
頭の中はメガオフ会の余韻で脱け殻状態でしたが(笑)、会社では少し前から粕詰め作業が本格的に始まっています。毎年この時期からお盆にかけての期間は、酒かすを袋に詰める作業が続きます。別に人様にお見せするわけでもありませんが、酒蔵のひとつの風物詩ではありますね。
酒粕っていうのはどのくらいできるか、読者の皆さんは想像できますか?簡単に言っちゃえば、白米1000kgの仕込みをすると、最終的に酒粕は250kgから多いもので400kgくらい出るんです。これも簡単に言っちゃうと、高級酒ほど酒粕を多く出すような造り方になります。大吟醸クラスになると、もっと出るんですよ。
今年の信濃鶴の粕の総量はたぶん15トン以上あるでしょう。これを長生社では3.75kgか3.0kgの袋に詰めていくんです。単純計算すると、3.75kgの袋ばかりに詰めるとすると4000袋詰めることになります。これが全部手作業なんだから、ちょっとゲッソリする数字なわけです(汗)。
昔は使い勝手の良い容器がなかったんです。自分の身長よりも深いような、容積としたら5000リッターくらい入るタンクに冬の間酒粕を放り込んでおきます。そして、粕詰めをする時には中にスコップを持ってひとり入って、外の小さな容器へ掘り出していました。足元が粕でぬかるんで、私の嫌いな作業のひとつでしたねぇ。
今長生社で使っているのは、写真の奥に見える青いプラスチック製の容器です。容積は1000リッターで、酒粕とすると約900kgが入ります。圧搾機から落とした酒粕をこの容器の中に入れてしまえば、あとはリフトで簡単に移動ができるので、とても重宝しています。
この容器に入れた酒粕は、粕詰めをするまでは大きな冷蔵庫に入れておきます。あまり他のお蔵さんでは聞きませんが、この駒ヶ根という地域は酒粕は硬い方がよく売れるんですよ。理由を聞くと、漬物をする時に焼酎や砂糖を混ぜるので、元の酒粕が軟らかいともっとベトベトになって扱いづらいとか、何回か繰り返して使うために、最初は硬くないと次第に軟らかくなっちゃって困るとか・・・。
この、「硬くなくっちゃ」っていうのは、酒蔵泣かせなわけです。普通なら外気温と同じところに置いておきます。すると酒粕の中にはまだたくさんの酵母菌が生きていますから、更に発酵が進んで酒粕は軟らかくなっていくんです。これを食い止めるためには、冷蔵庫の中に入れておくしかないってことになります(涙)。
更に泣かせられるのは、硬い酒粕と軟らかい酒粕だと、袋に詰める時の詰め易さが変わってきます。軟らかい方が断然詰め易いんです。硬いとぐいぐいと中に押し込まないと、きれいに詰まらないんですよね。大変なことだらけの硬い酒粕なんですが、これもお客様のご要望とあれば仕方のないことです。
この酒粕を、手でひとつずつ袋に詰めていって、写真の中央にある秤で重さを整えて、それを手前に写っているビニール袋の口を熱で圧着する機械で空気を抜きながら封をしていきます。今日も1日中この作業をやってましたが、人手が少なかったせいもあって、せいぜい200袋がいいとこですかねぇ。これを、4000回繰り返すわけだ。めまいがしそうでんがな(笑)。
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