専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

蔵の大晦日

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この記事を皆さんがお読みになる頃には、既に大晦日になっているはずです。蔵の中も、作業は一旦休止して、来年初めからの仕込に備える準備期間です。『もろみ』の年内中の仕込は、先週の土曜日で終わっています。昨日、年明けの最初に使う『酒母』を仕込んで、本年の米を蒸す作業はすべて終了しました。

写真は、酒母を仕込んだ日の夜に行う『汲み掛け』という作業です。タンクの真ん中に立てた筒の中に溜まる液体部分を、周りの蒸米の上にかけてやります。酒母を仕込むとこの作業を夜な夜なやらなくっちゃならないので、いつもはちょっと面倒臭く思っているんですが、これで今年は最後だと思えば作業する手の軽やかなこと(笑)。

その他の年末の仕事は、もっぱら掃除と消毒です。仕込みのない時に、これまでの仕込みによる汚れを掃除して、来年に向けていつでも使えるように器具類を消毒しておくんです。洗い物は多いし、消毒薬も使いますから、手がガサガサになります。風の当たる外の洗い場で水を使ったりしたもんなら、いきなりヒビ・アカギレの世界です。結構痛いんですよね、これが(涙)。

今季の造りでは正月の前後に仕込みが2週間空くので、来年に入ると少し余裕ができるかもしれません。年末にやり切れなかった掃除や消毒に追われるとは思いますが、昨年よりは楽じゃないかな。しかし、お恥ずかしい話、帳面仕事がかなり積み残しになっているので、正月中になんとか追いつかねば・・・(汗)。

と、そんな感じで麹の手入れ作業なんかもなくなって、徐々にまったりモードになってきています(笑)。お正月は睡眠時間を多くとるようにして、少しでも体を休めたいですね。今のところ全部で36本のもろみを立てる予定で、これまでに12本仕込み終わりましたから、ちょうど3分の1が終わったところです。

昔は、正月休みになっても「まだ、こんなに仕込が残っているじゃぁないか・・・」という思いでいたものでした。しかし、慣れというのは恐ろしいもので、それほど先の仕込に対する負担感はなくなってきましたね。「必要な分を淡々と造り切る。でも、その中で未知なる日本酒に対する挑戦意欲を決して失わない」というスタンスを体に染み込ませたいと思っています。

造りばかりではなく、営業・販売の社員達も日本酒最盛期に直面して、てんてこ舞いの状況です。業務連絡っていうわけではありませんが、年末の恒例商品になりつつある、信濃鶴の『無濾過純米生原酒』は完売だそうです。ありがとうございました。売り切れ御免で誠に申し訳ありませんが、こちらとしてはひと安心です。

駒ケ根ブロガー連中も口にしてくれたみたいですし、各酒販店で予約をいただいた皆さんには確実にお届けできているはずです。もうちょっと造ればよかったかなぁという後悔も若干ありますが、商品の性格上そうたくさん一度にはビン詰めできないんです。少し足りないくらいがちょうどいいのかもしれませんしね。

最後に、年末のブログ生活に関してですが、やっぱり造りの時期になるとブログは丁寧に書いていられなくて、限られた時間の中での書きなぐり状態になっていますね(汗)。記事を読み返すヒマがないし、コメントバックも遅れ気味だし、とにかくブログに対する余裕がなくってイカンですね。スイマセン。

しかし、本年もいろんな方とこのブログを通じて出会うことができました。それは、マスメディア的に一度に大勢の人とっていうあり方ではなくって、個人対個人の出会いであったように思います。双方向でつながるとすれば、やっぱり人と人とのつながりになるでしょうからね。

私はこのブログを読者の皆さんに書かせてもらっていると思っていますが、皆さんから励ましや元気をもらうことはあっても、「ブログなんて書かなきゃ良かった」なんて思ったことは今年も一度もありませんでした。酒ブログ仲間や、日に日に増殖する駒ケ根ブロガーや、多くの読者の皆さんに、心から感謝しています。

さて、なんともまとまらない大晦日の記事になっちゃいましたが、私も皆さん同様にバタバタとしているっていうことです(笑)。あまり明るい話題のない今年の後半でしたが、日本酒の未来は明るいものだと信じて新年に臨みたいと思います。皆さんも、よいお年をお迎え下さいね。


□□□ 酔っ払って記事を書くとまとまりません(汗) □□□
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挑戦状

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昨日、今が旬で、年内に記事にしとかなくっちゃならない話題として、南信州ビールさんの新製品『アップルホップ』を取り上げました。もうひとつあるんですよ。今が旬の新開発の日本酒の話題で、どう書いていいのか迷っちゃうんだけど、書いとかないと後で何言われるか分からないし、書きあぐねているネタが・・・(汗)。

10日ほど前になりますが、私のブログ師匠であり天敵でもあるacbさんが、ご自身のブログに、京都の酒造メーカーが開発した新しいタイプの日本酒について書いておられました。これがまた、明らかに私に対する挑戦状であって、「危機感のない」、「何も変わらない」、「意固地な」信濃鶴に、株主としてひとこと言いたげなんだな、これが(笑)。

その記事が書かれた数日後に、偶然にも歯医者の待合室でacbさんに出会って、「ガツンと反論記事書きますから」なんて言っちゃったんですけど、題材になった日本酒に対しては全然異論なんかありません。日本酒の新機軸を狙って、イタリア料理のシェフと開発したワイン風のお酒らしいですね。そのような新しい試みは、どんどんとやるべきだと私も思います。

松本酒造さんの開発された『リッシモ』は、イタリア料理に負けない酸味を持つ日本酒で、ボトルやラベルのデザインもおしゃれで、低価格酒や品評会用の大吟醸ばかりに目を向けて若年層や女性層などの新たな消費者の開拓を怠ってきた日本酒業界に新機軸を打ち立てるのが狙いだと、acbさんの送ってくれた新聞記事には出ていました。

南信州ビールさんがこれまでの『ビール』とは違って、フルーツビールという新しい味わいの『発泡酒』で新たな需要を喚起しようとしているのと似たようなシチュエーションですよね。それに類似した話は現在たくさんあって、各社の努力と工夫で色々な商品が世に出ています。

日本酒に関して言えば、新しい酵母の開発を進める中で、多酸性(酸を大量に生成する)の酵母っていうのはひとつのテーマになっています。使用目的は、この『リッシモ』のように新たな味わいの日本酒を醸造するためです。ですからこれまで以上に酸味の効いた、和食以外の料理にも合わせられる日本酒は既に数多く開発されています。日本酒の幅が広がって、料理とのマッチングの選択肢が増えるとすればとてもいいことですよね。

でも、私はその道を選択しなかった。長生社のような極小メーカーにできることは限られています。やることを限定して、それに徹するしか生き残る道はないと思います。私が選んだのは、おしゃれなレッテルの新しい日本酒ではなくて、ダサいレッテルのこれまで通りの純米酒だったんです。

大げさな言い方をすれば、自社の特色ある製品による需要開拓も大切ですが、日本酒全体の底上げの方をより重視しています。こんな小さなメーカーじゃできないかもしれませんし、時間もかかるでしょう。でも、もしそれができれば、イタリア料理のワインリストに、最も日本酒らしい日本酒が並ぶはずです。それは100年先でもいい。

ただし、ひと言で純米酒って言ってもその中身は劇的に変わっています。「危機感のない」、「何も変わらない」、「意固地な」信濃鶴に見えるかもしれませんが、この10年間でこれほど中身が「変わった」酒蔵もそうはないと思います。それは大いなる「危機感を感じている」からに他なりません。

そこに山があることを信じきった人だけが、その山の頂に立つことができるんでしょう。「もしかしたらそこに山はないのかも」という疑念を持ったとたんに、その山は消え去って彼は遭難してしまう。私はひとつのことを信じるのに「意固地」になっているだけです。「意固地」ということと「変わらない」ということは全く別の話じゃないですかね。

夢なんてどのくらい先にあるか分からなくて、まるで暗闇を手探りで歩いているようなものでしょう。見当違いの方向に外れていっているかもしれないし、すぐ目の前にそれがあるのに気づいていないのかもしれません。年の終わりに座右の銘を思い起こしました。

    一燈を掲げて暗夜を行く
    暗夜を憂うことなかれ
    ただ一燈を頼め

まあ、こんなこといくら書いても、acbさんは「まだ、あんなこと言ってる」って思っているに違いありません(笑)。そして私も、acbさんがそんな記事を書く度に「何で分らんかなぁ」って思うんです(笑)。こうやって、議論がずーっと平行線な2人も珍しいですね。それを『天敵』って言うんでしょうけどね(笑笑笑)。

》》》》》》》》》》 【acbさんの挑戦状】


□□□ 年末年始の順位はいかに? □□□
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アップルホップ

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本年も、残すところあと3日になりました。いろんなブログを読んでも、暮れも押し迫った近況報告が多く見られるようになってますね。大晦日のたった一日で次の年になるっていうだけで、それほど現状が変わるわけでもないんですけど、我々日本人にとっては、年末年始は特別の意味がある期間なんでしょうね。

さて、そんな状況で考えるのは、「年内中のブログに載っけておかなくっちゃならない旬の話題を忘れてないか」っていうことなんですけど・・・忘れてました・・・スイマセン・・・もう旬は過ぎたかな・・・タケちゃんゴメン(汗)。ちょっと前に駒ケ根ブロガーの仲間入りをした、『地ビール屋タケちゃん』が丹精込めて作った、地ビールならぬ地発泡酒の新製品について記事にせねば・・・(汗)。

彼もタケちゃん、私も岳ちゃんですが(笑)、タケちゃんは私と違って進取の気性に富んだ積極派です。この地元にある『南信州ビール』の工場長ですから、日本酒の世界だったら杜氏さんっていうことになるでしょうか。ビール工場っていうのは、ある程度プラント的な様相ですから造り酒屋とは異なりますが、イメージ的には杜氏っていうことでいいんじゃないでしょうかね。ちなみに、年齢も一緒(笑)。

その彼の性格が表れたかのように、今回の新製品は『ビール』じゃなくて『発泡酒』なんです。『ビール』と『発泡酒』の違いは、その原材料によって酒税法に定められた分類によって付けられる名前なんです。大手のビールメーカーならいざ知らず、小さな地ビールメーカーにとっては、さほど意味のある分類ではないのかもしれません。

だって、私たちの頭の中では『発泡酒』っていうのは、『ビール』の廉価版っていう捉え方じゃないですか。それは、大手メーカーの販売戦略上の位置付けであって、税務当局の分類もその影響力に引きずられていると言えなくもないわけです。今回新発売の発泡酒『アップルホップ』は、値段が安いわけでもないし、要は地元産のリンゴを原料に使ったフルーツビールっていうことなんですよね。

駒ケ根ブロガーの間で『アップルホップ』の話題が取り沙汰されていた頃、私もあせってはいたんです。「早いところ、飲まにゃぁならん」ってね(笑)。言い訳させてもらえば、冬の生活ではなかなかお酒を飲んでいる時間がなくて、試飲レポートなんてなかなか書けないんですよねぇ(汗)。

女房に買ってきてもらって、少し前にようやく家で飲みました。フルーツビールなんて、飲んだこともないもんだから、ビールのように飲んでいいのか、リンゴジュースの延長線上で味わえばいいのか分かりませんが、変わり種であることは間違いないですね(笑)。かなり濁っているっていうのも、ビールとは一線を画している印象です。

肝心のお味は、ビールっぽいリンゴジュースっていうより、リンゴの香りがするビールっていう感じでした。でも、『(ビール+リンゴジュース)÷2』みたいに単純じゃなくて、リンゴも一緒に発酵しているっていう複雑さを感じさせるものでしたね。ビールの代わりにグビグビと大量に飲むっていうよりは、地元のリンゴを使った特産品っていう位置付けの方が大きいかもしれません。

信濃鶴もそうですが、このアップルホップも原料のリンゴは地元産のものを使ってるそうです。というよりも、地元に特産のリンゴがあるから、それを使ったビールを造ろうっていう発想だったんでしょうね。私たちが胸を張って外に持って行ける、この地域ならではの物産に育ってもらいたいものです。

税法上の規制緩和によって可能になった側面もあるのかもしれませんが、単なる地ビールメーカーは日本中に数あれど、地元産の原料を謳える商品を造っている所はそうはないはずです。その範疇がビールであろうが発泡酒であろうが、この際関係ないでしょう。こういう商品はお土産にすれば喜ばれるんじゃないかと思いますが、信濃鶴も一緒に持っていってもらえると、更によろしいかと・・・(笑)。

》》》》》》》》》》 【アップルホップ(王林)を醸し中のビール屋タケちゃん】


□□□ もっとたくさん飲まないと本当の良さは分かりません(笑) □□□
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サンタクロース

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昨日は期せずして飲んでしまったので、一昨日の記事の続きが書けませんでした。越百で激ウマのキナコ豚雑炊を食べながら、頭の隅で気になっていた『秘密の作戦』とは・・・ひと月も前から用意周到に計画された作戦!ターゲットはお母ちゃん!決行の夜はクリスマス・イブ!

ひと月前に、娘がヒソヒソ話を持ちかけてきました・・・(?)。

娘「あのさ、今年のクリスマスの夜にさ、お母ちゃんにサンタからプレゼントが来たようにしてビックリさせたいの」
私「ほう、どんなプレゼントなんだい」
娘「この前作り方教わった、ビーズのブレスレットがいいと思うの」
私「なるほど、じゃぁ作ればいいじゃないか」
娘「ダメなのよ、おこづかい使っちゃってビーズを買うお金がないの。だから、軍資金はお父ちゃんに出してもらいたいの。お父ちゃんだって、お母ちゃんにプレゼントしたいでしょ?」

上手いこと乗せるじゃぁないか・・・(笑)。

娘「それに、本当にサンタが来たと思わせてお母ちゃんを驚かせるために、夜中に気づかれないようにお母ちゃんの枕もとに置いときたいのよ」
私「夜中に起きられるのか」
娘「イブの日にお父ちゃんお家に泊まれない?私を夜中に起こしてよ」
私「その日は無理だぞ。それにこの時期のお父ちゃんは、いったん寝たらそんな時間に絶対に起きられん」
娘「じゃぁいいわ。私に考えがあるから」
私「ところで、お前、お父ちゃんには何くれるんだ?」
娘「エッ!何にも考えてないわよ」
私「・・・」

お前の作戦の相棒に選んでもらえたことが最高のプレゼントか・・・(涙)。

そして、作戦は忠実に実行に移されました。ビーズを『お父ちゃんのお金』で買いに行く時には、「今日のお父ちゃんのお弁当は、私が会社まで届けるから」と言って早く出てきて、こっそりと買い物をしに行きました。手芸のお店に娘と二人で入るなんて、恥ずかしくもあり、うれしくもあり(笑)。

更に、夜中に娘一人で起きるための秘策として、「寝る前にお茶をたくさん飲むと必ず夜中におトイレに目が覚める」という彼女の習性を利用することに。目覚まし時計だと一緒にお母ちゃんを起こしちゃうし、携帯の振動モードで起きるように私が夜中に電話するという案はあえなく却下。

翌日が休みの日の晩に、密かに実験もしていました。お茶をコップで2杯飲んで寝たら、夜中の4時ごろ目が覚めたから、もうちょっと飲まなくっちゃいけないとか・・・(笑)。おぉ、これぞ夏休みの一人一研究を父ちゃんとやった成果じゃないか。現地現物実証主義。論よりRUNだぞ、その調子。して、その顛末は・・・

ビーズのブレスレットは上手く作れました。二人で選んだ色はお母ちゃんも気に入った様子。夜中に一人で起きるのも、私が越百でキナコ豚雑炊をたいらげていた頃に首尾よく成功。ところが、起きたはいいんだけど、あまりにお母ちゃんの枕もとでゴソゴソやり過ぎて、お母ちゃんも起こして気づかれちゃった(笑笑笑)。

それでも、お母ちゃんはとてもビックリしたみたいだから、作戦は成功だよ。どうだい、サンタクロースの謎は解けたかい?サンタは作り話なんかじゃないんだ。自分がサンタになれたんだから、やっぱりサンタはどこかにいるんだって分かっただろ。結局お前は、お父ちゃんにも折り紙のサプライズプレゼントしてくれたしな。サンタクロースの大変さも身にしみたんじゃぁないか(笑)。

それから、くれぐれも言っておくけど、『恋人がサンタクロース』なんていう歌があるがな、あれはもっての外だ。お前のサンタクロースはお父ちゃんだけだぞ!・・・いいな(笑)。


□□□ いろいろ重なって忙しいイブだったこと □□□
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ガーナ

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私のブログ生活も日々の行動がバレバレになる部分があって、実にマズイと思わないでもないんですが、金曜日の夜に携帯が鳴るのは、まず間違いなく私の行動パターンを読んでいる人間が多いわけです(笑)。そんでもって、本日金曜日の夜の10時過ぎにお約束のように携帯が鳴りました。誰かな・・・。

私も積極的に参加している、駒ケ根市近隣の4市町村がまとまって行っているイベントに『協力隊週間・国際広場』があります。これは、駒ケ根市にJICA(ジャイカ:国際協力機構)の青年海外協力隊の訓練所があることに源を発するものなわけですが、そこでいつも一緒に活動しているメンバーの一人からでした。

この訓練所のスタッフTちゃんがアフリカのガーナに派遣になるというので、送別会をやっているから出て来いとのこと。Tちゃんとは家族ぐるみで付き合っている仲です。ガーナに行くことは前から知っていたので、女房なんか少し前に2人で会って十分に話をしたみたいでした。

私は最近会ってないし、ここで会っとかないとあと数年は会えなくなるかもしれません。どうやらイギリス人の亭主Jは既に日本にいないみたいで会えませんが、顔だけでも見に行かなくっちゃならない使命感で送別会の2次会に向かいます。つらいなぁ・・・本当は体を休めたいんだけどなぁ・・・でも、飲みには行くわけだ、これが(笑)。

前回彼女の任地はモルジブでした。その時には娘を日本に置き去りにして(汗)、女房と二人でモルジブまで行ってきたんです。彼女の働いていた、観光客が入れない島に呼んでもらって、日本の『顔の見える国際貢献』の現場を見てきました。ほとんど観光の要素はありませんでしたが、きれいな海とそこに暮らす人々と触れ合うことができた貴重な旅でした。

今度のガーナはちょっと遠いなぁ。娘も中学高校になればお金がかかるだろうし、簡単には行けないやねぇ。治安は比較的良好みたいですが、向こうでの宿泊代がかからないにしても、航空運賃だけで相当いきそうですよね。アフリカのどの辺にあるのかも知らないんですけど(汗)、フランスとかどこか中東の国を経由することになるんでしょうからね。

ガーナってどういう国なんでしょかね。最初に思い浮かぶのはガーナチョコレートでしょうか。彼女の話によると、チョコレートの原料になるカカオの生産量は多いみたいですが、それに従事しているのは学校に通っていない子供だったりして、先進国が消費しているチョコレートの恩恵をガーナは受け取っていないっていうことです。今、世界中の支援がアフリカに向かっているみたいですから、効果的な国際協力の在り方を彼女には模索してもらいたいと思います。

彼女をこういった国際協力の世界に向かわせたひとつの原因は私にあったりします。保育園の先生だった彼女を『国際広場』のイベントのスタッフに引きずり込んで、一緒に活動したのがもう10年も前のことです。そこで彼女は道を踏み外してこの世界にドップリ浸ることになっちゃったわけで(笑)、私としても責任を感じているというか、相当の思い入れがあるわけです。

「岳志さんが来るまでは飲んでますから」と言われりゃぁ、そりゃ行くわな。例によって夜中の12時過ぎに蔵から這い出て、ノコノコと2次会(3次会?)のお店に。大きな希望と少々の不安に胸を膨らませた彼女の話を聞いてきました。とにかく体に気をつけて頑張ってきてね。信濃鶴が売れるようになって給料がアップしたら、また会いに行けるかもしんないよ・・・って、無理かぁ(笑)。

適度にほろ酔いで帰って来て、ぐっすりと眠れそうです。さて、明日は今年最後のもろみの仕込です。絶対に寝坊しないように目覚まし3つかけました(笑)。


□□□ Tちゃん元気でなー!!! □□□
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クリスマス・イブ

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あーっめっはっよふくぇすーぎーにー
ゆーっきっへっとくぁわるーだーろー
さいれんっなー
ほーりーっなー

この名曲の哀愁をそのまま体現するための飲み会を、毎年必ずクリスマス・イブの夜に決行しています。題して『寂しい男の会』(笑)。昨日のブログに書いたように、歯の具合が悪かったのでちょっとだけ躊躇しましたが、やっぱり続けることに意味があるのでしっかりとやらせてもらいました。その気になっている人も若干2名ほどいたし・・・。

ひとりは『割烹いわたや』のマスターH。もうひとりは『越百』のえっちゃん。この構成メンバーから想像されるのは、「彼女のいないマスターHはクリスマス・イブは寂しいだろうから、彼を誘って越百で寂しく飲んでいるの図」じゃぁないでしょうか・・・その通りです!あなたは正しい!(笑)

寂しい男がたくさんいれば誘うんですが、夜中から飲み始められる寂しい男はかなり限定されてしまいます。去年もマスターHと2人だけだったっけねぇ。彼も夜の仕事を終えてから出てきました。私は歯医者から帰ってきて仕事をして、家に帰って風呂に入って夕飯を食べて、会社に戻ってもうひと仕事して、ようやく出かけられたのはちょうど夜中の12時でした(汗)。

普段なら越百はもうとっくに閉まっている時間でしたが、「年末の大掃除しながら待ってますからどーぞー」なんて言ってくれて、感謝感謝です。会場は確保されていましたから、私もしっかりと仕事をやってから本気モードで出陣できましたね(笑)。気をつけなくっちゃいけないのは、次の日の朝ちゃんと起きられるかどうかだけです(汗)。

当然越百にはお客さんなんかいないので、えっちゃんも含めて3人で飲んできました。えっちゃんは女だし、新婚ホヤホヤで寂しくもなんともないんですが、『寂しい男の会』の世話役っていうことで、参加許可です。上の写真はサンタクロースエプロンをして、お腹をギュッとへこませて写真を撮るえっちゃんの図(笑)。

クリスマスプレゼントに、出来たてホヤホヤの『信濃鶴純米無濾過生原酒』を持ち込んで、シュワシュワ感を楽しみながら飲んできました。今年はかなりオリが残っていて、『うすにごり』なんてネーミングにしてみても良かったかもしれません。炭酸ガスも抜けずにいますから、さながらクリスマスのシャンパン替わりってところでしょうか。

そのうちに、自分のお店『しゅせん』を終えてきた黄身ちゃんが登場。えっちゃん以外は、赤穂中学校剣道部の先輩後輩じゃぁないですか(笑)。マスターHの小うるさい説教を聞きながらも、楽しいイブの夜になりました。なんで先輩の私が説教されるのか分かりませんが、後輩の言うことは素直に聞いといてやりましょう(笑)。

よく考えたら、今年の『寂しい男の会』の半分は女性だったわけですね(汗)。それも、ブロガーばっかし(笑)。来年はもっと寂しい男を集めなくっちゃ。えっちゃんが作ってくれたキナコ豚の出汁を使った雑炊が激ウマでしたが、それを食べながら「例の作戦は首尾よくいったろうか」と、全く別のこともちょっと考えていたんです。その秘密の作戦とは・・・明日につづく。

》》》》》》》》》》 【寂しい男?マスターH】
》》》》》》》》》》 【キナコ豚雑炊サイコーのえっちゃん】
》》》》》》》》》》 【最後に合流した剣道部後輩の黄身ちゃん】


□□□ このクリックがクリスマスプレゼントになります □□□
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突然の携帯投稿

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こんな時期に携帯からのブログの投稿なんて、絶対にあり得ないんですけど、よんどころない緊急事態発生です(汗)。麹の面倒もほっぽり出してまで出掛けなくっちゃならないなんて、一体どうしたことでしょう?実は、疲労がたまって、ついに倒れてしまいました・・・嘘です(笑)。

本当は、歯の詰め物が取れちまったんです(涙)。一昨日の夜にポロっと取れました。危うく飲んじゃうところでした(汗)。こういうのは速攻で修理、いや治療してしまうのがいいですよね。上手くいけばそのまま詰め直してもらえるかもしれないし、とにかく治療の度合いが軽くて済みます。

かかりつけの歯医者さんに電話すると、「ご予約じゃありませんからお待ちいただきますが、なるべく今日中にお見え下さい」とのこと。私も時間はありませんでしたが、早い方がいいという強迫観念のもと、麹をいじらなくてもいい時間を狙ってやって来たっていう訳です。

受付を済ませて待合室に入ると、そこにはなんと、私の症状を悪化させようとするかのごとき人物が・・・天敵acbさんでんがな(笑)。いきなり「この前のブログの記事読んだ?」、「えぇ」、「何にも反応がないじゃん」、「これからガツンと反論記事書きますから」、「あれに反論できんのか?」みたいな会話になって、他の患者さんたち怪訝に思ったろうなぁ(笑)。

大した話もできずにacbさんは診療室に消えて、待っている間手持ちぶさたなんで、ブログを書き始めたっていうわけです。会社で今やっているはずの仕事が出来てないんだから、ここで出来る仕事を前倒ししてやっておくべきですよね。でも、久しぶりに携帯のポチポチ入力したら、首の筋がおかしくなりました(涙)。

これからの時期に治療に通うのは厳しいので、春になったらまた来ますっていうことにして、それまでの応急処置をしといてもらいました。先生も私の仕事のことは知っていてくれるので、その辺のやりとりはスムーズです(笑)。地元にいて、自分のことを分かってくれているお医者さんがいるって、有難いことですよね。

しかし、この日はこれからが長かったんだよなぁ・・・つづきはまた明日。

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KURA

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昨日に引き続き、もうひとつ旬の話題をお届けしましょう。と言っても、蔵内のお話じゃなくって、たまには信濃鶴もメディアに登場するので、出た時くらいは宣伝も兼ねて報告をしなくっちゃ。雑誌だって、月刊誌なら店頭に並ぶのは1ヶ月しかありませんから、マゴマゴしていると次の号になっちゃうもんね。

今回は、長野県内の情報誌としてよく知られている『KURA(くら)』っていう雑誌に載っけてもらいました。それも、面白いことに、2か所に全く別々の記事として掲載されてるんです。もしかして、「信濃鶴特集号か?」といぶかりたくなりますが、載っているページ数とすれば、ほんの2ページほどです(笑)。

ひとつはJAさんが連載で出している広告ページです。県産米についてシリーズで取り上げているんです。食べるお米ばかりじゃなくって、酒米についても記事にしてみようっていうことになったらしくて、「県産の酒米を沢山使っている蔵は?」っていう問い合わせが、県の酒造組合にきたんだそうです。

担当者が、「長生社さんなら100%県産の美山錦です」って推薦してくれたみたいなんですよね。それも、信濃鶴で使う美山錦は全てJAさんの取り扱いになっていますから、全く問題のない取材対象のはずです(笑)。100%単一産地の単一銘柄米なんていう造り酒屋は、日本中探しても無いと思いますからねぇ。

ひと月ほど前に取材にお見えになりました。たった1ページの記事なんですけど、広告会社の人2名、ライターさん1名、カメラマン1名の計4名でした。さすがJAさんっていうところでしょうか。そういう時には、案外まとまった話ってできないものなんですけど、美山錦に対する思いのたけをしゃべりまくっておきました(笑)。

もうひとつの記事は、千曲市の『酒乃生坂屋』の若林さんが毎月連載しているコラムのようなページに信濃鶴も取り上げていただきました。若林さんとは何回かお話したことがあって、お店でも信濃鶴を扱ってもらっています。東京で酒販店さんを回っていても名前が挙がることがあるほど、元気でやり手の店主です。

月刊誌に、毎月2ページ枠を任されているっていうことを見ても分かりますが、酒販店として高い評価をされているお店だと思います。トーコの姉貴の蔵の『八兵衛』も取り扱いがあるらしくて、きっと全国の銘酒が揃っているんでしょう。長生社へは来ていただいたことがあるんですが、私はまだご挨拶に伺っていないので、春になったら行かなくっちゃなりませんね(汗)。

「記事にしてもいいですか?」っていうメールをいただいたので、「どうぞ、どうぞ、ご自分の書きたいようにお書き下さって結構です」って返信しておいたら、本当に書きたいように書いてくれました(笑)。読者の皆さんに、何か面白そうな蔵だって思ってもらえるとうれしいんですけどね。

何がラッキーって、こういう雑誌に広告記事を載せると当然お金がかかるわけですけど、今回は2件とも無料での掲載ですし、有難いことに両方ともあちらの方から長生社にお話をいただいて、会社とすると全く手濡らさずで宣伝をしてもらっちゃったような形だったんですよね。めったにない偶然が2つ重なるなんていうことも、超ラッキーです。

長野県全体に向けて広告を打つなんていうことは滅多にできることじゃぁありませんし、信濃鶴のこだわりをしっかりとピックアップしてくれた内容になってるんですから、願ったり叶ったりですよね。県の酒造組合とかいうまとまりでの記事や宣伝っていうのは、これまでもお願いしたことはあるんですけど、ひとつの蔵だけだと目立ちますからねぇ。

皆さんもKURAを買って読んでください。立ち読みじゃぁダメです。ちゃんと自分の手元に置いて、永久保存版にしておいてください(笑)。これからもいろんなところで、明るい日本酒の未来を感じさせる蔵として取り上げられるとうれしいですね。


□□□ 混戦模様だっ! □□□
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ついに!

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ついに搾れました。今年の新酒です。ドキドキしながら味見をすると、これといった問題点もなさそうでホッとしました。色合いもきれいです。それに、最初の搾りにありがちな、初めて使う周辺機器からの異臭も付いていないみたいですね。ようやくこの日を迎えられて、安堵安堵です。

やっぱり最初の1本目っていうのは気を使うわけですよ。年内中に商品にしなくっちゃならないし、かと言って慌てて造って変な酒になっちゃ困るし、その年の米に慣れてないからもろみの状態が読み切れない部分もあるし。もろみの面(ツラ)や、分析した成分の値や、もちろん味もしっかりと見ながら、これまでもろみの熟成具合を観察してきました。

特別に、「今年の造りは去年とはこんなに違いました」なんて皆さんに報告するようなこともないんですが、この1号もろみに関しては酵母が元気でしたね。どんどんとアルコールを造ってくれちゃって、絞り直前の手綱さばきに手こずったっていうところかな。まあ、これから何本ももろみを絞ってみないと、今年の傾向はつかめませんけどね。

本当は、もうちょっと早くできるといいんですけどねぇ。毎年のことなんですけど、JAの飯島支所の美山錦って出てくるのが遅いんですよね(汗)。つまり、長野県の酒造協同組合が買い付けて、精米工場まで現物が送られるまでの時間がえらくかかるもんだから、当然長生社に搬入されるのも遅くなって、鶴が飛び立つまでの時間がずれ込んじゃうんです。

年末には酒粕の需要もあって、どっちかっていうと「新酒は搾れたの?」っていうお問い合わせより、「酒粕はまだできませんか?」って聞かれることの方が多かったりなんかして・・・(汗)。いずれにしても、もう少し美山錦が早く手元に届くようにJAさんとも交渉しなくっちゃ。

今年は普通のルートの美山錦じゃない、特別に栽培された美山錦が少し手に入るんですが、普通はその手のお米は通常の美山錦よりかなり早く納入されるらしいんです。その辺も期待していたんですが、結局は諸事情があって後回しになっちゃいました(涙)。お米に関する状況は私たちには全く分かりませんから、何ともしようがないんですよね、これが。

明日(23日)は社員総出で休日出勤して、『しぼりたて生原酒』をビン詰めします。極力絞ったままの状態でビンに充てんするようにします。オリも多少からんでくるかもしれませんし、シュワシュワした炭酸ガスもできるだけそのまま封入したいと思ってます。早ければクリスマスイブに店頭に並ぶでしょう。

まあ、これが今年のベストの作品ではないわけですけど、一番最初のもろみのしぼりたてを皆さんに飲んでいただくのは意味があることでしょうね。ただし、基本的に各酒販店さんに事前に予約してくださっている皆さんが優先になるはずです。予約無しの分までそのお店で確保してあるかどうかはちょっと分かりませんから、問い合わせてみてくださいね。

毎年、最初の搾りのお酒に口をつける時に、初めて杜氏をやった年の、本当に私の最初の作品を飲んだ時のことが脳裏をよぎるんです。やることなすこと思うようにいかずに、不安だらけで飲んだ最初の一杯。「酒にはなった」と。安堵感も何もなくて、それでも涙が出そうでした。もう10年以上前になるんだなぁ・・・。

それが今じゃぁ、これだ(笑)。あれほどの感激はもうないし、「俺は成長してんのか?造りは上手くなったんかい?」と自問しちゃいますよ(汗)。実際、この1号もろみは予定より辛くなっちゃったんだけど、「まっ、こういうのもありか!」と内心開き直ってます。こりゃ、内緒ですけどね(笑笑笑)。


□□□ みんな買ってねー! □□□
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中央アルプスの一日

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日曜のブログは、写真ブログで手抜きをしましょう(笑)。でも、そういう記事が手抜きになったためしがありません(涙)。写真ブログって、割り切って文章を付けなきゃいいんですけど、1枚ずつ説明なんかしていくと、結局いつもと変わりなく文字を打っていたりします。そう言えば、ホントの手抜きって最近ないなぁ・・・。飲みに行ったら、できるんだけどなぁ・・・。でも、次の日寝坊するしなぁ・・・(笑)。

『中央アルプスの一日』なんてタイトル付けましたけど、仕事に追われてるんだから、山の写真を一日に何回も撮っていられるわきゃないんです(笑)。それでも、快晴のある日に、同じアングルで3枚撮ったらとてもきれいだったので、それらの写真をメインにして、信州駒ケ根の冬を感じてもらいましょう。

これらの写真は、2週間くらい前のものです。その間に山には雪が降ったりしましたが、新しいものは溶けてしまって、今日の中央アルプスもこの写真の様子とほとんど変わりがありません。ですから、今日の写真だと思い込んで見てください。決して間違いではありません(笑)。

この日は一日中快晴で、中央アルプスに雲がかかることはありませんでした。だから、写真に撮っておこうなんて思ったんですけどね。1枚目は、朝食を食べた後にトイレに出た時の写真です。6時半頃です。曇っているように見えますが、空は澄みわたっていて寒かったです。何となく中央アルプスが背景の空から浮かび上がっているように見えたんですけど、携帯カメラじゃその辺は伝わんないやね(汗)。

2枚目は、仕事が本格稼働し始める8時頃です。朝日を前面に浴びて、白く輝く峰々は神々しくもあります。中央アルプスを隔てた木曽谷には山岳信仰みたいなものがありそうですが、伊那谷ではあまり聞きません。それでも、山を想う気持ちは強いものがあると思います。思わず足を止めて見入っちゃうっていう感じです。

3枚目は、1時半頃。太陽の位置が変わると、山の表情も一変しますね。こんなに陰影のある山の様子を見ると、ヨーロッパのアルプスのカッコいい写真と大して変わらないと思うのは私だけでしょうか。ちょっと、電信柱が邪魔なんですけどね(汗)。いつかこの山を背景に写真を撮って、「スイスに行ってきました」っていう年賀状でも作ろうかと思ってるんですけど・・・(笑)。

最後の写真は、それより数日後のものです。山のかなり上の方に、妙に白い部分が一ヶ所あるじゃないですか。そこがロープウェイの駅なんです。ちょうど朝日が建物のガラスに反射して光り輝いていました。ハイヒールでも、あそこまで行けちゃうんだから、スゴイと思いませんか。一年中動いてますから、是非皆さんも観光にお越しくださいね。

ちなみに、この写真だと位置関係が説明し易いから書いておきますが、あの光の右斜め上にある一番高くて鋭いピークが『宝剣岳』です。名前の知られている『駒ケ岳』は、その更に右の、雲がかかりかけたあたりの奥にあって、下からは見えないんだって聞いていますが本当でしょうか?地元の人間がよく分かっていなくてスイマセン(汗)。

こんなに素晴らしい山々に囲まれて、信濃鶴は造られています。この自然を酒蔵そのものとして、水や米といった天与の恵みを酒にしているわけです。全国各地の酒蔵も、その地独自の環境によって酒造りをしているわけで、いくら同じように造ろうとしても各蔵の個性がにじみ出た酒になるんでしょう。自然には感謝するしかないんですよねぇ。


□□□ クリックすれば駒ケ根観光をした気分! □□□
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蒸米のゆくえ(8)

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さあ、『蒸米のゆくえ』シリーズの最終回です(たぶん)。とりあえず、最後に今回私が苦労に苦労を重ねて書いた(笑)、『蒸米のゆくえ乃図』の全体の写真を載せておきますね。基本的にはこの図にある酒母、添、仲、留の4つの仕込で全てを網羅しています。他にも蒸米がもろみに投入される場合もあるんですけど、今回はそこには触れないでおきましょう。

結局、蒸米ってひと言で言っても、その行き先は8通りもあったんですね。酒母、添、仲、留の4つの仕込のそれぞれに、麹用の蒸米ともろみに直接入れるための蒸米の2種類があるっていうことです。それでも、仕込っていうもののパターンはどれでも一緒だっていうこともお分かりいただけたでしょうかね。

簡略な仕込みの場合には、それほど分けて考えないことが多いわけですが、大吟醸のように精緻を尽くした仕込に挑戦しようとする時には、しっかりと区別して蒸す前の処理から別々に取り扱いをするんです。それはほんの少しの違いでしかなかったりするわけですが、「いい酒を造るためにはどんなことでもやる」という気概を持って、全国の蔵人たちは頑張るわけです。

ここで注意しておいていただきたいのは、この『蒸米のゆくえ乃図』は蒸米のみに着目して作成した図ですから、お酒の原材料はこれが全てではないっていうことです。原材料っていう点から言えば、どうしても書かなくっちゃならない添加アルコールなんかも書いてありません。まあ、信濃鶴には入っていませんから、それは問題ないんですけどね。

酒造りに詳しい方なら、酒母の説明の段階で「乳酸はどうなってんだよ」と思われたかもしれません。信濃鶴のために仕込む酒母には、雑菌の繁殖を抑えるために最初に乳酸というものを入れてあったりしますから、全ての原材料だと思わないで下さいね。しかし、一般の人が理解しておくには、この図に添加アルコールだけが加味されれば十分でしょう。

最後に、ちょっとおまけの写真を撮ってみたんです。この図に写っているタンクは、現在実際には使っていませんが、ちょうどいいところにあったので並べてみました。後ろにあるNo15は約5000リッター、手前のNo73は約600リッターの容量のタンクなんです。もろみ用と酒母用のタンクです。

仕込サイズのイメージを持ってもらえたらいと思うんですけど、5000リッターのもろみタンクがあれば、1500キロのお米を使った仕込みをすることができます。そのもろみ用の酒母を仕込むためには、酒母の割合は全体の7%だなんて前回書きましたが、5000×7%=350リッターくらいのタンクがあれば間に合うことになるじゃぁないですか。

長生社では、酒母は2個分を1つのタンクに一度に仕込んでしまいますから700リッター程度が必要になるっていうことです。No73はそれよりも若干小さめですが、このくらいのタンクで酒母を仕込んでいます。酒母ともろみっていうのはこのくらいの比率があるっていうわけですね。

更に面白いのは、タンクに掛けてある梯子に置いてある小さな白い容器です。これは何かっていうと、私たちが醸造機関から買ってくる酵母が入ってくる容器なんです。最初はこんなもんしか酵母の量はないんです。もっと少ない場合だってありますよ。ただし、酵母の密度は高いわけですけどね。

これが、No73くらいに増やされて、それが更にNo15くらいまで3段仕込によって増量されていくんですね。『蒸米のゆくえ乃図』で、円でかこってある『菌』、『酒母』、『もろみ』に対応した容器がこの写真の中に入っているっていうことです。「そんなもんなんだな」っていうくらいに思っていただければ結構です。

さて、これにて本シリーズは完結とします。分かりにくい部分もあったと思いますが、最後までお付き合いいただいてありがとうございました。結局8回もかかっちゃいましたね(汗)。いったん構想がまとまると、ブログネタの何回分にもなるので、とても重宝なんですよねぇ(笑)。さてさて、次はどんなシリーズにしようかなぁ・・・。


□□□ サンセールさんの勢いに抜かれるかな? □□□
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タオル

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ふと手に取ったタオルを見て、「こいつも重要な小道具だよなぁ」なんて、いきなり思ったもんだから、写真まで撮っておきました(笑)。毎回蔵に入る前に手を洗いますが、その手を拭くためにいつも作業着のポケットに入っているものです。よく考えると、こんなもんでも、酒造りのための大切な役割を担っていると言えるかもしれません。

蔵の中では麹菌と酵母菌という微生物を飼っているわけですから、その他の微生物が入り込まないように常に注意していなくてはなりません。『手洗い』っていうのはそのための最も重要な基本動作であって、体に染み込んだ習慣でなくてはならないと思います。きっと、プロになればなるほど、しっかりと手を洗っているでしょうね。

何も雑菌が手のみを経由して、麹やもろみを汚染するわけじゃありません。衣服にだって付着しているし、空気中にだってウヨウヨしています。それでもやっぱり手指の清潔は、食品を取り扱う作業者にとっては、いつでも注意していなくてはならないポイントです。そういう意識を持っている人は、自ずと作業着の汚れにも気を付けるようになるでしょう。

とにかく何回も手を洗うんです。蔵に入る前に自分の靴から蔵専用の長靴に履き換えて、流しで手を洗って消毒をして、ポケットにあるタオルで手を拭く、っていう動作を一日のうちで何回繰り返すか分かりません。20回くらいやることになるのかなぁ。蔵に入る前には、勝手に体がそう動くんです(笑)。

それ用のタオルは何枚も用意してあって、いつでも新しいものが使えるようになっています。洗い物をしていてホースの水をかぶることもあるし、汗を拭くこともあるし、何に使うか分かりませんからね。でも、手を拭くだけだったら1日に2枚もあれば足りるでしょう。女房が常に用意してくれています(感謝!)。

この他にも、麹室(こうじむろ:麹を造る部屋)では大量の汗をかくので、毎日1枚バスタオルを使います。吟醸用の麹を造る時なんかは、蒸米を高温の部屋の中で乾かす作業をしたりするので、バスタオルが絞れるかと思うくらいにグッショリしますよ。上半身は裸ですが、そんな時はパンツも靴下もベトベトです(汗)。

タオルなんて酒造りの教科書に必要な物として載っているわけじゃありませんが、それと同じレベルで酒造りを支えているベーシックアイテムみたいな物が、蔵の中にはたくさんあるような気がします。麹の箱を払うための小さなホウキとか、酒母タンクに掛けるホコリよけの布とか、使う場所ごとに専用になっているバケツとか。

そんなこと言い始めれば、毎日何かを縛るために使っているヒモの1本まで対象になってきますが、でも、そのヒモ1本がないと困ったりするんですよね。蔵にはそんなものだらけだっていう気にもなります。何気なく置いてあるヒモの1本にも使用目的があって、意味なくそこにあるわけじゃぁなかったりするんですよね。

その意味が全て分かるようになるには、その蔵で何年も働かないとならないでしょうが、20年近くも働いている私でも、いつもはタッチしていない仕事に関しては、なんでそれがそこにあるのか、そういう状態になっているのか分からないこともあります。でもね、「何か意味があるんじゃないか」っていうオーラは感じることができるんですよね。(笑)。そういう時は「まかせたっ!」っていう割り切りで、見て見ぬふりをして、それが杜氏としての度量の深さだっていう勝手な解釈をしてます(汗)。

いずれにしても、手を洗ってから蔵に入るっていうのは、蔵人としての基本であって、面倒臭くてもそれをやっていることに、蔵人としての誇りを感じられるようでなくてはならないと思います。そして、タオルのような基本的な物にこそ、その蔵やそこで働く蔵人の、仕事に対する誠意が表れているのかもしれません。


□□□ サンセールさんが復活してきた! □□□
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ブログの旬

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本当に久しぶりのことなんですけど、ブログランキングで往年の(?)『おやじダンサーズ&トーコ』の4人組が並びましたね。たまたま、今日の写真では私が上位にいますが、最近はbossやトーコ姉貴が上にいることの方が多いです。ちなみに、私の一つ上にいる齋藤さんもよく知っています。

一時期、越百のえっちゃんが調子のいい時にはベストテンに入っていましたから、その時には10人のうちの6人は仲間だったことになります。更に言えば、bossはモルト侍さんとは懇意みたいですから、間接的に7人が知り合いだったことになるじゃぁないですか。これってスゲーことじゃないでしょうかね。

お酒が媒介する仲だからなのか、お酒のランキングってみんな仲がいいんですよねぇ(笑)。実際に、今の時点でのみんなの記事の中身は、bossとトーコ姉貴が駒ケ根ブロガーから送られた地ビールの話を書いてるし、サンセールさんは八兵衛のお燗のこと書いているし、ちょっと話題が内輪過ぎ?・・・(笑)。

別にベストテン内を特別扱いするわけじゃなくて、この『お酒・ドリンク』部門には、hamaちゃん、黄身ちゃん、aSaっち、そして最近エントリーしたビール屋タケちゃんなんていう、駒ケ根飲兵衛ブロガーたちがひしめき合っています。『お酒・ドリンク・駒ケ根』部門でもいいくらい(笑)。

その他には、酒造メーカー関係、酒販店関係、居酒屋関係の知り合いブロガーさんも何人かいますね。そのうちのかなりの方たちとは、実際にお会いしています。そういう知り合いが何人もできてくると、もうリアルな御対面がなくても『ブログ仲間』っていうひとくくりになって、会っていようがいまいが関係なくなってきちゃいますね。

きっと、ブログランキングに登録していても、同じカテゴリーの中に友達が少なければ、別のカテゴリーにも読みにいくんでしょうが、私はこの『お酒・ドリンク』内に友達が多すぎて、他に読みにいくことがなかなかできません(汗)。こういうのを、「井の中の蛙大海を知らず」って言うんでしょう・・・ちょっと違うか(笑)。

お陰様で、多くの読者の方に支えられて、ランキングはいつも上位に置いていただいています。本当にありがとうございます。それでも、ブログも3年目ともなれば、新しいブロガーが次々と出てきて人気を博しますよね。徐々にですが、自分のブログも旬を過ぎようとしているんじゃないかって思うようになりました。

最近順位が後退しているから、イジケてんじゃないですよ(笑)。やっぱり読む側にとっても、新鮮で勢いのあるブログって楽しいですもんね。自分としては同じようなテンションで書いているつもりでも、慣れっていうのもあるだろうし、ランキングだけに着目すれば、ずーっと上位定着っていうことも難しいでしょうね。

ですから、ブログをある程度続けていくには、これからが大事なのかなぁって思うんですよね。ランキングはひとつの指標であって、一番の目的は多くの皆さんに楽しく読んでもらうことですから、そこを見失わないように、でもランキングで上位にいればより多くの人の目に留まるっていう向上心も忘れずに、これからも頑張りたいと思います。

そう言えば、ブログランキングの順位を見ていて『幻の無銘酒たち』っていうブログの紹介文に「無銘蔵の発掘-飛露喜-佐久の花-信濃鶴・・・」なんて書いてあるじゃぁないですか。誰かと思って拝見すると、東京の杉浦酒店さんが新しく始めたブログでした。信濃鶴を売っていただいているお店ですが、鶴以外は名前の通った売れ筋銘柄もたくさん扱っておられます(笑)。こちらの方も見てあげて下さいね。

今日、話題に上ったブロガー達は全員『お酒・ドリンク』ランキングにいます。リンクを張ったりしませんから、ランキングのページを見てください(手抜き!)。さて、私が落ち目になった暁には、越百のえっちゃんあたりに駒ケ根ブロガーの先頭を切ってもらおうかな。それとも、ダークホースの黄身ちゃんあたりが、ぶっちぎりっていうのもいいねぇ(笑)。


□□□ 久しぶりのブログ雑感でした □□□
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蒸米のゆくえ(7)

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『蒸米のゆくえ』シリーズの最後の種明かしです。もろみの仕込は『麹・蒸米・水』をワンセットにして、『添・仲・留』の3回に分けて仕込むんだけれど、それとは別にアルコール発酵の主役となる酵母菌を培養した『酒母』を一番最初に用意しなくちゃならないのは分かった。しかし、その酒母とはいったいどうやって造るのか・・・っていうところからです。

その部分を、昨日までの図に付け加えました。ちょっと小さくなっちゃったので、拡大しておきますね。どうですか、昨日も言いましたけど、『添・仲・留』の仕込と全く一緒でしょ。『麹・蒸米・水』をワンセットにして、醸造機関から購入したほんの少量の酵母菌と一緒に混ぜるだけなんですよ。

『酒母』の仕込に使う麹も、『添・仲・留』の仕込に使う麹と全く変わりありません。蒸米の上に種をまいて造ったものです。ただし、『酒母』に使う麹は、『添・仲・留』に使う麹と要求される内容成分が少し違うもんだから、別々に造ったりすることもあります。でも、とにかく基本的には『酒母』の仕込も、『添・仲・留』の仕込も、物量や配合割合は違っても、全く同じパターンっていうことです。

乱暴に言えば、一番最初に買ってきた『酵母菌』に、『麹・蒸米・水』のワンセットを混ぜて『酒母仕込』をして、次に『麹・蒸米・水』のワンセットを混ぜて『添仕込』をして、更に『麹・蒸米・水』のワンセットを混ぜて『仲仕込』をして、最後も『麹・蒸米・水』のワンセットを混ぜて『留仕込』をして、もろみの仕込は完了するんです。

ここでは、分かり易くするために細かい部分はぜーんぶブッ飛ばして説明してきましたが、間違いはありませんからね(笑)。一番最初に買ってきた麹菌に、4回に分けて『麹・蒸米・水』を投入したっていう形です。あとは、それぞれの仕込はかなり異なったもので、それほど単純じゃないっていうくらいの認識でいいんじゃないですかね。

だったら、『酒母仕込』と『添・仲・留仕込』と何が違うのっていう話になるかもしれませんから、ちょっとだけ説明しておきましょうか。『酒母』は元気な酵母菌をいかにたくさん増殖させるかが主目的なわけです。発酵をスタートさせるための原液ですから、ある意味で味は二の次でいいわけです。

ところが、『添・仲・留仕込』の方は、当然酵母菌の増殖を図りながらではありますが、いかにいい味のお酒にするかが主目的になるわけですから、それに向いた配合割合だったり温度管理をすることになるんです。やっていることは同じに見えても、目的が違っていますから、取り扱いも別々っていうことになるんですね。

さあ、もうこれ以上この図に書き加えることはありません。いや本当は、いろいろと言い出せばキリがありません。この図に出てこない蒸米をもろみに投入することだってあるんですよ。でも、それは大きな流れからは外れた処理になりますし、全体を理解するにはこれで十分だと思います。

もっと詳しく説明しようとすると、私の説明が大変になりますからもう止めますが(笑)、あともう少し現場の様子を紹介して、このシリーズは終わりにしましょう。いったい何種類の蒸米が登場したでしょうか。本当に私はこれだけを頭の中で分けて処理できているんでしょうか・・・疑問だ(笑笑笑)。


□□□ クリックすれば疑問解消? □□□
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蒸米のゆくえ(6)

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蔵で毎朝蒸しているお米が、どんな流れで仕込まれていくのかお話している『蒸米のゆくえ』シリーズですが、私の流麗な筆跡(?)による手書きの説明図には、まだまだ足りない部分があるんです。そんなこと気が付いていた読者もいらっしゃるでしょうが、大きな心で見ていただいて、もう少しお付き合いくださいね(笑)。

当たり前と言えば当たり前のことなんですが、タンクに麹と蒸米と水を入れてかき混ぜただけじゃぁ、決してもろみは発酵してきません(笑)。そんなことになれば、麹さえ何とかなれば、誰でも日本酒が造れちゃいます。絶対にできないとは言いませんが、神がかり的なまぐれでも続かない限り到底不可能でしょうね。

そんじゃ、発酵させるためには何が必要なのかってことになりますが、ゴチャゴチャ言わずに答えだけ言いますね。それが『酵母菌』です。ここで酵母菌について話し始めると、際限なく道がはずれていきますから、詳しいお話はまたいずれ取り上げます(汗)。とにかく、もろみの中で発酵してアルコールを造っているのは酵母菌なんです。

そいつは一体いつもろみに入れられるんでしょうか。まあ、普通に考えれば一番最初に入れるでしょうね・・・イヤ、一番最初に入れるんですよ、ホントに(笑)。これまでご覧いただいてきた図に、またもうひとつ書き加えました。『酒母(しゅぼ)』って書いてありますね。実は、これは酵母菌の培養液なんです。

この図の左から順番に仕込が進んでいくと思ってください。ですから、一番最初に仕込みタンクに入れられるのが、この酒母なんです。仕込み全体の量からするとほんの少しだけなんです。例えばお米1トン分の蒸米を使う仕込だったら、70キロ程度の蒸米を酒母のために使います。総体の7%程度の量が一般的だと思います。

こんなに少ない量なもんだから、残りの93%にあたる麹や蒸米とそれに見合う水を一気に投入してしまうと、菌体の数が希薄になり過ぎちゃって、うまく発酵しないんです。だから、『三段仕込』をするんですね。少しずつ仕込んでいくことで、酵母菌の増殖や発酵もスムーズにスタートするっていうことです。

この酒母も蔵の中で自分たちで造らなくっちゃなりません。酒母のおおもとになる酵母菌は買ってくるんです。ここでも皆さんいろいろと疑問が頭をもたげるかもしれませんが、いろんな説明をしていると全然先に進みません。皆さんは手のひらに乗るくらいの容器に入った酵母菌が、ある醸造機関から送られてきたっていう場面をいきなりイメージして下さいね(笑)。これも、もろみと一緒で乳白色をしています。

これっぽっちの酵母菌じゃぁ、とてもじゃないけどいくら三段仕込をしたって、1トンもの麹や蒸米を発酵させるなんていうことはできません。ですから、1トンの仕込みに耐えられる量になるまで、仕込をする前に拡大培養しといてやるんですね。それが酒母なわけです。

拡大培養なんて面倒くさいことを言わずに、必要な量だけ全部買えばいいじゃんと思われるかもしれません。でも上で書いた、例えば70キロ分の蒸米を使った酒母っていうと、小さな風呂桶程度の量になりますから、どうやっても通常の物流ルートに乗るわきゃぁありません。何としても自社で造らなくっちゃならないんです。

それじゃぁ、この酒母の中身は何なのか、どうやって仕込むのか、麹は使うのか、蒸米は投入するのか、水はどうするのか・・・ご安心ください、これまでこのシリーズをお読みになってきた読者のみなさんにとっては、簡単なことです。これまで説明してきたもろみの仕込と全く一緒なんですよ。最後の種明かしは、次回に持ち越しです。


□□□ 久しぶりにちょっとだけベスト3に入りましたね □□□
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蒸米のゆくえ(5)

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さて、『蒸米のゆくえ』のお話の続きです。前回見ていただいた図で『蒸米』を探してみると、添仕込、仲仕込、留仕込のそれぞれに、麹用の蒸し米(麹米)と仕込み用の蒸し米(かけ米)があって、ひと言で蒸米って言っても6種類もあるんですよっていうところまでお話ししましたよね。

実際の現場で6種類の蒸し米を厳密に区別することは少ないかもしれません。例えば、添仕込の麹用蒸米と、仲仕込の麹用蒸米は一緒に取り扱っておいて、麹として出来上がった後でそれぞれの割合に分けるとかね。仕込み用の蒸米も、蒸す時には全く同じに蒸しておいて、決められた分量ずつ別々のタンクに送り込むとか。

しかし、純米大吟醸といった高級酒の仕込みになると、この6種類をすべて独立して処理することになります。これら各々の蒸し米の何が違うかっていうと、使用する原料米が同一だとしても、麹用の蒸し米と仕込み用の蒸し米では、洗米する時に米に吸わせる水の量が違います。同じ麹用の蒸し米でも、添仕込の麹用の蒸し米にまく麹菌の量と、仲仕込の麹用の蒸し米にまくそれは意識的に変えるんです。

更に頭がこんがらかることに、その日の仕込みの中に複数品種のお米を使うっていうことになると、この6種類を厳密に分けて考えなくっちゃならなくなります。添仕込と仲仕込みの麹用の蒸し米は吸水率31%の山田錦で、留仕込の麹用の蒸し米は吸水率33%の美山錦で、添仕込の仕込み用の蒸し米は吸水率29%の山田錦で、仲仕込の・・・ね、分かんねーでしょ(笑)。

皆さんを煙に巻こうとして、私自信も分からないほど複雑なことを書きました(汗)。実際にはこんな状況になることは稀でしょう。分んなくてもいいですから、忘れてください(笑)。つまりね、やっぱり頭の中ではしっかりと区別して考えておかなくっちゃならないっていうことです。お米を洗うところから、それを蒸して各々の仕込みに分けていくところまで、杜氏さんの頭の中にはしっかりとした計画が叩き込まれているんです。

この計画っていうのは、酒造りが始まる前にしっかりと立てておかなくっちゃなりません。どういうもろみを何本造って、それにはどういうお米を使って、仕込みの日付をいつにしてっていう詳細な計画を作っておくから、その日の蒸し米がどういう内訳になるのかっていう把握ができるわけです。長生社みたいに、地元産の美山錦しか使わないなんていう単純な蔵でも、この計画を立てるのには毎年苦労します。

仕込のサイズが何種類もあるとか、仕込の組み合わせ方の基本パターンだとか、話し始めればもっともっと複雑なことになっちゃいますから、それ以上はつっこまないことにします。蒸米のゆくえはいろいろあって、蒸米にする前からも処理が違っているんだなぁ、くらいに理解してもらえばいいんじゃないですかね。

写真は実際の仕込の様子です。長生社の蔵人Kさんがもろみの仕込担当です。手にはもろみを攪拌するための櫂棒(かいぼう)を持って、上から落ちてくる蒸米と、タンクの中にある麹や水とを混ぜ合わせています。物量が少ない添仕込ならまだしも、蒸米の量が多くなる留仕込になると、相当な重労働です。Kさん、いつも御苦労さま。

そんなに複雑なら、『添・仲・留』なんて3回に分けないで、1度に全部仕込めばいいじゃんってお考えになるかもしれません。でも、それはやっぱり日本酒の長い歴史が培ってきたやり方であって、もろみの『三段仕込』は酒造りの大原則でしょう。簡単に言うと、一気に仕込んじゃうと『酵母』の菌体数が希薄になり過ぎちゃって、上手に発酵に導けないっていうことです。

・・・さあ、ここで『酵母』っていう言葉が出てきてましたが、前回示した蒸米の図にはそれがないじゃないですか(汗)。いくら上手な杜氏が仕込んだとしても、タンクに麹と蒸米と水を入れてかき混ぜただけじゃぁ、決してもろみは発酵してきません(笑)。あの図には、まだまだ足りない部分があるんですねぇ・・・それは、次回のお楽しみ。


□□□ みんなのランキングのポイントが最近少ないですね □□□
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お造り御見舞(本編)

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実は昨日は、ブログのタイトルにある『お造り御見舞』をいただいたことを記事にしようと思ってたんですが、何となく全編娘の話になっちゃいました(汗)。かわいい愛娘を思う男親の気持ちの表れだと、笑って許して下さい(笑)。このブログタイトルにして書きたいことは、全く別のところにあったんです・・・。

造りが始まってからというもの、いろんな方から「酒造りが始まって大変でしょうけど、頑張ってください」っていう内容の励ましのお言葉を頂戴しているので、返礼も兼ねてブログで紹介させてもらおうと思ってたんです。そのほとんどが、このブログを書いていたおかげでかけてもらえた言葉じゃないですかね。

『お造り御見舞』なんて、ちょっと変な感じじゃないですか(笑)。残暑御見舞とか寒中御見舞なら分かりますけど、「酒造り始まって大変だけど頑張ってね!」っていう御見舞は、そうもらえるもんじゃありませんよね。造り酒屋冥利に尽きると言う程のことではないかもしれませんが、それだけ気にかけてもらっているっていうのは、素直にうれしいもんです。

もっと言えば、気にかけてもらっているということよりも、皆さんが「そんな時期になったんだなぁ」と季節感を持って、日本酒のことを考えていてくれるっていうことが心強いわけです。日本の文化には季節感を伴ったものが多いわけですが、寒くなってきたら酒造りの季節だっていう感度を、是非持っていていただけたらうれしいですね。

話はちょっと逸れますが、酒造りの季節になって、私が丸坊主にして髭もチョビチョビ生えてくると、その姿を見て私の周りの人たちは一斉に「あぁ、今年も酒造りの季節になったのか」って思ってくれるみたいです(笑)。そういう効果も狙って、季節感をこの地元に振りまくためにも丸坊主にしている・・・わけじゃぁないんですけどね(笑)。

写真の1枚目は、この『お造り御見舞』という言葉の創始者(?)のぶどう屋さんから頂いたはがき。見たとたんに、面白い言葉だなぁって思いましたよ。ある日の私のブログに関してのご意見と、ご自身の近況なんかを書いて送ってくれました。私は苦手でいけませんが、自分の手で書いた手紙っていいもんですよね。ヘタウマ路線を狙って私も書いてみようかと思ったりもしますが、時間がないのを言い訳にしちゃうんですよねぇ(涙)。

次は、2か月ほど前に会社にお見えになった、ブログ読者の方から送っていただいた写真と海苔。駒ケ岳に遊びに来られて、ついでに長生社にもお寄り下さいました。ちょうど私も会社にいたので、少しお話させていただいたんですよね。かなりの信濃鶴フリークで、たくさんご購入いただきました。海苔は親族の方が務めておられた会社のもので、寿司屋さん用の海苔の規格外品ということです。お酒のつまみにと送っていただきましたので、今それを食べながらブログを書いてます(笑)。

3枚目は、福島県の根本酒店さんから送っていただいたもの。今日の晩御飯で使わせていただきました。きっと、根本酒店さんで扱われている商品なんだと思います。女房はそれらの商品の裏書を見て、「きっと、かなりこだわりを持って、商品をそろえていらっしゃると思うわ」って言ってました。どれも美味しかったですが、石垣島のラー油っていうのが絶品でしたね。根本さんにはいつも信濃鶴の注文FAXに一言添えていただいていて、元気をもらってるんです。

最後は、ついに登場のBOSS製のトマトソースを使ったパスタ。駒ケ根ブロガーの間では、しばらく前に登場していましたが、我が家ではシンプルパスタにしてみました。お世辞じゃなくって、美味かったなぁ。BOSSの腕もさることながら、素材のトマトがいい味してるんでしょう。特別に「美味い!」って感じさせることなく、バクバク食べさせちゃう力のあるソースでしたね。

他にもメール等で『お造り御見舞』をいただいています。皆さん本当にありがとうございます。くじけそうになった時には皆さんからの手紙を胸に・・・っていうのはウソですが(笑)、これを元気の源にして酒造りに励んでいますから、今年の信濃鶴にもまたご期待下さいね!!!

》》》》》》》》》》 【『お造り御見舞』創始者のぶどう屋さんのブログ】
》》》》》》》》》》 【言わずと知れたBOSSブログ】


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お造り御見舞

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今週は蒸米の話ばかりしてましたから、読者の皆さんも少し辟易してきたかもしれません。あんまり同じ話題ばかり続けても飽きちゃいますから、週末は全然かんけーねー話にしましょう。造りに関してならいくらでも書くことはあるし、私自身も書き易いんですけど、書いてるうちに読者の皆さんのことを忘れ去っているような気分にもなるんで、てきとーにインターバルを空けますね(笑)。

100%蔵の中の生活ですから、他の話題を探すのが大変なくらいですが、今日は娘が私にお弁当を作って持って来てくれて、どえりゃーうれしかったもんだから、その写真を載っけちゃいますね。お母ちゃんの手を借りずに、ぜーんぶ彼女が作ってくれたんだそうです。男の子じゃぁこういう芸当はできないだろうから、こんな時には女の子で良かったと思いますねぇ(涙)。

土曜日以外のお昼時間は、蔵人が一緒にご飯を食べているんですけど、土曜日だけは一緒に食べる人たちがお休みになるので、私ひとりでご飯を食べることになるんです。別のところで食べている社員たちもいるので、全員休みっていうわけじゃぁないんですよ。当然、土曜日だって仕込はありますからね。

そこで、娘はお父ちゃんへの慰労訪問のつもりで、お弁当を作って二人で一緒に食べようって計画してくれたみたいです。この場合、お母ちゃんは抜きです(笑)。「今日のお父ちゃんのお昼ご飯の面倒は私が全部見るんだから、お母ちゃんは手出ししないで!」くらいに思っているのかもしれません(笑)。二人分のお弁当を持って、お昼の時間に間に合うように、家から歩いて持ってきてくれました。

どんなに苦労してお弁当を作ったとか、最近の勉強の様子とか、読んでいる本の話とかしながら、二人で並んで食べました。蔵の生活が始まると、家へ帰る時間には娘はもう寝ていたりすることが多くて、親子の会話も少なくなっちゃいます。私が「ウンウン」と相槌を打つだけの会話ですが、久しぶりに父と娘の会話ができました。

でも、かなりのマシンガントークでしゃべってくれますから、ゆっくりはしてられません(汗)。「そーゆーところは、お前にそっくりだ」と女房に言うと、「私、そんなに一人でしゃべってなんかないわよ」って意外な顔をして反論されますが、じゅーぶんしゃべりまくってまっせ、あんたはん(笑)。

食べた後は、長椅子に横になって、少しだけお昼寝。彼女も別の椅子の上で、私に付き合って横になります。5分ほど目を閉じてウトウトして目を開けて横を見ると、娘はじっと私の方を見ていました。寝ないで、ずっとお父ちゃんの顔を見てたのかい?ちょっと恥ずかしいじゃないか。お父ちゃんの背中を見て育ってくれなんて言わないから、今のままのいい子でいておくれ。


□□□ 午後は気持ち良く仕事ができました □□□
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蒸米のゆくえ(4)

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昨日は、イメージをつかむだけで終わっちゃいましたね(笑)。じゃぁ、話を続けていきましょう。一昨日のブログに貼り付けた手書きの図は、単純に麹と蒸米と水がワンセットになってもろみに仕込まれているような図でしたが、事はあれほど単純ではありません・・・っていうあたりからですね。

『もろみの仕込みっていうのは、大きな仕込みタンクに、麹と蒸米と水を一緒に入れて、よーくかき混ぜること』だと単純に説明しましたし、それでいいんですけどね。実は、もろみっていうのは一度に全てを仕込んじゃうんじゃないんです。日本酒の仕込みの基本は『3段仕込み』といって、全体を3回に分割して仕込むんです。

1回の仕込みが『麹と蒸米と水』でワンセットになっていることに変わりはありませんが、もろみの仕込み総量を三等分するんじゃなくって、徐々に物量が増えていくような形になります。上の図は、またまた手書きで汚くてスイマセンが(汗)、一昨日の図に残りの2回分を書き加えてあるだけです。

この3段仕込みの1回目を『添仕込(そえじこみ)』、2回目を『仲仕込(なかじこみ)』、3回目を『留仕込(とめじこみ)』と呼んでいます。どの仕込を見ても、麹と蒸米と水がワンセットになって仕込まれます。麹が蒸米から造られていることも、全く同じことです。事はそれほど単純じゃないなんて脅しましたけど、同じ事を3回繰り返しているだけなんです(笑)。

図を見ていただいてもお分かりのように、この3回の仕込は添:仲:留の比が1:2:3くらいになっています。この図はその辺の比率を正確に表しているわけじゃぁありませんが、大体そんなもんだと思ってみてください。ちなみに麹用蒸米の割合は、仕込み用蒸米の4分の1くらいです。つまり、仕込みに使う全てのお米の20%程度を麹にして使用するっていうことです。

ちょっと面倒くさいこと言いますが、通常この3回の仕込を4日間かけて行います。最初の日に添仕込をします。そしたら、2日目は酵母の増殖を促すために仕込みを休むんです。そして、3日目に仲仕込をして、4日目に留仕込っていう具合になります。2日目に仕込みを休む日のことを『踊り』と言います。

頭がこんがらがってきましたか(笑)。まとめると、お酒の仕込っていうのは『麹、蒸米、水』のセットをタンクに投入して攪拌するんだけど、全体を『添、仲、留』の3セットに分けて『踊り』を間に挟んだ4日間に渡って仕込まれるっていうことです。まあ、上の汚い図で見て理解してもらえばいいんですけどね。それから、何度も言いますけど、丁寧に書けば、私はもっと字はきれい・・・なはずです(汗汗汗)。

さて、『蒸米のゆくえ』っていうタイトルで書いている記事ですが、上の図で『蒸米』を探してみると、添仕込、仲仕込、留仕込のそれぞれに、麹用の蒸し米(麹米)と仕込み用の蒸し米(かけ米)があるんだから、ひと言で蒸米って言っても6種類もあることになるじゃぁないですか。

この6種類をそれぞれに分けて考えるとなると、こりゃぁ結構大変なことになります。一緒に蒸しているように見える蒸米も、かなり細かく分けて考えなくっちゃならないっていうことがお分かりでしょうか。これ以上混乱しちゃぁいけませんから、今日はこの辺にしときましょう(笑)。


□□□ ここをクリックすると頭がすっきりします(嘘) □□□
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蒸米のゆくえ(3)

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昨日の復習からいきましょうか。『もろみの仕込みっていうのは、大きな仕込みタンクに、麹と蒸米と水を一緒に入れて、よーくかき混ぜること』だって言いましたよね。やってることは単純なんです。ただ、規模が大きいもんだから、蒸米だって何百キロになるし、仕込みの水だって何百リッターになるんです。大手の蔵なんかだったら、トン単位の話です。

さて、話ばかりじゃぁイメージが湧かないと思いますから、昨日の記事に出てきた登場人物を写真に撮ってみました。本当は昨日のブログに載っけるべきでしたね(汗)。何せ1日の中で余裕のある時間がほとんどないので、「ああいう写真が撮りたい」って思っても、思ったようには現場に行けなかったりするんですよ。他のことやってると、写真のことなんかほとんど頭から抜けちゃうしねぇ(笑)。

この写真、今日の仕込みの最中に準備したんですよ。他の蔵人は仕込み作業をやってんのに、「専務何やってんだか」という冷たい視線をものともせずに、ちょっとずつ現場から盗んで並べてみました。忙しい中を、あっちに行ったり、こっちに来たり、これだけ手間をかけて1枚の写真を撮ることも珍しい(笑)。

1枚目の写真の左から、麹、蒸米、仕込み水、もろみの順です。これまでももろみなんて何回もこのブログに写真が出てるはずですが、タンクの中にあるもろみを写真に撮っても、何か乳白色だけは分かるんだけど、どんな性状かなかなか伝わらないんですよねぇ。ビーカーに少しだけ取って、大写しにしてみましたけど、少しは分かるかな。

本物の仕込みタンクの中で発行しているもろみは、中から「ポコポコ」と炭酸ガスの気泡が浮かんできています。発酵の進み加減にもよりますが、発酵がこちらの意図した状態よりかなり進み過ぎちゃったようなもろみは、小さな泡がたくさん出て「シャーシャー」っていうような音になります。これは『早湧き(はやわき)』と言って、あんまりよろしくない状況なんですけどね。

それから、昨日も書きましたが、麹はこの段階では白く映った完成品ですが、この麹に仕上げる前の段階では、こいつも蒸米だったんですよ。毎朝、米を蒸す作業はあるわけですが、麹用の蒸し米(麹米)と、仕込み用の蒸し米(かけ米)が混在したりしているわけです。しかし、出処は同じ蒸米っていうことになりますね。

このようにしてみると、日本酒っていうのは徹底的に米だけからできているんですよね。我々の祖先が編み出した、稲作農耕文化の華なんだと思います。米だけから、あの味とあの香りが造り出せるんだから、不思議なもんです。でも、その根底を流れる酵母菌によるアルコール発酵の原理原則は、世界中のどこへ行っても、歴史をいかに遡っても、古今東西全く一緒だっていうのが面白いところですね。

さて、少しイメージがつかめたところで、昨日の話の続きをしましょう・・・って言っても、もう今日は紙面切れですね(汗)。昨日のブログに貼り付けた手書きの図は、単純に麹と蒸米と水がワンセットになってもろみに仕込まれているような図でしたが、ことはあれほど単純ではありません。続きは、また明日。


□□□ 地道にやんなくっちゃ □□□
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蒸米のゆくえ(2)

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さて、こんな解説を始めちゃって、いきなり後悔モードに入っている岳志ですが(汗)、とにかく話し始めるきっかけとして、『もろみ』っていうものについて説明しましょう。『もろみ』っていう言葉はいろんな発酵物の醸造過程で出てくる言葉です。お酒の、醤油の、お酢の、味醂の『もろみ』があるわけです。

お酒に関して言えば、『もろみ』っていうのは酵母菌が発酵して、お米からアルコールを造り出している途中の、半固体半液体のドロドロしたものなんです。『もろみ』の『仕込み』が終わると、すぐさま『もろみ』の中で酵母菌が増殖して発酵を行って、数週間後に発酵が終了した『もろみ』は『ろ過』されてお酒になります。

この『仕込み』から『ろ過』までの期間、ずっと『もろみ』っていうひと言で表現されているわけですね。『もろみ』を『ろ過』すれば、お酒と酒粕に分離されることになります。つまり、『もろみ』っていうのは、目的とする液体と粕とが混ざり合った、発酵途中の何かドロドロしたものっていうことになるでしょうか(笑)。

ここで、何気なく『もろみ』の『仕込み』っていう表現が出てきましたが、今日一番皆さんに分かっていただきたいのはこの部分です。『仕込み』って何なんだべさーっていうことです。カレーを『仕込む』、メールにウィルスを『仕込む』、会話のネタを『仕込む』、なんて言えば分かりますけど、『もろみ』を『仕込む』とはどーゆーことなんでしょう。

写真の汚い図を見てください(汗)。時間がないのできれいに書いてませんが、一生懸命に今日の仕事をしながら考えた図です。いいですか、よーく聞いて下さいね。『もろみの仕込みっていうのは、大きな仕込みタンクに、麹と蒸米と水を一緒に入れて、よーくかき混ぜること』だと思ってください。

どうですか?カレーを『仕込む』より簡単でしょ(笑)。まあ、実際には、大変な物量になりますから、蔵人総出での重労働になります。具体的な手順を言えば、まず水と麹をタンクの中に入れてかき混ぜておいて、1時間ほどして麹の成分が水に溶け出してきたら、そこへ蒸米を投入していくっていうことになるでしょうかね。

はい、ようやくここで『蒸米』が出てきました。朝、蔵で蒸された蒸米のゆくえは、麹や水と一緒に、仕込み用のタンクにぶち込まれるっていうことになります。「なーんだ、単純じゃねーか」と思われるかもしれませんが、そうなんです、単純に理解しておいてください。そんなに難しいこたぁないんですよ。

さて、ここでの注意点は、麹も蒸米から造られているっていうことです。麹は蒸米に麹菌の種を振りかけて、2昼夜かけて造るんです。ですから、麹も元々は蒸米だったっていうことです。すると、蒸米には2種類あるんですね。『麹用の蒸し米』と『仕込み用の蒸し米』と。前者を『麹米(こうじまい)』、後者を『かけ米』と呼んでいます。

今日は、この辺にしておきましょう。理屈っぽいことをたくさん詰め込んでも、飽きちゃいますからね。とりあえず、単純な仕込みのイメージを持ってもらえればいいと思います。次回は、もうちょっと実践編です。それから、丁寧に書けばもっと字はきれいなんですよ、私だって(笑)。夜中にこんなことやるもんじゃないですよねぇ・・・。


□□□ どこまで落ちるんですかねぇ(汗) □□□
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蒸米のゆくえ(1)

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しばらく前のことになりますが、このブログの読者のタッキーさんからコメント欄で質問を受けたんです。蔵の中のいろいろな機械の説明をしてもらえば、それなりにその機械だけについては分かるんだけれど、蔵の中で蒸したお米がどのような流れでお酒になるのか、イマイチよく分からないっていうような内容でした。

実はこれを説明しようとすると、案外ややこしいんだな、これが・・・(汗)。私のブログでも、その他の造り酒屋関係のブロガーさんたちのブログでも、「蒸米を仕込みました」とか、「麹用の蒸米を運びました」とかひと言で片付けちゃってるんですが、蒸したお米が仕込まれていく過程っていうのは、いろいろな段階があって一様ではありません。

いちいちその辺のことを説明しながら記事を書こうとすると、本来の記事よりもそっちの説明に手間取ってしまうので、日々の記事の中ではあえて『蒸米』という総称で呼んで、細かいことには踏み込まないんですよね。手抜きって言えばそうなんですが、記事全体とするとその方が分かり易いっていうことです。

ブログ上では私は『タッキーさん』なんて『さん』付けで呼んでいますが、実は地元の青年会議所で一緒に活動をした、私の可愛い後輩なんです。見てくれはそんなに可愛いくはありませんけどね(笑)。全く知らない読者さんからの質問であればそうは思いませんが、身内からの質問なので「何てぇ質問するんだよ、コイツ!」っていう感じなわけです(笑)。

しかし、売られたケンカは買わなくっちゃなりません(笑)。何とか大体の流れだけでも皆さんに分かるように、あえてこれまで触れなかった部分を一回ここで説明してみようかなぁなんて思ってます。皆さんに分かってもらえるか、あまり自信はないんですけど、明日から何回かに分けて酒造講義に挑戦してみましょうか。

細部にわたって理解してもらうことはできないかもしれませんが、ここで言いたいことは、「ひと言で蒸米って言っても、蔵の中の行き先はいろいろとあって、それぞれに違った仕込みのために区分されている」っていうことです。毎朝蒸し上げるお米は、たとえまとめて蒸されていても、実は用途の違った数種類のお米が混ざったものなんです。

写真は『放冷機(ほうれいき)』と呼ばれる機械で、この奥で蒸されたお米がベルトコンベアに乗って移動してくる間に、強制的に空気を通風することで、蒸米を目標の温度になるまで冷やすためのものです。何せうちの放冷機は骨董品で、博物館行きくらいのもんですが、一応は機能しています(汗)。

ご覧のように、蒸米の間に仕切りがあるわけじゃありませんし、色で区別するわけでもありません。この写真の蒸し米は2か所に分けて仕込みました。この日はこれとは別にもう1種類のお米を蒸していたんです。ですから、この日の朝は全部で3種類の蒸し米を仕込んだことになりますよね。さて、どんな区別だったんでしょうか。

》》》》》》》》》》 【面倒くさい質問をしてくれちゃったタッキーさんのブログ】


□□□ 順位なんか気にしないぞー(涙) □□□
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文章力(つづきのつづき)

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数日前に、『文章力』っていう記事を2日続けて書きましたが、実は3回シリーズのつもりで書いてました。その後に飲みに行ったり、朝寝坊したり、蕎麦会があったりして、途中抜けてしまいましたが、今日はその最終回を書こうと思います。でも、実は今日書こうと思っていた内容は、サンセールさんにコメントで言われちゃってたんです(涙)。

さすがに岳志のことをよく知っている男だと思いましたね。どんなコメントだったかっていうと『理系って事もポイントでしょ』っていうタイトルで・・・
『川端康成が小説家を目指す人達に、「小説家になりたいなら数学を勉強しなさい」と諭したなんて逸話があったような気がします。一つの答えを出すのに計算式は何通りもあるから、小説の筋道を立てる訓練になるって事なのかも知れませんね。理系の岳志さんは、そんな力も無意識のうちに養われていたのでしょう』
・・・って書かれてました。いつもはダッサいおやじギャグを連発して、ドテッと転んでコテンと寝てしまうサンセールさんですが、彼の隠れた博識が見え隠れするコメントですよね(笑)。

私がようやく恥ずかしくない程度の文章力を身につけられた要因として考える最後のポイントは、理系の大学時代に書いた各種の論文や、実験のレポートや、ゼミでの説明資料なんです。結構たくさん書きましたね。そこで書いたのは、一般的に言うところの文章とは少し違いますが、物事を筋道を立てて論じていくことに変わりはありません。

もっと言えば、通常の文章なんかとは比べ物にならないくらい、筋の通った書き方をしていかなくっちゃならないわけです。中学や高校の数学でやった証明問題と一緒です。Cのことを証明するには、AとBが証明されなくっちゃいけなくて、Cが証明されるとDも証明できるっていうような明確な流れなわけですよね。

理系の大学の論文なんていっても大したこたぁありません(笑)。一流の大学でも何でもないもんだから、その程度だったのかもしれませんけどね(汗)。ひとつの論文を長い時間かけて作り上げるわけですが、どんなに難しい内容であったとしても、求められるのは簡潔で分かり易いっていうことだと思います。

大学の論文というと、それなりに先端分野だったりしますが、教授でもない一般学生が研究していることは重箱の隅をつつくようなことなわけです(笑)。研究の成果は芳しいものが得られていなくても、研究の内容がうまく説明できていれば、とりあえずの合格ラインじゃなかったかなぁ。

そんなこんなで、私は在学中に、筋道を立てて物事の説明をする、理論を解き明かす、持論を展開するっていう訓練を大いに積んだような気がするんです。腕まくりをして未知なる対象に切り込んでいくっていう姿勢と共に、私のブログを支えているささやかなる文章力の基礎を得られた大学時代でしたね。

得ないでもいいものも得ちゃったりしました。それは、私の女房・・・いやいやいやいや、そんなことこれっぽっちも思ってませんそんなことこれっぽっちも思ってませんそんなことこれっぽっちも思ってません、私の女房はいい女房です私の女房はいい女房です私の女房はいい女房です私の女房はいい女房です、明日メシ食わせてもらえないかも明日メシ食わせてもらえないかも明日メシ食わせてもらえないかも明日メシ食わせてもらえないかも(笑)。

》》》》》》》》》》 【ブログの記事を先に見透かしていたサンセールさん】


□□□ なんか全然酒ブログじゃねーな(汗) □□□
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上伊那そば研究会

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はい、スイマセンね。昨日、お酒を飲んで朝寝坊した反省文を書いたのに、また今日は少し飲兵衛です(汗)。「もうお酒は飲みません」って言ってたのは、私の中の別の人格ですから、彼の言ったことをいちいち遵守しなければならないというものではありません(笑)。そんなに飲んでいるわけでもないんですけどね。

「上伊那そば研究会」なんて大げさな名前の付いた会ですが、美味い蕎麦と、美味い料理と、美味い酒を飲もうっていう会です。信州大学の名誉教授の氏原先生を囲んで、年に数回ワイワイと集まります。氏原先生は蕎麦博士として名の通った方で、アジアの貧しい国に蕎麦を植える国際貢献活動を行ったり、『高嶺ルビー』という赤い花の咲く蕎麦を開発したりした先生です。

本当にバラエティに富んだ人たちが揃うんです。出版関係者、焼津の魚屋、写真家、イチゴ農家、ワインぶどう農家、ソムリエ、居酒屋、木曽漆工芸職人、週刊誌のライター、行政関係者、蕎麦打ち愛好家、もちろん本職の蕎麦屋も。今回は約30人が駒ケ根の蕎麦屋『丸富』に集まりました。

私は造りが始まっているので、時間的にとてもキツかったんですが、以前から約束をしてあったので、っていうよりもとても面白い人が来るっていうんで、ガンバッテ参加させてもらいました。その人は自分で蕎麦を打つのが好きで、今回は丸富のオヤジじゃなくって、その人が打った蕎麦をメインに楽しもうっていう趣向でした。

その人っていうのは、長野県の副知事の板倉さんです。現在の村井県知事になってから副知事は2人体制になっていますが、そのうちのひとりです。詳しい経緯は知りませんが、この上伊那そば研究会のメンバーとどこかの蕎麦のイベントで出会って、巡り巡って今回の主賓としてお迎えすることになったみたいですね。

私が丸富に到着すると、板倉さんは丸富の蕎麦打ち場でもう蕎麦を打っていました。見守る人たちはみんな蕎麦に対する一言居士ですから、あの伸し方はどうだとか、蕎麦の厚さがどうだとか、蕎麦粉はどこのものだとか言いながら見守ってました(笑)。私の見る限りでは、相当経験を積んでおられて、蕎麦の打ち方もキッチリ丁寧っていう印象でしたね。

もうすぐ60歳だとおっしゃっていましたが、そんなふうには見えない若々しい感じでした。どのくらい蕎麦好きかは、長野県の公式ホームページの板倉副知事のプロフィールに自分の蕎麦打ちホームページのリンクが張ってあることを見てもよく分かります(笑)。全て読むには相当時間がかかりそうなほど、細かく蕎麦打ちについてまとめてありますよ。私も今度参考にさせてもらいましょう。

「『信州蕎麦』は長野県が持っている最大のブランドだ!」っておっしゃってました。ご自身が蕎麦好きっていうこともあるんでしょうが、信州蕎麦を地域活性化のための目玉にしたいっていうあいさつをされました。なるほどその通りですよね。氏原先生がどんな品種の種でも用意してくれるでしょうから、それで地域おこしができれば長野県らしくていいと私も思いました。

会が始まってすぐに板倉さんの蕎麦を食べましたが、1本1本がきれいに揃った几帳面な蕎麦でしたよ。挽きたての蕎麦粉を使っているみたいで、とても美味しくいただきました。丸富のオヤジは、同じ玄蕎麦をもっと荒く挽いた粉を使った蕎麦を打ってくれましたが、これが同じ玄蕎麦からできた蕎麦なのかと驚くほど、味も香りものど越しも違ったものに仕上げてあって、とてもビックリしましたね。

今日のお酒は、地元産のワインと、氏原先生の指導でネパールで作られた蕎麦を使った蕎麦焼酎と、信濃鶴でした。1本だけ大吟醸をお土産に持って行きましたが、とても好評で、いろんな方たちとお酒についてお話しすることができました。こういう人たちに信濃鶴のファンになってもらうと、また違った広がりができて楽しいもんです。

丸富のオヤジが強引に手タレ写真を撮れというので、板倉さんと3人で撮らせてもらいました。この写真をブログに載せて今日のことを記事にしてもいいかどうか聞いて、了解をいただいたので、思いっきり載せておきましょう(笑)。とても気さくで、偉そうなそぶりを見せない副知事さんでした。板倉さん、今日はごちそうさまでした!

》》》》》》》》》》 【板倉副知事のプロフィール】


□□□ 最近のランキングはこう着状態? □□□
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反省文

僕は今日、朝寝坊をしました。お母さんに「夜更かししちゃダメよ」とか、「夜遅くまでいろいろ食べてちゃダメよ」とか、「悪い人たちと付き合っちゃダメよ」とか、「お酒に飲まれちゃダメよ」とか、「規則正しい生活をしなくちゃダメよ」とか、いつも言われているのに、それを全部破った罰が下ったんだと思います。

どうして大人はお酒なんか飲むのかなぁ。昨日は僕も大人の仲間入りをしたつもりで、信濃鶴っていう自分で造ってるお酒をたくさんたくさん飲んでみたんだけど、あんなの全然美味しくないや。大人の人たちに「お前の仕事はこれだ!」って言われているからお酒造りをしてるんだけど、どうしてあんなもの造りたいのか分からないね。

それで、どのくらい寝坊をしたかっていうと、蔵人のKさんが、朝仕事を始めようとして杜氏の部屋に入ったら、そこでまだ僕は布団の中で寝てたんだ。そんなこと今までになかったことだから、Kさんはもしかしたら僕が死んでるんじゃないかって思ったかもしれないな。朝の仕事が何にもしてないから、おかしいとは思ってたんだって。

でもね、昨日のブログの投稿時間を見ると夜中の2時頃になってるから、お酒飲んで帰って来て、それなりに意識はハッキリしてたんだ。記憶は飛んでないし、いい子でおねんねしたんだよ。それが、一度も目が覚めないでそんな時間まで寝続けちゃったなんて、20年近い蔵の生活で初めてだよ。

だって、今日の夕方になったら、いつも使っている2つの目覚まし時計が両方とも鳴り始めたんだよ。っていうことは、朝もずーっと鳴りっぱなしのまんまだったと思うんだ。目覚まし時計をかけ忘れたんじゃないかって思ってたんだけど、そうじゃぁないみたい。不思議だなぁ。そんなに深い眠りだったのかなぁ。

そういえば、昨日行ったぶんぶんっていうお店で、知り合いのacbのおじさんが会社の人たちと一緒に飲んでたよ。いつも怒られっぱなしだから、このおじさんと会っちゃったのも寝覚めが悪かった原因かもしれないな。でも、社員の人たちと真剣にお話をしているみたいで、おじさんの会社はいい会社なんだろうなって思ったよ。

案の定、今日はやることなすこと全部うまくいかなかったね。ザルを洗って外に干しといたら突然の寒さで凍っちゃって使えなくなるし、お米を洗う作業ではお水を吸わせ過ぎちゃって大変なことになっちゃうし、大事に育てていた麹の温度は思うようにならないし、おまけに風邪をひく始末さ。

昨日のブログで、「飲みに行くぞー!」なんて書いといて、まるで絵に描いたように今日寝坊するなんて、僕ってとっても純真なんだと思うんだ。きっと、この純真さがいいお酒造りにつながっていくはずさ。今日はとっても反省しているから、この反省を生かして、いくら飲んでも朝寝坊しないお酒を造るつもりだよ。

こんなこと恥ずかしくて、とても人には言えないや。だから、絶対に秘密にしておいてね。社長とかに言っちゃダメだよ。もうお酒なんて飲みません。それに、嫌がる僕に、無理やりお酒を飲ませたIさんっていう人とも、金輪際合わないことにします。だから、どーか、どーか、どーか、許して下さい。


□□□ あまりの面目無さに突如として子供返り(涙涙涙笑笑笑) □□□
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ごあいさつ

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岳・・・今晩、11時に『ぶんぶん』っていうのは、いかが?
I・・・ちょうど連絡しようと思っていました。
    いいんじゃないでしょうか。
    でも、もう少し早めにならん?
岳・・・ならん!
    一応その予定でいてください。
    また連絡します。
    先に飲んでてもいいし。
I・・・了解!

短いメールのやり取りで、全ては決まっていくのでした(笑)。夜11時過ぎに飲みに誘える人間はそう多くはありません。昨年までとちょっと酒造りのペース配分が違ってきている今年は、夜中とは言え、なかなか飲みに出る機会も作れませんでした。例年ならもっと早い時期に、この『真夜中の入蔵祝』をやってもらってますが、今年は今日やることにしたんです。

蔵への泊まり込みが始まって、もう1ヶ月以上が過ぎているのに、この期間の行きつけになる『ぶんぶん』にまだ挨拶に行っていません。「冬になったら来るねー」なんてブンマス(ぶんぶんのマスター)に言っておきながら、約束が守れていないような気がして落ち着きませんでした(汗)。

会社に近くて、夜遅くまで営業していて、わがままが言えるってなると『ぶんぶん』になっちゃうんだよなぁ。いつ転がり込むか分らないし、夜中に飯を食べに行くかもしれないし、とにかく最初にキッチリと仁義を切っておかないと、気難しいブンマスはへそを曲げるかもしれませんからねぇ(笑)。

年間のトータルで言えば、間違いなく『越百』が私のホームグラウンドになりますが、えっちゃんは夜遅くまでは営業しないので、冬の間は私が飲みに行く時間には、もうお店は閉まっちゃってるんですよね。暖簾は出てなくても、中にみんながいれば私も転がり込みますが、なかなかそういうわけにはいきません。

そこで、酒造り期間中限定の行きつけが『ぶんぶん』になるわけです。なんと『越百』の隣です(笑)。あの狭い路地に並ぶ2軒の居酒屋に、1年中通ってですよねぇ(汗)。会社からまちへ出ようとするとその辺を通るもんだから、結局そこで捕まっちゃうんですよね。私にとっては、一番落ち着く横丁なんでしょう。

なんでIさんに11時にって言ったかっていうと、とにかく飲みに出る前にブログだけ書いちゃおうと思ったからです(汗)。いつもブログのことが頭を離れないなんて、何と可哀想なことでしょう(涙)。でも、もう書いちゃいましたら、気持ち良く飲んできますよ。じゃ、行ってきますね!

ここからは飲んで帰ってきてから書いてます。写真はブンマスとIさんと私です。いい気分で飲んできました。やっぱり信濃鶴は美味しいねぇ(笑)。早く寝なくっちゃならないので、このへんで寝ますね。スイマセン、酔っ払いで。明日この記事読んで、後悔するんだろうなぁ・・・(汗)。


□□□ 明日の仕込みはつらいぞー(汗) □□□
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文章力(つづき)

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昨日の記事を読んだ女房が、「本をたくさん読んでるのに、ろくな文章が書けない女房で、悪うございましたね!ムッときたから、今日あなたのブログのランキングへのクリックしてないからっ!」と、家に帰るなり言われました。女房を怒らせることなく、うまいこと真実を伝えられないんですから、私の文章力も大したことありません(笑)。

さて、私がかろうじてこのブログを続けるくらいの文章力を培ってきた、その理由のひとつが読書だったんじゃないかって昨日書きました。もうひとつの理由として思い当たるのが・・・これは、あまりいい記憶じゃぁないんですけど・・・思い起こす度に頬を涙がつたいます(ウソウソ)。

それは、私のお袋の教育だったって言えばいいかな。私は小さい頃からそれほど勉強はできませんでしたが、算数や理科は好きだったんです。その代り国語や社会は大の苦手でした(汗)。特に作文や日記の類は、なにがなんでも嫌いだったと言えます。その作文に対する嫌悪感に更に輪をかけるような教育方針を、我がお袋様は持っていました。

どーゆーことだったのかって言うと、「必ず下書きをしなさい」という言いつけを守らされていたんですよね。原稿用紙に書く前に、まずは広告の裏に下書きをして、それをお袋に見せて、真っ赤っかに添削を受けてから清書してました。文字を書くだけだって嫌なことなのに、下書きなんかしてたら2倍の文字数を書かなくっちゃなりません(涙)。

あれはイヤだったなぁ。作文や日記の宿題なんて、そんな手順を踏んでたら時間だって2倍以上かかることになるし、自分の書いたものを手直しされるっていうことが自分を否定されるような気分でもあったし、何よりも「俺が言いたいのは、そんなことじゃぁねーんだ!」っていうような内容に変貌していくのが、いと哀れなりでした(涙)。

私の反論は、「そんなにお袋の意見を取り入れて作文書いてたら、そりゃぁ俺の作文じゃなくて、お袋の作文になっちまうじゃないか!」っていうことでしたが、そんなこと聞き入れてはくれませんでしたね(涙)。しかし、お袋もその辺はわきまえていたでしょうから、もし今その作文を読んでも、見違えるほどの出来になるというほどの手直しではなかったんだと思います。

でも、今から思えば、ありゃぁいい訓練になってたと思うんですよ。学校じゃぁマンツーマンでは作文は教えてはくれませんから、そうやってお袋が私に関わってくれていたことは、後々大きな力になっていったと思います。単に表現を変えるだけじゃなくて、初稿を推敲することで、必ず初めより良い文章にすることができる方法論を学んでいくことができたような気がします。

その時点で何か具体的なやり方を理解していたっていうわけじゃなくて、その後の私の成長過程で何かを表現しようとした時に、どこをどう書き変えて、どう組み替え直すと筋道が通った分かりやすい文章になるのかを考える、ひとつのきっかけを植え付けてもらったんだと思います。あんときゃ、クソババアと思ってましたけどね(笑)。

しかし、小学生にそんなこと分かるわけもないですし、とにかく何回も書き直しを食らうのが我慢できませんでしたね。大学に入ってワープロを使い始めた時には、「こりゃ、いくらでも簡単に推敲ができるじゃないか」と狂喜したのを覚えています。え!このブログですか?全然、推敲なんてしてないですよ(笑笑笑)。


□□□ 半分寝ながらブログを更新する毎日です(涙) □□□
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文章力

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数日前のコメントで、酒恋倭人さんに「岳志さんはなかなかの文章力ですよ」なんて、ちょっと褒められちゃったもんだから、えらく図に乗っている岳志です(笑)。案外、これまでもいろんな人から同じようなことを言われたことがあって、日本一の純米酒が造れるようになった暁には、人気作家を目指そうと思っている今日この頃です(嘘)。

このブログを始めたのは、先日も記事にしたようにacbさんにケツを叩かれたからであって、文章を書くのが好きだとか、みんなに読んでもらいたいとか、作家願望があるなんてぇことじゃぁないんですよね。自分で文章を書くのが得意だなんていう意識は全くありませんし、多少人様に褒められても自分としては心底そうは思えないわけです(汗)。

しかし、たまに人に褒められると、「おぉー!俺ってもしかしたら才能あるかも・・・」なんてバカなこと考えるわけです(笑)。でも、もしももしももしも、このブログを読んでくれている読者の方が「岳志の文章は読み易い」なんて思ってくれているとしたら、そんな文章をちょっとでも書けるようになった理由がいくつか頭に思い浮かぶんです。

まず第1によく読書をしたっていうことですかね。これは、文章を書くにしても読みこなすにしても、どーしても必要な訓練じゃないですかね。それも、小さな頃の読書が重要な気がします。小さな頃によどみなく流れる文章を頭の中に焼き付けてしまうと、大人になってもその轍から外れない文章を書く努力ができるっていうか・・・。

なんでそう思うかっていうと、この歳になって私はほとんど読書なんてしなくなりましたが、私の女房はたくさん本を読んでいるんです。しかし、書く文章は割にお粗末・・・いやいやいやいやいやいや、今のは聞かなかったことにしといてくださいね(笑)。ですから、娘にはなるべくたくさん本を読ませるようにしています。

私は小学生の高学年の頃は、図書館通いをしてました。シャーロック・ホームズとか怪盗ルパンのシリーズがあったじゃないですか。そんなのは全部読破して、よくしたもんでその他の文学にも手を出してましたね。その反動なのか、他にもっと楽しいことがあったのか、中学高校は全然本は読まなかったんですけどね(汗)。

その後、全く勉強をしなかったので大学には受からずに、1年間浪人生活をしていました。その1年間は楽しみが他に何にもなかったので、毎日必ず1冊ずつ単行本を読んでました。かなり厚い本でも、だいたい1日で読み切っていました。予備校の寮のそばの本屋に毎日通ったものです。

「あなた、もうちょっと文学読みなさいよ!経営の指南書のようなものばかり読んでるじゃないの!そんなんじゃ、心が干からびちゃうわよ!」・・・女房によく言われるんです。正にその通りだと思いますね。最近じゃ、経営関係の本も読まなくなっちゃいました。あんまり人の成功体験ばっかり聞いててもつまんないしねぇ。

名作と呼ばれる作品は、簡潔で無駄のない文章で構成されていて、言いたいテーマも明確で、それを外しません。毎日チョコチョコと書く、素人のブログとは比較になりませんが、それを真似しようとする意識くらいは持ってもいいでしょう。毎日のブログの中に、言いたいことをひとつ入れるだけでも、大変な創作活動だと思いますよ。

長くなりましたから、続きはまた明日。写真は、今日の話題とは全く関係なくて、昨日の夜の『スマイル星座天体ショー』のもの。会社帰りに、こりゃ面白いと思って撮りましたが、右側の目が暗くて上手く映ってませんね。携帯のカメラで望遠で撮っているので、手がブレて3重に写ってます(笑)。

》》》》》》》》》》 【酒恋倭人さんのブログ】


□□□ めざせ!ノーベル文学賞(笑笑笑) □□□
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品質評価

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私の仕事机の上に、何やら小さな袋がいくつも並んでいます。一体こりゃ何でしょうか。白い粒々が同じくらいの量ずつ入っています。酒蔵で毎日造られているものです。お酒の味を決定する、最も大切なものだと言われています。こいつの面倒を見るために、朝早くから夜遅くまで、蔵の中を行ったり来たりしているようなもんです。

お分かりですね。そうです、これは出来上がった『麹』です。麹菌が蒸米の表面に付着して菌糸が伸びて、蒸米の表面を白く覆ったようになったもの・・・っていう言い方で分かりますかね。見たことのある方には説明の必要はありませんが、今では麹なんて見たことも触ったこともないっていう人も多いですからね。

触った感じは、ちょっと乾燥してポロポロになったご飯っていう感じでしょうか。表面は白い菌糸で覆われていて、ひと粒割って見ると、その菌糸の塊が中心に向かって伸びています。食べると、ちょっと硬いのもありますが、噛みしめているうちに甘さが出てきます。まあ、食べて美味しいもんじゃぁありませんけどね。

この麹、蔵では毎日のように造られているわけですが、毎回同じような出来上がりかっていうとそうばかりではありません。同じように造ろうとする場合もあるし、造り方を少し変えることで別の使用目的の麹にしようとする場合もあります。それよりもなによりも、相手は生き物ですから、たとえ同じように造ろうと思って同じ作業手順を踏んでも同じ麹にはならないんです。

見た目はほとんど変わりないんですよね。上の写真を見てもどれも一緒っていう感じでしょ。でもね、毎日造っていると分かってくるんですが、味、香り、手触り、菌糸の状態がちょっとずつ違うんですよね。その違いはハッキリとしたものじゃなくて、何となく違うって言うレベルなんです。

こっちが何となく違うって感じるんですから、やっぱり違うのは確かなんです。でも、何がどのくらい違うのかは、感覚だけからでは推し量れない部分です。そこで、自分の五感による判断だけじゃなくて、客観的な分析が必要になってきます。毎日理想形に近い麹を造れていれば問題ありませんけど、なにせ未熟な杜氏なもので、ハイ・・・(汗)。

そりゃぁ、私たちはこれでもプロですから、ある一定品質の範囲内に収まるようには造っています。それでも、その年の米質の違いだとか、使っている機械の調子だとか、作業手順の変更なんかで、これまで通りに出来ているのか知りたい場合があります。そういう特別な状況でなくても、毎日の品質管理っていう点においては、こちらの意図した麹になっているのか日々点検しなくっちゃなりません。

それじゃ、その客観的な分析を我が社でできるかっていうと・・・できないんだな、これが(笑)。当然、ある程度の規模のお蔵さんになれば分析できる設備をお持ちでしょうが、長生社のような小さな蔵では普通はやってないでしょうね。そこで、長生社では麹菌を売っている業者さんにお願いして分析してもらっています。

分析するって言っても、味とか香りとか手触りなんていうのを分析するんじゃありませんよ。具体的には『酵素』っていう、麹が持っているお酒造りに必要な物質の強さを測定するんです。強さなんて言うとあいまいな表現になっちゃいますが、「お米の成分を分解していく力」くらいに考えてください。

いろんな種類の酵素がありますから、それぞれの酵素の強さや、そのバランスを見ていきます。強い方がいいのか弱い方がいいのかは、その酵素によります。私たちが注目するのは4種類くらいの酵素ですが、先端の研究論文なんかを見ると、その他にもお酒造りに重要な役割を担っている酵素がいくつかあるようです。

昔はよく分析してもらったものですが、最近は機会が少なくなりました。しかし、本番の仕込みに入る前に、今年の傾向くらいはつかんでおいた方がいいでしょう。写真の麹は、今年の造り始めの何回か分の麹です。分析してもらおうと、使っちゃう前に採っておいたんです。今年の信濃鶴の味を占う分析結果はどう出るでしょうかね。


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蔵ブログ

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「コイツ、ブログばっかり書いとって、酒造りに熱が入っとらんのと違うか?」と思われると癪に障るので、酒造りの方の話題も入れていかなくっちゃなりませんね(笑)。ただねぇ、毎年この時期に悩めるのは、どうやって酒造りの情報を皆さんにお伝えしていくのがいいのかっていうことなんです。

こんな作業をやってます、あんな風になりました、何々の酒を搾りましたっていう感じに散発的に面白そうな事柄を紹介していくのがいいのか、酒造のテキストのように一本の決まったラインに沿って話を展開していくのがいいのか・・・。前者はそのうちに同じような話題を繰り返すことになりそうだし、後者はある程度深くまで説明できるけど単調になりそうだし。

このブログの読者の皆さんも、それほど詳しくは酒造りの理論なり工程なりを知りたいわけじゃぁないでしょうし、ブログっていうものの性格上、今のところ単発的に皆さんの興味がありそうなことを記事にしているんですけどね。どうも自分の中では、うまいことまとめた形で皆さんに見てもらいたい気持ちがあるみたいで、何とかならんもんかと気を揉んでいるじゃないでしょうかね(汗)。

思うところあって、昨年の冬には記事をアップしなかったんですが、このブログのカテゴリーのひとつに『蔵開放onBLOG』っていうのがあって、蔵の中を案内するようなつもりで書いてた記事があったんです。これは復活してもいいのかなぁなんて思ってます。一般論じゃなくって、長生社の蔵のことですから意味があるでしょうね。

あとは、酒造りの理屈っぽい部分を筋道を立ててお伝えできないかと思ってるんですが、これをやるとたぶんつまらなくなると思うんですよねぇ。でも、ある一部分だけを取り上げて説明するってぇのも難しい話だしなぁ。まあ、あんまり詳しいこと書こうとすると、私の知識の無さが露呈するかもしれませんから、そんなにやりたい企画でもありませんけどね(笑)。

もうひとつ、蔵の中の酒造りの記事での悩みがあるとすると、変化がないっていうことなんです。毎日飽きもせずに同じこと繰り返してんですよね、酒造りの仕事って。ですから、トピック的に「今日の面白い仕事はこれでした!」って、自分の意識に引っ掛かってくるものが少ないんですよ。

毎日同じ仕事を繰り返している中で、酒造りを知らない人なら面白いと思うだろうことを見逃している可能性は高いでしょうね。それに、ブログを書くっていうこと自体が自分の意識の中で特別なことじゃぁなくなっているので、ネタを探そうっていう気持ちも吹っ飛んでるんです(笑)。感度を高くしておかなきゃイカンのですけど・・・。

そろそろ、蔵以外の話題が無くなってきてるんだな、きっと(笑)。蔵に入り浸っているっていうか、蔵で生活しているわけですから、探そうったって蔵以外の話題が見当たらなくて、「さて、蔵の記事をどー書きゃもんか」と思い始めたから、訳の分からない今日の記事になっちまったわけなんだな(汗)。

こんな独り言のようなブログでスイマセンでした。これで、ブログの話題も酒造りになっていっちゃうと、もう逃れられないっていう思い込みがあるのかな。これからの楽しみは、我が子のように育て上げたお酒が搾り出される瞬間でしょうか。酒の味見をしながらブログを書く生活が始まります。


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