専務取締役杜氏の純米酒ブログ

期せずして杜氏になっちまった造り酒屋後継ぎの純米蔵奮闘記

田植え(つづき)

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昨日の記事の続きです。「飯島町で有機栽培の手法を使って特別栽培米に挑戦する農家がいるから、是非信濃鶴の酒にしてほしい」っていう面白そうな話が舞い込んできたっていうところからですね。

これまで農家さんと個人的に契約栽培の形を取るっていう事はやったことがないわけですし、これまでのJAさんや県の酒造組合との関係もあることなので、どうやってよいものやらまだ分からない部分の方が多いんです。でも、この田んぼのお米は間違いなく信濃鶴で使えるっていう確約は、とてもウキウキするものがこみ上げてきますね。

その農家の名前はHさん。脱サラして農家を始めたとおっしゃっていましたが、それ以前にも農業関係の会社におられたそうなので、専門家であることに違いはありません。私より10歳くらい年上ですが、とても気さくで話しやすい感じのオヤジさんです。初めてお会いした時も農業に対する熱いものを感じましたし、自分だけじゃなくて飯島町全体の農業を良くしたいという考え方にとても共感を覚えました。

有機栽培に取り組み始めてからそれ程年月が経っておられるわけではなくって、Hさん自身も有機栽培にすれば全てが良くなるとはまだ思えていない段階だそうです。そんな中で有機栽培的に美山錦を育ててみるという試みも、そうすることで収量が上がるとか、買い取り価格が高くなるというような方向を模索するひとつのステージなんだと思います。

稲作の他に、スイカとアスパラガスを栽培していて、それらも化学肥料を押さえるやり方で作って、契約している県外のスーパーにそれなりの付加価値を付けて売っています。有機栽培の手法を取り入れて、半信半疑ながらも「いいアスパラができるようになった」っておっしゃってましたから、美山錦にも期待できるんじゃないでしょうかね。

「醸造も農業だと思います」っていう私の意見にもとても理解を示してくれて、私の酒造りに対する思いも分かっていただけたんじゃないかな。食の安全とか、地産地消だとか、環境問題だとかいろいろと話をしてみて、気の合う部分の多いオヤジさんでしたから、これからの成り行きも楽しみです。

有機栽培とか減農薬栽培というお米で造られたお酒は、現在いろいろと出回っているんですよね。別に贔屓目で見るわけじゃないんですけど、私はそれらのお酒って美味しいと思うことが多いんです。それは、吟醸的な美味しさとはちょっと違って、落ち着いたというかホッとするような美味しさなんですけどね。信濃鶴もそういう味が出てくるとうれしいと思えるような美味しさです。

美山錦の量とすればほんの少しですし、多分そのお米だけの単独のもろみをたてるにしても、単独の製品にして一般小売店さんに流通させることは出来ないでしょう。麹米で使ったりしてみて、どんなお酒になりそうなのか研究してみるっていう第1段階の年にしたいと思っています。

実は、今日たまたま飯島へ向かう用事があったので、ブログにも載せようと思って、例の2枚の田んぼに行って写真を撮ろうと思ったんです。田んぼの脇に車を止めて、土手に入っていくと携帯が鳴りました。「Hです。今あんたがいる田んぼの隣のスイカ畑にいるよ!」と。遠くを見ると、はるか向こうで手を振っているHさんがいました(笑)。

今の生育の状況や他の田んぼとの違いなんかを、直接田んぼを見ながら説明してもらえました。今年はこの田んぼをメインに、昨年よりは頻繁に美山錦について定点観測レポートができそうです。上の写真2枚は昨日の写真の2週間後になります。最後の写真はHさんと彼が手入れをしていたスイカの苗です。


□□□ また1位に返り咲きました □□□
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