいとしたその場の雰囲気が出せるのが手タレ写真だと思います。今年も手タレ写真がたくさん撮れるように、周りの皆さんと思い出に残ることを一杯やりたいですね。このブログでも、これまで通りの代り映えしない手タレ写真でいきますよ。まあ、写すものが『手』しかないんだから、斬新な手タレ写真なんて不可能だよねぇ(笑)。


□□□ お正月明けには是非ワンクリックを! □□□
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落語

お正月になると、さまざまなメディア上で突如として目に付くようになるものがあるじゃないですか。例えば『落語』なんかです。普段はテレビで放送されることなんか滅多にないのに、年末年始にはいろんな噺家さんたちが出てきて、古典から現代風なものまで聴かせてくれますよね。素晴らしい日本の伝統演芸だと思います。

私も嫌いじゃありませんから、時間さえあれば聞き惚れてしまいます。私たちが小さい頃から刷り込まれてきた部分もあると思うんですけど、お正月の雰囲気によくマッチしていて、別に違和感なんてないじゃないですか。しかし、本来は一年中落語家さんたちは仕事をしているわけで、年末年始だけの特別アルバイトじゃぁないわけです。

その他にも、『歌舞伎』とか、『小さな村に伝わる芸能』とか、『地方の伝統的料理』とか、『江戸の庶民文化』とか、何となく正月特有の話題ってありますよね。正月を期に、日本の伝統芸能や、食文化や、風俗を見直そうなんていう意図ではないと思いますが、そこには、他の国では真似の出来ない、日本の大切に守るべき原点が浮き出ているような気がします。

そんなものを目にしていて、ふと思ったんです。「なんで、こういうところに日本酒は登場してこないんだろう」ってね・・・。今や正月にお屠蘇を飲むなんてことも言わなくなってきちゃっているような気さえしますが、伝統的な食文化のひとつであることにだれも異論はないでしょうし、落語と一緒に正月の話題に上っても良さそうなもんなんですけどねぇ。

でも、日本酒っていう切り口って目にしないんですよね。私がテレビを見る時間が少ないからでしょうか。それとも業界人の被害妄想かなぁ。酒税の関係で税務署直轄の業界ですから、マスメディアからすると、ちょっとアンタッチャブルな領域なのかもしれないし・・・。いずれにしても、私としてはちょっと不満なわけです(笑)。

そういう状況が確かに存在するとして、それを客観的に説明しようとすると、『日本酒には落語と肩を並べられるような伝統や歴史なんてないんじゃないか』っていうことになります。まあ、歴史は確かにあるんですけど、あってもそれが日本人の心に染み込んでいないのか、歴史といってもそう長いわけじゃない中途半端なものだっていうことなのか・・・。

確かに、日本酒が庶民の酒として定着している様子は、今から1400年も前の書物に出てくるそうですが、俗に言う地方の地酒メーカーの創業なんて100年くらい前っていう蔵が多いんじゃないんですかね。この業界が思っているより、日本人の日本酒の伝統に対する意識が低いとすれば、その辺のボタンの掛け違いから見つめ直さないといけないのかもしれませんねぇ。

先の大戦中に普及した、米不足による生産減少を補うためのアルコール添加や3倍醸造法が、伝統を断ち切ってしまった部分もあるような気がします。これは、信濃鶴が純米酒ばかりを造っているから言うわけじゃぁありません。アル添酒の技術は今や日本酒のひとつの大きな領域ですし、純米酒と同様に美味しいお酒ができるんです。アル添酒を否定するつもりは全くありませんから誤解しないで下さいね。でも、そこで何かが途切れてしまったような気はしてるんです。

まあ、そこまで考えて、否定的になったわけじゃなくって・・・『だとすれば、もっと挑戦していいんじゃないか』って思ったんですよ。私たちが後生大事に守っているものは、まだ落語に肩を並べられないとすれば、そうじゃない地平線をどこかに見出して、それを目指すのもひとつの生き方でしょう。正しい試行錯誤の積み重ねが、歴史や伝統の名に輝きを与えるんでしょうからね。


□□□ お正月の話題もそろそろ終わりかな □□□
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始動

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つまんないんですよねぇ・・・元日くらいは無理をしてでも蔵のことは考えないようにして、正月らしい一日を送ろうと思うんですが、二日ともなると仕込の準備やら、次に搾るもろみのことやら、新年早々に始まる吟醸のことやらを考えざるを得なくなってきます。せっかくの正月気分に水を差されるような気分・・・(涙)。

でも、これは日本中の造り酒屋がそうなわけです。私だけが特別に忙しいんじゃないんですよね。もっと忙しい蔵なんか、正月休み返上で仕込作業をずーっと切らさずに続けているところだってあるんですよ。出荷に製造が追いつかなくてしょうがなくっていうんなら、うれしい悲鳴でしょうけどね。

私としても、あんまり気合いを入れて休んじゃうと、数日後の本格稼働の時に泣きを見そうなので、徐々に仕事に手をつけていこうと思っている部分もあります。今日は、麹を造る部屋の掃除と、若干の洗い物と、いつもできない温度計のメンテナンスなんかをやっていました。お正月気分が抜けない程度にね(笑)。

温度計は今やほとんどが電子温度計のタイプに切り替わってきていますが、電池の残量が気になるものは、正月休み中に新しいものにしておきます。私たちが使う製品は、簡単に電池交換ができないものが多くて、いざ電池が切れてしまった時に、すぐに取り換えることができなかったりします。ですから、残り少ないものは、新しいものに換えておくんです。

そんでもって、電池を買わなくっちゃならないと思って、いったい正月のいつから初売りなのか新聞の広告を見てみると、どこも元旦から営業してるんですねぇ。それも、行ってみると、駐車所が一杯になるくらいにお客さんが入ってるじゃぁないですか!こりゃぁビックリしました。初詣よりも初売りの方が人が多いじゃん・・・(汗)。

それを見て、私も少々反省です。こういうお店の従業員さんたちは、休みなんかないんですよねぇ。年末のボーナスやお年玉を握りしめて買い物をする人が多いっていうことでしょう。元旦くらい休めばいいと思いますが、他社との競争もあってそういうわけにもいかないのかな。

少し前までは、初売りだ初荷だって言えば二日だったですよね。元旦なんてまちの中だってヒッソリとしていたように記憶していますが、こういう時代なんですね。そう言えば、かなり前に地元の大手デパートが正月に営業をするのに、地元商店街から抗議の声が上がったことがありましたが、今じゃそんなこと誰も言わないもんねぇ。

「よし、がんばるぞっ!」と思い直して帰ってきました。正月休みがない人だってたくさんいるはずですもんね。正月は体を休めながらテキパキと仕事をこなして、夜はしっかりと飲むようにしましょう。正月から思考回路が非常に単純な岳志でした(笑)。


□□□ やっぱり正月の記事はどこか気が抜けてます(汗) □□□
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杜氏の元日

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専務取締役杜氏の元旦の朝は、それなりに忙しいんです。大晦日の夜は飲むだけ飲んで爆睡状態でした。いつもと違って家で寝られるんだから、気も抜けますよね。紅白歌合戦を最後まで見ることに初挑戦した娘が寝る時に叩き起こしてくれましたが、またこたつで寝込んでました。それでも、悲しいブロガーの習性で、夜中に起き出してゴソゴソとブログだけはアップ(笑)。

元旦の朝はいつも通りに6時に起床して、何も食べずに会社へ向かいます。いつもなら会社が始まる8時半からやる、もろみの攪拌やら、検温やら、分析用のサンプリングを6時半ころからやっちゃいます。なるべく早く終わらせたいので、力のいる仕事以外は女房が手伝ってくれます。

造りの時期には、ずっと蔵の仕事を手伝ってくれているので、それなりに使えるようになっているんですよ、うちの女房殿も。正月は主婦も忙しいんでしょうが、私の給料袋をそのまま全て渡して高い給料で雇っているんですから、こんな時くらい働いてもらわないとねぇ(笑)。とにかく、二人して仕事を片付けちゃいます。

今年は早めに終わったので、いつもはもっと日が高くなってから行く、地元の大御食神社(おおみけじんじゃ)へ初詣に。10時頃に行くと境内に長蛇の列ができているんですが、8時頃にはまだまだガラガラで、あっという間にお参りができました。寒い中で待ってなくていいんだから、こりゃ来年からもそうしなくっちゃ!

その足でお墓参りも済ませて、お腹ぺこぺこで家に帰ります。その頃になると、町内の新年会から親父も帰ってきていて、元旦の朝は家族全員で朝食をとります。「マメでクリクリ元気に過ごせますように」っていうことで、落花生や黒豆なんかの『マメ』と、栗やたつくりなんかの『クリ』を食べるのが我が家の習慣です。その他には、数の子と干し柿を食べますが、これはどういういわれか分かりません(汗)。

それからは、久しぶりに娘と時間を過ごしました。天気も良くて、穏やかな日差しの中で、ゆっくりと話をしたり、ピアノを聴かせてくれたりしました。こんな時間に家にいることはまずないので、話が途切れません(汗)。ただし、彼女も昨日の夜はこれまでにやったことのないほどの夜更かしをしているので、少々バテ気味のご様子(笑)。

昼は女房の作ったおせち料理を食べます。おせち料理なんてたいして美味しいもんじゃないと昔は思ってましたが、丁寧に作れば美味しいし、そのどれもに正月らしいいわれがあって、守っていかなくっちゃならない日本の文化だと思いますね。本当はこの辺でお神酒を飲まなくっちゃ始まりませんが、まだ仕事があるので夜までおあずけです(涙)。

午後は再び会社へ行って、もろみの管理や分析の作業をやります。それもいつもより簡単に済ませるようにして、午後の3時には終了です。年末の仕事がはかどっていないような年には、元旦から残った仕事をかたずけたりしなくっちゃなりませんが、今年はおかげ様でそれほど慌てなくてもよさそうです。

後はブログを書けばいいだけですね(笑)。今日の写真は、元旦の一場面です。6時半頃の赤く染まり始めた中央アルプス。7時半ころ南アルプスから昇った初日の出。女房の作ってくれたおせち料理。ようやく飲めたお神酒の信濃鶴(笑)。元日だけは最高にゆっくりしている、杜氏の一日でした。

》》》》》》》》》》 【全く同じような時間に写していた初日の出ブログ】


□□□ 正月はポイントが激減しますねぇ □□□
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